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『生徒会長に当選しないようにして欲しい』
生徒会長の城廻めぐり先輩と、あたしの後輩の一色いろはちゃんがそう依頼してきた。
なんでも、いろはちゃん本人が自ら立候補したわけでなく勝手にさせられていたとのことだ。
ヒッキーは自己犠牲みたいな方法を提案して来たし、ゆきのんは自分が生徒会長に立候補するって言ってるし…!
あたしは2人が何を考えてるか全然わからない!
だからあたしは、2人にこう言ったのだ。
『ヒッキーはなんでわからないの!?その方法はやめてって言ったのにまだわからないの!?』
『ゆきのんが生徒会長になったら奉仕部はどうなるの!?ちゃんと考えてるの!?』
どうしてこんなことになるのかわからない!
あたしには理解できない!
あたしが何を言っても2人は聞かない…
どうすれば…
あ、そうだ!
小町ちゃんならなんとか2人と話をつけてくれるはず!
うんうん、そうだ!お願いしてみよう!
そう思ったあたしはさっそく、小町ちゃんに電話をかけ、後日ファミレスで集まることになった。
これで安心だ…!
こうして眠りについた。
しかし、あたしはこの選択を生涯後悔することになる…
なぜなら…
小町ちゃんはヒッキーの妹とだということ…
小町ちゃんはゆきのんと友達だということ…
小町ちゃんは2人とも大切だということ…
そして、小町ちゃんが誰を信頼しているか、誰を信頼していないか知らなかったことを。
結衣「やっはろー!小町ちゃん!」
小町「あ、やっはろーです!結衣さん!」
あたしは小町ちゃんと約束していたファミレスに来ていた。ドリンクバーだけ頼むとさっそく話に入る。
あれ、前にもこんなことがあったような…
気のせいかな?
うん、きっとそうだ。
小町「で、今日はどうしたんですか?」
結衣「うん…、実はね…」
それからあたしは、いろはちゃん依頼やヒッキーやゆきのんの行動のことを小町ちゃんに話した。
小町「ふむふむ…、なるほど…」
結衣「ね!お願い!なんとか小町ちゃんから2人に言ったなんとかして欲しいの!」
小町ちゃんは少し考えてこちらを向いた。
小町「もちろん…」
よかった…これで、と思っていたが予想外の言葉が小町ちゃんの口から聞こえた。
小町「お断りします♪」
結衣「え…、なんて言ったの?小町ちゃん?」
小町「ですからお断りですって言ったんですよ?由比ヶ浜結衣さん」
結衣「ど、どうして?」
なんで?なんで?なんで!?
小町ちゃんならどうにかしてくれると思ったのに!?
あたしは理由を聞いてみる。
小町「なぜって、それは…」
「あなたがこんなことをお願いしてきたからですよ?」
結衣「は…」
ど、どういうこと?意味がわからない!
小町「はぁ…やっぱり理解できてないですね。では、また最初から順番にいきましょう」
なんか馬鹿にされてるし!
もう!なんかいらいらしちゃうな…
小町「まず、その生徒会長さんと立候補されちゃった人が依頼に来たと」
結衣「うん」
小町「それを奉仕部で受けたと」
結衣「そうだね」
小町「それでお兄ちゃんと雪乃さんは、それぞれ別の方法で解決もしくは解消しようと行動している…」
結衣「そうそう!」
小町「で?」
結衣?」
小町「はぁ…、それで由比ヶ浜さんは何をしているですか?」
結衣「え、だから小町ちゃんに…」
小町「違います、あなたはこの依頼に対して何か行動しているんですか?」
結衣「それは…」
小町「お兄ちゃんと雪乃さんのやり方が嫌だ。なら、あなたは他のやり方を考えたんですか?と聞いてるんです!!」バンッ!
