薪の王は機械の世界で何を見る   作:氷那

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ダクソなのにギャルゲみたいになってしまってる希ガス。

ただ、彼女たちだけは、強引にでも救ってあげたかった。


王は、かつての悔恨と相対する。

それなりの月日が過ぎた。

見つけるまで訓練を続け、亡者の沸き立つ根源を見つければ、私が突っ込み殲滅する。

何度もあいつにとっては無茶n...いや、簡単な訓練を続けてきた為か、着実に強くなってきていた。

しかし、囲まれたからとはいえ、亡者の攻撃を喰らうのはいただけない。

これは、もっと激しい訓練内容にしなくてはならなそうだ。

 

私たちが見つけた根源は、今のところは二つのみ。

そのすべては、龍脈と呼ばれる世界の元たる力で形成されているところが中心だった。

龍脈と呼ばれるソウルの波が一つの世界を作り出し、亡者を呼び出していたのだ。

哀しいかな、この龍脈の世界はあちこち存在し、たかが二つほど破壊されようとも勢い衰えずに存在していた。

 

ウサギ耳曰く、龍脈とはこの世界には無くてはならないものらしく、破壊は禁物だとのこと。

根源の殲滅が出来ないのは悔しいことだが、可能な限りこの根源は破壊しなくてはならない。

 

この龍脈の暴走が『この世界』にも出ているらしく、自然災害の多発や、奇妙な『病』が蔓延し始めたなどと現象が起きているらしい。

何の影響か、この病とやらがウサギ耳と同じで夢に現れたナニカに自分を吸い取られるというものらしい。

放っておくほど悪化し、現在の状態では寝たきりの者もいるらしい。

 

私は予想以上の進行に焦り始めたが、攻略はそう簡単ではなかった。

敵はそこまで強くないものの、火防女もいなければ篝火もない状態で戦うには限度があった。

篝火を作ろうとすれば決まって敵が発生し、エスト回復に戻って再びきてみれば、地形が変化して地図などあてにならない。

とんだ気狂いである。

 

なにを思ったか景色はいつか見たものばかり。

二つ目の根源はどこからどう見ても『病み村』だった。

狭い空間でのデーモンはやはり厄介である。

何故あんなに狭い場所で、大斧を振り回すのか見当がつかぬ。

それ以前に、どうして壁などに引っ掛から無いのかが気になる。

 

落下・猛毒・タコ殴りの被害にあうウサギ耳を救助しつつ進めば、まさかの『闇霊人食いミルドレット』に侵入されてしまった。

人間性は使ってないのに侵入されたということは、やはり変化があるということなのだろうか。

どこから現れるか分からないため、警戒強く周囲を見渡す。

 

今のウサギ耳に、闇霊は...まずい......ッ!そう思ったが、まさかの戦闘はなかった。

というのも、最初は戦闘が始まりそうだったのだが、恐れ知らずにもウサギ耳が話しかけ、相性が良かったのかそのまま仲良くなってしまうということが起きたのだ。

やはり『天災』といわれる者は、『天災』なのだなと納得してしまった。

いや、納得してはいけないのだが。

 

そのまま彼女に人間性を渡すと、大事そうに仕舞い込み、ウサギ耳と握手したのちに元の世界へと帰って行った。

 

「なんだー。こんな所にも面白い人いるじゃん!」

 

満面の笑みでそういうウサギ耳に、思わず頭を抱えて呆れかえってしまった私は悪くないだろう。

 

 

 

少し寄り道して沼地に行けば、狩猟団長のシバと会うことが出来た。

ミルドレットに出会えるのならば、もしやと思ったが正解だったようだ。

 

武器マニアを自称する彼はそろえる武器も渋いものが多く、現物を見るのが初めてなのか、目をキラキラ輝かせるウサギ女がまたやらかした。

ウサギ耳も古い武器が好きなのか、意気投合して長い間語り合っていた。

そういう私も、こういう年代物の武具には心躍るものがあるため、おいそれと口をはさむことはできなかった。

 

 

長い話し合いの結果ウサギ耳の要望により、物干し竿を購入した。

これ、束さん専用ねっ!と嬉しそうに腰に帯刀するのを、シバは嬉しそうに見ている。

 

「あんたら二人そろって、好き者だな」

 

