Side 篠ノ之 箒
午前をバス移動に費やした臨海学校初日、午後は夕食の時間まで自由時間だ。
旅館の部屋から見える景色は壮観で、青い海が広く見渡せる。
この旅館「花月荘」は、毎年臨海学校でIS学園の1年生が使ってるらしい。
千冬さんも、女将と親しそうにしていた。
個人的には、こうした和風の落ち着いた造りの建物は好みだ。
そして今は自由時間、ほとんどの生徒は海に出るようだ。
まぁ、他にこれと言った娯楽も無いしな。
これから夕食までは特に行事も無いし、そして海に行く以外に娯楽も無い。
私も水着を持って来ていることだし、海に出ようと思う。
「とは、言った物の・・・はぁ・・・」
・・・心の準備が、できていないが。
いや、違うんだ、普通の・・・そう、普通の水着なんだ。
楓とセシリアが選んでくれた物で、これなら一夏も「イチコロ」と言う水着だ。
だ、だが、恥ずかしい・・・どうしよう・・・。
「箒姉さん? まだ部屋にいるの?」
「他の方々は、もうすでに出ましたわよ?」
「あ、ああ・・・」
同室の楓やセシリアに言われて、渋々立ち上がる。
ともかくも水着や着替えの入った手提げ鞄を持ち、更衣室のある別館へ向かうことにする。
だが何と言うか、気分が乗らないと言うか・・・少し、怖い。
私にはその、身体的な悩みが少し。
何故なら私のその・・・胸は、少し大き過ぎる気がする。
部活棟のシャワールームなどを使えば、女生徒の視線を集めてしまうほどに。
異性もそうだが、同性の視線も凄く気になる・・・恥ずかしくてたまらない。
最近、また少し大きくなった気もするし。
服のサイズも合わないし、割と深刻な悩みでは・・・。
「・・・む、一夏」
「あら、奇遇ですわね」
「お? おお、箒に楓、セシリア」
悶々と悩んでいると、途中で一夏とばったり出くわした。
内心の動揺を隠して、私はあえて平静に一夏に接する。
逆に言えば、内心は物凄く動揺しているわけだ。
心無し、水着の入った手提げ鞄を腕に抱いて隠すようにする。
・・・楓、「チャンスだよ、姉さん」みたいな目で見るのはやめろ。
と言うか一夏、中庭に座り込んで何をしているんだ?
「何をしているんだ?」
「ああ、いや・・・これをな?」
「む?」
別館へ通じる廊下、その途上にある中庭。
そこに、あり得ざる物が生えている。
具体的には、ウサミミだ。
・・・我ながら何を言っているんだと思わないでも無いが、事実なのだから仕方が無い。
白いウサミミが、道端に生えている。
しかも「引っ張ってください」と張り紙までついている、何なんだ。
「・・・な、なぁ、これってもしかして」
「も、もしかしてもしかしてー・・・!」
「知らん。私に聞くな、関係無い」
反射的に口をついて出る言葉、冷えて行く感情。
理解するよりも速く、感情がそれが何かを見抜いている。
それは、私の姉だと。
だからだろう、楓の目が輝いている。
今にもウサミミを引き抜かんばかりだ、尻尾があれば勢い良く振っていることだろう。
私と楓の姉にして稀代の天才、ISを開発して世界を壊した女。
篠ノ之、束。
他にこんな馬鹿な真似をする人間を、私は知らない。
「えーと・・・ぬ、抜くぞ?」
「行っちゃおう! ガツンと抜いちゃおう!」
「・・・好きにしろ、私には関係無い」
「え、あ・・・姉さん!」
関係無いはずが無いのに、私はそう言って一夏や楓に背を向ける。
元来た道を引き返す、別の意味で海に行く気分では無くなった。
・・・あの人は、私のために来てくれたはずなのに。
Side セシリア・オルコット
「・・・何の話ですの?」
「う、うーんと。か、家庭の事情・・・かな?」
「どうして疑問形なのかはわかりませんが・・・」
家庭の事情、と言うことならば仕方ありませんわね。
そう言ったことに、私のような他人が踏み込むべきではありませんもの。
「のわっ!?」
その時一夏さんの声がして、私は視界を巡らせます。
廊下の外、風情のある中庭の真ん中で一夏さんが倒れておりました。
手には、先程の白いウサミミのような物を・・・。
「・・・何をしておりますの?」
「あ、ああ、セシリア、いや、このウサミミをな?」
「はい?」
一夏さんが身を起こすのを待って声をかけると、一夏さんは私に手に持っているウサミミを示してきましたわ。
何ですの、それ・・・?
さっき、地面に刺さっていた物でしょうか?
