Side 織斑 一夏
入学式のあった次の週の、月曜日。
つまりは、俺とセシリアの対戦の日だ。
ただし、大きな問題が2つある。
「なぁ、箒・・・ISのことを教えてくれると言うのはどうなったんだ?」
「・・・」
「・・・目を逸らすなよ」
1つは、箒が俺に剣道の稽古しかしてくれなかったことだ。
いや、もちろんありがたい・・・試合の感覚を取り戻すのも大事だってのはわかる。
何しろ中学時代は家計を助けようと―――それでも生活費の9割は千冬姉が出してたけど―――3年間、アルバイト生活で剣道なんてして無かったからな。
だけど問題はこの1週間、剣道しかしなかったことだ。
個人的に教科書を読んだり山田先生のレクチャーを受けたりはした物の、それ以外はさっぱり。
楓を頼ってみたこともあるが、「箒姉さんに教えて貰う約束をしたでしょ」と突っぱねられた。
おかげで毎日毎日放課後3時間、みっちり箒と剣道の日々だった。
「し、仕方が無いだろう、お前のISだってまだ来てないんだから」
「いや、それでも基礎とか知識とか、いろいろあっただろ・・・?」
そしてもう1つ、当日だと言うのに俺のISがまだ来ていない。
そう、まだ来ていない。
・・・大事なことだから、2回言った。
一応、千冬姉に呼ばれた通り、第3アリーナのAピットに来たんだけど・・・。
「お、織斑君、織斑君、織斑君ッ!」
不意に、3回も呼ばれた。
顔を上げれば、転びそうな足取りでこちらに駆けて来る山田先生。
千冬姉は歩いてるのに、どうして走ってる山田先生と並んでこっちに来れるんだろう。
「山田先生・・・と、千冬ねって、痛ぁっ!?」
「学校では織斑先生と呼べと言っている。いい加減に学習しろ、さもなければ死ね」
出席簿で俺を殴るのは、もちろん千冬姉。
実の姉からの温かい言葉に、俺は涙が出そうだった。
俺の周りの女性は、どうしてこんな・・・それとも、女尊男卑の時代の影響か?
いや、時代のせいにするのは良く無いな、うん。
「そ、それでですねっ、来ました、織斑君の専用IS! ピットに搬入してあります!」
「織斑、さっさと準備をしろ・・・アリーナの使用時間は限られている。ぶっつけ本番でモノにしろ」
「男子たる者、この程度の障害は軽く乗り越えて見せろ、一夏」
山田先生、千冬姉、箒がそれぞれ俺を激励してくれる・・・激励、だよな?
でも俺、何をしたら良いのかさっぱりわからないんだが。
プシュッ・・・空気の抜けるような音共に、ピットへ出る扉が開く。
山田先生に背中を押されて、たたらを踏みながら中へ。
そこにいたのは、『白い騎士』だった。
真っ白な、純白の、飾り気のない無骨な鎧。
それが第一印象、装甲の一部が開いていなければ、乗り物だとは気付かなかったかもしれない。
真っ白なそれは、まるで俺を待っているかのように膝をついていた。
これが、俺の。
「・・・これが?」
「はい、織斑君の専用機・・・『白式(びゃくしき)』です!」
白い式と書いて、『白式(びゃくしき)』。
どうしてだろう・・・このISがまるで、ずっと俺を待ってたみたいに感じるのは。
これが、俺の・・・と、1歩近付いたその時、誰かが『白式(びゃくしき)』の陰から出て来た。
それは・・・。
「どうも、箒姉さん、一夏さん」
「「・・・楓!?」」
あ、箒とハモった。
そこにいたのは、箒と同じ顔の女子だった。
髪は箒と違って短く、表情も厳しさよりも緩さが目立つ。
ミニのスカートとオーバーハイの靴下の間の肌色が、眩しい。
・・・って言うか、気のせいで無ければ、箒が楓の名前を呼ぶのを初めて聞いた気がする。
そのせいなのかどうなのか、楓は箒を見ると嬉しそうににっこりと微笑んだ。
Side 篠ノ之 楓
「背中を預けるように、ああそうだ、座る感じで良い。後は勝手にシステムが最適化してくれる」
「あ、ああ・・・」
千冬姉様の言葉に従って、一夏さんが『白式(びゃくしき)』に乗る。
カシュッ・・・渇いた音がして、一夏さんの身体がISと「融合」する。
操縦者とISの「意識」が繋がる瞬間で、人によっては違和感を感じることもあるけれど。
どうやら、一夏さんは大丈夫みたい。
私にはわからないけど、一夏さんは今『白式(びゃくしき)』から膨大な情報を得ているはず。
操縦方法、性能、特性、装備、活動時間、エネルギー残量、出力限界、そして「敵」の情報。
ISは操縦者が必要とするあらゆることを教えてくれる、相棒(パートナー)として。
「ISのハイパーセンサーは、問題無く動いているようだな。一夏、気分は悪くないか?」