結衣「ひっ!?か、考えてないです…」
小町「だと思いました…、つまりあなたは何も考えずに小町にお兄ちゃんと雪乃さんをどうにかして欲しい…としか考えてなかったということですね」
結衣「……」
あたしは何も言い返せなかった…
小町「由比ヶ浜結衣さん、それをなんていうか知っていますか?」
結衣「……」
「それ、他力本願って言うんですよ?」
結衣「他力本願…?」
小町「簡単に言うと他人任せと言うことです」
結衣「そんなこと…!」
小町「ありますね?」
結衣「うん…」
また何も言い返せない…
小町「そんな人のお願い小町が聞くと思いますか?」
そ、それは…
そんなあたしにさらに小町ちゃんはこう言った。
小町「それにしても、あなたは奉仕部にいて何をしていたんですか?」
結衣「え、それは…、依頼を…」
小町「依頼…、ちなみに由比ヶ浜さん。あなたは依頼の解決、手助けとなったことは…その顔だとなさそうですね」
小町「チェーンメール、千葉村、文化祭、修学旅行…あなたは何かしましたか?してないですよね?」
小町「さらに言うと、入学式の事故…お兄ちゃんに謝罪は?…してないか、車の運転手と乗車していた人と親御さんは来たのに…」
小町ちゃんはまるであたしの頭の中を覗いたみたいに事実を言ってくる。
小町「改めて聞きます…」
やめて…
これ以上何も言わないで…
お願いだからもう言ってこないで!
そんなあたしの願いも虚しく小町ちゃんはこう言った。
「あなたは奉仕部に入ってから一体何をしていたんですか…?」
あたしはもう耐えきれなくなり、逃げるようにファミレスから走り去った。
その後、いろはちゃんが生徒会長になり、ゆきのんが副会長、ヒッキーが庶務になり依頼は解消した。
あたしも生徒会役員になろうとしたが、成績が足りなくて無理だった。
その後、ゆきのんとヒッキーは生徒会が忙しくなり奉仕部に来る頻度が下がっていった。
奉仕部には依頼者も来ていたが、あたしに解決なんてできるはずもなく、事実上廃部扱いになり誰も来なくなった。
その後、あたしはゆきのんとヒッキーと会話を交わすことなく高校を卒業し、生涯独身で過ごした。
「せーんぱい!これお願いします!」
「おう…、そういえば『いろは』、あれから大丈夫か?」
「はい!先輩のおかげで大丈夫でした。あのときにわかったんです…私は『偽物』じゃない、『本物』が欲しくなったんです…。『雪乃先輩』と『八幡先輩』のような関係が…」
「中学3年生までの私は肩書やスペックばかり気にして…、でも気づくことができました。あなたのおかげで…本当にありがとうございました…」
「そうか…。それにしても、いろはが『雪乃』の『従姉妹』だと初めて知ったときは驚いたぞ…」
「ええ、私も『いろはさん』と『八幡』が知り合いだとは驚いたわ、いろはさんを助けてくれてありがとう…」
「いや、そんなことは…」
「そんなことありますって!…はっ!もしかして、今の行動って口説こうとしてましたか、もう結婚して欲しいぐらい好きですが、まずはうちの両親に挨拶をお願いします!あ、その前に私も先輩の家で挨拶してからですね!それから先輩のお母さんに家庭の味を教わってから、それから…それから…まだまだたくさんありますが、とにかく今はまだ無理です!ごめんなさい!」
「お、おう…?また振られたのか俺は…?」
「八幡、八幡…。よく聞いて、もう告白通り越して将来のこといってるわ…」
「お、もちろん先輩が雪乃先輩と結婚するなら愛人でも構いません!」
「おい、それ俺刺される…」
「そうね…そのことはおいおい考えましょうか、ね、いろはさん?」
「はい!…そういえば奉仕部って大丈夫ですか?『由比ヶ浜先輩』だけで大丈夫ですか?」
「「ダメだ(かしら)」」
「ああ、やっぱりですか。あの人、人に流されてばっかりでしたしね。私の依頼のときも何もしてくれなかったし…」
「先輩たちはお互いに『協力』してどっち転んでも大丈夫なようにしてくれてありがとうございました!」
ガタッ!
「あ、書記ちゃんたちどこに行くの?」
「「ブラックコーヒー買ってきます…」」