二次元転移、吐き気がする!   作:秋十

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第3話

学校に着いた、はずだ。

目の前に映るのは鉄筋コンクリートで出来た無骨な校舎ではなく、木材で作られた昔ながらの校舎の様なオシャレな学校に変わっていた。

場所を間違えたか? と思ったが、校門の前には「北高校」と書かれた表札があったから間違いない。

まてまてまて!? 改装工事なんて聞いてないぞ!? しかもたった一日で!?

俺は唖然となりながら校舎に入った。

下駄箱の前には三者面談のときに使う保護者用の案内図があり、それを頼りに自分の教室へと向かった。

教室のドアや窓は暖かみがある木材へと変わっていた。

(冬、寒そうだな)

恐る恐る教室に入ると、手前で女子生徒が喋っていた。

 

「聞きました? 先日前の席のマキさんが子犬を拾ったそうですよ」

「まあ何とお優しい。後で何か食べる物をお届けしなくては」

 

何だろう、清楚でおしとやかになったけど何処となく話題がおばさん臭い。

自分の席に着きそんな会話を盗み聞きしてた頃、どんどんクラスメイトが入ってきた。

女子、女子、女子、女子。

あれ? こんなに女子がおおかったっけ?

気付いたら教室の四分の三が女子生徒で埋め尽くされた。

その中で数少ない男子である奴が登校してきた。

 

 

「よう、中田」

 

無視しよう。

 

「なあなあなあなあなあ、寝てねえで起きてくれよ。俺はお前とお話がしたいんだよう」

「分かった。じゃあ聴いてやる」

 

「……」

「無いんかい!」

 

相変わらず人を小馬鹿にしている様にしか思えない。

そして、彼の胸には『主人公』と書かれたワッペンが付いていた。

 

「……そのワッペン、どうした?」

「ああ、コレね、夢の中で妖精さんに付けてもらったんだ。そしてお守りにしているの」

 

そんな理由でわざわざ制服に穴開けてまで付けてくるなよ。

そんなふざけた会話をしていると、朝の会が始まるチャイムが鳴った。

友達と清楚でおばさん臭い建前だらけの会話をしていた女子が次第に自分の席に着き、先生の登場を待った。

 

先生が来た。

「起立! 礼! 着席!」

クラスのリーダーだと思われる生徒会風の女子が、全身ジャージ、メガネをかけた元スケバン風な先生に向かって号令を行っていた。

みんな座ったのを確認すると、徐ろに生徒に向けて報告をし始めた。

 

「今日は、転校生を紹介します」

 

辺りがざわつく。誰しも新しくやってくる仲間には好奇心が湧くものだ。

 

廊下にいるらしく先生が手招きするタイミングで入ってきた。

カバンを両手で前に持ち、俯きながら壇上へと上がった。

あれ? 朝ぶつかった子じゃない?

しかも学校とは真逆の道を走って行ったよ?

 

「鈴野沙雪と言います! 好きなものはアンパンとクリームパンとメロンパンです! よろしくお願いします!」

 

緊張しながら自己紹介を終え、クラスで拍手が起こり、次第に収まっていった。

 

「そうだな、席は……じゃあ奥の右から二番目の空いてる方へ」

 

あれ? その席って俺の隣じゃね?

沙雪はゆっくりと、少し下唇を噛みながら俺の隣にやってきた。

それにしても、可愛い。

ある人から見たらぶりっ子に見えるんだろうけど、わざとらしさやビッチな感じが全くしなく、これが素なんじゃないかと思えるほど自然だ。

 

「今日は、ゴメンね」

 

俺は一先ず話の切り出し方として、今日ぶつかったことを謝った。

 

「いえ、だいじょうぶ…です……」

 

話下手なのがまた可愛い。小動物の様な素振りを見せるから母性本能をくすぐられる。

私、男なんですけどね。

何か先生が重要な事を話してたと思われるが、俺は目の前の小動物をどうやって外敵から守ってあげようかと思っていたら、朝の会が終わっていた。

 

 

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