こもりあPのアイドル事情   作:本田こもー

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私のアイドル事情を緩くお伝えしていくSSです。
ピックアップしていくキャラは全員で五人!
そうです我がデレステルームにいる五人です。
ちょっとキャラの話し方に違和感がある、なんてこともあるかもしれませんがそこはすこーし目を瞑って頂いて下さると幸いです!
あ、あとそこまで長くもありません。
それでは\(^o^)/ハジマリハジマリ


二宮飛鳥の場合

side二宮飛鳥

 

★1

「『全て、総て、凡て・・・!我が叡智!さぁ語らおう、<世界(愚かな者達)>よ!貴様にはそう問わねばなるまい。この瞬間を!この瞬刻を!この刹那を!地獄を!』・・・・・・ふぅ、どうかなこのくらいで」

「うんうんだいぶ上達してきたね。でも最後の『地獄を!』のところは静かな感じで言ったらどうかな?」

「むっ、なるほど確かにここの彼の心情を察するにそういう方がありか・・・」

ガチャり、と事務所の扉が開く音がする。

中に入ってくるのはプロデューサーだ。

プロデューサーは事務所の中にいた本田未央、安部菜々、そして二宮飛鳥へと視線を向けた。

未央はプロデューサーに気付くとやっほーと声をかける。

今は夏休みだからだろうかいつも制服で来ていた彼女はオレンジのパーカーを着ていた。

奈々はおはようございますと丁寧な挨拶をする。

その挨拶からはおよそ17歳とは思えないような雰囲気を感じたが挨拶や動く度にぴょこぴょこと動くうさみみや容姿を見ているとやはり17歳らしさもあり・・・っとこれ以上詮索するのは良くないか。

そして2人の間に挟まれて台本とにらめっこしていた二ノ宮飛鳥は少し遅れてこちらに気がついた。

「あぁ君かおはよう、というにはもう時間が経ちすぎているな。こんにちはの方が合っているかな」

「どっちでも構わないよ。おはよう未央、奈々、飛鳥。それにしてもなんでまたこんな早くに?いつもは昼過ぎくらいに来てたりしてるケド」

「これさ」

そう言って見せられたものは先程持っていた台本だ。

タイトルは『キセキ』、つい最近うちのプロダクションにきていた演劇の仕事である。

それを飛鳥に任せていたのだ。

「演劇なんて初めてだからね、心得のある人達に訊いていたのさ」

「私も初めては苦戦したよー、辛くてキツくてもうダメかなとも思ったこともあったけどCPのみんなやプロデューサーのこと、何よりしまむー、しぶりんのことを思うと簡単に挫けるわけにもいかないなぁって思ったんだ」

「私もやってますけど大変なんですよ演じるっていうのは。べ、別にキャラ演じてるーとかではなくてですね、声優とかのお仕事のことですよ♪」

「まあみんなが『楽しそう』でなによりだ」

飛鳥は顔を下げると「否、其は地獄の『奇跡』。我は地獄の『軌跡』」と呟く。

どうやら台本のセリフを読んでいたようだ。

「全く・・・こういうものは蘭子の方が適していて僕のは違うと君も分かっているだろうに」

「ははっ、蘭子は今智絵里とのユニットで忙しいからな。誰に頼もうか悩んでた時に飛鳥がいたんだよ。というかそれなら蘭子にアドバイスを求めれば良かったんじゃないか?」

「それこそ君がさっき言ってたじゃないか。蘭子はユニットで忙しいんだ、他人に気を配ってる場合でもないだろう?」

それでこの二人か、と納得した。

「じゃあ俺は別の仕事があるから行くけど」

「あぁ行ってくるといいさ、僕ももうそろそろ舞台を稽古に行かなきゃいけないんだ」

「どうする?稽古場までなら送れるけど」

「・・・・・・『いや、いい』。そこまで遠くないから歩いて行くよ。なに、身体を温める準備運動みたいなものさ」

「・・・・・・そうか」

そういうとプロデューサーは扉を閉める。

廊下の奥へカツカツと響く靴の音が事務所内にも聞こえていた。

「・・・・・・・・・・・・『キセキ』、か」

一方プロデューサーは1階へ降りるためにエレベーターへと乗り込む。

「・・・・・・・・・・・・『まだ遠い』、か」

 

★2

「『我は地獄を統べる者!しかして我は孤独なり。我は我は我は我は我は我は我は我は我は我は!・・・・・・クク、くはははははははは!ふははははは!否、孤独では無かったということか!これ程愉快な喜劇があるものか!ははッ!我が本当に欲していたモノは既に手に入れていたということだ!』」

そこで監督からカットが入る。

何かがいけなかったのだろうが飛鳥には皆目見当もつかない。

その飛鳥の様子を察してか監督は違う違うと訂正した。

「少し要望があっただけだよ。あの我は!ってとこあったろ?あそこの言い終わった後客席の方を振り返るんだけどそこから次に入る時間を設けたい。そうだな、ざっと客席を端から端まで見渡すくらいで」