「・・・大丈夫、千冬姉、行ける」
「・・・そうか」
千冬姉様と一夏さんが、おそらくは身内にしかわからないだろう視線の交わし方をする。
そう言うの、素敵だと思う。
私が箒姉さんを見ても・・・あ、また逸らされた。
割とショック・・・。
「ところで、楓はさっきから何をしてるんだ・・・?」
「見てわからないのか、馬鹿者。お前のために『初期化(フォーマット)』と『最適化(フィッティング)』をしてるんだよ・・・篠ノ之妹、間に合いそうか?」
「時間が足りないです」
千冬姉様の声には、きっぱりと答える。
答えないと後で何をされるか・・・まぁ、出席簿の一撃だけだと思うけど。
そんな私の前には、空間投影式のディスプレイとキーボード、それぞれ6枚と2枚。
キーボードの上で指先を躍らせながら行うのは、『白式(びゃくしき)』の初期化(フォーマット)作業。
このISを本当の意味で一夏さん専用にするためには、まずコアから前の機体の情報を消して、さらに一夏さんの情報を入力しなければならない。
1秒ごとに、ソフトウェアとハードウェアが一夏さん専用のそれに微修正されていく。
普通、何時間もかけて少しずつやる作業なのだけれど・・・。
「え、ええと・・・ありがとう? でも何で楓が?」
「コイツは整備科志望だからな・・・本当は専用機には整備チームがつくが、お前にはまだ無い。手伝って貰えるだけありがたいと思えよ」
「な、なるほど」
・・・2つのキーボードを同時に扱って、どうにか『初期化(フォーマット)』を最終段階まで進める。
同時に一夏さんの情報の入力を初めて『最適化(フィッティング)』。
時間が無いから、いろいろな作業を一度に済ませないと・・・。
・・・ハイパーセンサー接続、最適化完了、操縦者視界良好、クリアー。
機体制御システムオンライン、姿勢保持システム及び各部推進装置の偏向重力推進角錐(グラビティー・ヘッド)度数をアトランダム設定して最適数値でそれぞれ自動固定、加減速補助システム作動・・・
登録武装・・・あれ? 一個だけか、じゃ良いや。
推進ユニット・コントロール・システム最適化、エネルギー・バイアス・オペレーティング・システム及びシールド・エネルギー制御システム更新・再構築・・・それぞれ30秒以内に再実行、仮想試験結果を反映しつつ数値変更・・・。
「・・・凄い・・・」
山田先生の声、でも私はそんなに凄く無い。
束お姉ちゃんなら、1分もあればこれくらいの作業は終わらせてる。
でも私は搬入の時点から3分経っても、『初期化(フォーマット)』しかできてない。
まだ半分も・・・。
「・・・篠ノ之妹、もう良い。後は一夏が試合中に何とかするだろう。できなければ負けるだけだ」
「ああ、サンキューな楓」
「・・・わかりました」
『白式(びゃくしき)』からコードやケーブルを抜いて、接続を解除する。
後は『白式(びゃくしき)』が自動で『最適化(フィッティング)』する、でも試合終了まで間に合うかどうかはわからない。
・・・悔しい、凄く中途半端な仕事をした気分。
でも一夏さんは、凄く落ち着いた笑顔でお礼を言ってくれる。
それから、心配そうに一夏さんを見ていた箒姉さんの方を向いて・・・。
「箒」
「な、なんだ?」
「・・・行ってくる」
「・・・ああ」
一夏さんの言葉に、箒姉さんが少しだけ微笑む。
・・・それに私が少しだけ驚いている間に、一夏さんはピットの会場側出口(ゲート)の方へISを進ませる。
重い音を響かせて、『白式(びゃくしき)』が歩く。
・・・良かった、ちゃんと動く。
でもあのシステム構築様式、確か束お姉ちゃんの・・・。
「・・・勝ってこい」
祈るような箒姉さんの声に、一夏さんは箒姉さんを見ずに手を上げるだけで応える。
おお、良く分からないけど、通じ合ってる感がする。
そして、一夏さんはゲートの外へと・・・。
Side セシリア・オルコット
・・・私の母は、厳しくて強い人でしたわ。
女尊男卑の風潮が世に広まるよりも前から、いくつもの会社を経営して成功した人。
家柄でも能力でも母に劣っていた父は、いつも母の顔色を窺っていた・・・。
そう、だから「男なんて」そんなもの。
そんな2人の間の愛情が続くはずも無く、母はいつしか父を避けるようになっていきました。
でもあの日・・・3年前、死者100人を数えた越境鉄道事故で2人が亡くなった時。
その日だけは、どうしてか2人一緒で・・・でもその理由を考える間もありませんでした。
