薪の王が強くてニューゲーム的な感じのアレです。
すいません思いつきだったんです!ダクソ3やってたら思いついちゃったんです!
おらは悪くねぇ!おらは悪くねぇ!!
そういう系が苦手な方はBB推奨です。
私は、数多の先代薪の王たちを屠り、自らも同じように『始まりの火』を継いだ。
心は疲れ果て、肉体も傷つきながらも自分という魂と骸を捧げて、火の時代の延命に命をついやした。
そう『延命』なのだ。
数多の王の火継ぎによって、この世界はからくも暗黒の時代から逃れてきた。
強者たちが殺し殺され、その中でも、一際強く火の輝くものが王たちの試練を突破し、継いできたのだ。
だがそれも、もう限界に近いだろう。
旅しているあちこちで、驚異の変化を遂げた亡者を見てきた。
体そのものが変化し、元がなんだったかのかさえ予想がつかぬものなど五万と。
もう、何が望みだったのか、何を思って再びこの火の無き灰として立ち上がったのか分からぬ。
これは恐らく呪いなのだろう。きっと、火継ぎというなの呪いなのだ。
ダークリングという枷をつけ、不死の使命という指標を掲げ、火の時代が途絶える事がないように。
死にすぎたものはやがて理性を失い、ただ殺し合うだけの獣と化した。
私を覚えているものなど、もう片手の指で事足りる。
ざっと考えるだけで、不死の鍛冶師と火守女あたりだろうか?
他は、最後を見ることが出来なったり途中で別れてしまったからな。
火が体を伝い、全身を包んだ。
_____そうか、終わりか。
風にあおられ、火の粉が舞う。
それを目で追いながら、ただ、それだけが心に残った。
王の火継ぎの祭壇は、空が良く見える。
太陽に覆いかぶさるように佇む月は、その輪郭から太陽の輝きを漏らし、まるでダイヤモンドリング《ダークリング》のようだ。
なんという皮肉だろうか。
理不尽に課せられた使命を解くために、甚大な犠牲を出して迎えたこの結果が、また新たな不死人を..........火の無い灰を作ることになるとは。
いや、だからこそこれは呪いなのだ。
誰かがこの祭壇に絶望を、暗黒の時代をくべれば何かが変わるのだろうが、そこはもう私の知る世界ではないだろう。
アノール・ロンドでもない、ドラングレイグでもない、ロスリックですらないのだろう。
_____時間だな。
やがて、燻っていた『始まりの火』は、≪私≫という薪を得たことで煉獄のように燃え盛り、世界を、光りの中にへと引きずり込んでいった。
もし......もし、次もまた、≪私≫として世に生きることが出来るならば............_____________________________
_________『幸せ』という感情を、知りたい。
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私は、世界が光に飲まれていくところを、地に腰を落ち着けながらみていた。
少し経てば光はすべてを飲み込み、ここからでも見えていた暗き穴を消していった。
このまま火の光に照らされるのかと思いきや、突如襲ってきたのは全身を覆いかぶせたような硬い感触。
視界の一片さえもが閉じられた空間では、やれることなどだいたい決まってくる。
手で触れ、耳で聞き、神経を針のように研ぎ澄ます。
感触は石。どうやらけっこう昔に作られていたもののようだ。所々苔のようなものがある。
とても狭い。横にも動かせぬし背後にも向けぬ。防具の重りの向きから、私は仰向けに寝ている状態のようだ。
ふと懐かしい思い出と、この現状が妙に重なっているような気がした。
まるで、
_____私が、蘇った時と同じではないか。
腕を前に押せば、ふたが開くような気配と眩い光。
完全に除けてみれば、そこは綺麗に刈りそろえられた丘の頂点。
周りを見渡せば、視界いっぱいに広がる十字の石柱の数々。
_____ふむ......そうかそうか、ここは墓場か。
前後左右、私のと思われる墓を中心頂点に墓の山が出来ている。
