魔法少女まどか☆マギカ ~狩る者の新たな戦い~   作:祇園 暁

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ナナドラⅢ見つかったので後書きにゲーム内での容姿とか書いていきます!
そして声にはあったけど姿には番号無かったorz


第16話【キュゥべえとマスター】

 新たな魔法少女と出会ったさやかは、その少女のグリーフシードの為なら一般人をも犠牲にするという言葉に反発し刃を交える事になったが

 

「勝負ありだね。まあさっきは殺すとか言っちゃったけど、この見滝原を譲ってくれるんならこれぐらいにしといてやるよ」

 

 少女の言う通り喉元に槍を突き付けられ、これ以上の抵抗は出来ないでいた。

 

「冗談言わないでよ!グリーフシードだけが目的のアンタなんかに誰がこの街を渡すもんか!」

 

「そうかい。じゃあ、死にな」

 

 その言葉と同時に槍はさやかの首をはねた・・・はずだった。

 

「!?」

 

 槍を握った手に手応えは感じられない。ただ避けられた訳ではない。目の前からさやかの姿が消えたのだ。

 

「あいつ・・・いったいどこに」

 

「ほむら!?」

 

 考えるまでもなく少女の疑問は解決された。その驚く声に振り向くと、ついさっきまで目の前にいたさやかが今では自分の後ろいたのだ。そしてその隣には魔法少女と思われる人物。

 さやかの移動は彼女自身の能力ではなく、新しく現れた魔法少女のものと推測した少女は警戒をしながら体を向けた。

 

 一方さやかに名前を呼ばれた介入者、ほむらは表情の読めない顔でジッと少女を見詰める。

 

「そいつの仲間かい?・・・ったく、巴マミと合わせてこの街には三人も魔法少女がいるってのかよ」

 

 その言葉にほむらはピクリと反応した。

 

「いいえ、私達二人よ。巴マミは死んだわ」

 

「・・・へぇ、そいつは残念に」

 

 大して驚いて無いような素振りを見せるが、少女は言葉の前に少しの間を空けた。それは少なからずマミの死に動揺していた証だ。ほむらはソレが気になった。

 

(キュゥべえから聞いてない?キュゥべえにマミの不在を聞いてこの街に来た訳ではないようね)

「あなたは何故この街に来たのかしら?」

 

「なあに、ちょっとばかし地元が不作でね。それに比べてこっちはなかなか魔女の出現頻度も高いみたいだし、おこぼれを貰いに来たのさ」

 

 その言い分はさやかの一度収まった怒りを再び再燃させた。

 

「ふざけんじゃないわよ・・・だったら黙って魔女を倒せばいいでしょ!アンタが逃がした使い魔は人を殺すんだよ!?アンタの勝手な都合で殺されるんだ!」

 

 しかし少女はさやかの怒りの声を鼻で笑うと、何でもないかのように答えた。

 

「だから何さ?別にあたしら魔法少女に、全ての人間を守る義務なんか無いだろ?それにさあ、魔法ってのは徹頭徹尾自分だけの為に使うもんだ」

 

「そうね、あなたはそういう人よね。《佐倉杏子》」

 

「!?」

 

 少女は驚いた。今ほむらが口にした名前、それは紛れもなく自分のものだったのだから。

 改めて槍を握り直しほむらへと向けると、ほむらの顔を自身の記憶から探しだそうとするが全く心当たりは無い。

 

「・・・何処かで会ったか?」

 

「さあ、どうかしらね」

 

 未だに感情を見せない無表情のほむらに対し、少女・杏子は魔法だけでも見るべきかと一戦交える覚悟をするが、再び水入りが入る事となる。

 

「さやかちゃん!」

 

「やっと見つけた・・・って魔法少女?」

 

 彼女達がいる路地へと、まどかとサトリも入って来たのだ。

 

 さやかに駆け寄ろうとするまどかをサトリは腕を前に出して制止する。結界や魔女の気配は無いが、さやかとほむらに向かい合うように対峙する杏子の構えと自分達に向ける警戒心を感じ取り油断ならない状況だと悟ったのだ。

 一方の杏子もまどか達の出現に戦うという考えを捨て、それぞれ四人の動きに注意しながら一歩後ずさった。

 

「おいおい、魔法少女は二人っつったじゃねーか」

 

「ええ、彼女達二人は魔法少女じゃないわ」

 

「・・・確かにピンク髪の方はそうみたいだね」

(だが隣の碧のねーちゃんはただもんじゃねえ。一見ただピンク髪を止めてるだけに見えるがこっちに対して隙がねえ・・・さっきもあたしが足を動かす前に僅かにだが反応しやがった)

