いや、確かに強いけど   作:ツム太郎

1 / 31
少年は、精霊の存在すら知らずに戦いの渦中に投げ出されました。



回想

回想

 

 

 

ねぇねぇ、君の名前は?

 

僕?ぼくぁ山崎 恵一っていうんだよ。君は?

 

僕は武藤 遊戯っていうんだ。君もカードを持っているんだね、良かったらデュエルしないかい?

 

おぉ、いいね!それじゃ、さっそく始めるか!

 

 

 

 

 

 

 

 

じ、じいちゃん!

 

遊戯のおじいちゃんがテレビに吸い込まれていく!?

 

クソ!どうなってんだこりゃ!

 

彼を救いたければデュエリストキングダムまでくるのデース。待っていますよ、遊戯ボーイ、そして恵一ボーイ…

 

くそっ、なんでじいちゃんが…!

 

考えてる余裕はないさ、どういうマジックかわからんけど、ここまでして招待してくれるならアイツの居るところまで行ってやろうじゃないか。

 

あぁ、そうだな恵一!安心しろ遊戯!この俺も手伝うぜ!

 

えー、城之内頼りないわねー…

 

うっせー杏! ほら、とりあえずさっそく準備じようぜ、皆!

 

うん!

 

皆やる気満々だなー。でもなんでテレビに入ったんだろ?多分テレビの底が無くなってたり…してないな… えぇー…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさか私がこんな子供たちに自らの過ちを気づかされるとは思いませんでした…

 

ペガサス…

 

ペガサスさん、貴方がどれだけ恋人の事を思っていたかは正直分かりません。でも、そのために多くの人を傷つけていいことにはならないんです。

 

そうですね、恵一ボーイの言うとおりデース。もうこのようなことは…ホワッツ!?恵一ボーイ、そのカードは!?

 

え? これですか? これは昔っから僕が持ってたカードですけど…

 

ノー! ありえまセーン! そのカードは私が作ることを断念したカード。 この世にあるはずがないのデース!

 

えぇー…? そんな事言われても現にあるわけですし…

 

やはりワケ有りか… 恵一、俺も前からそのカードには何か恐ろしいものを感じていたんだ。

 

君まで何言ってんだ武藤、ただのカードにそんなものあるわけないでしょーが。 ていうか君は偶に性格変わるけどそれはなんなのよ?

 

とにかく、そのカードはいつか大きな災いをもたらしマース。恵一ボーイ、忘れないでくだサーイ…

 

えぇー…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…? キミ誰? ものっそいクマできてるけど… 寝てる?

 

…誰だ、お前は。 僕がデュエルを望んでいるのは名も無きファラオだ。早々に消えてもらおうか。

 

いや、別に地図カードは一杯あるし、このデュエルで失格になることはないんだけど…

 

問答無用だ、お前にはもったいないが神を見せてやる。

 

えぇー…

 

 

 

 

 

 

 

 

私は聖獣セルケトを召喚。 プレイヤーへダイレクトアタック。

 

うぼぇ

 

け、恵一ー!

 

不味い!これが闇のデュエルなら、アイツにはものすごいダメージが!

 

いやぁぁ!!お兄ちゃん!恵一さんが!

 

クソ!しっかりしろ恵一!お前のライフはまだ残ってるんだぞ!

 

立て凡骨!お前もデュエリストならば、この俺の役に立ってみんかぁ!

 

くふぅ、好き放題言うなぁみんな… 確かになんか調子悪いけど、別にソリッドビジョンなんだから何ともないってばさ…

 

なるほど、セルケトの攻撃を受けてもビクともしないか…やはりあのカードの加護が貴様にはあるようだな。

 

ん?カードの加護?なんかここに来る前にも死んだ目した人たちに同じこと言われたけど、どういうこと?どれの事言ってんの?

 

…あくまでとぼけるか。貴様が神をも脅かすカードを持っていることはすでに把握済みだ!どこで手に入れたかは知らんが、そのカードも我々グールズが頂く!