といわれ、ウサギ耳がシバと固く握手を交わしていたのを私は呆れた目で見ていた。

そうしていながらも、私の左手が帯刀している混沌の刃に触れているのは内緒だ。

沼地を離れるときに、シバが私に話しかけてきた。

 

「いかなる理由があれ、裏切りだけは許されない......分かっているだろう?」

 

そう警告したシバに、ジェスチャー:静かなる意思を行うことで返答とした。

 

 

 

 

あれからスロープの位置に移動したのだが、ジークマイヤーにあうことは出来なかった。

なんだか、攻略よりもかつての仲間たちに会いに行ってるような気がしなくもない。

少しさびしく思えたが、またどこかで会えるだろうと、先に進むことを決めた。

存外、自分の心が弱いことに気がつき始めながら.........。

 

 

 

 

余談ではあるが、毒沼にいた大ヒルは皆ウサギ耳が燃やし尽くした。

大ヒルを見た瞬間、どこに隠し持っていたのか金属の塊を取り出し、火炎噴流を大きく上回るほどの火をまき散らしたのだ。

 

「いやぁぁあああぁぁあああ!!!!!汚物は消毒だァァァァァァァァ―――ッ!」

 

毒沼を風のように颯爽と駆けぬけ、そう叫んで強烈な炎をまき散らすウサギの瞳には、光がなかった。

ついでに言うのなら、なにか線のようなものがぐるぐる回っていたというのも付け足しておこう。

 

 

 

 

 

本来ならば沼地の篝火があるところから右に進めば、白い丘が......クラーグの住処が見えてきた。

丘の前には、岩でできた巨漢亡者が三体待ち構えており、それらに気付かれぬよう水車の端の方から慎重に上り、中央にある入り口からクラーグの住処の中に入った。

 

強者が存在しているときに存在する白い霧を、嫌な予感がすると喚くウサギ耳を引きづりながら通れば、下半身は蜘蛛、上半身は裸の女性、イザリスの炎によって異形となってしまった娘達の一人『魔女クラーグ』と対面した。

 

口をひらけば、冷静な意識の中にあふれるような色気を混ぜたような声が飛び出した。

 

「この禁断の地から引き返せ、ここは混沌に生きる者達の領域だ。彼らは追放という運命を受け入れたのだ。引き返さぬというなら、炎がすべてを飲み込み混沌の子供たちが黒焦げた灰を喰らうだろう」

 

クラーグは、異形と化した下半身を駆使しゆっくりとこちらに近づいてくる。

 

「契約に抗う者達、クラーグの住処に侵入する者達よ。我らの深き怒りを感じることだろう。ああ、貴重な生贄よ。ここは混沌に生きる者達の禁断の領域だ」

 

圧倒的強者としての威圧が、私とウサギ耳を包む。

ウサギ耳は、その圧力に気圧されてしまっているのか微動だにしない。

 

「来なさい、さぁ...来るがいい。歓迎しよう!贄を運びし者達よ。混沌の子供たちは腹を空かせている」

 

ウサギ耳の本能は死を確信してしまったのか、目に涙が浮かんでいる。

幽かにだが、一歩ずつ後ずさるような音がする。

 

「―――――さぁ、クラーグの火に己を捧げよ」

 

そう言い切った途端とてつもない速度で間合いを詰めて、私ではなくウサギ耳を攻撃した。

幸いすぐ近くにいたがゆえに、ウサギ耳を後ろに押し飛ばすことが出来たが、代わりに私がクラーグに捕まってしまった。

必死に抵抗するも、腕ごと包まれるように足につかまってるせいで抗いようがない。

 

くっ........流石に力が強い!それなりに筋力はあるはずだが、まさか敵いもしないとは...ッ!

覆われるように俺をすべての足で固定してるおかげでウサギ耳にはなにも起きてないが、このままだと私が死んでむこうに行くのも時間の問題か!

まさか、初手で詰むとは......!

