『俺には背負いきれない』   作:サガアキ

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序章

『俺には背負いきれない』

 

 

また、嫌な季節がやって来た。

 

『春』だ。

 

四季の中で春が一番嫌いだ。

 

出会いと別れの季節、春。

 

中学を卒業する俺にとってはもう憂鬱でしかない季節だ。

 

新しい環境に期待をする人のほうが多いかもしれない。

 

しかし、コミュニケーション能力の低い俺には仲の良かった友達と別れ、一から人間関係を作らないといけないなんて考えたくもない・・・鬱だ。

 

それだけじゃない。俺が春嫌いの一番の理由は『馬鹿』を加速させるからだ。何故かこの季節になると常軌を逸した馬鹿が現れる。

 

ニュースを見ても珍事件が多い。

 

俺も経験した。

一昨日、スカートを穿いたおっさんにナンパされた。イミフ。

 

 

そして俺の身内にも馬鹿はいる。

信じられない馬鹿が5人いる。しかもその身内の馬鹿5人が全員同じ高校に集まっている。・・・恥ずかしいからやめてくれ。

 

俺は入りたい学校があったが、父親の美しい土下座によって、そんな馬鹿5人がいる学校に俺も通うことになってしまった。正直、絶対にお断りだったが父親の土下座に漂う哀愁がもう・・・・。

 

俺に5人が何か問題を起こさないか監視して欲しいらしい。今までは一番上の姉(正常)がその学校に通っていて監視していたらしいが今年で卒業する。俺は後釜か?

 

5人の中でも2つ上の姉が酷い。

 

高校入学してから一週間経っても友達ができない俺に対して姉は

 

姉「あんた、もっと積極的に話しかけないと友達出来ないよ?」

 

ここまでは正常に見えるだろ?

 

俺「別にいらないし。一人のほうが気が楽だし。ていうか俺もう高校生なんですけど。」

 

姉「中学の時は友達いたでしょ?ほら、『あーちゃん(違う高校へ行った)』とか。高校でも友達作りなよ。ぼっちは寂しかろう?」

 

俺「・・・お前はどこの人だ。あとぼっちとか言うな。一人でいるのが好きだし読書とかするからいい。」

 

姉「まったくあんたは、『ぬらりひょん』なんだから!そんなんじゃ3年間ずっと一人だよ!?」

 

ちょっと、なに言ってるかわからなかった。

 

多分『あまのじゃく』か、なにかと間違えてるのだろうか?だとしても意味合いが違うだろ。うん。馬鹿だ。

 

ここからの話しが悲惨だ。

 

ウチの姉は何故か生徒会長をやっている(本当に謎だ。)

 

いきなり昼休みに俺の教室にやって来た。

 

生徒会長が訪ねてきたことによってざわつく教室。

 

そして、

俺の横に立ち、開口一番、

「この娘、ぬらりひょんだけど根はいい娘だから仲良くしてあげてね!(ドヤ顔)」

 

・・・

 

その瞬間から俺のアダ名は『ぬらりひょん』になった。

 

ちなみに俺は『女』だ。

 

続く

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