オーバーロード 災厄の槍使い   作:三元新

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主人公のキャラクター

キャラ名『八雲・N・イズナ』

性別 女

種族 九尾の狐

見た目 黒髪ロングの美少女。髪の長さは腰下まである。

モデル 『天臨の神命主 イズナ』
獣化 『白面金剛九尾 イズナ』

容姿 身長は160cm 普段は2つの姿を使っている。"イズナ"の時は、見た目は女武将の可憐な少女。しかし、1度戦場にでると豪傑無双の女武将へと早変わり。

ちなみに、見た目はブレフロのイズナではあるが、口と鼻はちゃんとある。

その少女の本当の正体こそ、獣化『白面金剛九尾 イズナ』であり、九尾の狐である。この"獣化モード"になると、全ステータスが倍近く上がり更に強くなる。しかし、妖怪である以上、聖属性に弱くなる傾向がある。

装備はギルド長 モモンガ同様、全身が神話級(ゴッズ)アイテムで固めており、一撃必殺の馬鹿げた威力はがっつり前衛メンバーのひとりである。



キャラ名 『ナドレ』

性別 女

種族 ???

容姿 『閃律の天槍神 ナドレ』

とあるイベントでソロで挑み勝つと、たまたま手に入れたもう一つの姿。『八雲・N・イズナ』の"N"は、この姿を手に入れた時にいつの間にか付いていた。
彼女は、人でも妖精でも魔物でも神でもないと言われており、現に種族名は『???』である。

気になりイベント情報を何度も見たが、このキャラのドロップ情報など無く、最初は運営側のバグなのかと思われたが、運営に確認すると、情報に出してなく、ある条件下の元、そのイベントをソロでクリアーする事により、0.05%の超低確率でドロップする『お一人様限定 超激レア種族』だったようだ。つまり、完全なる隠し激レアだったのだ。

これをドロップした当本人は、たまたまその条件が揃っており、更にそのイベントのボスを倒す事によって貰える世界級アイテム(ワールドアイテム)の一つ、神器『イース=カノッサ』と呼ばれる槍を手に入れた時に、一緒にドロップしたのだ。そして、その彼女が着る防具も、同じイベントでドロップした鎧で、神話級(ゴッズ)なのだった。

ちなみに、このキャラは運営側のお遊びなのかネタなのかはわからないが、かなりのぶっ壊れ性能で、ステータスだけならワールドチャンピオンに匹敵する程だった。……といっても、それを扱う本人が下手ならタダの宝の持ち腐れだが、八雲翼は廃人中の廃人ともいっていいほどのプレイヤーで、中でも格闘系のゲームの腕は驚異的であり、ゲーセンやTVゲームの数々の格闘ゲームのオンラインで1位を独占しているリアルでも有名なプレイヤーだったりする。そのため、ぶっ壊れ性能な『ナドレ』も運営泣かせな程、完璧に扱い自分のものにしていた。
超激レアの超低確率のドロップでしかも『お一人様限定』というのがよく分かった程だった。
ちなみに、運営側はまさか『ナドレ』をドロップするという強運、更にそれを扱える技量の高さに、かなりの驚愕でいたが、逆に『ナドレ』がプレイヤーとして動いていることにかなり興奮していたとかいないとか……。


その時に、ギルドメンバーに報告してかなり喜ばれたと同時に、自分専用の世界級アイテムとして使う事を許されたのだった。
ただ、武器もそうだがキャラの性能もチートクラスなので、普段はあまり『ナドレ』の姿になる事は少ない。今のところ、最後に『ナドレ』に変身した時は、1500人ものLvカンストプレイヤーがギルドに侵入してきた時である。

ナドレもイズナ同様、見た目はブレフロのキャラだが口と鼻はしっかりある


あともう一つ、この神器『イース=カノッサ』は何故、神器と名前を付きながら、世界級アイテムであるのか。その理由は――
なんと、この槍を装備した者(キャラ)が『ナドレ』の場合のみ世界級アイテムと変化する設定だったのだ。
普通なら、他のキャラが持つと神話級アイテムくらいの力だが、この槍の"本来の持ち主"である『ナドレ』が手にする事により、イース=カノッサは本来の真の姿へと変わる事ができるそうだ。よって、神話級から世界級へと変貌するのだった。


2話

「何か問題がございましたか、モモンガ様?、至高の御方々?」

 

アルベドが問を繰り返す、予想していなかった出来事に皆が固まり、思考停止している。

 

「失礼いたします」

 

アルベドが立ち上がりモモンガのすぐそばに移動し、

 

「何かございましたか?」

 

――と覗き込むようにその美しい顔をモモンガに向ける、モモンガの鼻腔を、程よく甘い香りがくすぐった、その香りがモモンガの思考を再起動させ加速させていく。

 

「いや…なんでもない……」

 

アルベドはNPCだ、NPCがこのように意思を持ち自らの口で言葉を発することは無い、それに匂いは法律でダイブゲームでは再現してはいけないとされている。

 

