龍が如く 幻想郷に集まりし英雄達   作:ガリュウ432

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3章 「悪魔の妹」

決闘が始まる五分前、品田は体を動かし、いつでも激しい運動ができるようウォーミングアップをしていた。

 

「ウォーミングアップとは・・・、気楽な者だ。」

 

レミリアが嘲笑うように言う。

 

「生憎こっちは腐ってもスポーツマンなんでね。・・・腐りきってるけど。それに俺も年だ。急に体を動かして足攣ったとかシャレになんないしね。それも決闘中に。確実に死ぬよ。」

 

品田のいうことはもっともだ。

 

「・・・お兄さん、そろそろ良いのかな?」

 

「ああ、待たせちゃったかな?もう俺は良いよ。」

 

するとさっきのメイドさんが出てきた。

 

「このナイフを上に投げ、落ちた瞬間、開戦と致します。」

 

二人はそれに同意する。

 

シュッ

 

ナイフが天高く放り投げられた。

品田は相手の突撃に備え、横のどちらにでも躱すことの出来る体制をとる。

 

カララーンッ

 

「行くよっオニーサン!!!!!」

 

ズドンッ

 

(弾幕っ!)

 

品田は捻らせるように巨大な弾幕を避け、相手から目を離さないように動く。そして、まだ刀には手を取らずに、棒を構え、相手の足元を狙う。

 

「くらえっ!」

 

「・・・甘いよ!」

 

フランはそれをホップして避ける。そして空中で品田の背後に回り、蹴りを入れようとする。

だが、品田も蹴りの足をしっかりと受け止め、押し返す。

 

「おにーさん。人間にしてはよく反応するね。」

 

「前までちっちゃくてすばしこいものをずっと見てたからかな。」

 

「ふーん。じゃあこれはどうっ!?」

 

フランは鋭い槍のような形をした弾幕を品田に投げつける。

レミリアの『スピアザグンニグル』に酷似してきるが、威力は小さめだ。

 

「・・・そこだ!」

 

ガキィンッ!!!!!

 

品田はそれを、棒で打ち返した!

しかし、芯もない棒でそのままの速さを打ち返すのは至難の業。

野球に関しては天下一品の品田だからこそできる荒業だ。

 

「へぇ、おニーサン面白いね。弾幕を打ち返すなんて。フラン、あなたのこと気に入っちゃった。・・・少し本気だすけど『コワレナイデヨネ・・・』!!」

 

シュバァッ!!!!!

 

フランは妖しく呟くと先程までよりも格段に速いスピードで品田の周りを動き出す。

品田は目を離しまいとするが品田の目を持ってしても追い切れない。

 

「どこ向いてるの?」

 

グァッ

 

「ッ!!」

 

ガキィッ!!

 

(・・・ッさっきは何とか間一髪で受け止めれたけど・・・。次は怪しいぞ・・・。)

 

「驚いたわ。まさかただの人間がここまでやるだなんて。」

 

「ええ。それにあの人はなんの能力も持っていません。」

 

「ほう。つまり全ては体に叩き込まれた本能的な動き方ということか。」

 

「ええ。それに頭脳が働いているが故、あのような動きなのかと。」

 

「・・・ククク。面白い人間だ。・・・だが、力不足・・・かもな。」

 

シュバババババ

 

「アハハハハ!!おニーサン!見きれなかったら死んじゃうよォ!?でも大丈夫!アタシガアトカタモナクコロシテアゲル!!」

 

(大して本物も偽物も変わらないな・・・。)

 

「・・・だけど、殺されるのはゴメンだね。」

 

シュオオオオ・・・

 

すると品田の見ている世界がゆっくりと鈍くなる。

そう、咲夜の戦いの時も猛威を振るったヒートアイだ。

 

シュバァッ

 

「モラッタァッ!!!」

 

品田はゆっくりと魔除の刀に手を伸ばし、構える。

そして、フランが射程範囲内に入った時、

 

ズバァッ!!!!!

