住む者は力ある者でそれぞれの業務を全うしていた
だが、基本的に決め事がないために自由なスタイルで皆過ごしていた
しかし、朝,昼,夜のご飯は決められてるために過ぎると食べれなくなる
依頼書がある時はぎりぎりの時間になっても起きなければ
叩き起こされ、仕事が終わった後は反省文を書かされる
自由でいて厳しい規則が作られている
そして、朝方の5時40分頃…
一人の少女が目覚ましの音に気付き、目を開けた
「ふわぁ…朝の早起きはきついですわね」
目を擦りながら布団から出たのは「結月ゆかり」であった
ゆかりはカーテンを開けながら差し込む朝日を手で遮った。
ゆかり「今日も良い天気ですね・・一日の始まりですわ」
朝日に対して微笑むゆかりはその場で背伸びをしながら爽やかな朝を満喫した。
しかし、そんな爽やかな朝も束の間…
「こらぁー!いつもいつもいい加減にしなさい!」
突然の怒鳴り声にゆかりは小さくため息をついた。
ゆかり「(せっかくの朝が台無しじゃないですか…)」
急いで着替えたゆかりは怒鳴り声が上がった場所に向かった
怒鳴り声の方向は台所だった。
駆けつけたゆかりが見た光景は仁王立ちをする少女の前に二人の少女が居た
右側にピンク色のロング少女で左側に淡い青色のロング少女が二人して正座していた。
ゆかり「るみかさん・・朝っぱらから近所迷惑ですよ?」
仁王立ちする彼女の名は「宮永瑠魅花」この家の元頭首である。
瑠魅花「茜ちゃんと葵ちゃんがまたつまみ食いをしようとしたのよ!?」
瑠魅花が怒鳴っていた相手は「琴葉葵と茜」仲睦まじい姉妹である。
瑠魅花の説明によると朝の朝食を作っていた所に茜と葵がこっそり近づき
用意していたおかずをつまみ食いしようとした所を見つけたのだった。
茜「ちがうで!葵が食べたいって言ったんや!」
葵「何言ってんですか!お姉ちゃんが言ってたじゃないですか!」
二人に反省する気配がなかった
瑠魅花が怒ってるのを余所に二人は言い争いを始めた。
ゆかり「ひぃ!?・・・私は知りませんよ…」
言い争ってる二人を見ながら瑠魅花の様子を窺ったゆかりが青ざめた
小声でつぶやくとそそくさとその場を去った。
ゆかりが見たのは鬼の形相のように表情を変えた瑠魅花だった
完全に堪忍袋の緒が切れた瑠魅花は力を込めて叫んだ。
瑠魅花「いい加減にしなさああああああああああい!!!!」
その声は五月蠅いを通り越して恐怖を感じさせた
言い争っていた二人も顔色を変えてその場に沈黙した。
朝食の時間もあったために説教は10分程度で済んだけど
時間が短い代わりに恐怖が割り増しで二人を襲った。
茜・葵「本当に・・ごめんなさいです(やで)」
瑠魅花「次したらお仕置きだからね!ゆかり!皆を起こして!」
二人に念押しをするとゆかりに皆を起こすように呼びかけた
丁度歯磨きを終えたゆかりは返事をして起こしに行った。
まずはマキさんから起こしに行くことにした。
ゆかりは「マキの部屋」と書かれた扉の前に立つとノックをした。
ゆかり「マキさ~ん、起きてますか?」
呼んでみたけど返事がなかった。
あれほど響く怒鳴り声が届かないのもどうかと思う…「失礼します」と言いながら中に入る。
入った横のベッドに金髪ロングヘアーの巨乳少女が気持ちよさそうに眠っていた
彼女が「弦巻マキ」である。
ゆかりはマキの寝姿を見ながら呆れていた
布団はベッドから落ち、寝間着のボタンが全開で胸が露わになってた。
ゆかり「でかいですね・・どうやったらここまで大きくなるのかしら・・?」
ゆかりは険しい表情でその胸を眺めていた
眺めるだけでは飽き足らずに両腕でわしづかみにして揉み始めた。
マキ「う・・うぅん・・・ん?」
何かの違和感を感じたのかマキの表情が少しだけ歪んだ