その時、甲高い音が響き渡りました。
次いで衝撃音、何かが私達の前に墜落して参りました。
ミサイルか何かかと身構えましたが、それはミサイルでも何でも無く・・・。
「・・・に、にんじん?」
「お、おおー・・・可愛い!」
「可愛い・・・ですの?」
一夏さんの声に、私はぽかんとした表情を浮かべます。
唯一、楓さんだけが歓声を上げておりましたが。
オレンジ色の野菜をデフォルメした物体が、盛大に地面に突き刺さっておりました。
な、何ですの何ですの、何ですの?
私が混乱していると、その「にんじん」はバシュンッ、と音を立てて2つに割れました。
こ、今度は何ですの・・・!
「あっはっはっはっ! 引っかかったね、いっくん、楓ちゃん!!」
その中から、人が出て来ました。
青と白のワンピースを着た妙齢の女性で、顔の造形は美人なのに眠そうな目が全てを台無しにしているような、そんな印象を受けますわ。
な、何だか、この全体的な緩さは楓さんや布仏さんに通じる物が・・・。
「いやいや、前はミサイルで飛んでたんだけどね、撃墜されそうになってさー。私は学習する生き物なんだよ、ぶいぶい」
その女性は一夏さんの手からウサミミを奪い取ると、素早く頭に装着。
にも関わらず、その女性は両手を頭につけてウサギの耳のような形にしています。
合計でウサミミ4つ、何ですかそれは。
一夏さんは、そんな女性を多分に引き攣った表情で見上げつつ。
「お、お久しぶりです、束さん・・・」
「うんうん、お久だねぇ、本当に久しいねー。ところでいっくん、箒ちゃんはどこかな? さっきまで一緒だったよね、トイレ?」
「え、えーっと」
「それとそれと、楓ちゃんは? 楓ちゃんはどこかな? 歯医者さん? 飴の食べ過ぎ?」
「おね―――ちゃ―――んっっ!!」
私の横でウズウズしていた楓さんが、弾丸のような速度で飛び出しました!
廊下の床を強く蹴って、そのまま空中で両手を広げてダイブを敢行。
瞬きした次の瞬間には、相手の女性の胸に飛び込んで・・・お、お姉ちゃん?
お姉さんに抱きついた楓さんは、そのまま腕を掴まれて・・・ぐーるぐーると振り回されます。
「あっはは~、お久だねぇ、楓ちゃん。ちゃんと勉強してたかな?」
「ばっちりだよ、おねぇちゃん!」
「そーかねそーかね、お姉ちゃんは嬉しいよ! 楓ちゃんが楽しそうで!」
「う、うんっ・・・でも、め、目がぁ~回るよ~っ」
その後、お姉さんは散々楓さんを振り回してから、楓さんを地面に下ろしましたわ。
お姉さん・・・と言うと、まさか。
いやでも、何故か信じたくないような・・・。
「むふふん。で、で? 楓ちゃん、箒ちゃんはどこかなぁ?」
「え、えっと・・・たぶん、あっちに・・・」
「ふーん・・・まぁ良いや、私の開発したこの箒ちゃん探知機ですぐ見つかるよ。じゃあね、いっくん、楓ちゃん! また後でね~」
「あ、お、お姉ちゃ―――んっ!?」
「行っちゃったよ・・・」
その女性は矢継ぎ早に質問を繰り返した揚句、答えを待たずに走り去って行ってしまいました。
しかもかなりのスピードで、ウサミミをピコピコ動かしながら・・・。
こちらが呼び止める暇も無く・・・まるで、嵐のように。
「い、一夏さん・・・今の方は?」
「あ、ああ・・・束さん。箒と楓の姉さんだ」
「箒さんと楓さんの・・・って、ええ!? じゃあ、今のがIS開発者の篠ノ之博士ですの!?」
さっきの女性が、やはりかの鬼才、篠ノ之博士!
ISの開発者にして現在の世界を作ったと言っても過言ではない、あの。
現在も世界各国が自国に招聘しようと必死になって探している、あの!?
あ、あれが・・・?
な、何故でしょう、信じたくありませんわ・・・。
い、いえ、私にもやはりイメージと言う物はありまして。
「ま、まぁ、箒と楓に用だったみたいだし、また会うだろ。ところで俺はこのまま海に行くけど、セシリアと楓はどうするんだ?」
「え、ええ、私も海へ・・・」
「わ、私も、お友達のところに~」
夢を壊された子供のような気分になりながら、私は一夏さんの言葉に頷きます。
楓さんは楓さんで、未だに目を回しているようですが。
い、イギリスの人間としては、無視してはならないのですけど・・・。
・・・どうしてか、物凄く関わり合いたくない人種のような気がしてなりませんわ。
まぁ、少し様子を見るべきでしょうか。
Side 篠ノ之 楓
「「うーみーだーっ!!」」
「・・・何、してるの・・・?」
海に出た瞬間、本音さんと一緒になって海に向かって叫ぶ。
足の裏が超熱い! 日差しが眩しい! お肌がジリジリ焼ける!
夏が、海が! 私達を呼んでいる!