 

 それもそうだろう。サトリはサムライという役職柄近距離での戦闘が主になる。相手の一挙動を見逃さない洞察力とそれに対応できる反射神経、そして刀という武器を扱う上での集中力の高さは九人いる13班の中でもトップクラスだ。

 これがサトリではなくアキオだったら杏子の評価も変わっていただろう。

 

「悪かったね、アンタ達の縄張りを荒らして。そんじゃあたしはこの辺で帰らせてもらうよ」

 

 杏子はそれだけ言うと建物の壁を蹴り三角飛びの要領で一気に登るとそのまま姿を消した。

 

 そして杏子の姿が消えるのと同時にサトリは腕を下ろし、まどかと共にさやかの下へと走った。

 

「さやかちゃん大丈夫!?」

 

「ごめんまどか、心配かけたね」

 

「ううん、私こそごめんね。何もしてあげられなくて」

 

「なぁに言ってんのまどか!私がどんな事をしているか、それを知っていてくれる友達がいるってだけで私は助かってんだから!・・・それに、魔女だけじゃなくあんな奴がいるって分かったんだ。まどか、アンタは間違っても魔法少女になっちゃ駄目だよ」

 

「うん・・・でも、辛かったり、私に出来る事があったら必ず言ってね」

 

 一方さやかの事はまどかに任せていいだろうと判断したサトリはほむらの隣まで来ていた。

 

「ほむらちゃん。さっきのってひょっとして」

 

「ええ、縄張りを巡った魔法少女同士の争いです。もっとも、美樹さんの事だから縄張り云々より相手の言い分を受け入れられなかったから戦ったのでしょうけど」

 

「その言い分って?」

 

「例え人を襲っても使い魔ならグリーフシードを抱える魔女になるまで放置する・・・と言ったところかしら?」

 

 サトリはその発想に驚いた。

 人を襲う魔女及び使い魔を倒すのは当たり前の事だと思っていたが、グリーフシードが目当てというなら成る程、確かに使い魔を倒す必要は無い。

 

 しかしここでサトリはある疑問に気付く。いや、むしろ何故今まで気が付かなかったのだろうか。

 

「ほむらちゃん。そこまでグリーフシードに固執するのはソウルジェムの為でしょ?もし、ソウルジェムが完全に濁りきったらどうなるの?」

 

 一瞬の間。

 

「契約時にキュゥべえからソウルジェムの浄化はまめにするように言われるんです。それと、濁りきると魔法が使えなくなるとも聞いた事があります」

 

「そうなんだ・・・」

 

 今の説明には納得出来ない点があった。

 

 まずキュゥべえが明確にソウルジェムを浄化する理由を述べていない。濁りを浄化するというのは当然のように聞こえるが、そもそもその濁りの正体は何なのか。ソウルジェムの輝きが魔力だとして魔法を使うとその輝きが失われるというのなら分かる。だがこの濁りは輝きが弱まった際の表現などではなく、ソウルジェムの中に黒い靄として確かに存在している。

 

 そしてもう一つ、完全に濁りきると魔法が使えなくなるという部分。それはつまり魔法少女ではなくなるという事を意味しているが、ただ魔法が使えなくなるだけならほむらがまどかやさやかの契約を必死になって止めようとしていた理由が分からない。何故ならば魔法を使いソウルジェムを濁らせるという簡単な方法で魔法少女として戦い続ける運命から解放されるのだから。

 

 そして更に先程の間。説明をするのだから一旦頭の中で言葉を整理するのは当たり前の事だが、サトリには先程の間は別の何かがあるように感じてならなかった。

 

 勘だがほむらは何かを隠している、もしくは単純に今は言えないでいる。

 

 その事を13班だけの時に話そうと今は胸の中にしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「しっかしまさかダイスケの奴もこの世界に来ていたとはな」

 

 場所は変わり、セブンスエンカウント。

 

 さやかから魔女の反応があったというメールが来て最初こそ彼女の心配をしていたが、サトリやほむらが向かう事によって不安は無くなり、今は先程出たダイスケの話へとなっていた。

 

 アキオの呟きに全員の顔が綻ぶ。

 ダイスケ・・・彼はアキオ達と同じ世界の仲間、13班のメンバーで、更にアキオとサトリに関しては竜との戦いが始まる前からの友人である。

 現役でヒーローに憧れている子供っぽい一面と、空気の読めない発言の数々で13班のメンバーからはおバカ呼ばわりされている残念な少年である。しかし頭で考えるより先に体が動くタイプで、その直感力と咄嗟の行動は頼もしくもありアキオ達とは別のチーム、2ndチームのリーダーとしてメンバーを引っ張った。