_____少なくとも、敵の気配は感じない......か。
_____アイテムもほとんど持っているようだ。木箱に入っている一部の物は無かったが、まあ仕方があるまい。どれ、あてのない旅とやらをしてみようか。
どちらがどちらか分からぬまま、歩を進める。
こうしてかつて極致の王と呼ばれた哀れな人物の旅が始まった。
時に、石でもない鉄でもない何かで作られた町に不法侵入?とやらで、腕・脚・頭部しか守っていない、空飛ぶ女子と逃亡騎士として戦闘したり。
時に、渓谷で私の荷物を持ち去ろうとした盗人を雷の槍で返り討ちにしたり。
時に、世紀末を名乗る荒くれ者らしき者たちに囲まれたがゆえに、火炎噴流で焼いたり。
戦ってしかいないとはいってはいけない。
それは、どこにいても戦闘になるほど世界の治安がしっかりしていないことが窺えるし、それにこの世界ではどうやら、女が上位者らしい。
空飛ぶ女子がそういっていた。やけに好戦的であまつさえ私の友人たちすら嘲けたがゆえに、天使の光柱で叩き落としてやった後、黒騎士の剣を首に突き付けて脅したら勝手に話し始めた。
脅すと言ってもただ血みどろの刀身を目の前で見せつけただけである。
何となくこの場所と現状が分かったので少し整理してみようと思う。
1.この場所は『いぎりす』というらしい。少なくとも私の知っている土地ではない。
2.全身鎧甲冑にマントの不審者が、国境?を無断で越えようとしたために捕まえようとしたところ、私に抵抗されて返り討ちにされたのだとか。私がとやかく言われるのはいいが、友を馬鹿にされるのは実に不愉快だ。暗き森の庭を守る石兵の軍隊をけしかけてやろうかと思ってしまった。
3.この世界では、火継ぎも、薪の王も、それどころか亡者すらいないという。銀・黒騎士達はもちろん、しゃべる猫、賢き巨狼、白竜や女神らもいないそうだ。どれも原本不明の神話に登場するものであり現実ではないとも。これにはさすがに私も驚いてしまったが、これまでの戦闘で会わなかったことで納得した。
因みに、『廃人』という極めて亡者に近い存在はいるようである。
先の女子から別れて以来ずっと、何者かの視線を感じている。
周りには何もないし何かありそうという点では、空か地下位なものだが、そんなものエルドリッチや無名の王でもあるまいし...........
そう思っていた頃が私にもあった。
ひとたび歩けば細長く伸びた強化型黒・火炎壺が投下され、ひとたび眠れば次の瞬間は石化の毒霧で囲まれているか、蝕む毒の沼が出来ているか。
そんなことが何日もたて続けに起こった。
そのせいだろうか、頭の判断が鈍っていた私は、はるか遠方の空が奇妙に歪んでいるのに気が付き、ソウルの奔流で空飛ぶ何かに風穴を開けた後、墜落したところに苗床の残滓をいくつも投げつけた。
「えっ、ちょっ、まっ............」
なんて言葉は聞こえなかった。
幾分か気持ちが爽やかになった。疲労は盛大に発散させるといいと言っていた、カタリナ騎士の彼は正しかったのだと今思う。
だがしかし、厄介ごとはどうも私から離れようともしてくれないらしい。
地下から巨大な機械仕掛けが襲ってきて速攻で煙の大剣で叩き潰したり、どこか『黒鉄の騎士』を思わせる人型が景色を覆い尽くすほど現れ、混沌の嵐で周囲を焼き払ってからの、双王子の大剣で焼いて刺して全滅を繰り返していたら、急に襲撃が止まった。
一日今までのことが嘘のように静かで実に有意義な日であった。
日も落ちて簡易の寝床で横になって眼を瞑っていたら、巨大な塊が風をきってこちらに向かってくるのを感じた。
すわ何事!?と思いきや、目の前で動きが止まり一人の女が険しそうな顔を浮かべて出てくる。
裾の長い白い布に、なぜか頭にウサギの耳をはやした女は、こちらを毅然とにらみながら言った。
「あんた.........一体何者?」
どうやら私が望むものは、いまだ遥か遠くにあるようだ。
誤字脱字などがあれば教えてくれるとありがたいです。