そして、薄っすらと目を開けると・・・。
マキ「うわあ!ゆかりん何してるの!?」
目を開けた先に両胸をわしづかみしてるゆかりが目に入り、慌てて飛び起きた。
ゆかり「違います!私は揉んでいません!」
マキ「しっかりとわしづかみしてたじゃん!白々しいよ!」
ゆかり「マキさんが起きないのが悪いんです!こんな胸して・・!」
マキ「意味が分からないよ!起きるから出てって!」
少し赤面したマキは肌蹴た寝間着を片手で閉じながら怒鳴った。
ゆかり「何ですか!せっかく起こしに来たのに・・もういいです!」
マキの態度にゆかりは不機嫌になり落ちた布団を投げつけて出ていった
投げられた布団はマキの顔に当たりそのまま壁に頭を打ち付けた。
両頬を小さく膨らませながらゆかりはずんちゃんを起こしに行った
ずんちゃんの部屋はマキさんの部屋から右に進んだ奥の部屋だった。
ゆかり「ずん子さん・・起きてますか?」
「ずん子の部屋」と書かれた扉の前でゆかりは呼びかけた
ゆかりが呼び掛けた相手・・彼女の名は「東北ずん子」である。
ずん子「は~い、起きてますよぉ」
部屋の奥からずん子の声がした。
ゆかり「朝ごはんができますので降りてきてください」
ずん子「りょーかい!」
ゆかりの呼びかけにずんちゃんは元気に応えると部屋から出てきた
階段を下りる途中でマキちゃんも出てきて3人一緒に降りた。
マキ「そういえば…暁さんは?」
ゆかり「暁さんなら鎮守府の方に行ってますよ?」
マキ「あれ?そんなに朝早くに行ったの?」
ずん子「昨日言ってたじゃないですか・・海外艦との会合があるって」
マキ「そうだっけ?」
マキの能天気さに二人は大きなため息を吐いた
3人がリビングに着くと朝食が既に完成していた。
瑠魅花「何か二階が騒がしかったけど何かあったのかしら?」
ゆかり「ちょっとね・・るみかさんよりはマシですよ」
瑠魅花「むぅ・・とりあえず席につきなさい」
「早くしないと食器を片付けるわよ?」
ゆか,マキ,ずん「へ?」
3人は時計を見ると既に6時30だった
朝食の時間は6時~7時までと決まっていた。
ゆかまきずん「うわああああああ!」
茜「本当に朝から騒がしいんやから」
葵「お姉ちゃんが言っても説得力がないよ・・」
茜「なんやと葵!」
るみか「ああもう!いいからさっさとご飯を食べなさい!」
皆が起きれば静かな朝が騒がしくなる・・これが宮永家だった
暗いことは一切なく、毎日が飽きない楽しい時間が此処にあった。
なんとか朝食を済ませた皆は少しだけの時間を寛いだ
仕事の時間は午前8時…それまでの間に瑠魅花か暁が依頼書を持ってくる
依頼書業務は茜と葵がメインだけど、業務がなければ皆が共通だった。
マキ「朝のテレビって何も面白いのやってないんだね…」
ゆかり「子供番組とかやってないかしら?」
ずん子「いや・・日曜じゃあるまいし」
テレビに群がる3人を余所に茜と葵はゲームをしていた。
茜「葵!そこは音爆を使うんや!」
葵「音爆忘れた・・出てくるまで待とうよ」
瑠魅花も片付けを終えた頃…暁が帰ってきた。
暁「ただいまぁ・・今帰ったわよ」
そう言いながら暁は束になった紙を片手で持ちながら居間に移動した
会議の間と書かれた部屋の前に立つとその襖を開ける
襖を開けた先は中央に縦長のテーブルが置かれ、一番奥に瑠魅花とゆかりが座っていた。
一同「おかえりなさい!」
既に皆が集まって指定の席に座っていた
上座と下座…それぞれが自分の身分を弁えて座っている。
暁「これが今日の依頼書です…仕分けをお願いします」
瑠魅花「ご苦労様、暁も座りなさい」
暁は微笑みながら頷くと左側の上座に座った
座る位置としては右の上座から順に暁,マキ,ずん子/左の上座から順に茜と葵だった。