私は両親の財産を狙う下種共から家を、両親の遺したものを守るため、勉強の日々を過ごし。
そして・・・。
「・・・『ブルー・ティアーズ』」
小さな声で囁くのは、私の身体を覆う青の鎧の名前。
鮮やかな青、背中には特徴的なフィン・アーマーを備えた蒼穹の騎士(アイエス)。
これが私の、一つの結果ですわ。
IS適正テストで世界でも有数のランク・・・「A+」を出して。
政府から国籍保持のための好条件が出されて、家を守るために受け入れました。
そして第3世代試験機のこのISの専属操縦者になり、稼働データと戦闘実績を得るために日本へ。
だから彼と戦うのは、そのためでもありますの。
「個人的に気に入らないと言う気持ちも、まぁ、ありますけど・・・」
何しろ、男だと言うだけで専用機まで与えられるのですから。
私が数年かけて―――それでも短い方だと言うのに―――手に入れたものを、彼は数日で。
男だと言う、ただそれだけの理由で。
・・・叩き潰して差し上げますわ。
私がそんなことを考えた時、ようやく彼がピット・ゲートから姿を現しましたわ。
私の目の前にディスプレイが浮かび、『ブルー・ティアーズ』が彼の・・・織斑一夏のISの情報を教えてくれます。
ありがとう、『ブルー・ティアーズ』・・・でも大丈夫、私と貴女が負けるはずがありませんわ。
「最後のチャンスを差し上げますわ」
「・・・チャンスって?」
「私と『ブルー・ティアーズ』が、一方的な勝利を得るのは自明の理。今、ここで謝罪すると言うのなら、許してあげないこともなくってよ?」
<射撃コマンドを展開、セーフティロック解除>
頭の中に響くのは『ブルー・ティアーズ』の声、同時に左目の部分にターゲット・ロック・システムが展開、右腕部分に展開されている主力レーザーライフル「スターライトmkIII」にエネルギーが充填されます。
そして同時に、試合開始の鐘が鳴り響きます。
彼も気付いたのでしょう、身構える。
あの白いISの性能自体は、それなりのようですわね。
でも・・・。
「・・・そう言うのは、チャンスとは言わないな」
「あら、そう? 残念ですわ、それなら・・・」
<―――標的確認(ターゲット・ロック)、射撃開始まで3秒、2、1・・・>
・・・でも本人の能力は、どうかしらね!
「・・・お別れですわね!!」
トリガーを引いて、甲高い独特の射撃音が響く。
同時に、私の『ブルー・ティアーズ』から最初の射撃(ショット)が放たれました。
Side 織斑 一夏
「うおぉおっ!?」
いきなり撃ってきやがった!
いや、もう試合開始の鐘は鳴ってるんだから、卑怯でも何でもない。
ただ、俺がボンヤリとしてただけだ。
一応、ギリギリでかわしたけど・・・俺の手柄でも何でも無く、『白式(びゃくしき)』のオートガードが俺を守ってくれただけだ。
オートガードだから、俺の意思とは関係無く『白式(びゃくしき)』が動いただけ。
つまり、俺が『白式(びゃくしき)』の反応についてこれて無い・・・!
と言うか、動かし方だって碌にわからん!
<ダメージ46、シールドエネルギー残量521>
頭の中に『白式(びゃくしき)』の声が響く、ちなみに今やってるみたいなIS同士の戦いは、「ISバトル」と言うスポーツとして世間に認知されてる。
まぁ、学園では普通に模擬戦って言うんだけど。
「ISバトル」と言うこのスポーツは、相手のシールドエネルギー・・・まぁ、HP(ヒットポイント)みたいな物をゼロにすれば勝ちだ。
エネルギーがゼロになると実体(本体)にダメージを通せる、それで勝ちってわけだ。
後、ISには「絶対防御」って言うシステムがあって、最低限操縦者が死なないようになってる。
・・・死ぬとか、縁起でも無いけどな。
「さぁ、踊りなさい! 私、セシリア・オルコットと『ブルー・ティアーズ』の奏でる円舞曲(ワルツ)で!!」
声と同時に、セシリアの射撃が雨のように降り注いでくる。
いくらオートガードって言っても、全部を凌げるわけじゃない。
しかも相手の射撃が的確なもんだから、ガンガン当たる・・・直撃だ、しかも連続。
と言うか、避け方がわからん。
おかげで、『白式(びゃくしき)』も警戒音(アラート)を鳴らしっぱなしだ。
上へ避けても左に飛んでも・・・200メートルもあるアリーナなのに、どこへ飛んでもセシリアの射撃が俺を襲ってくる。
・・・アイツ、凄いな。
「・・・って、感心ばかりしてらんねぇ・・・何か、武器は」
丸腰じゃ無理だ、『白式(びゃくしき)』に武器の一覧を出すように頼む。
・・・って、1個だけかよ!?