 

 

「えっ.....あ........あんた........」

 

_____棒立ちしてないでさっさと策を組み立てろ!

 

「で、でも!それじゃあ......あんたはどうすんだよ!」

 

_____今にも死にそうなやつより、生き残れる道を模索しろ!足手まといになるような奴を助ければ、お前ごと死ぬぞ!

 

そう言っている間に私は兜をぬがされ、鎧の中身を晒してしまった。

ひっ......とウサギ耳が絶句しているのが見える。

せめて......せめて螺旋剣の破片をウサギ耳に渡せれば。

 

螺旋剣の破片があれば、代償なしで最後に休憩した篝火にまで飛ぶことが出来る。

この世界にある篝火は、あの森林にあるのと飛行要塞の内部にあるものだけ。

どちらにせよ飛ばすことが出来れば、ウサギ耳は生き残ることができる。

 

体を動かして作った隙間から、どうにか動かせる手首を使って破片を投げる。

運よくウサギ耳の前に落ちたそれは、簡単にウサギ耳の手に渡った。

 

_____ウサギ耳!それを使って篝火まで飛べ!

 

「と、飛べったって、使い方が分かんないよ!」

 

私の声を聴いたウサギ耳は、なんだか唸ったりなんだりしていたものの、観念したかのように私に叫ぶ。

すっかり失念していた。

私は、使い方を教えていなかったのだ。

ここを攻略したら、非常用手段として教えるつもりだったのだ。

 

結局、ウサギ耳へと使い方を教えることは叶わなかった。

 

_____いいかウサギ耳!それは――――っ!?

 

 

「え?.....え.......?」

 

私の口は塞がれていた。

他でもないクラーグの唇によって.......。

 

「え......えっ!?ちょっ、なにしてんのさ!!」

 

何が原因か恐怖が吹き飛んだ様子のウサギ耳が何か叫んでいるが、今の私には何も届いていなかった。

長く、ひたすら長く口づけは続く。

私の口の中にクラーグの下が侵入してきて、さらに驚く。

 

_____んん.......んむっ.....むむっ.....ン!?..ンン―――ッ!!

 

私の体が後ろへと行かぬように両腕で包んできたせいで、本格的に逃げ場を失う。

果てしなく続くと思われた口づけは、クラーグが私を離すことで終わりを告げた。

地に降ろされた私は、ためらいなくクラーグから距離を取り、ウサギ耳をかばうように立ちふさがる。

黒竜の大剣を構えながら、さっき伝えられなかったことを伝える。

 

_____いいかウサギ耳。ただ祈るのではなく、ソウルをそこに捧げるのだ。破片とはいえ、もともとは不死人の居場所たる篝火の一つだ。ソウルがなければ、何も始まらぬ。

 

「あんた......いま確実に........き、キス.........されてたよね?」

 

_____そんなにいい物じゃないぞ。口づけをしながら、人間性を持って行かれた。

 

「......え?」

 

口づけ中に、何かを持っていかれる感覚がした。

それが人間性だと気が付くのには多少時間がかかったが、それでも間違いないはずだ。

あいつは......確実にッ!―――――――。

 

そう内心で警戒心を膨らませると、クラーグはその柔らかな唇を歪ませてこういった。

 

「やはりか......久しぶりだな、かつての不死人」

 

_____.........はっ?

 

予想外の出来事に驚いてしまった。

久しぶりだな?クラーグは、ソウルだけで個人を特定できるというのか?

だが、確実に私は......あの時に......クラーグを...。

 

「殺したはず.....とでも?私を誰だと思ってるんだ、その程度造作もない。それより、初めて会った時よりも随分と人間性の...ソウルの質が良くなったようだな。どれ、もう一度私に吸わせてくれ」

 

彼女が私を捕まえるよりはやく、ウサギ女が立ちはだかった。

 

「出会うたびにさっきみたいなことをやるようなキス魔に、そう何度もやらせないんだから!」

 

「別に出会った奴らすべてにやっているわけではないぞ?私は、こいつだからやるのだ。勘違いしてもらっては困る」

 

「え?あ、いや、そうじゃなくね.....?」

 

_____どういうことなんだ?

 

「あんたは黙ってろ!」

 

問答無用で叩かれた。

 

_____......解せぬ。

 

「まったく......この先に行くといい」

 

うっとうしい物を見るようにクラーグは私達を見て、先に行くよう促した。

 

「.......?この先なんてないじゃん」

 

「お前ならばわかるだろう?.........なぁ、極致よ」

 

_____...ッ!?ああ、わかる。

 

いたたまれない。

一度殺害したものと、こうして会話するなど......。

 

「極致よ、別に私は何とも思っておらぬよ。あの時の御主の行動は正しかったし、おかげで、妹は助かったんだ。感謝はすれども恨みなどせぬ。それでも私に償いたいというのなら...............」

