この素晴らしい世界に龍玉を!   作:ナリリン

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このすば9巻まで買ったけど恋愛要素とか無理よ?


第十三話

緊急の呼び出しがあり、カズマたちは正門に駆けつけた。他の冒険者もその後に続く。

 

 

そこにはデュラハンが居た。なにやら部下らしき者もたくさん連れている。

 

 

「やっぱりあいつか。今度は何しに来たんだ?」

 

 

「さぁな。部下っぽいのいっぱいいるし今度こそこの街を滅ぼしに来たんじゃねーの?」

 

 

カズマとヒデオが疑問符を浮かべつつもデュラハンの方に向く。すると、デュラハンはこの間のようにプルプルと震えだし、カズマ、めぐみん、ヒデオの方へ向くと…

 

 

「なぜ城に来ないのだ!この、人でなし共がぁぁぁぁぁ!!」

 

 

デュラハンはこの間のように大変お怒りの様子である。

 

 

「えっと、何で城に行かなきゃならねーんだよ。人でなしとか言われても、人ですらないお前に言われる筋合いは無いんだが」

 

 

「そーだぞ。それにもうかめはめ波も爆裂魔法を撃ち込んでもいないのに、何をそんなに怒ってるんだ?」

 

 

ヒデオとカズマがそう言うが、デュラハンはその言葉にまたわなわなと震えだした。

 

 

「撃ち込んでもいない…?撃ち込んでもいないだと!?よくもまぁそんな事が言えるな!!確かにサイヤ人とやらの小僧は来ていないが、そこの頭のおかしい紅魔の娘が毎日欠かさず通っておるわ!!」

 

 

そういいデュラハンはめぐみんを指さす。釣られてヒデオとカズマもめぐみんを見る。するとめぐみんは無言で目を逸らす。

 

 

「お前、行ったのか。もう行くなって言ったのに、あれからまた行ったのか!!」

 

 

カズマはめぐみんの頬を両手で引っ張り、ただじっと見つめてめぐみんの返答を待つ。

 

 

「ひふぁい!ひふぁいです!ち、違うのです!聞いてください二人とも!」

 

 

カズマに解放されためぐみんが理由を話し出した。

 

 

曰く、大きくて硬いものじゃないと我慢出来ない身体になったそうだ。

 

 

「モジモジしながら言うな!そもそもお前、魔法撃ったら動けなくなるだろう!という事は、共犯者が居るな!いったい誰が…」

 

 

カズマが辺りを見回すと、アクアが目を逸らし口笛を吹きはじめた。

 

 

「ヒデオ」

 

 

「合点」

 

 

カズマがヒデオに合図し、ヒデオは逃げようとしたアクアにアイアンクローを食らわせる。

 

 

「わぁぁぁぁ!痛い痛い痛い!頭割れちゃう!高貴で聡明な私の素晴らしい頭脳が失われちゃううぅ!やめてよヒデオ!あなただってあのデュラハンのせいでろくなクエスト受けられなくて腹いせがしたい気持ちわかるでしょ!?私はあいつのせいで毎日店長に怒られるんだからー!」

 

 

「怒られるのはお前の仕事ぶりのせいだ。あと、お前の頭脳は全然素晴らしくない」

 

 

ヒデオがまだ逃げようとするアクアの頭を掴んでいると、デュラハンが言葉を続けた。

 

 

「この俺が真に頭に来ているのはそこの頭のおかしい小娘の事だけでは無い!貴様らには仲間を助けようという気は無いのか!?俺はモンスターに身を堕としたとしても元は騎士。その俺から言わせれば、仲間を庇い呪いを受けたあの騎士の鑑のようなクルセイダーを…!」

 

 

デュラハンが言い終える前に、話題に出て来ていた騎士の鑑(ダクネス)が申し訳なさそうに冒険者の軍勢から出てきた。

 

 

「や、やあ…」

 

 

「へ?」

 

 

「騎士の鑑などと、照れるな…」

 

 

褒められて赤面するダクネスをみて、デュラハンは一言。

 

 

