ー翌日ー
幻想郷で右も左もわからない俺達は聖さんに博麗神社まで送ってもらうことになった。
「すみません。道案内までしてもらって。」
「いえいえ。あなたは戦力もあるみたいですから道中また里のように
因縁をつけられたりするかもしれませんしね。」
聖が笑いながら言う。
こっちだって因縁つけられないように頑張って動いてるんだけどなぁ・・・。
「谷村さん。準備はできた?」
遥ちゃんが俺に聞く。
「まあ大体はね。何が足りなさそうだったら人里で買っていこうか。」
この世界も通貨は円だ。
俺の財布には・・・。まああまり宜しくない方法で稼いだ大金が入っているが、気にしない。
今度はいくら寄付しようか。
ー人里ー
谷村、遥、聖の3人は人里のメインストリートを通っている。
雑貨屋や、昨日行ったうどん屋、改めて見ても豊富だ。
今は閉まっているが呑み屋もある。
谷村は一つの店の前で足を止める。
書店だ。
「どうかされましたか?」
「あーいや、地図がないか探してたんだけど、やっぱり書店に売ってるかなぁって。」
鈴奈庵・・・。少し胡散臭いな。
すると聖が、
「ここは貸本屋ですよ。・・・でもまあ、地図は売ってるんでしょうか?」
「貸本?ちょっと私も気になるなぁ。」
遥ちゃんも興味津々だ。
地図も欲しいが、この貸本屋何かある気がする。
ー鈴奈庵ー
「いらっしゃいませ!」
入って早速驚いた。レジにいたのは遥ちゃんよりもかなり幼い娘。
だが、なにか理由があるんだろうなと思い何も言わないことにした。
「すまないが、幻想郷の地図はあるか?」
「ええ。ありますよ。ただ、これも貸出になりますけど・・・。」
やはりその辺りは貸本屋か。
だが、地図を見せてくれるんならそれでいい。
「いや見せてくれるだけでいいんだ。」
「そうなんですか?」
ガサガサ・・・
漁る音が聞こえ、しばらくすると店主の少女が再び出てきた。
「これが幻想郷の地図ですー。」
「ありがとう。」
そういうと谷村はスマホを取り出し、全体が写るように一枚地図の写真を撮った。
すると店主がそのスマホに驚き、
「あ!それ外の世界から来た本に書いてあったもの!」
この驚きも、外来人が来た時は日常茶飯事らしいが、この時ばかりは少し違うかったらしい。
「申し遅れました!私、この貸本屋、鈴奈庵の店主の本居小鈴と言います!その容姿からまさかとは思いましたがやはり外来人でしたか!」
目がキラキラ光っている。
よほどテンションが上がっているようだ。
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自己紹介も済ませた後、小鈴から頼みが来た。
「その『すまほ』と同じようなあなたの持っている珍しいものを見せてください!ちなみに先程『すまほ』という本で見たものを見せてくださったので地図は差し上げます!」
といわれた。
「まあ地図は手に入れたし結果オーライじゃない?」
遥ちゃんが言う。
見せてくれとは言われたが、早ければ今日のうちに元の世界に戻るからな・・・。まあ元の世界に帰るのに用意がいるらしいからそのタイミングでまた行ってみようか?
ー鈴奈庵の店長『本居小鈴』との絆が芽生えました。谷村の持っている元の世界の珍しいものを見せることで絆ゲージがたまり、いいものをもらえます。ー
「ま、道は逸れましたが博麗神社に向かいましょうか。」
聖さんに言われ、再び俺達は博麗神社を目指す。
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ー野道ー
木々の横にある道を通って行く。
しかし、先程から気味の悪い殺気を感じる。
あまり良くない事がおきそうだな。
聖さんも感づいたらしく
「少し早足で行きましょうか。」
といい今、俺達は若干速めの速度で歩いている。
「遥ちゃん大丈夫?疲れてない?」
「全然大丈夫です!」
しかし殺気は解ける様子もない。
それどころかこちらに近づいている気もする。
まさかつけられている?
咄嗟に振り向いてみる。が、それらしき人影も見えず、何も無い。
「ただの思い過ごしか・・・?」
すると聖さんが突然右手を出し、俺達を制止させる。
俺達は素直に止まった。
すると
ズゴオオォォォンッ!!!!!!!!!