「要するに時間を空ければいいわけか・・・なるほど」

「というよりは見渡すって行為に意味があるんだ。それをすることで周りの人間はみんな王の仲間だっていう表現に説得力が出るんだ」

「仲間か」

思えばアイドルを始めて一年という短い時間ではあるが僕にはおよそ仲間というほどの関係の人間はいただろうか。

そういう意味では自分が今演じている王が羨ましくもあった。

王は自身を孤独だと決めつけてはいたがその実は沢山の仲間に恵まれていた、そういう話だ。

もちろん主人公は別にいて王はむしろ悪と呼ばれた部類の者だ。

だが本来無秩序であった地獄を統べたのは紛れもなく王でおそらくこの物語の主人公は王でもあるのだろう。

「おっと感傷に浸っている場合じゃなかった。さてもう一回そこをやり直そうか」

 

★3

本番当日、舞台用に衣装を着てメイクもしてリハーサルも完璧。

舞台裏でスタンバイしていた飛鳥は微かに人の声を聞き取る。

客席に人が集まってきたのだろう。

柄にもなく少し緊張をしている、そう思った。

ちょうど一年前、プロデューサーにスカウトされて346の門を潜ったときもらしくもなく少し緊張してしまっていた。

なにしろ初めてだからだ。

それからというもの刺激のある日々で毎日退屈はしなかった、いやむしろ楽しかったのだろう。

あの時瞬間の感情はあの瞬間だけのもので今の自分では感じることの出来ない過去の輝きではあるが今は今でこの瞬間の輝きがある。

そう人とは瞬間瞬間に輝いていくものである、っとこれは舞台前に考えることではないな。

悪い癖だと思う。

つい考えこんで世界に浸ってしまう。

そんな世界を自力で壊した後には出迎えてくれる人がいる、定番だろう。

高垣楓だった。

彼女は元モデルで今は同じアイドルではあるが僕と同じくとまでは言わないがまだまだ新人であると言えるだろう。

「お互い初舞台ですね、一生懸命頑張りましょー。ふふっ」

「らしいな。君はいつでも余裕があるようにも思える」

「余裕はありませんよ。周りの人からは落ち着いてると言われますが今も心臓バクバクで汗も止まりませんよ」

ふふっ、と笑むその顔には汗が流れているようにも見えない。

やれやれ彼女も彼女で読めない人だ。

こういう中身が読めない人は少し苦手だ。

・・・・・・自分もまたそうか。

あまり激しく感情を表現する人間ではないから周りからは避けられることはあった。

アイドルになってからは露骨にそんなことは無くなったが。

そこで裏からそろそろ本番が始まるとの宣告があった。

なに、力の限りやるだけさ。

そして本番・・・・・・

飛鳥の出番は中盤からだ。

主人公が地獄の最果てへ辿り着き王と対面する。

主人公サイドは5人、王は1人孤立無援の戦いを演じる。

しかしやはり限界を迎えとうとう王は膝をつく。

そこからだ。念入りに練習した、出来るはずさ。

「我は地獄を統べる者!しかして我は孤独なり。我は我は我は我は我は我は我は我は我は我は!」

立ち上がり舞台中央へ走り振り返る。

そして客席を熟視、見渡す・・・と・・・?

飛鳥の思考が停止した。

客席を端から端まで見れば客の顔くらいは視界に入る。

そこに知っている顔が端から端まであった。

346の人達だ。

直接関わったことのない人も何度か絡みがあった人も練習に付き合ってくれた未央も奈々も、昨日ライブがあって疲れているであろう蘭子に智絵里。

そしてそしてそしてーー

「・・・・・・・・・・・・『くく、くはははははははは!ふははははは!否、孤独では無かったということか!これ程愉快な喜劇があるものか!ははッ!我が本当に欲していたモノは既に手に入れていたということだ!』」

そうだこれ程に愉快な喜劇もそうそう無い。

そうだ今思えばおかしいと思ったのだ。

何故舞台、一般公開されるはずのものの舞台が346の所有している別施設で行われるのか。

何故出演者のほとんどがアイドルなのか。

何故プロデューサーは企画について多く語らなかったのか。

なんて壮大で無駄で馬鹿で短絡的で致命的なんだろうか。

そのまま舞台は終わりを告げる。

そして舞台裏へ戻った飛鳥を迎えたのは『先程客席にいたはずのプロデューサー』であった。

「どうだった?」

「ったく君は、壁を壊す為にこんな壮大なモノを用意したのか?」

「『オーバーライド』できたろ?」

「それは・・・最初のライブの時に君が言った言葉。くくははははははは!やはり一々痛い言い回しをするヤツだ。だけど確かに!確かに『上書き』できたさ、あぁ!あの時は場を『上書き』した。次は僕の番だったか!」

本当にバカなヤツだ、と呟くと飛鳥のプロデューサーならそれくらいバカじゃないとやってられないさと返す。

その返しがまた可笑しくて笑ってしまう。

なるほど『キセキ』か。

プロデューサーと出会ったのはまさに『奇跡』、そしてその『奇跡』から生まれた僕が生み出すのは『軌跡』。

やはり痛いヤツだな。

そう思いながら舞台裏へを後にした。




さてどうだったでしょうか。
緩く、といいながら結局かなりガチガチになっちゃった感は否めません。
まあピックアップしたキャラもキャラでしたし今回は真面目路線で(いきなり路線変更とはこれいかに)。
この話自体は3時間で練って書いたのでクオリティはお察しでしたと思いますがどうでしたでしょうか(2回目)。
後書きって何を書けばいいんでしょうか。
割と悩みます。
あ、あと飛鳥のキャラ性を保てたでしょうか?
皆様がどういうことを考えながら読んだのか是非第3者の意見が欲しいので感想お願いします!
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