インフィニット・ストラトス―黒き叡智―   作:竜華零

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第67話:「その言葉、衝撃」

Side クラリッサ・ハルフォーフ

 

何と言うことだ、我がドイツの連結砲がまるで効果が無い。

戦後のリスクを考えても衆目に晒した機密だが、まるで赤子の遊びに過ぎないように見える。

篠ノ之博士は我々の連結砲を完全に無効化したばかりか、逆撃の砲撃で破壊さえしてしまった。

 

 

上空ではラウラ隊長達が篠ノ之博士との戦闘を続けている。

こちらは連結砲を失った上、少尉が負傷。

大佐は先の戦闘で少なからぬ損傷を受けている、戦力としては半減していると言って良い。

状況は極めて不利、そもそも国連軍の指揮系統は完全に麻痺している・・・!

 

 

「大尉、上に行ってボーデヴィッヒ達を援護して来い」

「は・・・し、しかし大佐」

「構わん、どうせ戦況はどうにもできんのだ。ならばせめてもの抵抗をする必要があるだろう、我々はドイツ軍人なのだからな」

 

 

大佐はそう言って連結砲の残骸を海に捨てると、特に何を感じた風でも無く自身の機体『カノン・ホーゲル』の砲撃システムを起動させていた。

両肩、両手、腰の左右にビーム砲・レールガン、MGを展開し・・・まさに砲撃の構えを見せている。

 

 

「た、大佐は・・・?」

「私はここであの羽虫共の相手をする。ここを抜かれれば、篠ノ之博士の一撃によって致命打を浴びた我が艦隊は完全に崩壊してしまう。少尉はここで私を支援しろ、どの道その機体状態では戦闘は無理だろう」

「や、了解(ヤー)」

 

 

紫色のエネルギーを充填させながら、大佐は遠方から迫りつつある無人機にその砲塔を向ける。

次いで砲撃を開始、国連軍の残存戦力が体勢を整えるまで戦線を維持する腹積もりらしい。

文字通り、全身に装備した重火器をフルに活用することで。

 

 

「行け、大尉。行って貴様の隊長の面倒を見て来い。そしてついでにボーデイッヒに私の命令を伝えて来い」

「はっ」

「・・・生き残れ、貴様の任務は戦後にこそ多くあるのだからな」

 

 

そう伝えろ、そう告げた大佐の背中に敬礼を返す。

少尉には頷き一つ返して、私は『シュヴァルツェア・ツヴァイク』を上空へと飛翔させた。

通信画面を多数開き、左眼の眼帯を引きちぎりながら告げる。

 

 

「『黒ウサギ隊(シュヴァルツェ・ハーゼ)』全員に告げる、我らはこれより休息と平和以外の何者も求めず、ただ全てを任務に捧げる! 何があっても隊長を死なせるな!!」

『『『了解(ヤー)!!』』』

 

 

仲間達の唱和を耳にAICの反発作用を逆用して、加速する。

目指すは隊長の下、求めるのは任務の完遂。

その後に、平和と休息があると信じて。

 

 

 

 

 

Side 織斑 千冬

 

今の束に対して効果を有する武装は、この世で2つしか無い。

一つは私がかつて使用していた『雪片(ゆきひら)』、正確にはその単一仕様能力(ワンオフ・アビリティ)『零落白夜(れいらくびゃくや)』。

そして今一つは篠ノ之姉の持つ篠ノ之家の宝刀、緋宵(あけよい)。

 

 

この2つだけが、束に・・・正確には『オリジナル・コア』<女王の心臓(ハート・オブ・ザ・クィーン)>に対して有効だ。

何故ならば、この2つの武器は。

<女王>と同種の鉱物で作られているのだから―――――。

 

 

「・・・!」

 

 

『真経津鏡(まふつのかがみ)』、最大展開。

背中に『暮桜(くれざくら)』の翼をはためかせながら、私は一夏の前に出る。

一夏に『雪片(ゆきひら)』を譲った私には武装が無い、故にこの拳だけで戦わざるを得ない。

 

 

『真経津鏡(まふつのかがみ)』の幻惑効果はシステムに対しても有効だ、それには無人機の識別能力も含まれる。

私は後ろから一夏に迫っていた無人機―――攻撃意思があったかは不明だが―――に頭部を蹴りによって破壊して、一夏を守るように腕を回す。

 

 

「気をつけろ、一夏」

「あ、ああ・・・」

「フランスの『リヴァイヴ』隊! 悪いが周辺の無人機の相手をしてくれ、束にはそちらの兵装は効かないはずだ!」

『わ・・・わかりましたっ』

 

 

束の放ち続けるミサイルによって近付くことさえ出来なくなりつつあったフランスの部隊を、ゴーレムの方に振り向ける。

それとさっき返事したのは、確かシャルロットの異母姉妹だったか。

 

 