瑠魅花「8時ですね・・始めましょうか」
ゆか,るみ「皆さん、おはようございます!」
茜,葵,マキ,暁,ずん子「おはようございます!本日も天候に恵まれて清々しい一日です!」
一日の仕事が始まった。
瑠魅花「今回の業務を伝えます!心して聞いてください」
8時まで10分の間に暁が持ってきた依頼書の仕分けを終えていた瑠魅花が振り分けをした
今日の御勤め内容・・・。
弦巻マキ:憲兵隊を率いて長野県に出没する賊(犯罪者の集団)の討伐
東北ずん子:愛知県警新人警察官の指導
暁:ミッドウェー諸島近海に出没する深海棲艦の調査(米軍合同)
琴葉茜と葵:袋井市にある法多山でお祓いのお手伝い兼除霊業務
ゆかりと瑠魅花:浜松市北区の廃校に住み着く悪霊退治
瑠魅花「以上!何か申し出ることはありますか?」
誰もが何も言わなかった。
瑠魅花「では…これより宮永家の業務を始めます!それぞれ励むように!」
瑠魅花が話を終えると皆が一斉に一礼をして依頼書を手にするや出ていった
仕事の始まりは皆同じだけど、終わる時間はそれぞれが異なった
門限は8時までと決まってるが、場合によっては帰れない時もある。
その場合は事前に申し出ないと反省文あるいはお仕置きが待っていた
運が良ければ早い時間に依頼が終わり、残りの時間が自由時間になる
定時が8時までなら、その間は遊んでお金が稼げる寸法だった。
瑠魅花「はぁ・・この依頼って結構難易度高くない?」
ゆかり「依頼ランクはLですか・・それほど強力なのかしら?」
二人は依頼内容を見ながら打ち合わせをしていた。
瑠魅花「廃校の幽霊なんて地縛霊や怨霊程度だけど・・これって妖怪レベルね」
ゆかり「まぁ、私達が力を合わせれば楽じゃないかしら?」
瑠魅花「だといいけど・・数にもよるから油断できないわね」
話を終えると二人は戸締りを確認して宮永家を後にした。
ここは浜松市北区の引佐町奥山…そこのある場所に何十年前から廃校になった小学校が存在した
グランドの隅に置かれた遊具はサビやら腐食などでボロボロだった
雑草も生い茂っていて、校舎自体も木造建てでいつ壊れてもおかしくなかった。
ゆかり「ねぇ・・これって最近の学校じゃないですよね?」
ゆかりは校門から中の様子を伺いながら唖然としていた。
瑠魅花「昭和時代かしら・・かなり古い小学校ね」
校門横の石壁に表札で学校名が記されていた
所々擦り切れているけど何とか読むことができた。
瑠魅花「公立・・辰道第4小学館・・・?」
ゆかり「学校じゃないんですか?何で館なんて・・・」
瑠魅花「そうだけど・・ちゃんと書かれてるわよ?」
瑠魅花は表札を指差しながら見せた
確かにそこには「公立・辰道第四小学館」と書かれていた。
ゆかり「昭和時代の学校だから名前も変なのかしら?」
瑠魅花「昭和だからってこれはね・・でも、この際名前何てどうでもいいわ」
二人の仕事は依頼を達成させることでそれ以外のことに関与する必要はなかった
どんなに変な名前やら状況だろうがやることは一つだけ。
ゆかり「そうですわね・・とりあえず中に入ってあらかた見て回りましょう」
ゆかりは考えることをやめて瑠魅花と一緒に校門を潜った
ちょっと道のりがあったけど、すぐに正面玄関が見えた。
今回の物語は瑠魅花とゆかりがメインのお話…
二人が訪れた昭和時代設立の廃校「公立・第四小学館」
学校なのにどうして館がつくのか、その真実は校門を潜った先で明らかになった
依頼内容は(廃校に住み着く悪霊退治)ランク:Lの討伐依頼
普通ではあり得ないランクに疑問を抱く二人だが、詮索はしなかった
彼らの仕事は一般市民を守ること・・どんな依頼だろうが例外は認めない
此処からちょっとした壮絶な戦いが待ち構えてることは二人も思っていなかった
第一章 終