才人君に転生しました。   作:じゃんくやーど

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ちょっと短いかな。でもまあ幕間みたいなものなのでこの辺でいいか。


第6話

 オールド・オスマンとコルベールは、『遠見の鏡』で一部始終を見ていた。他国の学生が万が一取り返しの着かないことになる前に止めるためだ。

 

「あの平民、勝ってしまいましたが」

 

「うむ」

 

「ギーシュは一番レベルの低い『ドット』ですが、ただの平民に遅れを取るとは思えません。しかもあの平民は呼び出されても『コントラクト・サーヴァント』をしていない、なんの能力も持っていないはずの平民です」

 

「うむ」

 

「あの平民が『メイジ殺し』並の技量を持ってることは明白です。事が大きくなる前に王室に連絡し、生徒たちに被害が出る前にいずれかの処置を取ってもらったほうがいいかと思いますが」

 

「それには及ばん」

 

「何故です?」

 

「話によるとグラモンのせがれがヴァリエールの娘を侮辱したことが原因じゃ。今回の件で下手に蜂の巣を突っつこうとする輩も出んじゃろう。本人は侮辱されても許していたとも言うしの。それに」

 

「それに?」

 

「下手に『外国』の存在が王室にバレればボンクラ共がその存在を侮ったまま戦に突入しかねん。『貴族の居ない国』じゃから負けは無いとな。だが、もしもあの平民のような存在がゴロゴロいるような国であった場合、攻め滅ぼされるのは我が国の方かもしれん。未確認の武器を所持しているとも聞くしの」

 

「学院長の深謀には恐れ入ります」

 

「この件はワシが預かる。他言は無用じゃ。ミスタ・コルベール」

 

「は、はい。かしこまりました」

 

「しかし『貴族の居ない国』の存在か…まだまだワシでも知らんことがあるのう」

 

 

 

 俺がハルケギニアに来て一週間が経った。決闘騒ぎから二、三日の間はルイズと同学年の生徒が、俺を見るたびに顔を引きつらせていたが、一週間おとなしくしてたおかげか顔を合わせても表面上は俺の顔を見ても何か反応することは無くなった。

 

 それと、ルイズに対する誹謗中傷だが、これも少なくとも俺が見てる間は無くなった。それに加え、ルイズの爆発魔法に対する認識が少し変わったのはいい傾向か。それぞれ四大系統の魔法を試し、爆発をコントロール出来るよう努力し始めた。

 

 ああ、そうそう、ルイズに許可もらって、亜人狩りに行ってきたよ。獲物はオーク鬼6匹。1匹15エキューでした。合計90エキュー。ライフルはまだ不慮の事態の時のために使えないから手持ちのリボルバーで対処した。あいつら棍棒とか持って普通の動物よりリーチ長いけど、二足歩行だから熊より足が遅いおかげで落ち着いて頭を狙えたよ。オスマン老からも『買い物するからお金用意して』って言ってみたんだけど、一回10エキューしか出ませんでした。まあ平民としては高いんだろうけど。おまけに連日買い物に行くとかできないから、催促できるのはせいぜい週末くらいかな。まあ、これでデルフリンガー買えるけどね。

 

 ギーシュだけど、俺の一撃がトラウマになったのか、こっちを見てビクビクしてたけど、モンモランシーに謝りに行かせたのが良かったのか、一応お礼を言いに来てたよ。それと改めてルイズに謝罪してた。ルイズはキョトンとした顔でギーシュを見てたけど、「気にしなくていいわよ」と言っていた。この調子でルイズのストレス源を減らしていけば癇癪も収まると思う。

 

 ギーシュは土メイジだし、元素記号覚えさせればライン入りする可能性があるから、鍛えて行けば後々恩を売れるかもしれない。そうすれば謝礼無しで弾薬やガソリンの錬金に付き合ってくれるだろう。先行投資だと思って元素記号を翻訳しようかと思う。

 

 翻訳と言えば、『フェニアのライブラリー』でタバサと接触した。きっかけは、基礎的な文字の本を探してウロウロしてたら、タバサを発見して、本の場所を聞いてみたんだ。そうしたらいくつかの絵本を渡されて、一緒に文字の練習をすることになった。その間じっとこっちを見てたので、どうした?と訪ねたら「あなたの体術に興味がある」と言われたよ。なので、空手の基礎的なところから教えようかと、まずは正拳突きのと、蹴り、受け、基本的な型の練習から始めることにした。これは俺が早朝に体を動かしているので、同じく早朝に開始することに。流石にいきなり銃を渡すのはためらわれるのでそれはまた今度、稼ぎの中から単発式の拳銃をプレゼントしてからと言う結論に至る。

 

 コルベール師にガソリンを頼もうと思い、約束通りバイクの点検のときに取り扱い説明書を見せながら口頭で説明したんだけど、乗せて欲しいと言うことになって、人が少ない時間を見て、師をバイクの後ろに乗せて学院内を回った。流石貴族の集まる学院だけあって、下手な教習所なんかより広かったおかげで多少飛ばしても大丈夫な距離を走り、大興奮のコルベール師。その隙を見て、師にガソリンの他に刀とバイクに固定化も一緒にかけてもらえるよう頼んだら快く引き受けてくれたよ。銃はまだ固定化をかけてもらえるような時期じゃない。刀はこの間の決闘で刃が潰れていないか心配だったが、鉄板より斬りやすかったので、大丈夫だった。でも、固定化をかける前に研ぐ事は忘れないようにしないといけないかな。

 

 あと、シエスタとマルトーさんだけど、厨房で『我らの剣』と呼ばれるようになった。うん、原作通りだね。謙遜する俺に上質なワインを注いでくれたり、貴族用のシチューなんかをくれたりする。厨房は大事なライフラインだ。この調子でより良い関係を続けていきたい。

 

 一週間での出来事と言えばこんなもんかな。そのうち馬鹿な上級生とかが「平民のくせに貴族に楯突くとはなんだ!」と、また決闘騒ぎが起こるかもしれないが、その時は銃で応戦しよう。水の秘薬があるからよほど重傷にならない限りは怪我させてもなんとかなるし。でもまあその前にコルベール師に銃に固定化をかけてもらえるようにしてもらわないとな。生徒に銃で怪我させたら依頼しにくくなるかもしれないし。

 

 と、ハルケギニアに来てなかなか順調な滑り出しだった。後のことを考えると零戦フラグとかあって、叔父さんの手伝いでセスナをちょこっとしか操縦したことがない俺じゃ飛ばすのがやっとで、場合によってはルーンが必要かもしれないけど、そこは臨機応変に対応していこう。この辺で思考整理は終えとくか。それではお休みなさい。

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