二次元転移、吐き気がする!   作:秋十

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私、中田翔こと高校二年生は、今のアニメが嫌いだ。
何故あそこまで皆の顔が若い?
年齢が四十代なのに、何故十代と顔の若さが同じなんだ? ロリ顔ばっかりで吐き気がする。
あと、ぶりっ子なのも気に食わん。現実ではぶりっ子は真っ先に嫌われる対象だ。然し、アニメの世界ではぶりっ子=萌え対象。
差がひどくないか?
吐き気がする。
あんな腕が細い女子が、「やー」とか「うりゃー」とか覇気のない声で死闘を繰り広げる。
吐き気がする。
せめてムキムキボディで、
「どりゃ!!」とか「ふんぬ!!」とかゴリラの様に戦うか、色気ムンムンで峰不◯子の様に戦うのだったらまだ理解ができる。
ロリっ子なら大人しく、◯子の様にお爺ちゃんと茶でもすすってろ!
お前が出しゃばる幕じゃない!
俺はアニメが好きな奴も嫌いだ。
グッズが出るや否や、アリが獲物を見つけた様に群がり、ポスターを見ると、キリストが再臨したかの様に崇拝し、「良さが分からない」と貶したら
「死ね」と言われるし意味がわからん。
とにかく俺は今のアニメが嫌いだ。

そんな俺がたった一人で二次元に転移させられるなんて思ってもみなかった。




第1話

月曜の朝の布団の中、地獄だ。

二日前まではまだ布団に入っていてよかった。

然し、平日という審判の5日間が始まると、起きるか起きないかのジレンマに縛られる。最悪だ。

 

「お兄ちゃん、起きて」

 

俺には六歳年下の妹がいる、然しアニメの様に可愛いと思ったことは一度も無い。

食べた事も無いのに見ただけで

「やだ、嫌い」と好き嫌いをし、夜突然起こされては「起きて見てて」とドアを閉められるのにそこに立ってなきゃいけないし、こうして起こされもする。もっと兄に夢を見させてくれ。

それでもいなくなって良いかというとそうでもない。例えばショートケーキにあるイチゴの様に、茶碗蒸しに入っている銀杏の様に、この家にはそういう引き立たせ役がいないと、何か目覚めが悪くなる。

然し、妹の友達に告られてそれを振り、選挙活動の車を占拠して公の場で妹に「結婚してくれ!!」と身内なのに婚約宣言するなどとは考えた事もない。

考えただけでも吐き気がする。

 

俺は渋々妹に起こされ、そんな事を

読者に説明しながら階段を降り、リビングへ向かった。

アニメの様にすでにヨーロッパのようなベーコン、目玉焼き、トーストパンなど置かれているはずも無く、まだ寝ている母をほっとき、昨日の残りのカレーをチンした。

ウチの家族みんな寝坊助である。

妹が朝早いのは、学校から帰ってきて直ぐ部屋に直行し、就寝。夜中にBLのエロゲをやり朝まで起きていたからである。

それなのに学校の成績はトップクラス。アニメみたいで吐き気がする。

お前中学行ったら覚えとけよ。

 

カレーのチンが終わり、テーブルに置く。妹の分もチンしてあげる。

時間が押してるので急いで掻き込み、学校へ行く準備をする。妹はもう今日の用意が終わってたらしく、ゆっくり食べている。

 

「行ってくる」

「行ってらっしゃい」

 

家を出るとき、妹が玄関まで見送ってくれる。少し嬉しい。但し結婚はしない。

学校までは二十分ぐらいある、もう少しで遅刻しそうだ。

俺は手提げ鞄をリュックの様に背負い、全速力で走った。

ギリギリに間に合い、二階にある教室へと向かう。

教室に入ると女子が何が面白いかわからないが大爆笑をして話し、野球部の奴らが集まりオフの日の予定を話し合い、それ以外の奴はスマホゲームの話をするか、読書をしていた。

そう、これが普通。アニメみたいな清楚で、お淑やかで、可愛い奴なんかいやしない。

俺は自分の席に座り、そこに待ち構えている鬱陶しい奴がいた。

 

「また会ったな友よ」

 

そりゃ会うよ同じ教室なんだから。

こいつは谷口高元。みんなからは「コウちゃん」や「げん」と呼ばれている。

こいつが話す事は俺が全く興味が無いアニメ、ゲーム、ニカニカ動画の事しか話さない。

俺はwetubeとニカニカは見るから少しはわかるが、話してくるのはマニアックな動画の事しか話さない。

こいつのせいで、全く興味が無いアニメの知識を得てしまった。

 

「ニカニカ動画で見つけたんだけどさ、ダイオバザード4を瀕死、ナイフ一本で攻略した人がいるんだけどさ、その人の口癖分かる?」

「……」

 

知るわけねえだろ馬鹿。

 

「超余裕、超余裕だったんだよ!」

「ただの見栄っ張りでムカつくな」

「そんな事言わず一回見て! お願い! 俺なんか十回ぐらい見ちゃって、で、やってみたけどもう無理、吐き気がしてくる! その人も千回以上死んでるんだけどさ、もうその不屈の精神凄すぎ!」

 

こんな風に異様にテンションが高いのがムカつく。

そんな訳のわからん話しを一方的に聞かされ、朝の会が始まった。

 

 

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