「・・・ぷぅぷぅ~」
私が両手を振り上げて青い大海原を見てる間に、本音さんがビーチボールを膨らませてる。
ゆっくりと大きくなっていくビーチボールに、私は胸をときめかせる。
こんなに強い太陽の下で遊べるなんて、夢みたいだよ・・・!
もうもう、テンションあがってきたよ―――!
・・・ところで、ビーチボールで何するの?
「・・・普通、ビーチバレー・・・」
「へぇ~」
「お、おお~・・・? おー、おりむ~だ~」
むむ? おお、確かに一夏さんがいますね。
傍には鈴さんと・・・何故か、ラウラさんが。
ラウラさんはレースをふんだんにあしらった黒い水着を着ていて、長い銀髪を何でかツインのアップテールにしてる。
普通に可愛いと思うけど・・・はれ? 箒姉さんは?
・・・箒姉さんが、いない。
あれー・・・じゃあ、どこに行ったんだろ?
鈴さんと一夏さんの距離がやけに近く・・・な、何と言うこと・・・!
「おりむ~、一緒にビーチバレーしよ~?」
「お? ああ、別に良いけど」
「・・・」
ゆったりと走って行く本音さんの背中を、簪ちゃんが少し複雑そうに見てる。
・・・ああ、そっか。簪ちゃんは一夏さんがあんまり好きじゃ無いんだよね。
なんだっけ、殴りたいんだっけ?
ちなみに簪ちゃんは欠席する気満々だったみたいだけど、本音さんと一緒に引っ張って来た。
初めての海、できればお友達と一緒に行きたかったし・・・。
「・・・疲れるから、しない」
「あ、そうなんだ・・・」
「よ、楓・・・って、その子誰だ?」
近くにまで寄って来た一夏さん、おおっとこれはどうした物かな。
私が内心アワアワしていると・・・意外にも、簪ちゃんの方から一夏さんに挨拶した。
「・・・更識」
「えーと、初めましてだよな? 織斑一夏だ」
「知ってる、有名」
「だ、だよな、あはは・・・」
・・・でも、友好度低め。
期待はして無かったけど・・・。
それに本当はもっと言いたいこととか、あると思う。
「・・・本音と楓がいるから、良い・・・」
「簪ちゃん・・・!」
少しだけ笑んでくれる簪ちゃんに不覚にも感動。
本当に、良い娘だよね・・・。
そんな簪ちゃんを、本音さんはいつも通りのほんにゃりした笑顔で見てた。
「早くしようよ~」
そんなわけで、ビーチバレー(お遊びルール)。
タッチは3回まで、1セット10点。
チーム分けは一夏さん、ラウラさん、鈴さんチームと私、本音さん、そして何と簪ちゃんチーム。
そう、何と私、今日が海デビュー・・・!
「今日の私は、人魚的だよ」
「そのネタ、鈴とかぶってるぞ」
「一緒にしないでよ!」
ネットの向こう側で一夏さんと鈴さんがじゃれてるけど、そんなことで私のテンションは減少しない。
そう、それはあたかもISコアのエネルギー出力のごとく!
「・・・なら・・・その内ゼロになる・・・」
「そうそう・・・あれ? 若干酷いことを言われた気がする?」
「・・・気のせい・・・」
ぷいっと私から顔を背ける簪ちゃん、水着は深い青色のフリルワンピース。
フリルとレースがふんだんに使われていて、スカート部分の丈も長いから普通のワンピースで通りそうな気がする。
ちなみに本音さんは何故か着ぐるみタイプ、しかも耳と尻尾のついてる狐さん。
何かの妖怪漫画を読んで、狐ファッションにハマったとか・・・束お姉ちゃんと近いセンスかも。
なお、私の水着は深い黒に赤いラインの入ったスマートワンピース。
胸元のたっぷりリボンがアクセント、別にスタイルを気にしてるわけじゃない。
・・・気にしてるわけじゃ、無いんだよ?
「簪ちゃん、私達、友達だよね」
「え・・・う、うん・・・」
ちょっぴり頬を染めて頷いてくれる簪ちゃん、正直可愛い。
もっと自信持てば良いのに、謙虚さんだからいつも自分は可愛くないって言う。
今は一夏さんの存在を気にしてるのか、妙にソワソワしてるけど。
・・・この場合、IS関係なのか単純に水着が恥ずかしいのか、どっちかな。
どっちもの方に50ルピア賭けるよ。
「よーし、行くわよ・・・ジャンピング・サ――ブッ!」
そして訪れるゲーム開始、鈴さんが見事なジャンピングサーブを決める。
鋭い回転と的確な狙い、それは軽々とネットを越えてこちらのコートへ。
「・・・任せて・・・」
「おお~、かんちゃんカッコ良い~」
おそらく私達のチームで一番のハイスペック、簪ちゃんがそれを受け止める。
ボールの回転を上手く殺して、ふわりと空へ。
その先にいたのは本音さん、両手をパタパタさせてどうにかトス。
さらにふわりと浮かぶボールは、ネット際へ。
「楓ちん、ふぁいとー」
「・・・楓・・・」
そして簪ちゃんと本音さんの期待を一身に受けて、今、私は跳ぶ!