「………いかがされましたか?」

 

やけに近い、お互いの吐息が重なりあうほどの距離までモモンガに近づいたアルベドは、美しい顔を可愛らしく傾けてくる、間近に迫った美貌にせっかく冷静になり始めていたのに、その冷静さがどこかに飛んでいきそうだ。そんな感情にすこし慌てつつも冷静に対処するモモンガ

 

「……GMコールが利かないようだ」

 

アルベドの潤んだ瞳に吸い込まれ、ついNPCに相談してしまう。

 

これまでのモモンガの人生で、異性にここまで近づかれたり近づいたりしたことがなく、作り物のNPCだと知っているはずなのに、まるで生きているような自然な表情の動きが、モモンガの心を揺さぶっていた。

 

しかしそんな自らの感情の動きは、抑制されるように沈静化していく、モモンガは大きな起伏が起こらなくなった自分の心に一抹の不安を感じていた。

 

だが、これが元のゲーム――ユグドラシルのアンデット種、特有の精神活性化強制停止と似たような現象であることはすぐにわかった。

 

モモンガは一度頭を振って思考を切り替え、アルベドの顔を見た。

 

「……お許しを、無知な私ではモモンガ様の問いであられる、GMコールというものに関してお答えできません、この失態を払拭する機会をいただけるのであれば、これに勝る喜びはございません、何なりとご命令を」

 

会話をしている、間違いない。

その事実を理解したとき、ここにいる皆が驚愕に襲われた。

 

確かにNPCに意志があり、生きている、会話も問題なく行える、だがそこでアルベドだけが特別なのだろうか?、という疑問が浮かんだ。

 

モモンガの視線はアルベドから、いまだ控えている執事と六人のメイドに移る。

 

「セバス、玉座の前に」

 

「はっ!」

 

セバスが玉座の前の皆の横に並び礼をとる。

 

「大墳墓をでて、周辺地理を確認せよ、もし知的生物がいた場合は友好的に対応しろ、行動範囲一キロに限定、戦闘行為は極力避けろ」

 

「承知いたしました、モモンガ様」

 

本来は本拠地を守るために創られたNPCが外に出られるという、ユグドラシルでは不可能なことが可能になっている。

 

モモンガはスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンから手を離す。

 

すると、スタッフは中に浮き、物理法則を完全に無視したような光景だが、これはゲームのままのようだ、ユグドラシルでは手を放すと空中停滞するアイテムは珍しくない。

 

モモンガは腕のを組み、思案しながら辺りを見回した、視線の先にはギルドメンバー3人にアルベド、先ほどまでモモンガの後ろにいたセバスに、少し離れた場所で綺麗に並んで立っているプレアデス6人。

 

とりあえずは上位者として行動しておけばいいだろう、何か問題が起きた場合はギルドメンバー達と相談して決めればいい、そうと決まれば行動第一だ。

 

モモンガはスタッフを手に取り、声を張り上げた。

 

「プレアデス達よ、これから九階層に上がり、八階層からの侵入者が来ないか警戒に当たれ。 直ちに行動を開始せよ」

 

「畏まりました。モモンガ様」

 

静かな部屋に声が響き、セバスと戦闘メイド達は玉座に座るモモンガと、そばに居たギルドメンバーそれぞれに跪拝すると、一斉に動き歩き出す。

 

巨大な扉が開き、セバスとメイド達の姿が向こうに消え、自然に閉まる。

 

そしてモモンガは、最後に残ったNPC、アルベドに視線を向けると、すぐ側に控えていたアルベドは優しい笑みを浮かべ、モモンガに問いかける。

 

「ではモモンガ様、私はいかがいたしましょうか?」

 

「あ、ああ……、私の元まで来い」

 

「はい」

 

心のそこから嬉しげな声を上げて、アルベドがにじり寄っていく、モモンガ以外の者から見れば愛しい人に呼ばれ浮かれているように見える。

 

「触るぞ」

 

「あっ」

 

モモンガは手を伸ばし、アルベドの手首に触れる、

トクントクンと繰り返される鼓動、それは生物なら当たり前のものである。

 

モモンガに触れられ、アルベドの頬は紅潮し、体温が上がっていく。

 

普通なら有り得ない話だ。NPCであるなら喋るどころか頬を染めるなどといった表情は出来ないはずだ。ましてや、相手はAI。AIにはそのような機能は付いていないからだ。

 

モモンガは更に行動を始める。次の――そう、最後の一手。これを確認すれば、すべての予感が確信に変わる、今自分達が置かれている状況、現実と非現実の狭間から、その天秤がどちらかに傾く。

だから、これはしなくてはならないことだ。

 

モモンガは意を決して口を開く。

 

「アルベド……む、胸を触っても良いか?」

 

「え?」

 

「「「はい?」」」

 

空気が凍ったようだった。

アルベドは目をぱちくりとさせ、ギルドメンバー達は一瞬あっけに取られるも、モモンガが確認しようとしている事に察しがつき、納得したような顔をした。

 

そんなモモンガは言ってから、悶絶したい気分に襲われていた。

仕方無いとはいえ、女性に向かって何をいっている。自分は最低だと叫びたい気分だった。

上司としての権威を利用したセクハラなど最低で当然だ。

 

しかし仕方が無い、そう、これは必要なことなんだ!