「あ、あっるぇえぇーー!?」

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

「え、なになに?あのデュラハン、一週間ずーっと待ってたの?帰った後すぐに呪いを解かれたとも知らずに?プークスクス!ちょーうけるんですけどー!」

 

 

デュラハンを嘲り笑うアクア。

 

 

それを見てプルプルと震えるデュラハン。どうやらかなり怒っているようだ。

 

 

「おい、貴様。俺がその気になればこの街の住人を皆殺しにすることだって出来るのだ。この俺がいつまでも見逃すと思うか?さて、この不死の体。お前ら駆け出しに傷つけられるか?」

 

 

デュラハンがアクアの挑発に限界が来たのか、不穏な空気を滲ませる。

 

 

しかしデュラハンが何かをする前にアクアが片手を前に突き出し叫ぶ。

 

 

「見逃してあげてたのはこっちの方よ!今回は逃がさないわよ!アンデッドの癖に注目集めて生意気よ!消えちゃいなさい!ターンアンデッド!」

 

 

アクアの右手から白い光が放たれる。

 

 

しかしその様子を見てもデュラハンはまるで余裕とばかりにその場を動こうとしない。

 

 

「仮にも魔王軍の幹部であるこの俺が、こんな街にいる低レベルなアークプリーストに浄化されるとでもぎゃぁぁあぁぁぁ!!」

 

 

なにやら自信たっぷりにセリフを吐いていたデュラハンだが、体のあちこちから黒い煙を立ち上らせ、震えながらも何とか持ち堪えた。

 

 

それを見てアクアが叫ぶ。

 

 

「おかしいわ!ねぇカズマ!効いてないわ!」

 

 

「いや、結構効いてると思うが。ぎゃーって言ってたし」

 

 

「気も若干小さくなったし効いてると思うぞ」

 

 

そんな会話をするカズマ達に、デュラハンがよろめきながらも言葉を続ける。

 

 

「ク、クク…。人の話は最後まで聞くものだ。我が名はベルディア。魔王軍幹部が1人、デュラハンのベルディアだ!この鎧や俺自身の力によりそこら辺のアークプリーストの浄化魔法など効かぬわ!効かぬのだが…。お前、本当に駆け出しか…?」

 

 

予想外のダメージにベルディアは不安を抱えながらも言葉を続ける。

 

 

「まぁいい。この街には強い光が落ちて来たらしくその調査に来たのだが…。面倒だからこの街ごと無くしてやろうか…」

 

 

物騒なことを言い出しベルディアは、右手を高く掲げた。

 

 

「わざわざこの俺が相手をするまでもない。さあお前達!この俺をコケにした連中に、地獄を見せてやれ!」

 

 

ベルディアが連れてきた部下に命令をする。

 

 

「あ!あいつ、アクアの魔法が予想以上に効いてビビったんだぜきっと!自分だけ安全なところに逃げるつもりだ!」

 

 

カズマがそう叫びベルディアを動揺させる。

 

 

「ち、ちちち違うわ!最初からそのつもりだったのだ!魔王軍の幹部がそんな腰抜けなわけがなかろう!いきなりボスが戦ってどうする!こういうのはまずは雑魚からと相場は決まって…」

 

 

「セイクリッド・ターンアンデッド!!」

 

 

ベルディアが言い終える前にアクアがまたしても浄化魔法を使う。

 

 

「ひあぁぁぁあ!!」

 

 

先程の魔法の上位版なのか、比べ物にならない光量を魔法陣から発す。そして直撃したベルディアは、大量の煙を立ち上らせ地面を転がっている。

 

 

そして煙が収まるとフラフラと立ち上がる。

 

 

 

「やっぱりおかしいわ!効いていないみたいだわカズマ!」

 

 

「ひぁぁあああーって言ってたしかなり効いてると思うが…」

 

 

「気もかなり小さくなったぞ。もう5発くらい当てたら倒せるんじゃね?」

 

 

そんな会話をするカズマたちを睨みつけながらベルディアは深呼吸をし、部下達に命令する。

 

 

「アンデッドナイト!この街の人間を…皆殺しにしろ!!」

 

 

ベルディアの命令を受けたアンデッドナイト達が、冒険者たちの方へ駆け出す。

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

アンデッドナイトが解き放たれ、冒険者達と戦闘を始めてから数分。

 