たんっ、砂浜を力強く蹴ると、その後はスローモーション。
視界にはボール、そして指差すは敵陣。
一夏さんと鈴さんが身構えているのに、何故かラウラさんは直立不動のまま一夏さんを見て・・・。
・・・そこだ! 私は全力で――――――。
―――――空振りした。
ぶんっ、ばふっ、ぼすっ。
・・・空振りして、ネットに身体をぶつけて跳ね返され、砂浜に倒れる私。
ぼてんっ、トドメとばかりにボールがうつ伏せに倒れた私の後頭部に直撃。
「・・・そうか」
耳に届くのは痛々しいまでの沈黙、唯一、ラウラさんが頷きながら何か言っていた。
・・・いや、違う、違うんです。私、ビーチバレーはおろか普通のバレーだってしたこと無いんです。動画は見たことあるんですよ? でも実際にやるのと見るのとでは違うと言うか、皆だって初めての時はこんな物じゃあないですか・・・。
・・・つまり、そう言うことだよ。
Side 更識 簪
私、どうして来たんだろ・・・。
本当は休むつもりだったのに、楓と本音に引っ張られて来ちゃった。
来ても、機体が未完成な私にできることは無いのに・・・。
「お、お・・・おー・・・コレが、砂風呂・・・」
「・・・違う、砂風呂に失礼・・・」
どうして私、浜辺で楓に砂かけてるんだろう。
何だか、少しずつ砂を盛って行くとちょっと楽しい。
でも楓は昔、身体が弱かったって言うからほどほどに・・・。
「か、かんちゃん~? ど、どうして私の砂山、凄いことに~?」
「・・・気のせい・・・」
「も、もが~・・・!」
でも本音は身体が丈夫だから、いくら積んでも大丈夫。
本音は、実は身体が凄く丈夫だから。
小さい頃から一緒にいるけど、風邪とか引いた所、見たこと無いし・・・。
身体の上に山みたいに積まれてる砂山を崩そうとジタバタする本音、ちょっとだけクスリと笑う。
いつもは、私が本音に振り回されてるから・・・お返し。
でも・・・着ぐるみだから、中に砂が入るんじゃ・・・。
と言うか、砂に埋まってヌクヌクしてるって言うけど・・・わかるの・・・?
「ああ~・・・おおっ!」
「・・・何、楓・・・」
「えっと、マルチロックオンの基礎プログラムなんだけどさぁ~」
・・・『打鉄弐式』は、実はハード面は大分完成してる。
今も待機状態の指輪してるけど・・・外見的には、ほぼ完成。
武装がまだ、だけど・・・48個のミサイル射出システムとか・・・。
ソフト面は特に未完成、今楓が言ったマルチロックオン・システムは一番難しい・・・。
「48基全部を独立稼働させるのが難しいわけだから、あえてこう・・・時間差? 的なのを入れるのはどうかなぁ?」
「・・・それだと、一斉射撃ができない・・・高命中率、高火力が売りなのに・・・」
「それはホラ、ミサイルに戦術核でも積めば解決したり?」
「・・・しない・・・」
相手がISの場合、核兵器も効果が無い。
・・・と言うか、個人で戦術核は保有できない。
持ってる人、知ってるの・・・?
「あはは~、海でもISの話~?」
のほほんとした本音の声に、少しおかしくなる。
本当、海にまで来て何を話してるんだろ・・・。
・・・他に共通の話題、何かあったかな・・・。
おお・・・っ!
その時、浜辺の一部がザワつくのが聞こえた。
何かと思って見てみると・・・。
「ち、千冬姉様・・・」
「え、何、何~?」
楓は首を動かして見れるけど、本音は首も動かせない・・・着ぐるみだから・・・。
・・・で、そこには織斑先生がいて・・・あ、ボーデヴィッヒさんも一緒だけど・・・。
皆、キャーキャー言ってる・・・。
何と言うか、凄かった。
こう、モデルみたいな抜群のスタイルに、布の面積の少ない黒の水着で・・・その・・・。
・・・ないす、ばでぃ?