一夏を見ると、どこか緊張した面持ちだった。

まぁ・・・私の出生のことを聞いた後では、緊張するなと言う方が難しいだろうな。

ああ、後はマドカのこともあるのか。

北極海で別れてからの2ヵ月近くは、私はマドカと行動を共にしていたからな。

いろいろと考えてから私はいつものように、ふっ、と笑った。

 

 

「さぁ行くぞ一夏、篠ノ之姉ばかりに出番をくれてやるわけにはいかんからな」

「お、おう」

「私の弟なら、格好良い所を見せてくれ」

「・・・おう!!」

 

 

『雪片(ゆきひら)』を両手で持って、一夏は気合いを入れたようだった。

その姿が、私はたまらなく愛しい。

正直、そこまでカッコ良いとは思わないが・・・ひたむきで、放っておけない。

きっとコイツを好きになる女は、お節介な奴が多いだろうよ、過干渉なタイプの女がな。

 

 

「良し・・・行くぞ、ついて来い」

「おう、任せろ千冬姉!!」

 

 

弟を後ろに従えて。

私は今日、親友を討つ。

 

 

 

 

Side 篠ノ之 箒

 

「はあああああぁぁっ!!」

 

 

両肩のクロスボウ『穿千(うがち)』から熱線を放つと、あの人の機体前方にアンブレラ状の不可視のシールドが展開される・・・ちっ、ソード・ビットだけでなくシールド・ビットまで光学迷彩か!

両手で右斜め後ろに構えた『空裂(からわれ)』を振るい、紅い斬撃を飛ばす。

 

 

それはシールド・ビットの盾と衝突すると爆発を起こし、その煙を突き破るように瞬時加速で突っ込む。

刀を『雨月(あまづき)』に持ち変えて、不可視のシールドに突き立てる。

直後に腕部の展開装甲が開き、紅いレーザーが飛び出してシールドの外から透明なビットを攻撃した。

小さな爆発音が響き渡り、同じようにその煙の中から飛び出す。

 

 

『ひゅう――――♪ 箒ちゃん、かぁっく良い―――――っ!!』

「・・・っ!」

『いやもうほんとカッコ良いよ箒ちゃん! 束さんが男だったら絶対胸がきゅんきゅんしちゃうよっ。むしろ女だけどお姉ちゃん胸のきゅんきゅんが止まらないねっ!』

 

 

ああっ・・・もう、苛々する!

何でこの人はいつもいつも、本気でやってる人間の前でふざけるんだ!?

私がそう苛立っていると、あの人のISアーマーから200発以上のミサイルが放たれた。

再び集中の時間だ、私は『空裂(からわれ)』と『穿千(うがち)』の2つの武装で攻撃を繰り出し、ミサイルの群れを迎え撃つ。

 

 

ただいかんせん、全方位から放たれるミサイル全てを捌くことは出来ない。

私の死角から近付いて来るミサイルに、舌打ちをしつつ展開装甲の防御を張ろうとした。

そしてその次の瞬間、虚空から放たれた青いBTレーザーと回転しながら飛来した連結青竜刀がミサイルの群れを屠った。

連続して巻き起こる爆発の中で、顔を上げる。

 

 

「凄いじゃない箒、博士から大絶賛されてるわよ?」

「やめてくれ鈴、本気でイラっとするんだ」

「うふふ、まぁ、そう言うことにしておいてあげますわ」

「そう言うことって何だセシリア、私は本気なんだが」

 

 

そこにいたのはセシリアと鈴だった、先程まで満身創痍の状態だった2人だが・・・今は、真新しい装甲に包まれている。

いや、真新しいと言う表現は違うな、例えば蒼穹の色だったセシリアの機体には今は所々に黒い塗装が増えている。

塗装と言うよりは、付け加えたと言った方が正しいかな。

 

 

「お前達、ボサっとするな!」

「行こうぜ!」

「千冬さん・・・一夏!?」

 

 

そんな私達の脇を擦り抜ける形で、千冬さんと一夏があの人の下へと向かって行った。

それを追いかける形で、私も『紅椿(あかつばき)』のスラスターを噴かせる。

 

 

「行くぞ、鈴、セシリア!」

「了解ですわ」

「しょうがないわねぇ、付き合ってあげるわよ」

 

 

漆黒のライフルと漆黒の戟を手に、鈴とセシリアが不敵に笑う。

向かう先は、実の姉だ。

・・・言っていて、この世の不条理を感じるが。

 

 

 

 

 

Side シャルロット・デュノア

 

<Trismegistus System - copycat mode>

 

 

そんな音声と共に、僕の身体が黒い粒子に包まれる。

いや、正確には僕じゃ無くて『ラファール・リヴァイヴ』が、だけど。

とにかく、黒いナノマシンの粒子が僕の身体を・・・『リヴァイヴ』の罅割れた装甲を包んで行く。

 

 