 

神て…確かに強いけど所詮カードじゃん…なんでそこまで必死になるのかね…グールズってみんな暇人なのかな… っと、ほい召喚!

 

!! 出たぜ!アイツの切り札! これでこのデュエルはアイツの勝ちだ!

 

良かった…!恵一さん…本当に…!

 

アイツめー、静香をこんなに泣かせやがってぇー!帰ったらぶん殴ってやるからさっさと勝ってこーい!

 

よし!アイツよりも先に召喚することができた!これでアイツに神を召喚させなければ恵一が勝てる!

 

ふぅん、ようやく出したか…それにしても、いつ見ても圧倒的な禍々しさだな。効果も合わさってまさに破壊の権化。やはりあのカードはこの海馬瀬人にこそ相応しい…

 

えぇー…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クソ!なんてパワーだ! 我らが束になっても倒せないとは…!

 

ヒャーハッハッハッハッ! 当り前よ!このゾークにテメェらのカーなんぞかなう筈がねえん…!? て、テメェ! なんでこの世界にいやがる! 山崎 恵一!

 

え?いや、普通になんか迷いまして…ていうか獏良君、君もなんか武藤みたいなキャラになってない? そんな乱暴な言葉遣いだったっけ?

 

ちぃ! やはりあの化けモンどもが動きやがったのか! 大人しくしてればいいものをよぉ! まぁいい、ここでテメェも殺してやるよ! やれ!大邪神ゾーク!

 

うお!?なんか来た!? しかも臭ぇ!? 臭いまで再現してんのか、レベルたけぇな最近の技術は…っておい!? なに勝手に出てきてんだこれ!?

 

! やっぱりソイツらの力か… いいぜ、ファラオともどもぶっ潰してやる!

 

恵一、ここは俺たちと共に戦ってくれ! 相反する存在といえど、一緒に戦えばその力は無限大だ!

 

えぇー…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆ、遊戯がアテムに勝った!

 

う…くうぅ…僕は…

 

相棒、良くやってくれた。これで、俺は神と共に帰れる。みんなのもとへ…

 

もう一人の、僕…!

 

見て! 奥の扉が…!

 

うぇー…なんかすっごい眩しいし…どういう作りになってんだこれ…

 

恵一、お前はいつも俺の隣にいてくれた。お前が俺のパートナーでよかった、本当にありがとう…そして、すまない… お前にこんな使命を任せてしまって…

 

ん?使命って… 世界を守れってやつか? 大丈夫さ、よく分からんが毎日ゴミの分別もしてるし環境には気を使ってるよ!

 

すまない…そのせいで…お前は不死に…

 

ん?父子? 子供はいないよ? ていうか、この劇はいつまでやるの? 僕未だに君がなんで二人いるのか分からないんだけど…

 

大丈夫だぜ遊戯! こいつの事は俺たちが支え続ける! それに、不死になってもこいつはずっと俺の友達だぜ!

 

はい、私がずっと恵一さんの隣に居続けます!

 

そうか、それを聞いて安心した。…、もう時間だ、逝くとしよう… じゃあな皆!相棒!恵一!

 

遊戯ー!

 

もう一人の僕ー!!

 

えぇー…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんか成長しないなー、って思って調べたら細胞の退化が止まってた。

 

ん?なに言ってんだ恵一。

 

あぁ、遊城。別になんでもないよ、言っても信じてもらえないだろうし…

 

?? ナニ訳わかんねーこと言ってんだ? それより急げ! 早くしねーと実技試験逃しちまう!

 

うぃ、早くしないとね。

 

あぁ、だからもっとはや…うぐ!?

 

あー、よそ見するからぶつかってー…

 

す、すいません!大丈夫ですか!?

 

うん、大丈夫だよ。君はデュエリストなのかい?

 

え? はい! 今から学校のテスト受けに行くんです!

 

そうなんだ、じゃあこれをあげよう。きっと君を導いてくれるよ。

 

ホントですか!? ありがとうございます! それじゃ! 行こうぜ、恵一!

