感想ありがとうございます。
なかなか面白い感想が来ましたね。
意識が戻ってきたのはそれから数時間立ったころだった。カーテンで仕切られているベッドの上に寝かされている。薬品の混じった独特の匂いが鼻を刺激する。ここがどこかを把握するためにそっとカーテンをめくった。
視界に映るのは肌色の2本の何か。細すぎず太すぎず健康的で引き締まっており、そういう趣味のない僕でも見とれてしまうほどきれいだった。
それは僕の視界をふさぐように仁王立ちしていた。
「何でこんなところに太ももが?」
気絶して鈍くなっている頭で考える。その1人体模型説。保健室にあるところもあるけどベッドの近くにはいないだろうと、即座にその考えを否定する。その2マネキン説。そもそも学校にマネキンはないか。よし、一旦ベッドに戻ろう。亀のように首を引っ込めようとしたところで、甲羅もといカーテンがはがされた。
「何をしているんですの?」
氷のように冷たく、刺々しいくも聞き覚えのある声。
「姉さんこそ保健室で何してんの?」
「さすがにやりすぎたと思って様子を見に来ただけですわ」
腕を組み、安いツンデレのようにプイッっと顔をそらす姉さん。その顔が少し赤くなっているのは気のせいだろうか? まあ僕の気にすることではないか。
「大丈夫みたいだしそろそろ行くかな」
「心配して損しましたわ」
勉強大好きな姉さんがわざわざ授業を放置してまで来てくれたみたいだし、一応礼ぐらいは言っておくか。
「心配してくれてありがとう」
恥ずかしかったのでそれだけ言うと教室へとダッシュする。そういえば保健室の先生はどこに行ってたんだろう?
教室についてすぐに僕は小窓から様子をうかがおうとしゃがみこんだ。いきなり入ると変な注目を浴びる恐れがあるからだ。
ばれないように一瞬だけ顔を出してのぞくとなぜか誰もいなかった。
「なんだよ。移動教室か?」
誰もいないとわかると扉を開けて堂々と入る。教室にはってある時間割を見ると体育時間のようだ。行ってもたぶん見学になるだろうし、学校でも探検するか。そう決めて教室から出た。
といったものの、特に面白いものはなく中庭の自販機でジュースを飲んで座り込こむ。学校の壁にもたれかかっいる姿は傍からみたら不良っぽいかもしれない。というか状況だけ見れば完全にそのものか……。まあこんな時に人はいないか。呑気にそんなことを考えながら目を閉じる。初夏の心地よい良い風が髪や頬を撫でては去っていく。
「何でこんなところに先客が……」
「へ?」
完全に気を抜いているとそこに誰かの呟く声が風に乗って聞こえた。突然のことで出たというより漏れたに近い声が喉から発せられた。平静を装い目を開きあたりを見回す。人らしき影は見当たらない。つまりこれは、
「なんだ? 幽霊か?」
「誰が幽霊よっ。私は堕天使ヨハネよ」
ツッコミながらベンチ影から顔を出してきた少女。髪はダークブルー姫カット。その髪の一部を団子のようにしている。
「そんなこより今は授業だぞ? 何でこんなとにいる? とういか堕天使ってなんだ?」
矢継ぎ早に質問を飛ばす。気になったら早めに解決したい派なのだ。
「あんたに言われたくないわよ!!」
怒りながらなぜか僕の隣に腰を下ろす。確かこの人どこかで見たことある気がするんだが。
「確かに」
「それに私は津島善子」
「確かにさっきヨハネっていっ、んぐっ」
「忘れなさい」
僕の口を塞ぎ脅してくる堕天使さん。声が出せないのでうなずく僕。その反応に納得したのか口の拘束が解かれる。
「あなた名前は?」
「黒澤です。って同じクラスだよな?」
「えっ? ああだよねー。知ってる」
こいつ絶対忘れてただろ。
「で?津島さんは何でここにいるの?」
「いやーそれーはそのー。たまたまと通りかったから寄ってみたっていうか」
あまり触れられたくない話題なのだろう。ならここは気を使っておくとするか。
「ふーんそろそろ授業終わるし僕は教室にもどるかな」
「え?」
「じゃあそういうことで」
後ろに手を軽く振りながら教室へと戻っていく僕。背後から大声が飛んできた。
「待ちなさーい」
「なんだよ?」
「戻る前に一つだけ質問。私のことどう思ってる?」
なんだこの質問? 何こいつ僕のこと好きなの? いやそれはないだろう。となると印象を聞いているんだろう。
素直に答えていいのかだろうか?
「変な奴」
「バカああああぁぁぁぁ」
なぜかビンタを食らいまして口の中が切れたので保健室へと逆戻りとなった。やっぱり今日は厄日か? というかなんだこの女は?