お風呂で肌の上を白い泡が覆うようなイメージで、黒いナノマシンがオレンジの装甲を包んで行く。

ナノマシンはそれぞれに装甲の罅を埋めて、違和感が無いレベルでカラーリングを変える。

結果として機体の損傷部分が修復されて、各部の数値が回復することになる。

 

 

「・・・凄い」

 

 

そう呟いたのは、傍で負傷した会長を抱き抱えてる簪さんだ。

僕もそう思うけど、これは凄いなんて言うレベルじゃ無い。

普通に修理するならまだわかるけど、別の機体の装甲をそのまま再現するなんて。

先に直された鈴とセシリア、ラウラの機体とも素材も密度も、何もかもが違うのに。

 

 

この楓のナノマシンは、武装だけじゃなく機体その物を再現できるんだね。

それも本物に限りなく近く、場合によっては本物以上に。

武装が再現できるなら、確かに理屈の上では装甲やスラスターも再現できるのかもしれないけど。

それを実際にやられてしまうと、どう反応したら良いかわからなくなる。

 

 

「・・・再現(コピーキャット)完了。シャルロットさん、調子はどう?」

「えと・・・うん、オーケーだよ楓」

 

 

無数のディスプレイに囲まれた楓が、首を傾げながら僕に調子を聞いて来る。

そして確認してみれば、『リヴァイヴ』の数値は全てが巨大艦侵入時の直前の状態にまで回復していた。

それも機体だけじゃなく、使い潰してしまった武装に関してもナノマシンで再現済み。

楓から離れ過ぎるとダメだけど、少なくともこの戦闘空域にいる限りは通常の状態で動ける。

オレンジの装甲に描かれた黒のラインを見ながら、僕は改めて脅威を感じる。

 

 

こんなことが出来るなんて・・・って、篠ノ之博士とは別種の脅威を楓に感じる。

そして同時に、心配する。

友達として、心配する。

もしここで篠ノ之博士を倒せたとして、その後、楓はどうなるのだろうと。

その時、断続的に爆発音が響いた。

 

 

「皆・・・! 僕も行くね、楓、ありがとう!」

「うん!」

 

 

それでも今は、一夏達の援護に行くしかない。

心配事は、全部が終わった後にいくらでもできる!

だから・・・!

 

 

 

 

 

Side 篠ノ之 楓

 

私には、直接的に戦える術が無い。

ISでの戦いを否定して来た私には、自分で出来る戦い方が確立していない。

箒姉さん達のように剣を学んだわけでも、ラウラさん達のように専門の訓練を積んだわけでも無い。

 

 

私にできるのは、技術だけ。

『黒叡(こくえい)』と言う知の宝庫から引っ張り出して来た技術で、皆を支援することだけ。

背部のコンデンサーから溢れ出る黒いナノマシンだけが、私の存在価値。

後ろで控えて、こうして見ていることしか。

 

 

<戦えるよ>

 

 

俯いていると、声が聞こえた。

『黒叡(こくえい)』の声が、聞こえた。

「カエデお姉さん」の声が、耳元で響いた。

 

 

次の瞬間、私の眼前に無数のディスプレイが展開される。

それはナノマシンの制御のための物とはまったく別の物で、そこには防御でも修理でも支援でも無い別の物のデータが映し出されていた。

つまり、「攻撃」のための情報。

固有の武装を持たない『黒叡(こくえい)』が攻撃をするための、プログラム。

 

 

<貴女はもう、戦えるよ。お姉ちゃんのためじゃなくて、自分の意思でそれを選ぶのなら>

 

 

・・・私、箒姉さんが羨ましかった。

いつだって、箒姉さんは私の前に出て行く人だったから。

私が病気で寝込んだ時も、道場に来た男の子に苛められた時も、箒姉さんが助けてくれた。

今も私はこうして後ろにいて、箒姉さんは一番前で刀を手に戦ってる。

 

 

それがどうしようも無く羨ましくて、妬ましくて、申し訳なかった。

 

 

私が出来ないことを、箒姉さんが出来てしまうから?

違う。

私がしなければならないことを、箒姉さんにさせてしまっているから。

箒姉さんに、押し付けてしまっているから。

そんな卑怯な自分、変われるものなら変わりたかったのに・・・逃げていた自分。

 

 

「ごめんなさい」

 

 

誰にともなく、謝る。

卑怯でごめんなさい、ずるくてごめんなさい、怖がりでごめんなさい。

謝るから、許してください。

これからは、自分でちゃんとするから・・・。

 

 

そんな私の周りで、黒いナノマシンがいくつもの武器を造る。

それは刀だったり、戟だったり、レールガンだったり、荷電粒子砲だったり。

全て、『黒叡(こくえい)』の中に収められている武装情報。

正直、怖いけど。

 

 

「楓」

 

 

後ろで不安そうな顔で私を呼んでくれる簪ちゃんと、目を合わせる。

その腕の中には、ISの保護機能で傷をいやしながら気を失ってる会長さんがいる。

簪ちゃんのお姉さんが、いる。

 

 

「・・・行ってきます」

 

 

震える声音で、そう答えて。

その時私は、初めて自分の意思で。

誰かを傷つけることを決めた。

 

 

 

 

 

Side 篠ノ之 束

 

はぁ~・・・箒ちゃんカッコ良いなぁ。

マジになったちーちゃんも良いし、いっくんもなかなか可愛いんだけど。

やっぱり凛々しさでは、箒ちゃんが世界一だよねぇ。

んーと、残り時間は後10分って所かな?