 

「ガッ・・・!?ハッ・・・!!?」

 

「スキあり。って感じかな?」

 

「今の動き・・・、まさか、見切ったというのか・・・!?」

 

レミリアが目を見開く。

 

「・・・ええ。彼はどのようにして身につけたかはわかりませんが、瞬間的に物事を見据えることができるようです。それも、《時の流れを緩くした》かのように。」

 

「・・・しかし、能力を持ってる訳でもない。」

 

レミリアは頭を悩ませる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「・・・すごい。」

 

「はぁぁ・・・、品田さんかっこいい・・・。」

 

「・・・タツさんは、品田さんのこと好きなの?」

 

「ふぇっ!?・・・いや、そんな事・・・、なぃけど・・・。」

 

「照れてるよ。」

 

「もー先輩ー!からかわないでください!」

 

「ごめんなさいー!」

 

「・・・でも、本当に憧れの存在でもあります。《第二の師匠》っていうか。でもやっぱり《命の恩人》ですから。・・・でも、さっきの動き・・・。どうやったんだろ・・・。」

 

「・・・先程、品田さんの周辺だけ霊力の歪みが生じてました。」

 

「先輩!?そんなことも分かるんですか・・・!?」

 

橙は首を横に振る。

 

「いや、私自身はわかりません。あの札を通じて15分でパワーが貯まるはずなんですが、あの一瞬だけ《貯まる速度が低下》しました。」

 

「・・・時間に依存したチャージだから・・・。低下するのはおかしい・・・。つまり、札に不具合か、本当に時が・・・遅くなった・・・?」

 

「いえ、それはありえません。あくまでも品田さんの視点が遅くなった。霊力で繋がっている札がそれに同期した。それだけだと思います。」

 

「先輩、凄いですね、そんなこと分かるなんて!」

 

「そ、そうですか!?(言えない。実は二日ほど前に藍様にあの札の仕組みを教えられたばかりだなんて。)」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「グ・・・っ。おニーサン凄いね。あの一瞬で私に一発与えるなんて。・・・それにその刀。・・・魔除の力があるみたいね。」

 

「あ、分かった?吸血鬼にも効果アリみたいだね。」

 

「あー、鬱陶しいその刀。イライラする。」

 

あからさまにいらだちを見せるフラン。

品田はこれをチャンスだと感じ取った。

《屋上》へと誘い込めるチャンスだと。追いかけっこにできれば勝ちだ。

 

「・・・吸血鬼って聞いて少し驚いたけどこんなものだったとは拍子抜けしちゃったなぁ・・・。」

 

「・・・なんだと・・・?」

 

「・・・何をしているんだあいつは。フランを逆上させるような真似をして・・・。」

 

レミリアも不思議に感じる。それにフランを怒らせることは死を意味する。それほど危険な行為だ。

 

「・・・品田さん。その発言は考えあってですよね。」

 

橙の声が聞こえ、頷く。

 

「・・・え?相手の挑発はブラフの常套手段じゃあ・・・。」

 

「それが吸血鬼相手だとそうもいかないんです。吸血鬼は自尊心が高く、己の戦闘能力を否定された時には非常に怒ります。それに相手は戦闘狂に近いフランさん。・・・自殺行為と言えますが・・・。品田さんなりの考えだといいんですけど・・・。」

 

橙は不安そうに品田を見ます。

 

「もっと本気で来てもいいんだよ?・・・もしかしてさっきのが本気だったかな?」

 

「・・・なんだお前・・・。私を馬鹿にしてるのか・・・?」

 

「馬鹿になんかしてないよ。・・・ただ、前情報に比べて肩透かしを食らったからさ。《それほどでも》無かったし。」

 

ズドォンッ!!!!!

 

「・・・危ないなぁ!急に弾幕撃ってこないでよ!」

 

「黙れ。・・・それ以上その口を開くな。」

 

「・・・ほらもっと来なよ。あれ?もう終わり?吸血鬼って《その程度》だったんだね。」

 

「・・・黙れ黙れ黙れ黙れ!・・・お前は・・・、跡形もなく殺してやる。もういい。弾幕ごっことか決闘とか知ったもんか。今から始めるのは殺戮だ。《殺すためだけ》に・・・。全力を尽くしてやる。」

 

to be continued…




次回、フラン戦決着。
・・・のはず。
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