ええい・・・ままよ!
右手を掲げて、量子化していた武器を実体化させる。
束さんが基礎理論を構築したって言うこの量子化・物質化のシステム・・・いったいどう言う理屈なのか、さっぱりだ。
だけどそのシステムが、俺に武器を・・・1本の「刀」を与えてくれる。
片刃の長刀・・・刃渡り1.6メートル。
「中距離射撃型の私達に、近距離格闘装備で挑もうだなんて・・・笑止ですわね!」
そして、セシリアの射撃。
機体を無理矢理捻って、かわす・・・でも彼我の距離は絶望的、27メートル。
俺の攻撃射程にセシリアを捉えるにはその距離を、しかも弾幕の中を潜らなきゃいけない。
今にして思えば最初の一撃は挑発でも奇襲でも無く、距離を広げるための物だったのかもしれない。
「・・・やってやるさ」
千冬姉や箒、それに『初期化(フォーマット)』してくれた楓、機体搬入の手続きをしてくれた山田先生に・・・無様な格好は、晒せないよな。
だから、やってやるさ・・・この『白式(びゃくしき)』で!
Side 篠ノ之 箒
一夏が、戦っている。
初めてのISバトルで代表候補生との戦い、予想通りと言うか、苦戦だった。
オルコットの射程距離の長さに、近接用の装備しか持たない一夏は翻弄されている。
特に、オルコットの機体から放たれている4機のビットのような物が厄介だ。
青いISの背中についていたフィンが分離して、それぞれ独立したビットになっている。
それぞれが独立軌道で動く銃器のような物で、先端から特殊なレーザーを放つ。
「何だ、アレは・・・?」
「イギリスの第3世代装備『ブルー・ティアーズ』。オルコットさんのISと同じ名前なのは、あの兵器を積んだ実戦投入1号機だから、だとか」
私の呟きに答えたのは、楓だ。
私は千冬さん達と一緒に、Aピットからリアルタイムで一夏の戦いを観戦している。
目の前の大きなモニターには、第3アリーナで行われている試合が映されている。
私の立ち位置は千冬さんと山田先生のの後ろで、そしてその私の左隣に楓がいる。
楓・・・数年ぶりに会った私の双子の妹。
楓は空間投影式のディスプレイとキーボードを1枚ずつ展開させたまま、一夏の試合をデータ面で分析しているようだった。
その姿は・・・嫌でも、あの人を思わせる。
「見た限りにおいて『ブルー・ティアーズ』―――ややこしいので以下ビット―――は相手の死角からの全方位オールレンジ攻撃が可能、まだ稼働実験段階の「BT兵器」と呼ばれる兵装だと思う。展開前にはスラスターとして使用していたようなので、ある程度の汎用性も備えているみたいだね」
楓の声が続く間にも、画面の中の一夏は追い詰められている。
上下左右に展開したビットがビームを放ち、一夏をオルコットのライフルの照準地点に追い込む。
その繰り返しだ、気の休まる暇も無い。
一夏はIS稼働時間20分とは思えない身のこなしで、ビットの攻撃を回避、防御し続けている。
だが、このままでは・・・。
「・・・一方で『白式(びゃくしき)』は現在、近接用のブレードのみを装備。あれはまさに敵を殴りつけないと効果の無いタイプで・・・懐に飛び込めない限り一夏さんに勝機は」
「っ・・・一夏が負けるわけが無いだろう!!」
思わず、怒鳴った。
直後に後悔する、何をやっているんだ、私は・・・。
「ご・・・ごめんなさい、姉さん」
「・・・いや」
頭を振って、苛立たしい気持ちを落ちつけようと親指の爪を噛む。
この1週間、楓のことを避けていたから・・・これが、数年ぶりの会話と言うことになる。
数年ぶりの会話が、これか。
だが、他に何を喋れば良いのかなんてわからない。
私と違って、あの人と一緒にいた楓。
・・・憎んでいるわけでも、嫉んでいるわけでも無い。
だけど・・・何を言えば良いのか、わからない。
「一夏・・・!」
画面の中では、一夏がオルコットの弾幕を潜り抜けて、ようやく接敵した所だった。
ぎゅっ・・・口元に持って行っていた手を、無意識に握り込む。
一夏・・・。
Side 織斑 千冬
後ろで小娘共が騒いでいるようだが、そんなことは知らん。
姉妹の問題に口を出す程、私はお節介焼きじゃない。
「はあぁ・・・凄いですね、織斑君。とてもISを動かすのが2回目とは思えません」
モニター前の椅子に座っている山田先生が、感嘆したように呟く。
確かに、画面の中の一夏は素人とは思えない程の健闘ぶりを示している。
初陣、しかも相手は代表候補生だと言うのに。
画面の中の一夏が、オルコットのビットの1機を叩き斬った。