 

 

まぁ、この『市杵嶋姫命(イツキシマヒメ)』は束さんが珍しく製作に三日もかけたからね。

これくらいは楽しんで貰わないと、割に合わないよね。

皆で遊ぶためによなべして作ったんだから、ねぇくーちゃん?

 

 

<はい、束さま>

 

 

うふふ、可愛いくーちゃん。

・・・だけどアレだねぇ、せぇっかく箒ちゃん達と楽しく遊んでるのに、空気読んでくれないゴミ虫が何匹かいて困るよ。

どこかの国の代表って言う大ネズミと、候補生って言う小ネズミが。

鬱陶しい、抜けもしない『市杵嶋姫命(イツキシマヒメ)』のシールドを抜こうと必死だけどさ。

 

 

このシールドを抜けるのは、キミ達じゃないんだよ。

 

 

そんなこともわからないなんて、本当にゴミだね。

仕方無い、邪魔な物から一掃しようか。

そう思って、胴体部のミサイルポッドを開いて照準を合わせる。

今度は別の兵装と組み合わせて・・・。

 

 

<束さま!>

「お?」

 

 

その時、『市杵嶋姫命(イツキシマヒメ)』が激しく振動した。

360度スクリーンの右側を見てみれば、『市杵嶋姫命(イツキシマヒメ)』の右胴体部のミサイルポッドのいくつかが火を吹いていた。

火自体はすぐに自動で消火されるし、装甲も塞ぐから大した問題じゃないんだけど。

ナノマシンで作ったシールドを抜かれたって所が、気になるねぇ。

 

 

「おおぉ・・・?」

 

 

その後も立て続けに、『市杵嶋姫命(イツキシマヒメ)』の右側面に黒い弾丸やらビームやらが降り注居で来る。

ダメージは無いけど振動が伝わって、束さんもちょっと驚く。

この『市杵嶋姫命(イツキシマヒメ)』の超多重障壁を抜いて来るなんて。

 

 

誰かと思って、攻撃してきている相手をモニターに映す。

そこに映っていたのは、短い黒髪の女の子だった。

漆黒の装甲に身を包んで漆黒のナノマシンを駆り、戦場を支配している女の子だった。

その女の子の周囲には、おそらくはコピーキャット・システムで複製しただろう武装が並んでる。

 

 

「楓ちゃん」

 

 

名前を呟いて、思わず笑顔になる。

このナノマシン・シールドはナノマシンで構成されている分、通常の武装の一切を通さない。

だけど「同位体」のナノマシンを操作して弾丸とすれば、外部からの攻撃とは認められずにシールドを擦り抜けて直接『市杵嶋姫命(イツキシマヒメ)』の装甲面に攻撃を届かせることができる。

 

 

だけど異なる機体から放出されるナノマシンを相手のナノマシンの出力に合わせて「再設計」して同位体と成すには、極めて高度な演算処理能力とプログラム構築能力が必要になるんだよ。

それを・・・それを、楓ちゃんは今になって事も無げにやって見せている。

『黒叡(こくえい)』にはそこまでの性能は無かったはずだけど、ちゃんとできてる。

つまり。

 

 

「・・・きた」

 

 

きた、来た、キタキタキタキタキタキタァ――――――ッッ!!

来たよコレ来たって、楓ちゃんキちゃってるよこれぇ!

うっわどうしよ写真写真動画動画・・・くーちゃんくーちゃん、ちゃんと撮れてる!?

 

 

<はい、束さま>

 

 

うっひゃあ、これはちょっと束お姉ちゃんも張りきらざるを得ないよ。

うふふ、嬉しいなぁ・・・妹が成長するって、姉冥利に尽きるよねぇ。

さぁ、じゃあもっともっと楽しもう!

 

 

そして一杯遊んだ後は、お姉ちゃんと一緒に宇宙に行こう!

楓ちゃんも遊びたい盛りだもんね、お姉ちゃんわかってるよ。

束お姉ちゃんは、話のわかるお姉ちゃんだからね!