 

「くそっ!数が多すぎる!プリーストはまだか!」

 

 

「誰か教会から聖水をありったけ持ってきて!」

 

 

「早く街の住人を避難させろ!」

 

 

アンデッドナイト達が街へと侵入し、大混戦になっていた。

 

 

「波ーー!」

 

 

ヒデオがかめはめ波で数体消し飛ばすが、アンデッドナイトはまだワラワラと出てくる。

 

 

「キリがねぇぞカズマ!なんかこう…いい感じの作戦とかないか!?」

 

 

「大雑把過ぎるわ!けど確かに、このままだとジリ貧だ…!めぐみん!爆裂魔法でまとめて消せないか?」

 

 

「ああもまとまりがないと無理です!それに、街の中ですよ!?」

 

 

カズマ達は逃げ回りながら何とかしようとするが、今のところできていない。ダクネスは住人を避難させている。

 

 

「ていうかアクアはどこに行ったんだよ!アンデッド退治はあいつの十八番だろ!?」

 

 

「アクアの気は…おっ、なんか高速で近づいてきてるぞ。その後にはアンデッドらしき気がいっぱい着いてきてるな」

 

 

「へ?」

 

 

カズマがそんな声をあげると、遠くの方からズドドドドド、と何かが走ってくる音が聞こえてきた。そしてその音は段々と大きくなってきた。

 

 

音のする方へカズマたちが向くと…

 

 

「いやぁあぁー!カズマさぁぁん!助けてぇぇぇー!このアンデッド達、ターンアンデッドを撃っても効かないの!」

 

 

アクアが大量のアンデッドナイトを引き連れてやって来た。そしてアクアはカズマの方へ走る。

 

 

「ちょ、来んな!多いわ!」

 

 

カズマは逃げるが、アクアもそれについて行く。アンデッドナイトもついて行く。ほかの冒険者と戦闘中だったアンデッドナイトもついて行く。

 

 

それを見てめぐみんが

 

 

「ヒデオ、どうにか出来ませんか?」

 

 

「うーん。下手に攻撃してこっちにターゲット向くのはダルいしな。いや、まてよ?さっき戦ってた奴もアクア達に着いて行ったな。なるほど」

 

 

ヒデオは何かがわかったのか、フムフムといったような表情でアクア達を見る。

 

 

「おいヒデオ!見てないでどうにかしてくれ!」

 

 

「そんなことよりカズマ!そのアンデッド達はアクアに釣られてるっぽいぞ!後は分かるな!」

 

 

「アクアに…?なるほど!じゃあヒデオはめぐみんを街の外で魔法唱えさせながら待機させといてくれ!」

 

 

そう言いカズマは街の中を出来るだけ多くのアンデッドナイトを引き付けるために駆け回っていく。アクアもそれを追いかける。

 

 

「了解だ!いくぞめぐみん!」

 

 

「え、何が何だか…。えっ、ちょ、何するんですかヒデオ!」

 

 

「こっちの方が速いからな。我慢しろ!」

 

 

そう言いヒデオはめぐみんを肩に担ぎ、街の外へと駆けていく。

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

街の正門。

 

 

「ん?何しに戻ってきたのだ貴様ら。逃げるのか?」

 

 

「作戦中だ」

 

 

ヒデオはめぐみんを下ろし、爆裂魔法の詠唱を始めさせる。

 

 

「フッ。貴様らに俺の部下が全滅させられるなど…」

 

 

ベルディアがそう言い終える前に、街から地響きが聞こえてきた。その先には…

 

 

「うおぉぉぉ!ヒデオ、めぐみん!準備できたかー!?」

 

 

カズマとアクアが大量のアンデッドナイトを連れ、街の外へと出てきた。

 

 

「バッチリだぜカズマ!今だめぐみん!」

 

 

「何という絶好のシチュエーション…!感謝します二人とも!アンデッドナイトごとき、我が爆裂魔法で跡形もなく消し飛ばしてくれる!エクスプロージョン!!」

 

 

