Aqoursと蒼玉の物語(編集中)   作:すいーと

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逃亡する堕天使

 教室にはまだ誰もおらず、貸切状態だった。普段の僕であればテンションが上がって、ダンスのひとつでも踊っていたところだが明け方からたたき起こされ、書類と格闘させられたため今は少しでも寝て授業に支障をきたさないように机に突っ伏して眠る。熟睡とまではいかなかったが、かなり深く眠ってしまったようだ。

だんだんと騒がしくなってきて目が覚めた。

ぼんやりとしている視界に人影をとらえる。目の前に誰かいる。

だんだんと視界がはっきりとして、その姿が目に映った。

 

「何してるんだ? 花丸ちゃん」

 

「ルビィちゃんが起こしてあげてって」

 

「ありがとう」

 

うしろにいるんだから直接起こせばいいものをと思いつつ花丸ちゃんに礼をいいルビィのほうをチラッと見る。

僕たちが会話しているのを見てなぜか満足そうに何度もうなずいてる。我が妹ながら謎だ。

 

 

 そんなことをしているうちにいつの間にか先生が来ており、朝のHRの時間となった。

 

「1時間目は皆さんに自己紹介をしてもらいます。それが終わったら委員会決めをします」

 

先生はそれだけ告げると用意のためか、立ち去っていく。

入学してすぐのにある避けては通れないイベント自己紹介。それはそのクラスでの立ち位置を決める失敗できない重大任務。なんて考えている人が多いのかクラスには緊張した雰囲気が漂っていた。僕の周りにもそう思っているであろう娘が二人。

 

「うっーう。ルビィなんて言おうかなぁー」

 

「マルもこういうの苦手ずらっ」

 

僕の机に集まり、作戦会議(?)をし始めた二人。だいぶ迷走しているのか、ギャグや誰も知らなさそうなコアな趣味の情報を盛り込んだ自己紹介を考案し始めた。

 

「二人ともそれだと絶対とは、言わないけどかなり楽しくない1年間を過ごすことになるよ」

 

「「えーーー」」

 

僕の呟きに二人の声が重なる。

 

「なぜそこで意外そうな声がでるんだ?」

 

「だってこういうのってインパクトが大事なんだよっ」

 

ルビィはとても興奮した感じで熱弁をふるう。

 

「確かにそういう自己紹介もあるけど。普通でいいんだよ普通で」

 

「でもっ……」

 

「はーいみんな時間だよ席について~」

 

ルビィが何か言おうとしたタイミングで先生が来た。先生の声で生徒たちが席へと戻っていく。

先生が黒板に自己紹介と書く。どうやら一人一人黒板の前に出てやるスタイルのようだ。正直すでに一回全校生徒の前でしてるから遠慮したいところだ。

がしかし僕の思いとは裏腹に自己紹介は進んでいく。一人また一人と黒板の前に来ては無難な自己紹介をしていく。僕、ルビィに花丸ちゃんと進んでいく。そろそろ終盤というところで事件が起きた。

その少女はダークブルーの髪にお団子という変わった髪形をしていて、この辺では見かけない感じの娘だった。

そして何より面倒な人特有のオーラみたいなものが滲み出ていた。

その少女はゆっくり、注目を集める様に黒板まで歩く。そしてこちらに勢いよく振り返ると、目をつむると謎のポーズを決め、

 

「堕天使ヨハネと契約してあなたも私のリトルデーモンになってみない?」

 

その瞬間クラスが凍り付く。その雰囲気に気付いたのか自称堕天使は走りさってしまった。

先生が探しに行くとになって残り時間は自習となった。なんだこれ?

 

 その日の昼休み、僕は昼ご飯を調達するべく、購買部へと急いでいた。普段は弁当を作って持って来るんだが、

今日は朝から強制労働があったため時間がなかったのだ。

廊下の角を曲がったとき、見慣れたオレンジ髪の先輩とグレー髪の先輩が見えてきた。目的は多分同じく購買部。

ここは軽く追い抜かしてしまおうと思いスピードを一気に早めた。

 

「あっ」

 

追い抜いた瞬間。先輩のどちらかが僕に気付いて声を漏らす。その声に反応してしまい、足を止めた。その後ろから先輩たちが追いついてくる。

 

「あなたもしかして今朝の……」

 

そこまでで急に言葉をひっこめた。そういえばこの先輩とちょくちょく会うけど自己紹介したこなかったな。

そう思い僕は言葉を返す。

 

「黒澤サファイアです」

 

「もしかして生徒会長の」

 

オレンジ髪の先輩後ろにいたグレー髪の意先輩が遠慮がちに聞いてくる。

 

「弟です」

 

「そうなんだ。ちょうどいいちょっとお願いがあるんだけど」

 

オレンジ髪の先輩がそう言って僕にすり寄ってくる。がそこに待ったをかける手が伸びてくる。

 

「千歌ちゃん。さすがに後輩を巻き込むのはよくないよ。それにあっちにだけ自己紹介させるのは失礼だと思う。」

 

「そうだねぇ~私、高海千歌。でこっちが渡辺曜ちゃん」

 

「よろしく~」

 

紹介を受けた渡辺先輩がこちらに手を振る。

 

「それでお願いというのは?」

 

「生徒会長を何とか説得してスクールアイドル部を作りたいんだ」

 

「曲はどうなったんです?」

 

「それが見つからないから何とか交渉しようかと」

 

「なるほど。まあ説得ぐらいなら協力してもいいですよ」

 

「ホントに? ならさっそくいこうよ」

 

「ちょっと待って下さい。僕購買に用がありまして……」

 

「もしかしてお昼?」

 

「はい」

 

「それなら先輩がおごってあげよう」

 

高海先輩がおごってくれることになった。というわけで僕たちは購買に急いだ。

 

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