 

 

 

 

 

Side ラウラ・ボーデヴィッヒ

 

楓のナノマシンで損傷個所を補った私は、すでに戦線に復帰している。

その間、楓がナノマシンでコピーした武装で篠ノ之博士を攻撃したことには本当に驚いた。

しかしそれも、致命打にはなり得ない。

 

 

私を含めた他のISでは、そもそも博士の機体が張り巡らせたシールドを抜くこともできない。

ならば教官の言うように、一夏と箒の武装でしかダメージを通せないのだろうか。

もしそうだと仮定するのであれば、私達がやるべきことは一つだろう。

 

 

「道を開く」

「うん、そうだね」

「まっかせなさい!」

「仕方ありませんわね」

 

 

ナノマシンで構成されたレールカノンを二発放ち、その弾丸の間を縫うようにしてシャルロットが前に出る。

武装の展開が以前に比べて速い、手にした漆黒の重火器を手に機銃掃射、篠ノ之博士の左胴体部から放たれたミサイルの群れを破壊する。

討ち漏らしたミサイルはブーメランのように回転する鈴の「双天牙月」が防ぎ、レーザー・ビットはセシリアが己のビットで牽制・破壊して行く。

 

 

「「うおおおおおおおおぉぉっ!!」」

 

 

そうして出来た道を、一夏と箒がそれぞれの刀を抜きながら駆ける。

その様はさながら、彗星のようでもあった。

瞬間の輝き、だからこそ美しい。

 

 

『危ない!』

 

 

通信から響く楓の声、その時には私はすでに動いている。

『個別連続瞬時移動(リボルバー・イグニッション・ブースト)』、加速した一夏と箒のさらに前に出る。

AICを最大展開、受け止めるのは・・・。

 

 

篠ノ之博士の機体前方が開き、そこから現れた巨大砲塔から放たれた一撃。

 

 

これまで受けた攻撃の中でおそらくは最大の威力、我が軍の連結砲と互角かそれ以上の威力を持つビーム砲。

しかもこれは、BTエネルギーを転用した物だろう。

受け止めた瞬間に、AICを司る『シュヴァルツェア・レーゲン』の機器が悲鳴を上げた。

先程も弾かれてしまった、普通に考えてAICでは受け止めきれないだろう。

 

 

「ぐ・・・っ!」

 

 

だがせめて、後ろの一夏達から逸らして見せる。

罅割れて崩れて行く右腕の装甲を視界に収めながら、歯を食い縛って耐える、堪える。

何かが軋むような音が常に響き、視界の中のディスプレイにレッドマークが浮かぶ。

腕を前に出していられなくなり、下がりかけてしまう。

 

 

ぐ、こ、のっ・・・!

左眼の疑似ハイパーセンサーを最大出力で回すが、それで堪えられたのはほんの数秒だった。

ブツリ、と言う嫌な音と共に左眼から生温かい液体が溢れ出た時、私は兵器として限界に達した。

AICへの集中が切れ、相手の砲撃が盾を・・・。

 

 

『『『ラウラ隊長!』』』

 

 

その刹那、私のAICへの負担が減少した。

原因は、大きく分けて2つある。

1つは、上空の雲からから突如として現れた3機の戦闘攻撃機が垂直に飛来して対空ミサイルを篠ノ之博士の機体の巨体にぶつけたからだ。

すぐに機首を返して離脱を計るその機体の翼には、眼帯をしたウサギが描かれていた。

 

 

・・・『黒ウサギ隊(シュヴァルツェ・ハーゼ)』!

どうしてここに、いや、どうやってここに?

否、問うのは野暮と言う物。

 

 

「・・・行くぞ、クラリッサ!」

「了解(ヤー)!」

 

 

戦闘攻撃機(タイフーン)と共に私の隣に出現した『シュヴァルツェア・レーゲン』の姉妹機、『シュヴァルツェア・ツヴァイク』を駆るクラリッサと共にAICの盾を築く。

その盾は戦闘攻撃機(タイフーン)の攻撃によって篠ノ之博士の機体が姿勢を崩したためにズレたビームの射線に割り込み、一本の道をこじ開ける。

 

 

「一夏、箒! AICの盾の中を・・・走れ! 極東の剣士(わがとも)っ!」

 

 

すかさず叫ぶ、そんな私の傍を白と紅の機体が駆ける。

良し、このまま状態を維持する。

 

 

「良くやった、ラウラ」

 

 

そしてもう1人、私の傍を通り抜けて行ったあの人の声に。

私はどうしようも無く、嬉しくなるのだった。

『シュヴァルツェア・レーゲン』の潰れた右腕を見ながら、それでも私は笑っていたと思う。

 

 

 

 

 

Side 篠ノ之 箒

 

ラウラや皆が切り開いた道を、一夏と共に進む。

両手に握った刀は緋宵(あけよい)、腕部の装甲を解除して握り締める。

すると、AICの盾の間を縫うようにしてあの人はミサイルやレーザーを放ってきた。

相変わらず、気持ち悪いくらいに優秀な人だ。

 

 

