関西弁提督が着任しました。   作:上昇気流

1 / 1
初めまして
上昇気流です。

頭の中の妄想を忘れそうになる前に、書いておこうと思い執筆しました。
今作がボクの処女作となります。



『関西弁提督が着任しました。これより、艦隊の指揮に入ります。』


第1話 逃走劇

ヒトゴーマルマル。

ここは、ある鎮守府の執務室。そこでは―――

 

 

ぺらっ

「あー、かわええなぁ。こんな子おったら、めっちゃ可愛がるわ。」

 

そう言いながら雑誌を捲るのは、この鎮守府の提督、春木(みなと)である。

湊は執務が一段落したからと、雑誌を読んでいる。

今は執務をしていなければならない時間だ。

だが今は、秘書艦は席を外している。

つまり、注意する者がいない、ということである。

 

ぺらり

「うひょーー!これは、やばいっ。」

 

 

 

コンコン ガチャ

「失礼しまーす。提督さん、戻りましたー。ちゃんと仕事やってるー?・・・」

 

びくっ

「ちょっ、まっ、ず、瑞鶴(ずいかく)!?」ばっ

 

今日の秘書艦の瑞鶴が帰ってきた。

湊は慌ただしく見ていた雑誌を背中に隠す。

 

「?提督さん、今何隠したの?」ずいっ

「な、なーんも隠してへんでー(一応、見られてへんみたいや。)」ふるふる

 

湊は目を横にそらしつつ、首を横に振って答える。

しかし、瑞鶴には余計怪しく見えた。

 

「怪しいー。ねえ、てーとくー。背中に隠してるもの見せてよ。」じりじり

「・・・(や、やばい・・。このまま、ここおったら絶対ばれる!かくなる上は・・・)」じりじり

 

 

 

そして、湊のとった行動は――

 

「三十六計逃げるに如かず、や!!」だっ

 

逃げの一択だった。

湊は執務机の近くの窓に駆け寄り、飛び降りる。

 

「(め、めっちゃ怖い!五点着地上手く決めんと絶対怪我する!)」ひゅー

「えっ、ちょ、提督!?」ばっ

 

瑞鶴は驚き、窓に近寄り、下を確認する。

すると、湊がきれいに五点着地を成功させたところだった。

 

「ふぅ、よかった・・・。」

 

ひとまず、安心する瑞鶴。

 

「てーとくー!だいじょーぶー?」

「大丈夫やでー!ほな、ばいならー」ぴゅー

 

安心している瑞鶴を置いて、逃げていく湊。

そして気づく瑞鶴。

 

「あっ、逃げた!!」

 

追いかけようにも、今日は秘書艦だったため艤装はつけていない。

つまり、艦載機を持っていない。

そのため、瑞鶴のとった行動は―――

 

 

 

 

 

 

 

『全艦隊に通達!!提督がいかがわしい物を所持し執務室より逃走!見つけ次第、捕縛してくださいっ!』

 

 

 

 

 

 

 

―――騒動の幕上げだった。

 

 

 

 

side湊

 

『全艦隊に通達!!提督がいかがわしい物を所持し執務室より逃走!見つけ次第、捕縛してくださいっ!』

 

うわっ、瑞鶴のやつ、やりよった。

今おるのは、執務室の窓から飛び降りてすぐの草陰の中。

ここにいつまでもおったら、いずれ見つかってまう。

早いとこ、別の場所に移動せな。

おっ、ちょうどええやつが、ちょうどええ時にきよったわ。

よっしゃ、行くか!

 

「一番先に、提督発見!提督、待てーっ!」

白露(しらつゆ)ー、捕まえれるもんなら捕まえてみぃー!」だー

 

よし、上手い具合に白露がついて来とるな。

確か、あそこの角曲がってすぐの窓は空き部屋で、

こーゆう時のために窓の鍵は開けてあったはずや。

白露との距離もそれなりにあるし、いけるやろ!

 

 

 

 

よし、開いとるな。

白露がこっち来る前に入ってまえ。

 

「あれ、提督消えちゃった。どこ行ったんだろ。・・よし、あっちかな?待てーっ!」

 

ふぅ、やっぱり白露は近くの確認もせんと行きよったわ・・・。

ここで見つかるまでじっとしとくのも性に合わんし、

あいつらのことや、執務室を司令部代わりにしてるやろ。

とりあえず見つからんように執務室の隣の部屋まで行ったろ。

灯台下暗しって言うしな!

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

意外と上手くいったわ。

上手く行き過ぎて逆に怖いくらいや。

さてさて、執務室の方はどうなってんねんやろ。

 

『瑞鶴さん!駆逐艦寮にはいないっぽい!』

『ありがとう、夕立(ゆうだち)。引き続き捜索してくれる?』

『わかった!任せるっぽい!』

 

『これで、どの寮にもいないっと。』

『瑞鶴さん、この建物内にも提督はいらっしゃいませんでしたわ。』

『ありがと、熊野(くまの)。引き続き、お願いね。』

『承りましてよ。』

 

『失礼するわ。』

『げっ、加賀(かが)先輩・・・。』

『・・・まだ、提督を見つけられないの?これだから、五航戦は・・。』

『み、見つけられるし!』

『そう・・・。それなりに期待はしているわ。』

 

 

・・・こ、こわ~。

加賀め、あんな言い方やったら瑞鶴が反発するのは分かりきっとるくせに・・・。

執務室壊してくれるなよ~。

・・・・てか、そろそろ移動せんと危ないやろな。

廊下の方は人通りが多なってきたし、

やっぱり、窓か・・・・。

 