「・・・私達、お友達だよね」
「・・・うん・・・」
「何? 何が~?」
楓は、私のお友達。
本音は・・・・・・知らない。
Side 凰 鈴音
浜辺でのビーチバレー騒動から時間が一気に進んで、今は晩御飯の時間。
楽しい時間は本当にすぐに過ぎるって言うけど、本当ねー。
個人的には、楓が運動音痴だったってことにびっくりだわ。
もう1人の本音とか言う子もダメダメだったから、向こうは実質、簪って子だけが頑張ってたわね。
と言うかあの子、4組の専用機持ちの子だってね。
ま、私と一夏のコンビには勝てなかったけど。
ラウラ? あの子ビーチボールより一夏見てたし、水着を千冬さんに褒められてからは意識飛んでたし。
「うん、美味い! 昼も夜も刺身が出るなんて豪勢だなぁ!」
「そうだね、IS学園って羽振りが良いよね」
場所は大きなお座敷、目の前には新鮮なお刺身と小鍋、山菜の和え物、赤だしのお味噌汁とお新香。
本当、15歳の学生に出すレベルのご飯じゃないわね。
ちなみに、私は当然一夏の隣の席。
一夏を挟んでシャルル、テーブル席もあるけど私は断然お座敷。
正座は少し辛いけど、一夏の隣に座りたいから。
そう言えばさっき聞いたんだけど、一夏は千冬さんの部屋で、シャルルは山田先生の部屋だって。
何か、教員と一緒にしないと女子が雪崩をうって来るだろうからって・・・間違って無いけど。
でも一夏はともかく、シャルルは・・・ああ、自分で追い返せるもんね。
一夏も、シャルルの半分でも女の子の扱いが上手ければねぇ・・・。
「おい鈴、もっと味わって食べろよ。これカワハギだぞカワハギ、しかもキモ付き」
「ふぅん? もう食べちゃったからわかんないわ」
「何だと、何て奴だ」
「あー、うるさいうるさい」
浴衣姿の一夏、何だかいつもとちょっと違った雰囲気に見える。
今日は良い日ね、本当。
一夏と海で遊べたし、ご飯一緒だし。
これはもしかしたら、好感度かなり上がったんじゃない?
ちらりと周りを見てみれば、テーブル席の方でセシリアが他の欧州組の女子達とお喋りしてるのが見える。
ちらっとだけど、ラウラの姿も見えた気がする。
お座敷の方に視線を戻せば、楓が箒の隣の席で嬉しそうにしてる。
簪と本音も近くの席で、ご満悦って感じね。
「まったく、カワハギの良さがわからないなんてそれでも日本人か、鈴!」
「まぁまぁ、一夏」
「いや、私そもそも日本人じゃないし・・・あーもー、そんなに文句言うならアンタの寄越しなさいよ」
「な、何だと・・・!」
忘れてるかもしれないけど、中国人だから私。
私がパクパクと山菜を食べてると、一夏は何かを決意するかのような目で私を見つめて来た。
そしてお刺身 (たぶんカワハギ)を一つお箸でつまむと、それを私に・・・って、ええぇ!?
「しょーがねぇな、ほら」
「え、な、う、ちょ」
「ほれ、口開けろよ」
こ、これは、伝説の「はいあーん」体勢・・・!
ちょ、え、コイツ素なの? 皆の前で「はいあーん」とか本気で何考えてんの?
私にお刺身を食べさせようとする一夏と、待つ私。
・・・って、別に待ってるわけじゃ・・・!
「・・・ああ! これが日本でカップルがするって言う『はい、あーん』ってやつなのかな?」
ちょ、シャルル!?
そ、そんなんじゃ・・・そんなんじゃ無いから!
だって一夏よ一夏、とーへんぼくと書いて一夏って読む感じの奴よ?
私が混乱している間も、一夏は我慢強く私が口を開くのを待ってる。
え、ちょ・・・つまり、私に「あーん」させたいってわけで。
や、ヤバい、本気で混乱してきた・・・。
「あ・・・あああああ! 凰さんズルい!」
「え? わ、織斑君にあーんして貰ってる!」
「わ、私もーっ!」
し、しまった、気付かれた!?
こ、こうなったら仕方無いわ、邪魔される前に・・・!
「織斑せんせ―――っ!!」
ちょ、楓!?
よりにも寄ってどうして千冬さんを呼・・・!
「やかましい! 食事くらい静かに出来んのか!!」
ほら来ちゃったぁ――――!!
千冬さんは何故か私と一夏だけはたいて、他は怒鳴って散らした。
く、私達が悪いわけじゃ無いのに・・・。
「織斑、騒動を起こすな。鎮めるのが面倒だ」
「わ、わかりました」
ああ、「はいあーん」が・・・恨むわよ楓ぇ・・・。
・・・その楓は、隣の箒に「GJ?」みたいな感じで親指を立ててた。
次の瞬間、箒にはたかれてたけど。
あの2人、最近地味に仲が良いわよね・・・何でかしら。
「は、はは・・・そうだ鈴、後で俺の部屋に来てくれよ」
「はぁ? アンタの部屋・・・って、え・・・?」
ちょ、ば、バカ、急にそんなこと言うなんてどうかしてんじゃないの?
い、いや、行くわよ、行ってあげても良いわよ? どうしてもって・・・あ、どうしても?
そ、そう・・・。
・・・じ、準備とかあるから、ちょっと待ってなさいよ。
何を準備するんだ? う、うるさいっ、女の子にはいろいろあんのよ!