『むっふふふふ、甘いよ箒ちゃんにいっくん! 今度からストロベリー箒ちゃんとバニラエッセンスいっくんと呼びたくなるくらいに甘いね!!』

「うるさい!」

「束さん、バニラエッセンスを何か勘違いしてません!?」

 

 

真面目にやれ! いや、やられても困るが。

その時、私達の前に大きな背中が現れた。

紅桜色の透明な翼を持つその人は、同じ色合いの装甲に身を包んで・・・素手でミサイルを殴り飛ばし、レーザーを蹴り飛ばし、私達の道を切り開いてくれた。

 

 

極めつけに、見えないはずのステルス・ビットまで手刀で斬り捨てる。

爆風すら自分の意のままにしているようで、私や一夏には一切の負担をかけない。

それでいて、自らもダメージを負った様子は無い。

私にとっては篠ノ之流の姉妹弟子、一夏にとっては実の姉。

千冬さんが、鋭い眼差しであの人を見下していた。

 

 

『わ、わわわっ、ちょ、ちーちゃんマジになってる!?』

「やかましい。一夏、篠ノ之姉、行け」

「「は、はい!」」

 

 

千冬さんには今後も絶対に逆らわないでおこう・・・そう心に誓って、『市杵嶋姫命(イツキシマヒメ)』の懐に飛び込む。

全てのお膳立てをして貰った後だが、私達の役目は変わらない。

まずは一夏だ、『雪片(ゆきひら)』を大きく振りかぶり、その展開装甲から眩い白い輝きを放つ。

 

 

「うおおおおおおおおおおぉぉぉっ!!」

『う、うお~!?』

 

 

咆哮と共に刀を繰り出し、『零落白夜(れいらくびゃくや)』光の刃が不思議な光沢を放つ『市杵嶋姫命(イツキシマヒメ)』の装甲へと吸い込まれていく。

しかしそこで幾重にも重ねられたシールドが発生し、刀の威力と鬩ぎ合う。

 

 

だが一夏の『雪片(ゆきひら)』はあらゆるエネルギー・シールドを切り裂く、少し押し返されたが一夏は『雪羅(せつら)』の二段階加速(ダブル・イグニッション)で無理矢理に押し込んだ。

ガラスの砕けるような音が響いてシールドが無残に砕け散り、装甲の一部が捲れあがって露出する。

厚い装甲に比して柔らかく脆そうなそこが、白日の下に晒された。

 

 

『おおっ!? こ、これはぁ!』

「箒、今だ!!」

「応! でぇやあああああああああああああぁぁぁっ!!」

 

 

そこへ"緋宵(あけよい)"の刃を振り下ろし、突き立てる。

千冬さんの言う通りなら、これで終わりだ。

このまま刃を奥深くへと突き刺し、コアを破壊する。

そう思った矢先。

 

 

『勝てると思った? 残念、装甲も多重構造でしたー!』

「な!?」

 

 

露出した装甲が別のそれにとってかわり、晒されていた弱点が再び厚い装甲に覆われた。

しかし振り下ろした刃は止まらず、緋宵(あけよい)の刃が厚い装甲面を打つ。

打ち付けると同時に火花が散り、一瞬だけ拮抗する。

 

 

その直後、緋宵(あけよい)の刃はあっけなく折れてしまった。

 

 

くるくると回転しながら飛んで行く刃に、唖然とする。

残されたのは、半ばから折れてしまった刀身だけだ。

血の気が引くような思いがして、一瞬、目の前が暗くなった。

 

 

『偉いっ! それが正解だよ!』

「―――――は?」

 

 

何を意味のわからないことを言っているんだ、この人は。

そう思って顔を上げると、何か温かなモノに包まれるような感覚に覆われた。

目の端に映るのは、漆黒のナノマシン。

そして折れた刀を持つ私の手に、誰かが手を重ねる。

ナノマシンと同色の装甲に覆われたその手は、私の妹の物だった。

 

 

「・・・楓!?」

「うん、箒姉さん・・・」

 

 

すぐ傍でふわりと微笑んだ妹に、私は言葉を失う。

どうして、お前がここにいる。

こんな前に出ちゃあ、ダメじゃないか。

後ろにいてくれれば、それで良いのに。

そんなお前を守りたくて私は前に出ていて、そして・・・羨ましかったんだから。

 

 

私は、楓が羨ましかった。

 

 

前に出て傷付けることしかできない私と違って、後ろで誰かを助けることのできる楓が。

小さな頃は病弱で、両親はいつも楓のことばかりだった。

楓が出来ないことを私が代わりにやらなくてはならない、姉と言うその一事だけのことで。

それを重圧に思わなかったと言えば嘘になる、押し付けたいと思わなかったと言えば嘘になる。

そしてだからこそ、楓にはずっと後ろにいて欲しかったのに。

 

 