それは、オルコットのビットの弱点を看破したが故の結果だ。
あのビットは、オルコットの射撃と同時には動かせない。
つまり自動(オート)じゃない・・・それを逆手にとって、一夏はわざと隙を作ってビットを誘導、迎撃する。
そう言っている間に、2機目、3機目と堕としていく・・・。
「・・・馬鹿者め、浮かれているな」
「え・・・どうしてわかるんですか?」
「さっきから左手を閉じたり開いたりしているだろう・・・昔からのクセだ」
「へえぇ・・・流石はお姉さんですね、そんなぁいたたたたたっ!?」
私をからかおうとした山田先生にヘッドロックをかけつつ、私は画面を注視する。
そこには、4機目・・・「最後の」ビットを堕とそうとしている一夏が映っている。
とは言え、ダメージは深刻・・・にも関わらず、その機動性は上昇しているように見える。
普通、ダメージを受ければ機動性は落ちるはずだが・・・。
「・・・直前の『最適化(フィッティング)』作業が、ここに来て活きてきたか」
あの機体は元々、倉持技研と言う日本のIS企業が開発していたが・・・色々な理由で、放棄された。
そしてそれを束が引き取って、完成させた。
・・・前代未聞の第4世代ISとして。
各国が第3世代の開発に躍起になっている所に第4世代のIS、公表などできない。
アレの整備担当として篠ノ之妹を呼んだのは、他にできる人間がいなかったからだ。
加えて言えば、『白式(びゃくしき)』のコアに接続できるのが私と一夏、
もちろん、開発者である束は例外とした場合だが。
「・・・束の、弟子か」
先の束との電話で、
最も、束の言っていることは8割は意味不明だが・・・。
「・・・何だ!?」
篠ノ之姉の声に、思考を現実に戻す。
画面の中で、一夏が4機目のビットを堕とした時、「それ」は起こった。
・・・機体に救われるか、馬鹿者が。
Side 織斑 一夏
<『最適化(フィッティング)』終了、確認ボタンを押してください>
な、何だ・・・?
セシリアの最後のビットを刀で斬り落とした後、いきなり『白式(びゃくしき)』が話しかけて来た。
目の前のディスプレイに浮かんだ「確認」を押すと、膨大なデータが意識に直接流れ込んでくる。
刹那、俺のISが量子化して・・・直後、再び実体化する。
中世の無骨な鎧のようだったそれは、形がかなり変わっていた。
より曲線的に、よりシャープに・・・そして、直感的に理解する。
これでこのISは、「俺専用」になったと。
「一次移行(ファースト・シフト)・・・じゃあ、今までは初期設定だったって言うの!?」
「ふぁー・・・何だって?」
セシリアが驚いているみたいだけど、俺には細かいことはわからない。
右手の刀を見ると、それもまた形状が変わっていた。
「・・・『雪片弐型(ゆきひら・にがた)』?」
そこには昔、千冬姉さんが現役だった頃の動画で見た、あの刀があった。
姉さんの、刀。
刀(かたな)に形成(かたな)した・・・形名(かたな)。
刀と言うより反りの深い「太刀」、鎬に刻まれた溝からは工業的な粒子が溢れている。
・・・ああ、そうだよな。
俺は本当に、最高の姉さんを持ったよ。
元「世界最強」・・・誰よりも綺麗で強い、世界一の姉さんだ。
だから千冬姉(かぞく)が誇れるとまでは言わなくても・・・恥じることの無い、そんな弟でいたいと願う。
「だから」
チャキッ・・・新しくなった刀・・・いや、太刀を両手で持って、下段に構える。
「・・・『白式(びゃくしき)』、距離は?」
<16メートルです>
・・・遠いな、だけどビットは全部落とした。
後はライフルをかわしながら・・・飛び込む!
「・・・ぜああああああああっ!」
「くっ・・・面倒ですわ!」
距離を開こうとするセシリア、縮めようとする俺。
これまでの動きが嘘のように、『白式(びゃくしき)』を思い通りに動かせる。
追いかけっこは唐突に終わり、ライフルの銃口を蹴りつけて外し、太刀を大上段から振り・・・。
「お生憎様」
次の瞬間、セシリアの機体のスカート部分が開く。
開いたそこから現れたのは、2つの突起物・・・つまり。
「『ブルー・ティアーズ』は・・・6機ありましてよ!」
放たれるのはビームじゃない、2発のミサイル―――――!
「・・・!」
だけど、見える。
ミサイルの軌道、どこを狙うのか・・・頭が判断するのと同時に、機体が動く。
思った通りに、斜めにロール移動。
1発目、右肩の装甲を掠めつつも回避。
2発目・・・斬る!