 

え!? けいい…ち…!?

 

ン? 終わったの? じゃあ急ぐよ遊城!

 

け、恵一君!? 待って! 今までどこに行ってたの!? みんな心配してたんだよ!?静香ちゃんなんか心配しすぎて様子がおかしくなっちゃってるし…!

 

ありがとーございましたー!

 

…行っちゃった… やっぱりまだ怒ってるのかな… 彼一人に全てを任せてしまったこと…

 

 

 

 

 

 

 

 

私のターン、フィールドのトークンを生贄に、幻魔皇ラビエルを召喚する!

 

ゴアアアアア!!!

 

さ、三幻魔がそろってしまった!

 

このままでは恵一は…!

 

恵一…!!

 

あー、なんかデジャブ。そして今日もなんか気持ちが悪い… なんだろう、すっごい嫌な気分… …まあいいや、ほいコッチも揃えるよ。

 

!? これは…!

 

やった、恵一もトップカードをそろえた!

 

これで力は五分五分!いや、アイツのカードは幻魔なんか蹴散らすぜ!

 

そうですーノ! 彼のカードは私をも1ターンで倒した超パワーを持ってるーノ。絶対に勝てると信じるのーネ!

 

ん?教諭の声が…? なんで? あの人形? 録音機能があるのか、便利だなー…

 

く、何を呆けている山崎 恵一、早く動きたまえ。貴様もすぐにああなるのだ。

 

えぇー…

 

 

 

 

 

 

 

 

斎王!皆を元に戻すんだ!

 

やはり来たか、可能性を持つもの、遊城 十代、そして強すぎる闇、山崎 恵一。

 

え、僕そんな名前ついてるの? 確かにこれは強いし闇カードだけど…別にそんな名前が付くほどじゃ…

 

謙遜も度を越えると嫌味になるぞ。 私にはお前の運命がまるで見えない… しかも精神が揺さぶられる感覚になる… これがそのカードの力か… 恐ろしいものだな…

 

えぇー…

 

 

 

 

 

 

 

 

おぉー…、モンスターがいっぱいいる…しかも触れるし。ていうかここ何処だよ、さっきまで沼に居なかったか、俺?

 

…、君は…

 

ん?お、ユベルじゃん!すげー、ホントに男と女が合体したようになってるんだ!

 

!? 僕の名前を気安く呼ぶな! 僕を呼んでいいのは十代だけだ!

 

え?遊城と知り合いなの?だったらちょっと案内してほしいうヴぇぇ…

 

…吐くなよ、汚いなぁ。ここには十代を招待するんだよ?ていうか、なんで君は僕に操られないのかな?

 

ヴぇぇ…この感じは何度も感じたやつだぁ…ぎぼぢわるい…ヴぇぇええ!

 

!!? 吐くなと言ってるだろ! 汚いやつめ! もういい、お前はここで死ね!

 

えぇー…ヴぇぇ…

 

 

 

 

 

 

 

 

いくぞ恵一! 一緒にダークネスを倒して皆を救うんだ!

 

二人がかりでならば勝てると思っているのか…哀れだな、諦めろ、全ては闇に飲まれる運命だ。

 

誰この人。ん!?すごいでかいなこの人!? 何メートルあんだよこれ。 すんませーん、それって底上げとかはかないでその身長なんですか?

 

…フハハ… 闇に消えると知ってもそこまで邪気のない声を出すか、山崎恵一。さすがに我らが頂点に好かれるだけのことはある。

 

なに!? 頂点とはどういうことだダークネス!!

 

何をとぼけている遊城十代。 山崎恵一の持つあのカードこそ全てが闇に包まれた時に世界を染める存在…なぜ人間である彼が持っているかは知らぬが…その力こそ本来世界にあるべき力なのだ…

 

…今までもそうだけど、なんでみんなコレにそこまで注目するのかな…別に欲しかったらそこら辺にあるじゃん。高くてもこれが1000円くらいだし。

 

いつまでも遊んでる暇はないぜ恵一! さぁ、俺たちで世界を救うんだ!