<単一仕様能力(ワン・オフ・アビリティ)・『絢爛舞踏(けんらんぶとう)』、発動>

 

 

楓の手が折れた緋宵(あけよい)に触れる、そこに黒いナノマシンが寄り集まる。

それは次第に形を成して、『雨月(あまづき)』のような形状に変わって行った。

ただの刀から、「IS用の武装」へと変貌を遂げた。

 

 

黄金と漆黒に彩られた空間の中で、私はその新たな刀を両手で振り上げる。

両腕の装甲を装備し、完全な状態で・・・今度こそ、振り下ろす。

『市杵嶋姫命(イツキシマヒメ)』の装甲は、あっけなく溶けて消えてしまった。

 

 

 

 

 

Side 織斑 一夏

 

強烈な爆発に吹き飛ばされて、視界がグルグルと回転した。

すぐに『白式(びゃくしき)』が姿勢を制御してくれたけど、それでも急なことだったから軽くヨロめいた。

すると、誰かに抱き止められるのを感じた。

 

 

「大丈夫か、一夏」

「お、おぅ・・・さんきゅー、千冬姉」

 

 

それは千冬姉で、俺は何だか恥ずかしくなって千冬姉から離れた。

ISスーツ姿ってのが、不味かったのかもしれない。

・・・気のせいかどこかからキツい視線を向けられてるような気がする、鈴か?

 

 

「・・・やったか!?」

 

 

直後、楓を抱えた箒がフラグが立ちそうな台詞を言いながら白煙の中から出て来た。

束さんの機体の爆発は、半径20メートルくらいの空間を覆う白煙を生み出していた。

いや、その前の爆発と衝撃もかなりのもんだったけどさ。

でもコレ、束さん大丈夫なのか・・・? あの人だから大丈夫そうだけど。

俺がそう思ってモクモクと上がる白煙を見つめていると、不意に首を誰かに抱かれた。

 

 

「はっはぁーっ、やったじゃねーか坊主! 流石はチフユの弟だなオイ、男にしとくのがもったいねぇぜ!」

「え・・・は、はぁ」

「私の弟から離れろ馬鹿(アイシャ)」

「んだよー、減るもんじゃねーだろ別によ」

 

 

俺の首にガッと腕を回して抱き寄せて来たのは、豪州の・・・えーと、アイシャさんだ。

学園にいた頃も声をかけられたような気がする、それと一言反論させて頂くと減ります。

具体的には、俺の純情が。

頭を抱き寄せられますと、何と申しますか、大人の女性のプロポーションがですね。

はい、また俺に向けられる視線が痛い物になりましたよー・・・。

 

 

と言うか、気のせいでなければISのパイロットってスタイル良い人ばっかだよな。

・・・何か、鈴が物凄い目で見てくるからこれ以上は考えるのをやめよう。

それにしても、束さんはどうなった?

いつものあの人なら、「ふはははははっ、まだまだだねいっくん!」とか言ってきそうな物だが。

 

 

「姉さん、無人機・・・」

「ん、ああ・・・そうだな、まだいるな」

 

 

箒の腕に抱かれたままの楓が、小声で箒に周りの状況を教えているのが聞こえた。

そう言えばそうだよな、まだ無数の無人機が俺達の周りを飛んでる。

中にはまだ戦闘を続けているのもいるし、あれって確か自立型の遠隔操作型で・・・遠隔操作?

 

 

「皆! ヤバッ・・・」

 

 

何となく嫌な予感が・・・ゾクリとした悪寒みたいなのが走って、俺は声を上げようとした。

その瞬間、アイシャさんに抱き寄せられてた俺はそのアイシャさん当人に突き飛ばされていた。

何をするのかと、そっちに視線を戻せば。

 

 

空中でヨロめく俺の視界に、鮮血が舞った。

 

 

白煙の中から放たれた無数の黒い光に貫かれたアイシャさんが、悪態を吐きながら呻きながら、そのまま下へと墜ちていった。

撃墜された、誰に、どこから?

決まってる、俺は奥歯を噛み締めながらその光が飛んできた方に目をやった。

すると、そこには。

 

 

「・・・そんなの、アリかよ・・・っ」

 

 

思わず、うめき声を上げてしまった。

何故ならそこには、束さんが何事も無かったように立っていたんだから。

今まで見に着けていた物とは形状が違う、新しい鎧(あいえす)を身に着けて。

 

 

 

 

 

Side 篠ノ之 楓

 

黒というのは、とても強い色だと思う。

紅だろうと、白だろうと、何色だろうと染めてしまえる程に強い色。

そして私の目の前にあるそれは、闇色と呼べるほどに黒かった。

 

 

装甲は純粋なまでの闇色の黒、最初に比べて装甲は随分と減った印象を受ける。

全身装甲に近かったそれはよりシャープに、より無駄なく、より洗練されたフォルムで。

露出した肌を覆う漆黒のスーツの隙間から見える白い肌が、嫌に艶やかで・・・。

 

