孫呉英雄譚   作:久遠寺バター

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ありきたりの話ですが

孫呉の小説を書き直したくて投稿しました。

生暖かい目で見守って頂ければ幸いです。


冒頭

「雪蓮!雪蓮!!」

 

「一刀…ごめんね。」

 

曹操軍の刺客に襲われ雪蓮は毒を受けた。

腕の中で炎の様に熱くなっている雪蓮の身体。

先程受けたのが強い毒なのだと容易に想像ができる。

頭の中で彼女が死ぬと認識し始め

最早、自分には側にいる事しかできないと悟ってしまう。

 

しかし、残酷にも侵攻してきた曹操軍の迎撃の為に雪蓮は戦場に立たなければならなくなった。

勿論、そんな力はどこにも無い。

しかし、彼女は戦場に立ち高らかに号令した。

 

「ーー我が屍を越えてゆけ!!」

 

それが雪蓮…孫伯父の最後の号令だった。

曹操軍を撃退させた後雪蓮の元にみんなが集まった。

泣き叫ぶ者

涙を堪える者

悲しみを隠す者

皆、雪蓮の言葉に耳を傾け別れを惜しんでいる。

 

「さよなら…一刀……あなたに…会えて………」

 

最期の言葉を言いかけて

彼女は静かに…静かに…息を引き取った。

その事実を認識した瞬間、この世界に来て思っていたある思いが溢れ出す。

 

ーーー俺に力があったら……

 

力があれば守れたかもしれない

力があれば救えたかもしれない

力があれば変えられたかもしれない

…力が…

…力が…

…力が!!

 

力があれば、愛する人を守れたのに!!!

 

考えがそこに行きついた瞬間

一刀の体が光り始めた。

それは雪蓮達と最初に出逢った時と同じ光だった。

一刀は直感で理解する。

自分は消えるのだと…

 

「俺、帰るみたいだ」

 

一刀の言葉を聞いて静まり返る。

そう、誰もが一刀という存在が消えるとは疑っていなかった。

いや、疑いたく無かったのだ。

その沈黙を雪蓮の妹、蓮華が破る。

 

「か…一刀……嘘よね?」

 

信じられないのか声を震わせながら話す蓮華。

蓮華の言葉を否定するかの様に一刀の体は光に呑み込まれ始めた。

 

「い、嫌!一刀!あなたまで居なくなったら私!!」

 

「ーー大丈夫だよ。」

 

何が大丈夫なのかわからないが彼女を悲しませたく無くて微笑みを返す。

別れの瞬間は思ったよりも冷静で只々彼女を思い言葉を発していた。

 

「俺も蓮華達を護ってるから……」

 

「一刀!」

 

ゆっくりゆっくり柔らかい布団にのめり込み力が抜けていく感覚が一刀を包む。

視界が霞んでくる…

 

蓮華が手を伸ばす。

それに応え手を伸ばすが一瞬指先が触れる感触の後、蓮華の手が俺の手をすり抜ける。

ああ、もう俺と言う存在は形が無いのだと悟る。

いよいよ消えるのか…

また、力が無いからなのか…

そんな自問をしているうちに視界が真っ白になった。

 

一刀の意識はここで途絶え、一刀の存在はこの世界から消えた。

この日孫呉は、英雄と天の御遣いを失った…

 




第一話と言うより冒頭でしたが

こんな感じの雰囲気で書いていきます。
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