Side 篠ノ之 箒
はぁ、今日は結局、海に出れなかったな・・・。
まぁ、何故かシャルルも屋内にいて、茶飲み話に付き合ってくれたのは有難かったが。
シャルルは愛想が良いと評判で、私にも親切に接してくれる。
一夏にもあれくらいの甲斐性があればな・・・いや、それも含めて一夏か。
とにかく今日は姉さんの件でどうにも気が滅入っていたから、シャルルのおかげで気晴らしができた。
今度、何か礼をした方が良いのかもしれない。
「・・・姉さん、か」
誰でも無い、たぶん私が呼んだ。
日時を指定したわけでは無いが、あの人ならすぐに来てくれるとわかっていたのに。
いざとなると、どうしても・・・。
「・・・む?」
ま、まぁ、せっかくだし一夏にお休みの一言くらい・・・と思って一夏の部屋に行くと、入り口のドアの所に見知った顔がいた。
見る者に元気さが伝わるツインテール、鈴だ。
気のせいか、いつもより髪や肌の手入れが行き届いているような気がする・・・そう言えば、風呂で念入りに身体を洗っているなと思ったような。
「鈴? 何をしているんだ?」
「シッ」
「な・・・むがっ!?」
いきなり、鈴に口を塞がれた。
何だ何だともがいていると、部屋の中から声が・・・。
『じゃ、千冬姉、2人きりだし風呂上がりだし、久しぶりに・・・っと』
『んんっ・・・馬鹿者、加減をしろ、加減を』
『ごめんごめん。じゃ、ここは?』
『く、ぁ・・・っ、そこは、ダメ・・・つぅっ!?』
『ああ、溜まってる感じ?』
『馬鹿、く・・・あぁっ!』
・・・な、なななな、な!?
口を塞がれたまま鈴を見る、何だこれはと聞きたいわけだが、鈴は沈んだ表情を見せるばかり。
い・・・一夏・・・?
い、いやいやそんな、あ、あの2人は姉弟だぞ?
「・・・今日さ、帰り際に海で千冬さんと会ったの、もちろん水着ね。何か短い自由時間に泳ぎに来たとかでさ」
「う、うむ・・・?」
「黒のセクシーな水着でさ、一夏さ・・・私やラウラの水着を見た時とは明らかに違う反応だったのよね」
「な、何・・・?」
え・・・じゃあ、何だ、本当に・・・?
まさかと思うが、そう言えば昔から一夏は・・・。
「アンタも幼馴染なら知ってると思うけどさ・・・アイツ、昔からさ」
「ち・・・千冬さんにベッタリ・・・だったな」
「・・・うん」
ずーん・・・と、通夜のような空気が流れる。
いくらなんでも、千冬さんが相手では勝ち目が無いでは無いか・・・。
ど、どうする、どうすれば・・・。
「・・・何をしている、馬鹿者共」
「「げ」」
鈴と2人、頭上を見る。
するといつの間にかドアが開いていて、千冬さんが私達を見下ろしていた。
私達はおそらく、引き攣った笑みを浮かべていたと思う。
「こ、こんばんは、織斑先生・・・」
「さ・・・さようなら!」
「まぁ、待て」
「「へぶっ!?」」
逃げ出そうとした所、首根っこを掴まれて即座に捕まった。
こ、この人にはISはおろか肉弾戦でも勝てる気がしない・・・。
「ちょうど良い、入って行け・・・ああ、ついでだからラウラも呼んで来い」
「「・・・はい?」」
首根っこを掴まれたまま、私は鈴と視線を交わして首を傾げた。
な、何がちょうど良いんだろうか・・・?
・・・オチを言ってしまうと、千冬さんは一夏にマッサージを受けていただけだった。
ま、マッサージか・・・良かった・・・。
その後、私と鈴とラウラもマッサージをしてもらった・・・は、恥ずかしかった。
ただ、鈴が尋常でないくらいがっかりしていたようだが・・・何故だ?
Side 篠ノ之 楓
今日はとんだ無様を晒したけれど、明日こそは・・・!
明日はISの各種装備の試験運用とデータ取り、専用機持ちの装備もある。
つまり明日は、私の独壇場・・・!
「頑張ろうね、2人とも・・・!」
「・・・私・・・機体、無いのに・・・」
「あはは~、シスターズ、ふぁいとー」
「・・・その呼称、嫌・・・」
私の言葉に、簪ちゃんと本音さんがそれぞれの反応を返す。
簪ちゃんは機体が無いことがコンプレックスだから、ちょっと嫌そう。
でも、と私は思う。
機体なんて無くても、簪ちゃんは誰よりも凄い、と・・・。
あと、個人的にシスターズってのはツボった。
実際、私達の共通点ってお姉ちゃんがいるってことだし。
「次、右手、赤~」
「うぎっ!?」
本音さんの言葉に、私は表情を引き攣らせる。
え、いや、右手を赤って、それってキツいよ本音さん・・・!
今でさえ、かなり苦しい体勢なのに・・・!