 

えぇー…

 

 

 

 

 

 

 

 

それでーハ、只今より新任教師の紹介をするノーネ。オシリスレッド総合統括管理、山本恵介!

 

はい。

 

山本恵介、只今より貴方はこのデュエルアカデミアの教師の一員なノーネ。指導者として生徒をよき方向へ導くために全力を尽くすノーネ!

 

はい。

 

…、貴方には本当に苦労をさせるノーネSr.恵一… このデュエルアカデミアを守るためには私たちだけでは力及ばずなノーネ。

 

いいですよ先生、代わりに僕もここに身を隠せますので。不死なんて世間にばれたらどんな人体実験されるか分かりませんからね。

 

本当にすまないノーネ… 貴方はすでに重すぎる使命を持っているというのに…

 

? よく分かんないですけど、別にいいですって。十代ともここにいるって約束しましたし…

 

…思えば、入学した時から貴方はまるで変ってないノーネ。向う見ずなところ、勉強をしないで同じ失敗ばかりするところ。でも貴方は何があっても決してあきらめずに進み続けたノーネ。…分かったノーネ!私ももう後ろは見ないノーネ!貴方と共に、生ある限りこの学校を守り続けるノーネ!力を貸して欲しいノーネ、Sr.恵一。

 

分かってますよ、クロノス校長。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある探偵の日記

 

レポート名「世から消えた英雄について」

 

私はとある人物から依頼を受け、今までずっとある標的を調べつづけていた。その人物はかの有名なキングオブデュエリストである武藤遊戯の唯一無二の相棒であり、武藤遊戯が宿していたといわれる名も無きファラオの魂にでさえも互角の死闘を繰り広げたという。

さらに、彼は今の科学ではありえない「不死」を体現していると推測される。

その根拠は彼がデュエルアカデミアに在籍していた、ということから考えられる。

彼が武藤遊戯と学生時代を送っていたころの写真と照らし合わせたところ、彼は現在まで全く成長していないことが分かった。

ただの童顔では、と考えたが、秘密裏に入手した彼の毛根から彼の不死が解明された。

彼は成長しない。

ずっと高校生のままであった。

だからこそ容易にデュエルアカデミアに侵入する事もでき、「ヒーローの申し子」である遊城十代と簡単に顔見知りにできたのである。

彼の行動は未だ予知できていない。

現在まで彼は自分から全く動いておらず、ほとんどが「巻き込まれた一般人」として扱われている。

また、現在の彼を知る者は誰一人としていない。学校側や旧知の者達を問い質しても、何も知る事ができず、さらに彼の友人の一人である川井静香のもとへ出向いた時には、逆に彼の事を尋常ではない勢いで問い質され、さらにこちらが入手した毛根も強奪されてしまった。

このように、彼に関する情報は限りなく少なく、入手できた情報もほとんど無いに等しい。

しかし、決死の捜索の結果、とあるルートから「邪悪の権化」と呼ばれる彼の切り札の情報を得る事に成功した。

彼の切り札は三枚ある。

一枚目は、味方をも萎縮させる破壊の暴君。

二枚目は、全て道連れにする異形の竜。

そして最後、彼の切り札中の切り札は、常に敗者の上に昇り続ける漆黒の太陽。

以上が、彼の切り札に関する情報である。

 

また、彼に似た人物がデュエルアカデミアにて教鞭を振るっている情報を入手しており、私は今からアカデミアに潜入し、引き続き彼の捜索を行おうと考える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後、デュエルアカデミアの焼却炉で謎の焼死体が発見されたが、その身元は特定されておらず、犯人も分かっていない。

また、死体には焦げた後以外に黒く変色した部分が発見されたが、その原因も特定されていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぶえッくシュ!」

 

「うわ、先生きったねー!」

 

「先生大丈夫?風邪引いたの?」

 

「んー、別に何ともないんだけど。誰かに噂されたかな?」

 




ご感想、ご指摘がございましたら、よろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。