めぐみんが爆裂魔法を放ち、アクア達に着いてきていたアンデッドナイトが全滅し、その跡地には大きなクレーターが出来上がっていた。

 

 

「ふふ…。最高…です」

 

 

めぐみんは地に伏せながらも恍惚とした表情を浮かべていた。

 

 

「おんぶはいるか?」

 

 

「お願いします」

 

 

ヒデオはめぐみんをおんぶし、カズマ達の方へ行く。すると冒険者たちが歓声を沸きあげる。

 

 

「うおぉぉぉ!頭のおかしい紅魔の娘がやったぞ!」

 

 

「やるじゃねぇか!頭のおかしい子!」

 

 

「頭がおかしくてもやる時はやるんだな!」

 

 

観戦を聞きめぐみんはもぞもぞとヒデオの背中で動く。

 

 

「ちょっとあの人たちに爆裂魔法撃ち込みに行きたいので近くまで連れてって下さい」

 

 

「もう魔力ないんだから大人しくおぶられとけ」

 

 

冒険者達は敵がほぼ壊滅したからか、心なしかテンションが高い。

 

 

「さて、部下は全滅させたが…。どうなる?」

 

 

カズマ達はベルディアの方に視線を向けると、なにやらプルプルと震えていた。

 

 

「あいつ、部下全滅させられたから怒ってるんじゃないか?」

 

 

様子を見ているうちに、ダクネスやまだ街にいたの冒険者も正門へ戻ってきていた。もう避難は完了したらしい。

 

 

その様子をみてベルディアは、

 

 

「クックック…。まさか本当に部下を全滅させられるとはな…。いいだろう!約束通り、この俺自ら相手になってやろう!!」

 

 

ベルディアが剣を抜き、こちらへと駆け出す。すると数人の冒険者が前へ出る。

 

 

「へっ!もうこっちの方が数は上なんだ!おいてめーら!袋叩きだ!」

 

 

「「「うおぉぉぉ!」」」

 

 

「フハハハ!何人でもかかってくるがいい!」

 

 

冒険者達は武器を構えベルディアへと向かう。するとベルディアは自分の頭を真上に投げる。

 

 

冒険者達はベルディアを取り囲んでいたが、ベルディアはまるで後ろに目が付いている様な動きで、冒険者たちの攻撃を全ていなし、あっという間に彼らの命を絶った。

 

 

「こんなものか?やはり所詮駆け出しか…」

 

 

落ちてくる頭をキャッチし、再びこちらへ向き直る。瞬殺された冒険者達の有様を見て、さっきまで騒がしかったのが嘘のように静まり返る。

 

 

「あ、あんたなんか…!この街の切り札のミツルギさんが来たら一瞬でやられちゃうんだから!」

 

 

「おう!もう少しだけ耐えるんだ!あの兄ちゃんが来たら絶対勝てる!」

 

 

「覚悟しとけよベルディアとやら!」

 

 

女の子の言葉に冒険者達は再び威勢を取り戻す。そんな中カズマとヒデオは冷や汗をかいていた。

 

 

「おいカズマ。ミツルギって俺が金的して気絶させた奴だよな?」

 

 

「あぁ。有り金と魔剣を奪ってさらには魔剣を売り払ってやった奴だ」

 

 

ヒデオとカズマがどうしようと焦っている間に、アクアは斬られた冒険者のそばへ寄りせっせと何かをしていた。

 

 

ベルディアもそんなアクアに興味はないらしく、目もくれていない。冒険者達も下手を打って斬られたくは無いのか、アクアを止めようともせず、動こうともしない。

 

 

そんな錦江を破るように、1人の冒険者がベルディアの前に出た。

 

 

「ほう。次はお前か?」

 

 

ダクネスがベルディアの正面に立ち、堂々と大剣を構えている。そんなダクネスを見て、ベルディアは警戒しているのか無闇に突っ込もうとはしない。

 

 

「おいカズマ。止めた方がいいんじゃねーか?あいつ攻撃当たらないじゃねーか」

 

 

「そうなんだよなぁ…。どうしようか。お前行くか?ヒデオ」

 

 