「おんやぁ、楓ちんはリタイヤかなぁ~?」
「ま、まま、まさか、私は最後まで諦め無いよ・・・!」
「おおー、根性~」
私は今、赤とか青とか色とりどりのマスが描かれたシートの上にいる。
そこには簪ちゃんもいて、こちらは普通に四つん這いの体勢で楽そう。
でも私は何がどうなったのか、その簪ちゃんの身体の上をブリッジしてるみたいな体勢。
おかげで、マス決めのルーレットを持った本音さんの顔が逆さに見える。
これは、本音さんが持ってきたパーティーゲームで・・・。
・・・ツ○スターゲーム。
それは、1960年代北米で誕生したと言う、娯楽。
21世紀になってもその人気は不動、男女の憧れの的だとか何とか・・・は、初めてやってみたけど、難しいね・・・!
「な、なんの・・・ぉ・・・」
すでに半分逆立ちしてるような体勢、でも右手を隣のマスにやらないと。
おりゃっ・・・片足が跳ね上がり、浴衣の裾がかなり危ないラインにまで捲り上がる。
もう片方の足は別のマスを踏んでるから動かせない、プルプル震える私はまさに生まれたての小鹿のごとく・・・!
「おお~、せくしぃ~」
「・・・はしたないですわ」
何故か嬉しそうに笑う本音さんとは対照的に、部屋の隅でお茶しながら観戦していたセシリアさんは少し顔を赤らめて咳払い。
ま、負けない、も・・・。
「んあぁうっ!?」
「・・・きゃ・・・っ」
ズルッ、頑張ってた方の足が滑って、私は体勢を崩す。
どんっ、と背中から簪ちゃんにぶつかって、押し潰すみたいな格好になる。
あー・・・負けた~・・・。
「・・・重い、どいて・・・」
「えぇ~・・・」
私の下で潰れてる簪ちゃん、私はごろんっと転がるとその小さな背中に顎を乗せる。
浴衣越しに柔らかな肌の感触、すると簪ちゃんは頬を染めて私を押しのけようと・・・。
そして始まるじゃれあい、本音さんが参加しようとウズウズしだした時・・・。
「失礼する・・・楓はいるか? 少し話・・・が・・・」
「あ、箒姉さん」
箒姉さんが来た。
私はみょんっ、と身体を起こすと、にっこり笑顔で箒姉さんを・・・あれ?
箒姉さん、何で口をパクパクさせながら顔を赤くして・・・。
「な・・・何をしているんだ!?」
「え? ゲーム」
「ば、馬鹿者っ、そんなはし、はしたない真似を・・・!」
・・・その後、何故か「大和撫子十の心得」を聞かされた。
巻き込まれたセシリアさんは、「何で私まで・・・」と嘆いてたけど。
私は、箒姉さんとたくさんお話できて嬉しかったよ。
どうしてかはわからないけど、最近、箒姉さんとお話しすることが増えて来た。
近くに寄っても避けないし、声をかければ返事が返ってきて、今みたいに姉さんから話しかけて来ることもある。
私はそれが嬉しくて、ニコニコする。
姉さんか・・・束お姉ちゃん、今どこにいるのかなぁ。
◆ ◆ ◆
「ここにいるぞ~・・・っとね」
月明かりの下、笑う女が一人。
鼻歌を歌いながら指先を滑らせるのは空中投影型のキーボード、視線が彷徨うは無数のディスプレイ。
その笑顔は、とても無邪気だがどこか退屈そうにも見える。
「はんはん♪ 箒ちゃんも楓ちゃんも楽しそうだねぇ、お姉ちゃんは嬉しいよ」
その女の名は篠ノ之 束、彼女に見れない映像は無く、聞こえない話は無い。
童話「不思議の国のアリス」のアリスとウサギの衣装を混ぜたようなファッション、眠そうな眼には大きなクマ。
天才は思考から解放されることが無い、最後の安らかな眠りは遥かな過去。
いつしか、自分が思考している場所は夢か現かわからなくなって・・・。
妹と言う存在だけが、彼女を現実に留めてくれる。
織斑 千冬とその弟だけが、彼女を現実に繋いでくれる。
彼女・・・束にとっては、現実とはそう言う物だった。
「でもまぁ、遊んでばっかりじゃあつまんないよねぇ」
それでも良いけどねぇ、と呟きながらも束の指先は止まらない。
まるでピアノでも弾くかのような、そんな印象を見る者に与える。
「でも大丈夫、お姉ちゃんがぜぇんぶ用意してあげるからね。何、大事な妹達のためだからね、特別出血大サービスぅ♪」
カッ・・・最後に大きくキーを叩いて、束は満足そうに笑う。
「ん~、流石は天才のお姉ちゃん、もう用意できちゃったよ。
「・・・そこで、何をしている」
不意に、軽やかに動いていた手が止まる。
その顔に張り付いていたのは、はたして笑顔だったろうか・・・。
◆ ◆ ◆
Side ラウラ・ボーデヴィッヒ
