それはそれとして、槍ペンさんがほしくて今月の月初めの呼符でガチャを引いたらトリスタンさんが来たんだ。嬉しかったけど君じゃないんだよなぁ……。
私は目を覚ました。
目覚めた直後に特有の惚けた頭に活を入れて、状況の確認をする。自身の最後の記憶から、これがただ寝て起きただけではないことは既に把握している。私(達)には、とある任務が課されている。過去の極東に赴き、そこで起きているとされる異常を調査、解決することである。そして、自分たちは
さて、そこでなぜ私の意識が落ちたのかを考えてみる。と言っても、原因を推測するのはそう難しくない。私は覚えていたからである。レイシフトを待っている最中、突然大きな衝撃と熱が私を襲ったことを。つまり、何かの要因で爆発が起こったのだろう。実験前の安全確認は死ぬほどしつこく、厳重に行われていたのだから事故でないのは間違いない。であれば、これは人為的に起こされた破壊工作である可能性が高い。
そこまで考えて、今思考を巡らせるべきはそれではないと気づいた。起きてしまったものは仕様がない。大事なのはその後の対応。といっても、今自分にできることはないに等しい。なぜなら、私は未だにこの電力稼働式の棺桶に閉じ込められているのだから。全く、いい名前を付けたものだ。
ともかく、この箱から出なければ話が進まない。内側から開く手段があった筈だ。手探りでそれを探す。……あった。指に引っかかった
周囲を見渡す。48個ある
これ以上此処にいても情報を得る事は出来そうにないので、生き残った誰かを探す事にする。そうと決まれば行動だ、と移動を始めようとした私の出鼻を挫くかのように、声が掛けられた。
「どうして凍結が解けたんだ、とか色々と言いたい事や聞きたいはあるけれど、ともかく無事でよかった!」
そこには、居るだけで場の空気が緩む等と言われている、カルデアに来てからの私の上司、医療部門のトップ、ロマ二・アーキマンの心からの安堵の表情があった。
私としては現状の話を聞きたかったのだが、まずは検査らしい。自分の魔術で確認できる、と談判したが、目覚めたばかりの不安定な状況で無理はさせられないと一蹴されてしまった。その時の彼の表情が普段の評価に見合わぬ真剣なものであったため、それ以上の反抗が出来ず流されるままに医務室まで赴き、コード類を貼り付けられて診察台に寝かされている。アーキマン上司は機械類の設定をした後安静にするよう言い付けてから医務室を出て行ってしまったのでする事がない。別の作業をしていた医療スタッフに話しかけるが、貴方に無理はさせられないと取り合ってくれず、どうしようもなくなった私は仕方なく仮眠をとる事にした。
▼▼▼▼
「理人くん、マシュ、休憩中にすまないが管制室に来てくれるかい」
その放送を聞いたのは自室。大海原を行く大冒険を終えて疲れた精神(デミ・サーヴァントになってから身体的な疲労とは縁遠くなった)を休めていたところでしたが、呼び出しが掛かったのならば仕方ありません、ドクターが無駄な事をする筈も……ない事もないですが、帰還してすぐの呼び出しなので、まぁ、大事な事なのでしょう。そうと決まれば、移動を始めないといけませんね。
管制室に着くと、神妙な、しかし何処か嬉しそうな顔をしたドクターと、私より早く到着したらしい、先輩が待っていました。
「わたしが最後みたいですね、すみません、お待たせしました」
「ああいや、謝る事はないよ、ほんの誤差みたいなものだし。何より、そう切羽詰まった案件ではないからね。さて、みんな揃ったようだし早速本題に入ろうか。カルデアには、理人君とマシュ以外にもマスター候補がいた事は覚えているよね」
「勿論、覚えている」
先輩の答えと同様に、わたしも勿論、覚えています。レフ・ライノールが仕掛けた爆弾によって起こった爆発。彼らはそれに巻き込まれて重傷を負い、その生命を保つために
「そのうちの一人が目を覚ましたんだ。大まかに見て、特に異常はなさそうだったけど、万が一があるから、医務室で細かい検査をしているところだ。当然嬉しい報せだし、カルデアに長くいる子で、人格も善に寄っているから対人関係は心配してないんだけど、相手がサーヴァントとなると、そうもいかなくてね。つまり、君たちには彼女とサーヴァント達の仲を取り持ってもらいたいんだ」
聴かなければならないと分かっているのに、ドクターの話が半分も頭に入って来ません。わたしはただ、新しく空になった
「ドクター、その目を覚ました方というのは、レナさんですか……?」
呆然と疑問を口にすることしか出来ませんでした。
「ああ、そうだ。彼女は、マシュと同じくAチームに所属し、同時に医療部門のスタッフも兼ねていたレナトゥス・エクストラ。でも少し驚いたな、マシュがニックネームで呼ぶ相手がいたとはね。」
「あ……、それは、その、わたしがデミ・サーヴァントになる前、体が強くなかった時期にお世話になっていたので……」
そう、ドクターは、わたしがわたしの限界を知っていることを知らないはずですから、本当の所を話すわけにはいかなかったのです。わたしの我儘なのですが。
「それはそれとして、ドクター、対人関係が心配ないなら、サーヴァントが相手でもそう大きな問題はないのでは? というか、マシュが信頼出来る人なら、これはもう大きなお世話というやつになるんじゃ」
「うん、まぁそうなんだけど、一応、念のため、ね」
「はあ、ドクターが言うなら。確かに、人格的に問題がなくても初対面の人と会うのは緊張することだし、気にかけてあげたほうがいいのかも知れないな」
「ありがとう、そう言ってくれて助かるよ。それじゃ早速だけど顔合わせだ。今から医務室へGO!だね! 君たちも含めて話し合いたいこともあるし一緒に行こう」
そっか、またあの人と話せるんですね。それならば、こうしては居られません!ドクターではありませんが、医務室へGO! です!
うぅむ。マシュのモノローグとか、我ながら挑戦的ですな。あとぐだお君、この拙作では理人君と名付けましたが、彼の表現がマジで難しい。ともかく、主人公ちゃんの目覚めのタイミングをいつにするかという事で、これは第三特異点オケアノスの直後にいたしました。
まあ、そう大した理由はありませんが。なんとなく、人理修復に本気を出すにはソロモン(仮)さんと会ってないとね!とかそんな感じです。
ここまで読んで、続きを思いついちゃった人、書いてくれてもいいんですよ? 微妙に設定と粗々筋は考えてみましたが、僕は正直、既に力尽きかけてますので。いいえ、いいえ……、嘘です(ステンノ感)。自分で頑張ります。