 

クラーグの言葉が大事なところで途切れる。

次の言葉はなんなのだろうか。

命か?奴隷か?いずれにせよ碌なことになりそうにない。

 

「ふむ.........そうだな。私の妹を悲しませたら、今度は容赦なく殺しに行くからな?そこは肝に銘じてもらおうじゃないか」

 

_____.....?......??わかった。肝に銘じておこう。

 

「ふふっ.........その言葉、忘れるなよ?」

 

微笑む顔はとても美しいが、なんだかその後ろに暗い何かが潜んでいるような気がする。

それを見惚れたと勘違いしたウサギ耳が私の足を踏んできたのだが、甲冑を纏う私には何の痛みもこず、逆にウサギ耳が足を押さえる結果となった。

 

なんだか微笑ましい気持ちになっていたら、いつの間にか真後ろに来ていたクラーグに、また唇を奪われてしまった。

前のような長いものではなく、今回は触れるような口づけだった。

またも人間性を持っていかれたが、わざわざキスをする必要性はあるんだろうか。

 

それをみたウサギ耳が私の胴を殴るが、鎧を着ている私にh(ry

なんだか、私もクラーグも可哀そうな子を見つめるような気持ちになってしまった。

 

 

隠れ通路を抜けると、そこにいたのは.........。

洞窟の壁中についた卵に囲まれる、もう一人の娘。

この世界で初めて会う火防女。

 

「.......姉さん?どうしたの?」

 

――――――通称、混沌の娘。

 

「...姉さん?どうしたの?」

 

_____娘よ......私だ.....。憶えているだろうか。

 

「.....兄さん?......兄さんなの...?」

 

やはり、混沌の娘も憶えていたか。

かの世界で知り合った者は、記憶の保持があるのは何故なのだろうか。

敵味方関係なく覚えているとは。

 

「ずっと、卵が痛いの......動かないの...」

 

痛みを耐えながら必死に私に言の葉を紡ぐ。

ウサギ耳がその姿に驚愕しながらも、私に問う。

 

「ねぇ.......この姿って......一体.......」

 

_____混沌の娘やクラーグは、母であるイザリスの作りだした最初の火を模した炎を浴びたのだ。その結果、二人は下半身が異形の者となってしまった。

 

ウサギ耳は、眉を顰めて聞きに徹している。

 

_____その場から逃げた二人は、この村でかくまってもらうも、流行り出した病を止めるために、混沌の娘が吸い出して卵とすることによって蔓延を防いだ。

 

ウサギ耳は、眉を顰めながらも聞いている。

 

_____しかし、それにはとてつもない痛みが伴う。姉であるクラーグは、侵入してきた契約に反するものの人間性を狩って、その痛みを和らげていたのだ。

 

どうやら、この状態になった理由を悟ったらしい。

まさか......と、声を漏らしている。

 

_____結果、これだけの卵を抱えてその痛みを耐える混沌の娘、痛みを和らげるために人間性を狩るクラーグという現状が出来たのだ。

 

私は、混沌の娘に人間性を捧げながらウサギ耳に説明する。

 

「ありがとう...兄さん......」

 

_____ああ.....今、楽にしてやるからな......。

 

「ん?一体何しようっての?」

 

ウサギ耳が娘を背にして立ちはだかる。

まるで、見損なったとでもいうような視線。

これは確実に勘違いしているな。

 

_____いいか、よく聞け。さっきも説明した通り、村人から吸い出した病の膿が卵となって痛みを与えてる。そしてその痛みは、人間性を捧げることによって和らぐ。ならば、それらすべてを浄化できるほどの人間性を捧げればよい。未だ吸い切れていない病ごと浄化する。そうすればこの負の連鎖は切れるはずだ。

 

「この脳筋が。............確証は?」

 

_____分からん。だが、どうしてもこの姉妹は救わねばならん。過去の清算も込めて、この命を懸けてでも救って見せる。

 

「...はぁ、わかったよ好きにすれば?で、どうせ私にクラーグさんを呼んで来いってんでしょ?」

 

ウサギ耳の問いに、うなずくことで答える。

私の中にあるありったけの人間性を集めていく。

やがて、ウサギ耳がクラーグを連れて現れた。

 

「本当にやるというの?成功する保障はないのだろう?」

 

クラーグは訝しげに呟いた。

 