「なっ何!?何が起きたの!?」
遥ちゃんが戸惑う。
「落ち着いて遥ちゃん!僕達から離れないで!」
聖さんの数メートル前で起きたのは爆発。
地雷があった訳でもない。突如爆発したのだ。
(これは弾幕によるもの・・・。それもかなりの威力の強さ。弾幕ごっこで使うと相手は死ぬでしょう。)
「聖さん、これが聖さんの言っていたこの世界の『戦い方』なのか?」
「いえ。こんな不意打ちはルール違反に近いです。通常は双方の同意があって始まりますから。」
ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ・・・。
突如聞こえたのは笑い声。少女の笑い声だが気味が悪い。
次に聞こえたのは
シュピッ
空気を切る音。ズドン。何かに刺さる音だ。
そう。土煙の中から猛スピードの弾幕が突っ込んできたのだ。
そして聖さんの右腕を直撃。
「ぐうあっ・・・!?」
聖さんは唸り声を上げその場に倒れ込む。
「ちょ!?聖さん!大丈夫ですか!!」
「ええ・・・。ですが少し深く刺さっているようで・・・。」
くそっ!
「おい!さっさと姿を現したらどうだ!」
土煙の中に向かって叫ぶ。そこにいるのは確実だ。
モクモクと土煙が晴れる。
するとどうだろう。中から出てきたのは金髪の宝石のような羽がついた少女ではないか。
しかし聖さんはそれを見て驚く。
「悪魔の・・・妹・・・!?何故こんなところに!?日中は出てこないはずでは・・・!」
「聖さん。一体どういうことだ?」
一応聞くがどのような返答が来ても驚かないことにする。
「彼女は・・・、吸血鬼です。姉がいるのですがそれを凌駕する力を持っており、一時期は地下に封じられていたこともあります・・・。あなたがたは弾幕を使えません・・・。お逃げ下さい!」
「そんな!聖さんはどうするの!?」
遥ちゃんが焦り、聞く。
すると聖さんはニコリと笑い、
「大丈夫です。すぐに追いつきます。」
と言った。
しかし俺には一つ気がかりなことがある。
「なあ。聖さん。ここで聞くのもなんだが、これ何がわかるか?」
昨日拾った謎の弾倉がないリボルバーを出す。
「これは・・・。弾幕発射銃!?一体これをどこで!?」
「いえ、昨日人里で拾ったんです。そのまま僕が持ってましたけど。」
「・・・これはさっきも言ったように弾幕発射銃と呼ばれる物です。その人の霊力と呼ばれる力やエネルギーを使って弾幕を発射します。」
「・・・俺にも扱えるかな?」
聖さんに聞く。
「え・・・!?ちょっ!谷村さん!馬鹿なことはやめてください!あなたじゃ勝てっこありません!」
「分かってます。勝つんじゃありません。ここにいる全員で逃げるチャンスを作るんです。いまアイツは僕達の進行方向にいます。どけてやれば進めるでしょ?」
「それはそうですが・・・。」
まあそれもあるけど。
一番の理由は、
「ま、このタイミングで言うのもなんだが、聖さんには恩があるからね。ここですごすごと逃げるわけには行かないんですよ。」
「私も聖さんに危ないところを助けていただいて感謝してるんですよ!さ、聖さん肩につかまって!隅に寄りましょう!」
遥ちゃんナイス。これで少しは暴れても二人に危険は行かないだろう。
「谷村さん!・・・その銃ですが・・・、もし貴方に霊力と呼ばれるものがなかった場合それはただのおもちゃになってしまいます。・・・そうなってしまった場合は・・・。すぐに遥さんとお逃げ下さい!」
聖さんに突然言われた。あと聖さんに俺にぎりぎり聞こえる声でアドバイスをくれた。
とりあえず頷くがどうなろうがもう逃げない。
「さ、来なよ。悪いけど俺は悪人だったら容赦はしないよ。」
「キヒヒ・・・。」
少女が怪しく笑う。そのあと足を少し後ろに下げ走り出す。
そして谷村に猛スピードで近づく!
それに応戦すべく谷村も構える!
