今回も短編、修学旅行のお話です。
前回の短編は申し訳ございませんでした…。さすがにやり過ぎてしまいました…、弁明のしようもないです。
今回はそのようなことはないので、読んでいただければ幸いです。では…
更新用のTwitterもよろしくです…
http://twitter.com/DQarusu3
『ずっと前から好きでした!』
『俺と付き合ってください!』
それが俺に出来た唯一の方法だった。
葉山と戸部から依頼を受けた。
海老名さんからも遠回しに依頼を受けてしまった。
葉山からも念押しされた。
時間がなかった…、だから俺は行動した。
俺が考えられる中で誰も傷つかず、そのままでいられるようになるたった1つの方法を…
そして結果的に、戸部の告白は有耶無耶になり依頼はなんとか解消できた。
だが、終わった後に由比ヶ浜に言われてしまった。
『人の気持ちをもっと考えてよ!』
『どうして色々なことがわかるのに、それがわからないの?』
ああ、そうか…
またやり方を間違えたのか俺は…
だが、俺はこの方法しか知らない…
知らないんだ…
ふと、顔を上げると雪ノ下がいた。
それはそうだよな、由比ヶ浜が言うくらいなら雪ノ下が言わないのはおかしいよな。
言うなら、もういっそ言ってくれ…
そんなふうに俺が考えているところに彼女は優しい笑みを浮かべながらこう言った。
『お疲れさま…比企谷君』
『合図』
私にはすぐにわかった。
比企谷君が『合図』を出したのを…
千葉村のときも、文化祭のときも…
今回もそうだった。
彼が何か大きな『行動』を起こすときには私たちに『合図』をくれたのだ。
気になって彼の妹である小町さんにも聞いてみたこともあったが、彼女はこう答えた。
『あ、雪乃さんにもわかりましたか?』
『小町にもわかるんです。兄が何か大きなことをするとき…、ほとんどの人は気がつかない『合図』。それに気づいたときは…』
そして、今回の戸部君の依頼…
私にはわかっていたのだ。
彼が何かしらの行動を起こすことを…
しかし、私は彼に『任せる』と言った。
どのような結果になったとしても…
私は彼にこう言うのだ。
『お疲れさま、比企谷君』と…
「雪ノ下…、お前は俺を拒絶しないのか…?」
「私は今回、『あなたに任せる』と言ったのよ。それを労っちゃダメなのかしら?」
「いや、そういうことではないが…」
「そんな挙動不審にしてると警察呼ぶわよ?」
「お前なぁ…」
「ふふ…、冗談よ。いつも通りの比企谷君ね」
それから私たちは近くのベンチへと腰を掛け、私は意を決して話し出した。
「まずは、ごめんなさい…比企谷君」
「え、いや…?何が?」
「今回の依頼、任せきりにしてしまって…」
「それは仕方な「私ね、あなたのやり方嫌いよ…」お、おう…?」
私が怒りもせず、ただ淡々とそんなことを言ったせいか、彼は困惑している。が、私はかまわず話を続ける。
「私は…、あなたが傷つくのを見たくないの…」
「………」
「あれは…嘘告白とでも言うのかしら?あの後の比企谷君、あなたは気づいていないかもしれないけれど私にはとてもつらそうに見えたの…」
「そんなこと…「あるのよ!」…!」
「私はそれがつらい…、それを見て傷つくあなたを見るのがとてもつらい…」
「雪ノ下…」
「あなたは自分のことを『ぼっち』『孤独』と言うけれど、そんなことはないわ。小町さんや家族をはじめ、戸塚君や材木座君、そして私…傷つく人がいるのをあなた自身がよくわかっているはず…」
「だが、俺は…このやり方しか…」
比企谷君もやはりわかるのだろう…
だが、今までの人生で彼は、このやり方しかやれないのだろう。由比ヶ浜さんなら『もうやめて』と言うのだろう。
でも、私は…
「私は…あなたがそんなやり方しかできないのはわかったわ…。だから『もう、やめて!』とは私は言わない」
「え…」
私は伝えるのだ、言葉でしっかりと!
「でも…辛いときや、苦しいとき、嫌なときなどがあったら決して1人で抱え込まないで!」
私は震えている彼にそっと抱きつく…
「全てあなた1人で背負わないで!」
「雪ノ下…」
「私にできることならするわ…だから!」
「いいのか…、俺なんかが…」
「ええ、あなただからいいの…」
「そ、そう…か…、あり…がと…う…」
泣き出してしまった彼をそっと、その場で抱きしめ続けた。
比企谷八幡は、傷つかないんじゃない…
自分を誤魔化しているだけで…
いつかは耐えきれなくなり崩壊する…
比企谷八幡に助けられた人はいる…
助けられた本人もわかっていないことも…
だが、しっかりと彼は助けたのだ…
比企谷八幡は、決して孤独じゃない…
そう思わないと、行動できないから…
でも、私たちがいる…!
だから…私が…!私たちが…!彼を…!
守ってみせる…