 

 そんな彼がこの見滝原近辺にいるというのは彼らにとってとても心強かった。更にこの世界にはまだ他の13班メンバーや知り合いがいるかも知れないという希望も湧き上がる。

 

「けど、問題はどうやって探すかだなあ」

 

 とアキオが言うのは、元々まどかを助けた人物の名前が分かればハッキングで探し出せると考えていたからだ。しかし名前が分かるどころか知り合いであった訳だが、相手はこの世界において戸籍も何も無い。残念ながらアキオの考えていた方法では探すのは不可能だ。

 しかしため息を吐くアキオとは対称的にマスターは軽い調子で言う。

 

「まあそんなに身構えなくてもダイスケもこの辺りにいるんだ、その内我々の中の誰かが出会うだろう」

 

 考えてもみればそうだ。なにも日本にいることが分かったと言っている訳ではない、アキオ達もこうして住み着いているたった一つの街にいるというのだ。マスターの言う通りその内出会う事になるだろう。

 

 アキオがそう考えた時だった。

 

 突如店の奥、裏方でボンッと小さな爆発音がした。瞬時に裏へと繋がる扉を見る三人だが、その中でもいち早くマスターが立ち上がるとスタスタと扉へと向かった。

 

「お、おいマスター・・・」

 

「罠が発動した」

 

「罠?」

 

「《火炎旋風》だ」

 

 火炎旋風とは、魔力が宿ったカードデッキで戦うデュエリストであるマスターが生み出した、二枚のカードによるコンボトラップである。その効果は魔力に反応する爆破トラップ。

 

 マスターは扉を開け裏へと入って行き、アキオもミオを手で制止しながら立ち上がった。しかし程なくしてマスターは白い小動物の首根っこを掴み戻ってきた。

 

「キュゥべえちゃん!?」

 

 その小動物とはミオの言う通りキュゥべえだった。マスターはそのままキュゥべえをテーブルの真ん中に降ろすと再び座り、それを見たアキオも腰を下ろした。

 

「いやはや、酷い目にあったよ」

 

 煤で顔を黒くさせたキュゥべえはマスターに向かって言うが、マスターは全く悪びれた様子を見せない。

 

「あれは魔力に反応して発動する罠だ。お前はあそこで何をしようとしていた?」

 

「僕はただ壁を透過してこの店に入ろうとしただけだよ。君達に用事があったからね」

 

「それならば堂々と入ってくればいい。わざわざ裏からこっそり入って来る必要は無いはずだ。大方その用事とやらの他に、我々の情報でも聞ければとでも思っていたのだろう?」

 

 キュゥべえに対し信用が無い事を隠そうともしないマスターの言葉に少しの間を空けると、キュゥべえは答えた。

 

「お見通しって訳だね、その通りだよ。君達への用事を済ませようと店に入った時に、"偶然"そういう会話が聞こえてくるかも知れないという考えはあったよ」

 

 そのキュゥべえの言いようには全く悪意を感じられなかった。表情を変えず、ただ淡々と話すその様にアキオとミオは初めて不気味さを感じた。

 しかしマスターは気にした様子を見せず切り出す。

 

「成程な。それで我々に用事とは何だ?」

 

「僕は君達が何者か・・・その事が気になっていたんだけど、今まで得た情報である仮説を立ててね。今日はその確認に来たんだ」

 

 アキオは内心ギクリとした。仲間達やほむらから要注意人物として言われ、先程アキオ自身もようやくその不気味さに気が付いたキュゥべえに、自分達の事を知られるのはまずいと感じたからだ。それは理屈ではなく直感で感じた本能的なもの。

 

「いいだろう」

 

 だがマスターはそれを簡単に了承してしまった。

 

「マスター!」

 

 咎めるように声をあげるアキオだが、マスターはそれを手で制止して今まで何ら変わり無いポーカーフェイスでキュゥべえを見詰めた。

 

「だが条件がある」

 

「なんだい?」

 

「俺がお前の仮説が合ってるか答える変わりに、俺からも質問をさせてもらう。お前が我々の正体を探ろうとしているように、我々も正体の分からないお前にこちらの素性を明かすのはリスクがあるのでな」

 

「情報の取り引きという訳だね、構わないよ」

 