ガンッ・・・両手に鈍い重みを感じると同時に、爆発の衝撃が俺を襲う。
<ダメージ66、シールドエネルギー残量――――>
『白式(びゃくしき)』の声も無視して、爆煙の中を直進する。
黒煙を抜けた際には、焦りの色を浮かべたセシリアの顔があった。
・・・獲る!!
「ぅうおおおおおおおおおおおおおぉぉぉっっ!!」
下段から上段へ、逆袈裟払い。
『白式(びゃくしき)』から太刀にエネルギーが供給されていくのを感じる、太刀が熱い。
『雪片(ゆきひら)』の刀身が輝き、俺はその輝きに導かれるように――――。
・・・太刀を、振り切った。
そして―――――。
Side 篠ノ之 楓
「大馬鹿者め、武器の特性もわからないくせに無理に使うからそうなるんだ」
「大馬鹿者って・・・馬鹿者から嫌な方向にランクアップしないでくれよ・・・」
「何か文句があるのか?」
「・・・無いです」
試合の後、一夏さんは千冬姉様にこってりと絞られていた。
自分の武器を中途半端に使いやがって・・・と言う内容にも聞こえるけれど、たぶん照れ隠し。
自分の武器を弟が継いでくれたことが、実は物凄く嬉し・・・。
「・・・篠ノ之妹?」
「な、何でも無いデス!」
一夏さんを絞っている千冬姉様の標的が私に移りかけたので、慌てて思考を止める。
と言うか何、相手の思考が読めるの・・・?
いや、それ以前に篠ノ之妹って。
束お姉ちゃんから見れば、篠ノ之妹って2人いるよ?
まぁ、良いや・・・今はとりあえず、『白式(びゃくしき)』の方に興味あるし。
ブゥンッ・・・と私の目の前に上下4枚、合計8枚の空中投影型ディスプレイが浮かぶ。
そこには、一夏さんの専用IS『白式(びゃくしき)』の『最適化(フィッティング)』後のデータが映しだされる。
「うーん、やっぱりちゃんとパーソナライズした方が・・・」
千冬姉様に聞いた話だと、これを作ったのは束お姉ちゃん。
どうりで『初期化(フォーマット)』しやすいと思った、お姉ちゃんは私がやりやすいようにシステムを組んでくれてたんだね・・・えへ、何か嬉しいな。
束お姉ちゃんの作ったISを、私が整備。
うん、美しい。
これが箒姉さんの専用機だったりした日には、きっともっと楽しいよね。
束お姉ちゃんが作って、私が調整して、箒姉さんが動かす。
・・・理想だね。
「篠ノ之妹、そろそろ良いか」
「あ、はい」
千冬姉様に言われて、『白式(びゃくしき)』との接続を切る。
それから一夏さんが『白式(びゃくしき)』を待機状態にして、白いガントレットの形になって一夏さんの手首に納まる。
待機状態になったISは、操縦者が望めばその場ですぐに展開できる。
でもここはIS学園、当然のように電話帳並の規則の本がある。
一夏さんは、山田先生からそれを青い顔で受け取っていた。
「・・・何にしても、今日はこれでおしまいだ。帰って休め」
締めの言葉は、やっぱり織斑先生。
と言うわけで、今日は一件落着・・・。
「・・・あ」
ふと視線に気が付く、それは箒姉さんの物だった。
いつもと同じ、鋭い視線。
何と言うかこの1週間、上手く話せなかったから・・・ちょっと緊張。
「・・・ISの」
「う、うん・・・」
「ISの整備、姉さんに習ったのか・・・?」
「あ、うん」
「・・・・・・そうか」
それだけ。
それだけ言って、箒姉さんは一夏さんを連れてピットから出て行った。
・・・ほんの、一言だけ。
たった数秒間だけだけど・・・箒姉さんと、お話ができた。
それが嬉しくて、私はその場で歓声を上げた。
・・・直後、千冬姉様にはたかれた。
Side 篠ノ之 箒
・・・この感情は、何だろうな。
楓は束姉さんにISのことを教えてもらって、それで一夏のISの『初期化(フォーマット)』をした。
羨ましい・・・の、だろうか、私は。
まさか、そんなはずは無い。
ただ、私は・・・。
「・・・なぁ、箒」
「・・・」
「おーい・・・無視すんなよ、箒さん」
一夏の声に、ふと立ち止まる。
振り向くと、何だかバツの悪そうな顔をした一夏がいた。
「・・・勝てなかったな」
「ぐあ」
私の言葉に軽く呻いて、そしてかなり落ち込んだような表情を見せる一夏。
その姿を見ていると、ささくれ立った心が少しだけ安らかになるのを感じた。
我ながらどうかとも思うが、一夏と一緒にいると安らぐ。
・・・ど、同門の人間が傍にいると落ち着くと言う、それだけの意味だ。
それ以上の意味は無い、無いったら無いからな!