「アハハハハハ!!アソボウヨ!オニイサン!!」
ーVS 謎の少女ー
少女が手に持ってるのは何かの尻尾みたいな形をした恐らく剣だろう。少女はそれを谷村に向かって鋭い剣筋で振る。
谷村はそれを自身の得意行動、『捌き』で対応する。
「あまい!」
まず手首を持ちこちら側に引きつける。そしてそのままその手はしばらく離さないままで相手の左後ろに来た瞬間で投げるように手を離す!
少女はバランスを崩した。
「猪突猛進、要注意だね。せいったあっ!!」
そういうと谷村は数発、拳を入れ、一旦フィニッシュブロウでぶっ飛ばす。
これでちょうどヒート状態になる。
そのヒートに聖は気付いたようだ。
「(あのオーラはまさか・・・!)谷村さん!今のあなたなら弾幕を打てるかも知れません!」
そう言われ、俺は構える。
さっき聖さんに小声で言われたこと。この銃は面白いことに自分で弾の威力や出方を変えられるようだ。自分がマシンガンのようにしたかったらそう念じるように撃つ。逆に1発1発を重くしたかったらそう念じればいいようだ。しかし恐らくこれはヒートを消費するな。
「ま、いいか。」
少女は少しキレた感じでこちらを睨む。そして飛び上がり、上から切りつける魂胆のようだ。
「スキありすぎ。その右腕、封じさせてもらうよ。」
カチッ
ドオンッ
銃から響いた音は轟音。出てきた弾は当たれば腕なんて容易に吹っ飛ぶ威力の高い単発の弾。
この世界の弾幕使いは空を飛べるらしいがかなりギリギリの間合いで撃ったため、そうそうよけれるもんじゃない。
無惨にも少女の剣を持っていた右手を弾は吹き飛ばした。
トサッ・・・
ドパアッ
「ギャアアアアアア!!??イタイイタイイタイ!」
右腕がなくなり、そこから鮮血が吹き出す。
「ちょっと!谷村さんやりすぎでは・・・!?」
俺も正直内心焦ってる。ここまでとは思わなかった。
しかしいま、そんなことを気にしてる暇はない。なぜならいまその少女が更に凶暴化してこちらを睨んでいるのだ。
「イタイイタイ・・・!コロスコロスコロス!!オマエコロス!!!!」
ま、でも
「冷静さを欠いたらこっちのもんだね。」
突っ込んでくる少女の手を掴み、そのままスイングの形へ。
そのまま振り抜き彼女の背中を近くの大木に当てた!!
「ていやぁっ!!」
ドコオッ!!
「ガハッ・・・!?」
さすがに来たのか少女は気を失う。
聖さんと遥ちゃんがこちらに来る。
「聖さん、怪我は大丈夫ですか?」
「それはこっちのセリフです。怪我はしてませんか?まあどう見てもしてませんけど。やりすぎですよ。」
「谷村さん、腕ぶっ飛ばすのはちょっと・・・。」
ドン引きされた。
・・・とおや?変だな・・・。
「どうかしましたか?」
「・・・腕がない。やつのぶっ飛ばしたはずの腕が。」
「さっきの銃で焼けたんじゃないですか?」
「流石に骨までは燃えないだろ遥ちゃん。・・・どこだ?」
「キヒヒッ・・・。」
倒れている少女からあの怪しい笑い声。いつ聞いても身震いが起きそうになる。
振り向くとそこには本当に身震いが起きてしまいそうな事が起きていた。
「えっ・・・?なに・・・?これ・・・?」
遥ちゃんは絶句。
「どういうことなのでしょう・・・?」
「わからない・・・。」
そう。わからない何が起きているのか。倒したはずの少女が赤いドロドロとなり溶けているのだ。
そしてすべて溶けたと思ったらその液体まで消えた。
「どうやらこれは『あの少女』をオマージュして作られたもののようです。ですが、あそこまでの威力の弾幕を出せるとは・・・。」
「こんなやつが幻想郷にうじゃうじゃいるのか?勘弁してくださいよ全く・・・。」
「いいえ・・・。こんなのはいません。幻想郷には。ある種の異変としか・・・。」
「取り敢えず・・・、博麗神社に着いたらこれも報告しませんか・・・?」
遥ちゃんのその一言を受け、俺達は博麗神社まであと少しの道を歩き出した。
to be continued…
えー。おせえよとなるかもしれませんが、今回はグロ注意回でしたね。
モブが死ぬことはありますが、面倒なことになるので東方キャラの死亡はありません。安心してください。