ア「おいマギルゥ。お前は昨日妹がどこぞの馬の骨と神衣をするかもしれないと言ったな?」
マ「ん? 言ったかのぅ?」
ア「言っただろうが!」
エ「アイゼン。その話題はもうやめておいたほうがいいのではないかと思います」
ロ「確かに。無駄に疲れるだけだと思うぞ。それに先のことは誰にもわからんしなぁ」
ア「まぁ聞け。それについてちゃんと答えを出す事ができた」
ア「俺は……エドナが決めた相手ならば文句はない」
エ「え?」
ロ「ほう?」
ア「妹は少々気難しいところがある。しかしそんな妹が気を許すと言う事は人間としても多少は信用できると言う事だろう」
エ「立派ですアイゼン」
ロ「ああ。妹の気持ちもちゃんと尊重するいい兄貴だと思うぞ」
ア「ふ……せいぜい相手の男を二、三千発殴るだけで勘弁してやるさ」
エ「相手が死んでしまいますが!?」
ロ「いや、それよりお前……血の涙が出てるぞ」
ア「ぐ……(ゴシゴシ)。どうだマギルゥ。これが俺の答えだ」
マ「どーでもいいわい」
マ「わしは今後世に伝える歴史の真実を書き留めるのに忙しいんじゃ」
マ「くく……災禍の顕主の赤裸々な秘密を書き連ねてやるわい」
エ「マギルゥ。ベルベットにばれたら大変ですよ?」
ア「それより俺の一大決心をどうでもいいなどと言うな!」
ロ「まぁまぁアイゼン。とりあえず妹に男ができても祝ってやると言う事だろう。そのときはお互い心水でも飲みかわそう」
ア「勘違いするな。神衣は許しても恋人など絶対に許さん」
ロ「そこはかわらないのかよ……」
ア「もっとも男ができたとしても俺と妹の絆は変わらんがな。この金剛鉄のように」
エ「金剛鉄! また手に入れたのですか?」
ア「ああ。ホワイトかめにん経由で手に入れたコイツも妹に送ってやろうと――」
マ「しかしアイゼン。もしもその相手の男が二股をかけていたらどうするつもりじゃ?」
ばぎっ!
ア「……あ?」
エ「ひいっ!(金剛鉄を……握りつぶした!?)」
ロ「……死神の呪いで砕けたんだよな?」
エ「そ、そうですよ。そうに決まってます。怖いですね死神の呪い」
ア「マギルゥ……どういうことだ?」
マ「そのままの意味じゃよ。聖寮の対魔士も複数の聖隷を使役しておるじゃろ?」
マ「使役ではなく契約になると思うが、契約する精霊は多い方がいいでの」
ロ「そうなのか?」
マ「聖隷には属性がある。もともと対魔士は地水火風全ての属性の聖隷と契約するのが理想的じゃ」
エ「私も聖寮では複数の聖隷と契約していましたが、それは意思のない状態で使役したからできた事です。ですが契約となると難しいのでは?」
マ「じゃの。生まれ持っての素質や霊応力に左右されるが、逆に言えばそれができると言うことはたいした奴だとも言えるの」
ロ「なるほど。ということは地水火風の四股かけられる男はすごい奴って事か」
ア「四股だと! 妹にそんなふざけた真似するのはどこのどいつだ! ぶっ殺す!」
マ「お主の妹は四股男に引っかかって旅に出るかもの」
ア「てめぇマギルゥ!」
ロ「そうだぞ。引っかかった時点ではまだ二股か三股辺りかもしれん」
ア「やはり妹の神衣など認めねえ! どうしてもって言うんなら俺を倒してからにしてみやがれ!」
エ「ああ、もう。またこんなめちゃくちゃに……」
エ「ベルベットも止めてくだ――あれ? そういえばベルベットとライフィセットは……」
少し離れたところで二人が座っている
ベ「いいフィー? あたしは神衣をしちゃ駄目っていってるわけじゃないの。相手はキチンと選びなさいって言ってるのよ」
ラ「うん。相手はキチンと選ぶ」
ベ「それと相手にひどい事されたらあたしに言いなさい。ガツンと言ってあげるから」
ラ「うーん、少しくらいひどい事されても……慣れてるし」
ベ「ってあんたまさかもう神衣したい相手がいるの!?」
ラ「ええっ!? そ、それは……」
ベ「誰? 男ならはっきり言いなさい。言っとくけどエレノアは駄目よ。マギルゥは論外」
エ「なんでですか! マギルゥはともかく私はライフィセットの器なのですよ!」
ラ「あ、エレノア」
ベ「あんたなにいきなり来てるのよ」
エ「そんなことよりも、どうして私では駄目なのか説明を求めます」
ベ「そんなのなんか悔しいからに決まって――あ、あんたのバカ真面目がフィーに移ったら大変でしょ」
エ「なんですかそのふざけた理由は!」
ベ「それよりフィー。神衣したい相手がいるのなら教えなさい。あたしが大丈夫かどうかテストするわ」
エ「あ、そうですね。それは大切です。さぁライフィセット、どうなのですか?」
ラ「そ、その……いないよ」
ベ「嘘ね」
エ「嘘ですね」
ラ「嘘じゃないってば!」
ベ「あんたが嘘ついてるかどうかなんて髪の毛でわかるのよ」
エ「今のは嘘をついているときの動きです」
ラ「か、勘弁してよ~」
ビ「みんな楽しそうデフね~」
グ「はぁ……あれが導師と聖主にケンカを売りに行こうとしてる災禍の顕主一行だなんて誰も信じないでしょうね」
ビ「グリモ姐さん。僕ちょっと不安なんデフが……」
グ「ふぅ……勝てるかどうかって事?」
ビ「いえ。なぜか最近僕の存在忘れられてるんじゃないかって不安なんデフ」
グ「……あっそ」
グ「実際忘れられてるんじゃない?」
ビ「ソーーバッド!!」