 虎穴に入らずんば虎児を得ず。つまりはそういう事なのだろう。マスターもただで情報をくれてやろうとは思っていないようだ。

 

「ミオ、俺達は黙ってるぞ。ここはマスターに任せるんだ」

 

「うん」

 

 それを察したアキオは自分達が失言をしないようミオに言いながらも自身にも言い聞かせるのであった。

 

「それじゃあまずは君から良いよ」

 

「ならば単刀直入に聞こう。お前は何だ?曖昧な答えではなくその正体を聞かせてもらおう」

 

「その質問は予想していたよ。僕達の本当の名前は《インキュベーター》。君達の言葉で言えば地球外生命体さ」

 

 あっさりと言うキュゥべえだが、その内容はアキオとミオを驚愕させた。

 

 地球外生命体・・・つまりそれはアキオ達の世界を襲撃した竜と同じ存在だ。本質は全くちがうだろうが自然と表情は強張ってしまった。

 

「なら確認をさせてもらうが、お前が地球の年端もゆかない少女達を魔法少女にしているのは悪意あっての事か?」

 

「それは違うよ。僕達が魔法少女を生み出すのは君達人類の為でもあるし、敵意やそう言った類いのものは持ち合わせていないよ。その証拠に僕達は知的生命体と認めた人類に更なる知恵を与えて洞穴暮らしから次のステップへと進めてあげたりもしたんだよ?」

 

 あまりにも普通に言うものだからアキオは聞き逃すところだったが、今のキュゥべえの言い方はまるで自分達が人間を管理し育てている、家畜のようなニュアンスを感じさせた。

 

「成程そいつはありがたい。では次はそちらの仮説とやらを聞こうか」

 

「僕の番という事だね?僕は永いことこの地球の人類を見てきたけどとてもそのままの状態で魔女に太刀打ち出来るような能力を持つ者はいなかった。当たり前だよね、武器を持った成人男性でもライオンに勝つ事が出来ないんだ。魔女なんかに敵うわけがない。だけど突然現れた君達は正面から魔女と戦い倒した。何故魔法少女でもない君達が魔女を倒す事が出来たのか、興味を持った僕は悪いけど君達の会話を聞いたり、昨日君達の同類の記憶を見せてもらったりしたんだ。その結果導き出した仮説は君達はそう、別の世界、それもこの世界と近しい並行世界から来たんじゃないのかい?」

 

 言い当てられた。

 

 その事に知られてはいけない秘密がバレたように胸の鼓動がドクンと苦しい程強くなった。そんなアキオはマスターを見やるが、マスターは相変わらずポーカーフェイスを通していた。しかしキュゥべえの話は終わらない。

 

「それと、君達の世界には魔女はいなかったけど変わりに全人類が認知している外敵がいたんだ。君達はその外敵と戦う兵隊としての役職に就いていて、それで魔女とも戦える。どうだい?」

 

 キュゥべえの立てた仮説は見事当たっていた。それを聞きマスターは一度ため息を吐いた。

 

「全くその通りだ、我々はその外敵に"敗北してこの世界に逃げ込んだ"のだ」

 

「「!?」」

 

 アキオとミオは同時に目を見開いた。幸い二人はマスターを正面に捉えているキュゥべえの後ろに位置している為その様子を見られる事は無かったが、しれっと嘘を吐くマスターにアキオは寿命が縮む思いをした。

 

「君達の力を持ってしても彼等を倒す事は出来なかったんだね」

 

「ああ」

 

 しばらくの沈黙。お互い表情を変えないマスターとキュゥべえの姿は、このやり取りに参加してないはずのアキオとミオにまでプレッシャーを与える。

 

 その沈黙を先に破ったのはキュゥべえだった。

 

「もう一つ、今度は質問をするよ」

 

「ああ、だがこちらからも質問させてもらうぞ」

 

「いいよ。僕からの質問は暁美ほむら、彼女は元々君達の世界の出身かい?」

 

「知らないな。少なくとも我々はこちらの世界に来て初めて彼女と出会った」

 

「成程ね、ありがとう」

 

 キュゥべえの質問の意図がアキオとミオ、恐らくはマスターにも分からなかった。だがキュゥべえに「次は君の番だよ」と急かされマスターは先程の質問を横に置いておく事にした。そして切り出す。

 

「お前にとってあの子達・・・魔法少女は大切か?」

 

「勿論大切に決まってるさ。魔女との戦いでだって死んでほしくないと思っているよ」

 

 マスターの質問に間髪入れず答えるキュゥべえ。その言葉はなんとも感動的なものだが、アキオとミオは感じていた。

 