臨海学校に使用されているこの界隈では、『ISの非限定空間における稼働試験』と言う名目で部外者は侵入できないようになっている。
私を含む代表候補生には本国から試験用の装備が送られてくるが、それも無人の揚陸艇でだ。
IS学園教師陣の監視だけで無く、各国の軍用監視衛星がここを見張っている。
もちろん、我がドイツも。
そしてそこに、あろうことかミサイル(の割にふざけた造形だったが)で突撃してきた馬鹿がいる。
私の目の前で、旅館の屋根の上で胡坐をかいて座っている女だ。
「私はラウラ・ボーデヴィッヒ・・・・・・篠ノ之 束だな?」
「・・・」
「黙秘しても無駄だ、篠ノ之 箒と篠ノ之 楓がIS学園に入学した時点から各国の学園への監視は強化されている。それに私のような特殊部隊の人間で、お前の顔と名前を見間違えるような人間はいない」
東洋人の顔の見分けがつかない奴がいたとしても、篠ノ之 束だけは別だ。
まぁ、そんな奇抜な服装をする奴が他にいるかはわからんが・・・。
貴女があの学園に「妹」を半ば無理矢理にねじ込んだことは、裏に関わる者なら皆が知っている。
「いずれにせよ、ここは部外者は立ち入り禁止だ」
織斑教官が管理を任されているこの場所で、取りこぼしは許されない。
教官の顔に、泥を塗ることになる。
それに本国から見つけ次第「招聘」するように言われてもいる、二重の意味で見逃す理由は無い。
浴衣の裾をめくり、黒のレッグアーマー・・・待機状態の『シュヴァルツェア・レーゲン』を晒す。
「よって、貴女を拘束する。ご同行願おうか」
「・・・」
「・・・聞こえているのか? 篠ノ之 束」
「・・・ぁ・・・」
「何・・・? 申し訳ないが、もう少し声を」
「うぅ・・・るさいなぁっ!!」
な・・・?
突然、篠ノ之 束が振り向いた。
長い髪が鞭のようにしなり、童顔だが成熟した女性の身体が月明かりの下で露になる。
「と言うか誰だよ、キミは。銀髪は私の知り合いにいないんだよ。そもそも私は今、箒ちゃんと楓ちゃんのためにあれこれサプライズを仕込んでて忙しいんだよ。そう言う段階なんだよ、空気読めよ日本人・・・あ、日本人じゃない? でも読んでよ空気、大事でしょ? ああ、良いやもう・・・面倒だし眠いし、私が寝てる間に消えなよ」
「きさ・・・・・・何!?」
突然、ハイパーセンサーにIS反応が生まれた。
『シュヴァルツェア・レーゲン』を緊急展開、篠ノ之 束の肩のあたりが光ったかと思うと、両側から衝撃。
奥歯を噛み締めつつ後退、それでも警告音がやまない、さらに離れる・・・!
「ぐっ・・・!」
「ああ、それ知ってる・・・ドイツ製のアンティーク、楓ちゃんがデータ送って来た奴」
「楓・・・?」
ザシッ・・・旅館の屋根の端まで跳んで、ようやく「射程」から逃れたらしい。
ふと視線を動かせば、私の機体の両肩の装甲が何かで抉り取られたかのように砕けている。
この程度、すぐに修繕が可能だが・・・しかし。
何によって攻撃を受けたのかがわからない、目には見えなかった。
だがISのセンサーには反応がある・・・推定、私のワイヤーブレードのような物体。
あるいは篠ノ之 楓のソード・ビットのような武装・・・それも、極めて高いステルス性を持った。
見えない刃のような、何か・・・・・・突然、センサーから反応が消えた。
「・・・! どこに・・・っ」
それだけの分析を終えた後、顔を上げると―――数秒も立っていないはずだが―――そこには、誰もいなかった。
篠ノ之 束の姿も・・・見えない刃も、どこにもいない。
突然、そして忽然と姿を消してしまっていて・・・私としたことが。
・・・逃げられた、いや。
見逃された・・・いや。
ただ、飽きられただけだ・・・何故か、そう思った。
・・・教官に、報告しなければ・・・。
篠ノ之 楓&布仏 本音:
うーみーだー!!
更識 簪:
・・・まだ、言ってる・・・。
布仏 本音:
ええ~? だって海だよ~?
篠ノ之 楓:
そうだよ簪ちゃん、母なる海だよ!
更識 簪:
(母なる・・・?)
布仏 本音:
も~、かんちゃんはドライだねぇ。
シスターズの一員としての意識が足りないよー。
更識 簪:
だからそれ・・・嫌・・・。
篠ノ之 楓&布仏 本音:
えええぇぇ~~。
*「シスターズ」
篠ノ之 楓・更識 簪・布仏 本音の3人で構成。
参加資格は、「妹」であること・・・あれ? でも名称的に「姉」でも加入できるよ?