「今の俺が行っても焼け石に水だ。カズマこそ行けよ。時間さえ稼いでくれたら前々から覚えたかった新技覚えてくるから。それ使えばワンチャンあるから」

 

 

「新技?そんな暇があると思うか?いいから戦うんだよ」

 

 

そんな2人の会話が聞こえてたらしく、ダクネスが

 

 

「安心しろ二人共。私は頑丈さは誰にも負けない。それに、仲間を守るのがクルセイダーの務めだ。ヒデオ、本当に新技を覚えたら勝てるのか?」

 

 

「今の状態よりは可能性はある。頼めるか?」

 

 

「わかった。私が何とか時間を稼ごう。カズマ、良いな?」

 

 

「ちっ!仕方ねぇな!おいヒデオ!あんまり遅かったら俺らが倒しちまってるかもな!なので出来るだけ早くお願いします」

 

 

「サンキュー!じゃあ行ってくる!」

 

 

ヒデオは気の開放を使い、高速で街へと駆け出す。

 

 

「あの小僧が何をしに行くのかは知らんが…。まぁ止めても止めなくても変わらん。それにしても、クルセイダーが相手とは、是非もなし!」

 

 

「はぁぁぁ!」

 

 

ダクネスはベルディアに斬りかかっていく。ベルディアは大剣を恐れたのか避ける構えをしている。しかしダクネスは目測を誤ったのか、見当違いの場所に剣を叩きつける。

 

 

「…は?」

 

 

ベルディアが気の抜けた声を発し、呆然とダクネスを見る。他の冒険者も同じような視線でダクネスを眺めている。

 

 

カズマは恥ずかしそうにダクネスを見る。するとダクネスが若干頬を染めているのが分かった。それを見てカズマが叫ぶ。

 

 

「ヒデオー!早く来てくれぇぇ!」

 

 

まだヒデオが向かってから5分と経っていない。

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

街の中へと入ったヒデオは、スピードを緩めることなく目的地へ。屋根から屋根へと飛び移り、気を頼りに急ぐ。

 

 

「あいつの気は…、こっちか!」

 

 

この街有数の実力者であるその人の元へと急ぐ。前に一人で訪れた際にヒデオなら使えそうなスキルがあると聞いたのだ。

 

 

「っと!ここか!」

 

 

到着したようで、ヒデオは屋根から飛び降りて入口のドアを開ける。

 

 

「おい!居るか!?」

 

 

「あ、ヒデオさん。いらっしゃいませ。汗だくですね。どうしたんですか?」

 

 

そう。ヒデオはリッチーのウィズが経営する魔道具店へと来たのだ。

 

 

「悪い!今日は客として来たんじゃない。ちょっと急にこの間のスキルが欲しくなったんだ。頼めるか?」

 

 

「あぁ、その事ですね!了解しました。あ、お茶飲みます?」

 

 

「気持ちだけ貰っとくよ。それよりも、早く!」

 

 

異様に急かされるウィズは不思議そうな顔をしたが、まぁそういう日もあるだろうという事にした。

 

 

「わかりました。では、よく見ておいて下さいね。あ、このスキルは本来アンデッドが使用するもので、普通の人が使ったら最悪死んじゃいます。もし死んじゃったらアンデッドにしてあげますね!」

 

 

「わかったから早く!」

 

 

「では、いきます!」

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

時が戻ってカズマside。

 

 

「ふん。つまらないな。期待はずれだ」

 

 

そう言ったベルディアはダクネスを切り捨てた。

 

 

「あぁっ!私の鎧が…!」

 

 

攻撃されたダクネスの鎧が少し壊れる。

 

 

「…え?」

 

 

確実に仕留めたと思ったのか、ベルディアはダクネスが無事なことを理解出来ていなかった。

 

 

「ダクネス!そいつの攻撃はお前なら耐えれる!なんとか持ちこたえてくれ!攻撃なら俺がやってやる!」

 

 

「き、貴様何者なんだ…!攻撃はからっきしかと思えば、俺の剣戟を耐えるだと…?意味が分からん…」

 

 

そう言いベルディアは再びダクネスに向き直り、斬りかかっていく。

 

 

 




中途半端だね!仕方ない!

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