_____なくてもやるのだ、クラーグよ。私のこの行動が、助けになるのなら....何だって....。

 

「............はぁ、全く」

 

そう言って、クラーグは下がった。

 

_____やるぞ。

 

私は、体の中にあった人間性を混沌の娘に捧げる。

数百という数の人間性は、あっという間に娘の体を覆い尽くした。

溢れた人間性は一斉に壁にある卵に向かっていく。

 

そして、遂に変化が起きた。

壁に多く張り付いていた卵が、孵化し始めたのだ。

やがて殻を割って出てきたのは人間性で、そしてそれは空中に溶けるように消えて行った。

空を舞う蝶のように自由に飛び回り、空を舞う花弁のように散っていった。

 

「......何をしたの....卵の痛みがなくなっちゃった」

 

卵は消え、それによって生まれていた痛みもなくなったらしい。

呆然とした様子で、娘が呟いた。

 

_____娘よ...気分はどうだ?どこか違和感はあるか?

 

「大丈夫よ、兄さん。今は痛くないわ」

 

_____そうか......それはよかった。

 

「イイハナシダナー」

 

取り除けた......のだろうか。

現状は何も変化していないが、それは後々わかるだろう。

しばらく二人にさせてくれと頼まれて、暇になったためここを散歩することにした。

まぁ、行先など決まっているのだが。

彼女は......そこにいた。

イザリスのクラーナことクラーナ師匠が。

 

しかもクラーナ師匠は、私のことを憶えていてくれたのだ。

 

「.........馬鹿弟子.......なのか......?」

 

そういった師匠の声は少し震えていたような気がする。

 

_____久方ぶりです、泣いてるのですか師匠........というよりか、また馬鹿弟子ですか?

 

そう返せば、潤んだ目でこちらを気丈ににらみ返し、

 

「ふんっ、私の元から去った馬鹿弟子など、馬鹿弟子で十分だ」

 

と、どこか嬉しげにいった。

 

「帰ってきてくれて嬉しかったのか.........ツンデレ...あ、いやクーデレ...?」

 

私ですら幽かにしか聞けなったウサギ耳の言葉に反応した師匠が、一瞬のうちにウサギ耳の後ろに移動して頭を叩いた。

私がどういう意味なのか聞くと、問答無用で叩かれた。

まったくもって分からない。

 

なんだかにやにやしていたウサギ女が頭に来たので、叩いておいた。

 

「いったぁ!あにすんのよこの野郎!」

 

憤慨しているウサギ耳を見ていると、師匠がよくやったと言わんばかりに肩を叩いてきた。

そんなことで嬉しくなった私は、果たしてどうなのだろうか。

 

 

師匠との会話は、自分でも驚くほどに弾んだ。

師匠と別れ、そのあとに出会った仲間たちとの出会いと別れ、苦悩や楽しさを説明した。

数多くの友と強敵を相手に戦ったり、それぞれの願いを叶えるために分かれたり、意見を違えて喧嘩したり、でも、最期はグウィンと戦い、打倒して二代目の薪の王となったこと。

 

師匠は、真剣に聞いてくれていた。

時に相づちを打って、笑って、怒って。

ただの説教だというのに、どうしてかひどく懐かしくてうれしい。

本当に弱くなってしまったものだ。

一人で戦場に孤独に立っていた私は、何時しか友ができ、背を預け、轡を並べて戦うようになっていた。

 

他と共にいることの楽しさを知ったものは、そうやすやすと孤独には戻れない。

なるほど......こういうことなのか...........確かに、もう戻るのは難しそうだ。

 

私の目の前でとても嬉しそうに微笑む師匠の笑顔をみて、ただ漠然とそう思った。

 

 

 

目的の途中であったことを思い出した私は、呪術の火を+5に強化してもらい、いくつかの呪術を購入して歩を進めることにした。

事が終われば必ずここに帰ってくることを条件に、私たちはここを離れた。

 

「馬鹿弟子が......亡者になるんじゃないぞ」

 

師匠のその言葉がひどく懐かしくて、思わず視界が揺らいだ。

 




予想以上に文字数が増えてる!?
ありのまま今起こったことをh(ry

これが彼女たちの乙女パゥワァーだというのか!

あ、次回は混沌の娘が(恋愛的な意味で)壊れます。(唐突
ここからが、ほんとうの救済ってやつゾイ☆
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