ポケモンのいる(非)日常   作:ゾゾ

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プロローグ

 

 ポケットモンスター、通称「ポケモン」。

 

 元々は携帯ゲーム機の人気シリーズタイトルだが、現在ではそれを基にしたアニメや映画など、様々なメディアミックス作品群として展開されている、日本が生んだ一大コンテンツである。

 

 そんなポケモンを題材としたスマートフォンアプリ「ポケモンGET」がリリースされ、わずか1ヶ月で一億三千万ダウンロードを突破、ワールドレコードにも認定され、一躍話題となる。

 

 日本においては何故か未だにサービス開始にはなっておらず、今か今かとそのリリースが待ち望まれていた。

 

 しかし、待てど暮らせど日本版がリリースされないまま、一年の歳月が流れる。

 

『新たな機能の実装に時間がかかっている』『もっとゲーム性が加わる』『このまま日本版はリリースされないんじゃないか』など、そんな噂や憶測が(まこと)しやか囁かれ、果ては国家規模の陰謀論なんてものもネット掲示板では語られていた。

 

 やがてその存在自体が忘れられかけた頃、開発元の制作会社インディティックラボラトリー社が、ついに日本版リリースに関する発表を行う。

 

「親愛なる日本のポケモントレーナーたちよ、大変お待たせした。ようやくここ日本においてもポケモンGETをリリースする手筈が整った」

 

「ポケモンを生んだこの国において、既存のポケモンGETでは、決して日本のポケモントレーナー諸君には満足いただけないのではないかと、開発メンバーを刷新し、もう一度根本からシステムを見直し、一から開発、調整を行ってきた為、一年という時間を要してしまった」

 

「そうしてようやく完成した新たなポケモンGETは、既存のものとは全く異なる故に、日本でのリリースは当然だが、世界各国にも一新した形で配信する。以前の開発陣が行った順次配信などという愚鈍で無粋なことはせず、世界同時リリースだ」

 

「しかし残念ながら、全ての人間がこのアプリを手にする事は叶わない。だからこそ、この新たなポケモンGETは、世界中の真のポケモントレーナー諸君に満足頂けるコンテンツに仕上がったと自負している」

 

「おっと、長々と済まないね、時間が来たようだ。柄ではないのだが、これも形式美というものだ。偉大なるポケモン博士に倣い、この言葉で君たちを送り出すとしよう」

 

 

 突如甲高い反響音が鳴り響き、それ以外の全ての音が遮断される。やがて視界が揺れ、世界が歪み、画面から眩い光が解き放たれる。

 

 

 目の前が光に満たされ、徐々に意識が途切れそうになる中、先程の声が頭の中に響く。

 

 

 ーーーどうやら君は選ばれたようだ。さぁポケモントレーナーよ、これから君の物語の始まりだ。夢と冒険と、ポケットモンスターの世界へ!レッツゴー!

 

 

 

 その言葉を聞き終えるや否や、完全に意識を失う。

 

 

 

 世界は今、真っ(さら)な色に染められていく。

 

 

 

 

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