 マスターの静かな怒りを。

 

「さて、こちらから切れるカードはもう無い。情報の取り引きはここまでだ」

 

「そうかい?君がそう思っても君達という存在は十分僕にとって有益な情報を持ってそうだけど」

 

 次の瞬間キュゥべえの体が宙に浮いた。マスターが思いっきりテーブルを叩き、その反動で少しだが跳ばされてしまったのだ。

 

「ここまでだと言っている。早い内に消えろ」

 

 普段怒る事の無いマスターの怒気に、アキオもミオも恐怖を感じるが、キュゥべえはそれでも一切表情を変える事はなかった。

 

「やれやれ、どうやら機嫌を損ねてしまったようだね。今日のところはこれで失礼するよ」

 

 そう言って出入り口へと向かって行き

 

「悪いけど扉を開けてくれないかな?また罠が発動したら堪ったものじゃないしね」

 

 その言葉にミオが動き扉を開けてセブンスエンカウントの外へと出した。

 

 そうしてミオが戻ってくるまでの重たい沈黙。

 

「なあ、どうしたんだよマスター。アンタがあそこまで怒るなんて」

 

 この空気を何とかしようとその原因をマスターに訊ねると、重たく息を吐き口を開いた。

 

「奴との会話で分かった事が幾つかある」

 

「?」

 

 質問に対し返ってきた言葉にアキオは疑問符を浮かべた。

 

「まず一つ。奴はこの世界の有史以前から人間に干渉してきた。この地球の事は知り尽くしていると考えて良いだろう」

 

 マスターの言葉に頷くアキオとミオ。

 

「二つ、この世界にもドラゴンが存在している可能性がある」

 

「「!?」」

 

 突然突拍子も無い言葉に驚きと困惑を浮かべる二人。今の会話からどのようにその結論を出しというのか。

 

「先程の会話で奴は外敵に対し、"君達の力を持ってしても"と言った。まるで我々以外の者達でも倒せなかったのを見てきたかのような言い方だ」

 

 確かにそう捉える事が出来るだろう。むしろアキオは一度そう考えたらそのようにしか聞こえなくなってしまった。

 

「あくまでも可能性の段階だがな。三つ、暁美ほむらはキュゥべえにとってイレギュラーな存在という事。魔法少女を生み出す奴が魔法少女であるあの子を我々と同じ異世界人と疑っていたのがその証拠だ。そして四つ・・・アキオ、お前は奴が人類を発展させたと聞いて何を思った?」

 

「何をって・・・何だかアイツ、俺達人間を下に見てるような・・・」

 

「ああ、知的生命体と認めたと言っても共に歩む気など無い。だから現在までの永い間人類の前に姿を現さず裏でこそこそとしている。では何故奴は人類の発展に手を貸してきたか・・・答えは一つ、あるモノを安定して得るためだ」

 

 まさか・・・

 

 自分も分かってしまったアキオはいつの間にか溜まっていた唾をゴクリと飲み込んだ。嫌な汗が滲み出る。

 

「奴は人類を養殖して魔法少女を生み出している。奴にとって魔法少女など都合の良い存在でしかないんだ」

 

 そう言うマスターはいつの間にか拳を握り先程のように怒気を纏っていた。

 

「待ってくれよ、いくら何でも飛躍し過ぎじゃねーか?それにアイツ、魔法少女は大切だって」

 

「ああ大切だろうな。奴の最終的な目的は分からんが、それに必要なものなんだから。死んで欲しくない・・・つまりは死なれては困るという事、死んだ魔法少女に用は無いという事だ。アイツはマミが死んだ時一言でもそれに対し何か言ったか?」

 

 言われて思い返し、ゆっくりと首を横に振るアキオ。

 

「・・・確かに今話したのは俺の妄想に過ぎん。だから次に会った時に確認するぞ」

 

「キュゥべえにか?」

 

 その問いにすっかり冷めたコーヒーを飲んでからマスターは答えた。

 

「奴を敵視し、奴からもイレギュラー扱いされている暁美ほむらにだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「タツヤーー!!何処だー!?」

 

 夕暮れが近付いた公園。そこに一人の男声の声が響いていた。




容姿&ボイス

アキオ
容姿:サムライ通常カラー
ボイス:B

サトリ
容姿:サムライ緑髪ver
ボイス:T

マスター
容姿:ゴッドハンド通常カラー
ボイス:O


うん、サトリしか容姿と本来の職が合ってないですね(^^;)
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