「テイトクサン、ミツケタノデス。」

「よ、妖精さん!?嘘やろ!?妖精さんまで出動してるなんて!!」

 

side end

 

 

 

バタバタ バーーン

「提督!やっと見つけた!!」

 

瑞鶴が湊が潜んでいた部屋に突入した。

しかも、今は艤装もつけている。

 

「くっ。もっ、もっかい窓から・・・」

 

それでもまだ、逃げようとする湊。

しかし、湊の後ろには―――

 

 

 

「提督?逃がさないよ?」

 

川内(せんだい)が気配を消して待ち伏せていた。

 

前には瑞鶴、後ろに川内。

湊の逃走劇は呆気ない幕切れとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――時は過ぎ、ヒトハチサンマル。

場所は全艦娘を収容出来る程の広さがある食堂の中。

任務に出ていた者も帰ってきているため、

今、この場所には鎮守府内の全艦娘が揃っている。

理由は今回の騒動に関してである。

 

「提督ぅー!そんなObscureなものじゃなくて、私にしなヨー!」

 

任務で出撃していた金剛(こんごう)が話を聞いて何かと叫んでいる。

が、そんなこと関係ないとばかりに加賀は湊に話かける。

 

「さて、提督?言いたいことはあるかしら。」

 

加賀は誤魔化しは許さないとでも言いたげな顔である。

その顔を見て湊は覚悟を決め、

 

「・・・一つだけ言わせてくれへんか?」

 

いつになく真面目な顔をする湊。

加賀も何か感じ取ったのか、

 

「・・何かしら?」

 

湊の言い分を聞こうとする。

そして、湊は――

 

 

「俺はいかがわしい物なんて持ってへん!!」

 

自分は無実だと主張した。

 

「じゃ、じゃあ提督、なんで逃げたんですか!!」

 

湊の主張に納得がいかない瑞鶴。

すると、湊は顔を横に背ける。

 

「や、やっぱり・・・」

「ちゃ、ちゃうわい!!・・・・・・・・・・・たんや。」

 

瑞鶴の言葉に湊は大声で否定はしているものの、最後は俯き小声で聞き取れない。

 

「えっ?小さくて聞き取れなかったんですけど。」

 

聞き直す瑞鶴。

湊は顔を上げ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「子猫の写真集見てたんやっ!!!!」

 

大声で自分が何をしていたか()ちまけた。

 

「「「「「・・・えええええええええええぇぇ~~~!?!?!?」」」」」

 

一部を除き驚く一同。

そして、その一部とは―――

 

 

「あら・・・やっぱりそうだったのですね。」

 

何となく、そうじゃないかと気付いていた鳳翔(ほうしょう)

 

「なのです!」

 

初期艦だったため知っていた(いなずま)

 

「司令官はお子様ね!」((あかつき)

「ボルシチ食べたいな。」((ひびき)

「響、今はそれ関係ないじゃない・・・。」((いかずち)

 

その電に教えてもらっていた第六駆。

 

「そんなことだろうと思ったよ。」

 

電の次に古参艦である最上(もがみ)

 

「司令官、どーも恐縮です!今の気持ち、一言お願いします!」

 

艦隊新聞用の記事を探している最中に見つけていた青葉(あおば)である。

 

「・・・・死にそう。」

 

顔を真っ赤にして答える湊。

 

「猫の写真集なら逃げる必要がなかったのでは?」

 

疑問に思いなぜ逃げたのか聞く加賀。

湊は、

 

「威厳がないように思われるやろ・・・?」

 

と、恥ずかしそうに答える。

 

 

「逃げている時点で威厳もなにも、ないと思うのだけれど。」

 

至極真っ当な反論をする加賀であった。




今回の登場人物
●人
提督:本作主人公。一応、春木(みなと)という名前があるが呼ばれることは、ほぼ無い。
   関西出身。関西弁を使うが知り合いには、「何か、ちょっと違う」と言われる。
   黒髪、黒目。女装すれば、女に見える女顔。
   執務はちゃんとする。が、基本早く終わらせて、本を読んでいたり、遊んでいたりする。
   その日の秘書艦がちゃんと仕事をしているか確認する時、たいてい終わらせているので、
   遊んでいる姿が目撃され、仕事をしていないと思われる(不憫)。
   それなりに、ハイスペックだったりする。階級は大佐(作者の鎮守府に合わせて)

●艦娘
瑞鶴:本日の秘書艦。我が(作者の)鎮守府にはまだいらしゃっいません。
白露:アホの子。愛すべきアホ。
夕立:ぽいぬ。駆逐艦火力担当。戦闘狂かもしれない。
熊野:神戸生まれのお洒落なお嬢様。
加賀:五航戦(特に瑞鶴、というかほぼ瑞鶴のみ)に対して辛辣な台詞が多いが、
   実力などはちゃんと認めている。
川内:夜戦バカ。ある一定の時間が過ぎると騒ぎだす。
金剛:提督Love勢。その精神は金剛(ダイヤ)並。
鳳翔:艦隊のお艦。
電:提督の初期艦。
暁:レディー(笑)。
響:よくボケを入れる。
雷:ダメ提督製造機。響のボケにツッコミを入れる。
最上:珍しいボクっ子。
青葉:提督の了解のもと艦隊新聞を発行している。


ボクの鎮守府に瑞鶴さんいないので、攻略Wiki見てしゃべらせました。
瑞鶴さんと瑞鳳の話し方似てると思うのはボクだけですかね?
最後の「一部」の7名はCVの方が全員同じというね・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。