心の中で自己完結した後、再び歩き始める。
当然、一夏もついてくる・・・。
・・・と、当然と言うのは、行く場所が同じだからと言う意味で、共にいるのが当然と言う意味では無いぞ。
「い、一夏」
「ん、何だ?」
「く、悔しかったか・・・? 勝てなくて」
「そりゃ・・・まぁ」
どこか沈んだような一夏の声に、私は少しだけ目を閉じる。
思い出すのは、幼い頃の剣道場。
中学時代は剣を握っていなかったと言う一夏は、あの頃とは違って物凄く弱くなった。
この1週間、剣を合わせて・・・私から1本も取れなかった程に。
だけど、根本の部分は変わっていない。
今の言葉でそれがわかって、とても嬉しかった。
・・・楓と話せ話せ言うのは、正直アレだが。
「・・・なら、明日からはISの訓練もいれないとな」
「あ、教えてくれるのか?」
「そう言っただろう」
いつかの会話を繰り返す。
「い、一夏が私にどうしても教えてほしいと言うのならな、仕方無い」
「ああ、そうだな、是非頼むよ」
「・・・う、うむ。では明日からは必ず放課後を空けておくのだぞ、良いな?」
「おう」
・・・明日から、放課後はずっと一夏と2人きり。
い、いや、単にISの訓練をするだけだ、うん、それ以上の他意は無いぞ!
私は単純に、不出来な同門にいろいろと教えてやろうと言うだけだ。
・・・それだけだからな!
「か、勘違いするなよ、一夏!」
「え、お、おうっ!」
・・・まぁ。
とにかく今日は、頑張ったな。
・・・一夏・・・。
Side セシリア・オルコット
シャワールームの中で熱いお湯に打たれながら、私は今日の試合について反芻しておりました。
今日の試合・・・織斑一夏とそのISとの試合を。
私が・・・私と『ブルー・ティアーズ』が・・・。
「・・・一撃を、喰らうだなんて・・・」
今日専用機を持ったばかりの男に、代表候補生であるこの私が。
最後の一撃は、いったい何ですの・・・?
私の機体のバリアを無効化して、直接ダメージを与えるなんて。
そこで相手のエネルギーが切れましたから、それ以上の追撃はありませんでしたけど。
とは言え、どうして彼の機体が直後にエネルギー切れを起こしたのかもわかりませんわ。
私に一撃を与えた時には、まだ残っていたはずだけれど・・・。
・・・そのおかげで機体のダメージが最小限に留められたのですから、不幸中の幸いなのでしょうけど。
でも、もしエネルギー切れを起こしていなかったら・・・。
「・・・結果的には、私の勝利・・・とは言え・・・」
でも昨日今日にISを動かした素人、まともな訓練も受けていない相手。
それに、一撃を許した。
直後に彼のISがエネルギー切れを起こさなければ、ゼロ距離で撃ち落としていたとは言え。
ビットも破壊されて、無様にも程がありますわ。
・・・何なんですの、あの男!
「・・・織斑、一夏」
彼の・・・織斑一夏のことを、思い出す。
最初から女である私に媚びようとせず、むしろ反発して見せた彼。
母の顔色を窺ってばかりいた父とは、まったく違いましたわね・・・。
強く、迷いの無い、真っ直ぐな瞳。
最後の一撃の瞬間、視線を交わしたあの時。
あの瞬間だけは、本物でしたわ。
身体にはまだ、あの時に撃ち込まれた一撃の感触が残っています。
そして、私が撃ち込んだ攻撃の感触も・・・。
「・・・織斑、一夏」
初めて会った男・・・男だと言うのに、それでも。
私に、このセシリア・オルコットに一撃を喰らわせた男・・・。
他の男とは違う、何かを感じるのはどうしてでしょう・・・?
たかが、男の分際で。
きゅっ・・・蛇口を捻り、お湯を止める。
湯気で包まれるシャワールームの中、曇った鏡を掌で大きく擦る。
そこに映るのは、見慣れたはずの自分の顔。
・・・もっと良く、知らないといけませんわね。
織斑一夏、私と『ブルー・ティアーズ』に一撃を与えた男の、ことを。
Side 織斑 一夏
セシリアとの試合の翌日、クラスに来たらとんでも無いことになっていた。
具体的に言うと、何故か俺がクラス代表になっていた。
・・・何でだよ、負けだったじゃん俺!
「では、1年1組のクラス代表は織斑一夏君に決定です。あ、一繋がりで良い感じですよね」
嬉しそうにしないでください、山田先生。
クラスの女子達は「唯一の男子なんだから、持ち上げないと」とか「経験が積めて情報も売れる、一粒で二度美味しい」とか言ってるけど・・・いやいやいや!
第一、あのセシリアが納得するわけが―――――。
「私、代表は辞退致しましたの」
・・・って、本人が納得してるし!
それなら、まぁ・・・って、そうじゃないだろ!