 

「・・・束お姉ちゃん」

 

 

箒姉さんの腕に抱かれたまま、その名前を呟く。

そこには、以前のような憧憬から来る温かな熱は無かった。

自分の中で、何かが変わった証にも思える気がする。

 

 

私の呟きが聞こえたのかもしれない、束お姉ちゃんがこっちを見た。

白く輝く黒い宝石・・・って言う矛盾した性質の宝石が額の部分に埋め込まれたヘッドギアをつけた顔が、にっこりと笑顔に彩られる。

そしてそれ以外にも、11個の宝石(コア)が束お姉ちゃんを覆う鎧の表面で輝いてる。

さっきのISアーマーのコアを全部、自分に集約したんだと思う。

 

 

「いいぃ・・・やっ・・・ほおおおおおおおおうっ!!」

「・・・!」

 

 

何を想ったのか、その束お姉ちゃんがこっちへと飛び込んできた。

箒姉さんが息を飲んだのとほぼ同時、束お姉ちゃんが私達に抱き付いて来た。

固い装甲と柔らかな肌、冷たい装甲と温かな肌、それが私と箒姉さんを包み込む。

 

 

「きゃははははっ、2人とも、良くできましたっ。偉い偉い、もーお姉ちゃんは鼻が高いよっ!!」

「な、な・・・は、離せ!」

「ん~? んもう、箒ちゃんは恥ずかしがりさんだなぁ、ほらほらお姉ちゃんだよ~」

「うわっ、ちょ・・・!」

 

 

ぎゅむぎゅむと私と箒姉さんを嬉しそうに抱き締める束お姉ちゃんは、本当に楽しそうだった。

さっきまで戦っていたとは思えないくらい、朗らかだった。

ううん、たぶん束お姉ちゃんには戦ってたなんて認識は無かったんだろうね。

だって、そうじゃなきゃ「偉い」なんて単語が出てくるはずが無いんだから。

 

 

「うふふふ、『市杵嶋姫命(イツキシマヒメ)』の倒し方はいくつかあったんだけど、ちゃんと出来たね。やっぱりパーティー戦には補助魔法って必要だと思うんだよね、束さん的には。あと緋宵(あけよい)の使い方も間違ってなかったしねぇ」

 

 

私達から離れた後も、束お姉ちゃんはひたすらに私と箒姉さんを褒めちぎってた。

うんうんと満足そうに頷いて、他の人なんて全部放って。

自分だけの世界で、頷いていて。

 

 

「束お姉ちゃんは・・・」

 

 

そんな束お姉ちゃんに、私は聞く。

 

 

「お姉ちゃんはどうして、私を造ったの?」

「ふみ? 造る・・・?」

 

 

私の言葉に、束お姉ちゃんは不思議そうに首を傾げる。

ふむ、とほっぺに指を立てて童女のように考え込む。

それから、ああ、と手を打って。

 

 

「その身体のことだね、束お姉ちゃん的には最高の出来だと思うんだけど。まぁ、生命(いのち)を造るってのも案外と簡単だったから、すぐに飽きたんだけど」

「・・・どうして、造ったの?」

「うん? そりゃあ出来そうだったからかなぁ? やってみたら上手くいったから」

「どうして・・・」

 

 

こんなことを、するの?

宇宙に行きたいだけなら、こんなことをする必要なんて無いじゃない。

皆に迷惑をかけて、傷付けて、滅茶苦茶にして、それでいったい、何になるの?

 

 

何がしたくて、こんなことをするの?

そう、聞いてみた。

その私の問いかけに、束お姉ちゃんは優しい笑顔で答えてくれた。

頭を撫でてくれて、膝を曲げて視線を合わせてくれた。

子供の頃のそのままの笑顔で、束お姉ちゃんは言う。

 

 

 

「面白そうだから」

 

 

 

ああ・・・と、思う。

箒姉さんの腕に手を置きながら、ああ、と嘆息するように頷く。

そっか・・・そうなんだね、お姉ちゃん。

視界が、歪む。

 

 

束お姉ちゃん。

私の憧れで、優しくて、頭が良くて、何でも出来て、面白くて、純粋な人。

大好きな、私のお姉ちゃん。

だから私は、こう言った。

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん、嫌い」




<フ○イト・ゼロ風次回予告!>

楓「私は・・・束お姉ちゃん、貴女のことが、嫌いになりました」

一夏「いったい何で、何でこんな面倒なことになったんだか」

千冬「遊びが喧嘩に変わっただけさ、何も変わらんよ」

くーちゃん「私は全てのISコアの母となった存在です」

箒「身体が無い? いいや・・・・・・肉体なら、ここにあるっ!!」

束「もう良いよ・・・全部――――
  お わ ら せ ちゃ う か ら 」


―――――次回、「そのウサギ、激情(劇場)」
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