 

自分に強く言い聞かせ、精神の安定化を試みる、上位者としての威圧を精一杯に込めて言う。

 

「構わにゃ……ないな?」

 

だが、モモンガは自分の想いも虚しく、盛大に噛んでしまい、緊張しているのがバレバレだった。

そんなモモンガの言葉に、ギルメンは呆れ、アルベドは花が咲いたような輝きを持って微笑みかける。

 

「もちろんです、モモンガ様、どうぞお好きにしてください」

 

アルベドがぐっと胸を張る、豊かな双胸がモモンガの前につき出された。

もし唾を飲むということが出来たなら、確実に何度も飲み込んでいただろう。

 

大きくドレスを持ち上げている胸、それを今から触る。

ギルドメンバー、イズナは呆れ、ペロロンチーノは挙動不審なモモンガを見てニヤニヤしており、ぶくぶく茶釜の表情は分からないがペロロンチーノと同じ雰囲気がする。

 

ふとアルベドを窺うと、なぜか目をキラキラさせながら、さぁどうぞといわんばかりに胸を何度もつき出してくる。

 

モモンガは、緊張しつつも、ドレスの下には僅かに固い感触があり、その下で柔らかいものが形を変えるのがモモンガの手につたわる。

 

「ふわぁ…あ……」

 

濡れたような声がアルベドから漏れる中、モモンガは実験を終了させた。

 

ユグドラシルに限らず、全年齢対象のDMMORPGであれば18禁に触れる行為は禁止だ、それを違反すればアカウント停止、最悪削除されかねない。

今回の行為は通常であれば警告が出てくるはずだ、だがそれが出てこない。

 

―――仮想現実が現実になった。

 

受け入れ難い事ではあるが、こうなってしまっては受け入れるしかない、

よくよく考えてみると、モモンガにとってはそう悪いことでは無いように思えてくる、家族も恋人もなく、ユグドラシル以外の趣味もなく、家と会社を往復する毎日……。

 

モモンガはようやくアルベドのふくよかな胸から、力なく手を下ろす。

十分すぎる時間揉んでいたような気がするが、確かめるために仕方が無かったことだとモモンガは自らに言い聞かせる。

 

決して柔らかかったから手が離せなかった、とかいう理由ではない、……おそらく。

 

「アルベド、すまなかったな」

 

「ふわぁ……」

 

頬を完全に赤く染め、アルベドが体内の熱を感じさせるような、息を吐き出す。それからモモンガに問いかけて来た。

 

「ここで私は初めてを迎えるのですね?」

 

「………え?」

 

モモンガは言葉の意味を一瞬だけ理解できなかった。

 

「服はどういたしましょうか?」

 

アルベドが矢継ぎ早に問いかける。

 

「自分で脱いだ方がよろしいでしょうか? それともモモンガ様が?あぁ、私はとうとう愛しのモモンガ様と……私は最高に幸せでございます!」

 

アルベドは完全に暴走していた。

 

「……あー、モモンガさん? その、頑張ってくださいね?」

 

「モモンガさん、設定変更した責任はとってあげてくださいね」

 

イズナとぶくぶく茶釜はそう言い残すと巨大な扉に向かって歩き始めた。

最後に残ったペロロンチーノは。

 

 

「3クリックで終わらせちゃダメですよ」

 

 

そう言いながら親指を立てた。

 

「ちょっ、まっ! よ、よすのだアルベド」

 

モモンガはあわててギルドメンバーを呼び止め、アルベドの説得を行う。

 

「は? 畏まりました」

 

「今はそのような……いや、そういうことをしている時間はない」

 

「も、申し訳ありません! 何らかの緊急事態だというのに、己が欲望を優先させてしまい」

 

ばっと飛び退くと、アルベドはひれ伏そうとする、それをモモンガは手で抑える。

 

「よい。諸悪の根源は私である、お前のすべてを許そう、アルベド。それよりは……お前に命じたいことがある」

 

「何なりとお命じください」

 

「各階層の守護者に連絡を取れ、六階層の闘技場まで来るように伝えよ。時間は今から一時間後、それとアウラとマーレには私から伝えるので必要はない。

あと、シャルティアにはペロロンチーノさんの事は伝えなくてよい、ちょっとしたサプライズだ」

 

「畏まりました、六階層守護者の二人を除き、各階層守護者に今より一時間後に六階層の闘技場まで来るように伝えます」

 

「よし、行け」

 

「はっ」

 

少し早足でアルベドは玉座の間を後にした。

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