「おおっ、見事なノリツッコミですね、一夏さん」
「だね~、実に見事だと思うよ~」
いやいや楓、のほほん(布仏本音)さんと一緒になって拍手するなよ。
波長が似てるのか何なのか知らないが、すっかり友達になっているらしい。
箒もあれくらい社交的なら、もう少し人付き合いも上手くなるだろうに。
「一夏?」
「と、とにかく、何で俺が代表なんだよ!?」
隣にいた箒が物凄く剣呑な雰囲気を放ったので、話題を戻す。
・・・と言うか、何で俺の考えてることってバレるんだ?
俺、わかりやすいのか・・・?
「勝負自体はああ言う結果でしたが・・・初めてのバトルで代表候補生の私とあれだけ戦ったのですもの。むしろ私が退かないと面目が立ちませんわ。快く代表の座を受け取ってくださいまし」
その心遣い、今はいらないから。
・・・と言うか、セシリアの俺を見る目が観察しているような物に見えるのは何でだ?
「ISの技術向上には場数を踏むのが一番・・・クラス代表ともなれば、バトルには事欠きませんもの」
「いや、そうかもしれんけども・・・」
「何でしたら、私が教えて差し上げても良くてよ?」
「必要無い、私が頼まれたからな、私が教える」
おおぅ、箒さん。
いきなり話に混ざって来たかと思えば、何故か言葉に物凄い棘が。
「あら、そう。なら仕方ありませんわね・・・私は見れればそれで十分ですし」
そしてあっさりと引き下がるセシリア、最初の刺々しさはどこに行ったんだよ。
と言うか、後半に何かブツブツ言って無かったか?
いや、まぁ、良いけど。
「あ、ね、姉さん・・・」
その後、楓がおずおずと箒に近付いて来た。
期待と不安が混ざった表情で、ツツ~っと傍に寄って行くその姿は、ちょっと可愛かった。
「そ、その・・・お、おは・・・おはよう・・・」
「・・・」
「・・・えと。あ・・・」
対する箒はと言うと、ふいっと猫のように顔を背けて、自分の座席へと向かって行った。
おい、妹に対して何て態度だよ。
そして楓は楓で、落ち込んだ猫のようにしゅんとしている。
話相手を失ったセシリアも、「やれやれ」と言いたげに肩を竦めて自分の座席へ。
「うーん・・・」
「だ、大丈夫だって楓、箒もさ・・・」
「・・・グッドモーニングの方が良かったかな・・・?」
いや、そこじゃないと思うぞ。
楓は腕を組んで何やら考えながら、自分の座席に戻った。
箒の反対側、廊下側の座席に。
・・・まぁ、俺は実の所、あんまり箒と楓のことは心配してない。
先週からの箒の行動を見てれば、何となくだけどわかる。
入学式の日、教室と寮で・・・箒、ちゃんと楓のことを守ってたもんな。
束さんのことを聞いて来る生徒から、さ。
「・・・やれやれ」
さっきのセシリアじゃないけど、肩を竦める。
素直じゃ無いんだからな、箒は。
あ、昔からか。
「さっさと席につけ、大馬鹿者が」
「・・・ってぇっ!?」
チャイムが鳴ったのに気が付かなかったから、教室に来た千冬姉に頭をはたかれた。
・・・と、言うわけで。
俺は、1年1組のクラス代表になった。
篠ノ之 楓:
どうもです、「白式」に触れてひゃっほうな楓です。
アレは今やどこの企業にも国にも所属していないので、私も触れて嬉しいです。
ま、詳しい所属はまたどっかに決まるでしょ。
それでは今回はIS整備に関する物で、「初期化」と「最適化」、それでもって「一次移行」について説明しちゃいますね。
「初期化」・・・
読んで字の如く、ISのコアを初期化する作業。全世界に配備されているISの内100~150くらいは研究開発用で、新しいIS(コア外装)の開発に日夜研究されてるわけですが・・・そこで新しい外装にしたり、あるいは操縦者を変更したりする場合は前の外装・操縦者の記憶をコアから「初期化」しないといけないんです。今回の場合、「白式」に一夏さんを操縦者と認めさせるための第一段階としてその作業が必要だったわけです。
「最適化」・・・
これも読んで字の如く、そのIS(特にコア)を新たな操縦者に適合させる作業。これが終わると「一次移行」と言う現象が起こってその操縦者の「専用機」になることができます。量産機・訓練機なんかは「最適化」せずに使うんで、これは特に専用機持ちの人に施される作業ですね。自動でもできますが、時間が・・・今回の場合、一夏さんが試合中に適合させた感じですね。
篠ノ之 楓:
ふぅ・・・では次回、セカンドが来るそうです・・・セカンド?
・・・束お姉ちゃん、勝手にドロップ缶持って行かないでね?
篠ノ之 束:
ぎくぅっ!?