前回は大型建造で長門が…。
通常の建造で私たちが造られたわ。
その時に山城が酷かったようだけど、
直ぐに機嫌が治ったみたい…。
流石は提督ね。
こんな良い提督を持って流石に気分が高揚します…。
side上条
長門達が着任してから一週間が経った。
今のところ食事時間以外で問題は起きていない…。
そんなある日のこと、俺が何時ものように司令室にて仕事をしていると…。
「失礼します。提督、お手紙が届いていました」
そう言って入ってきたのは秘書艦の赤城だった。
「手紙?そうか、赤城姉サンキュー。ってか誰からだ?」
俺は手紙の封を解き中身を取り出し読んでみる。
「…………」
「どなたからでしたか?」
赤城の言葉に俺は手紙から顔を上げる。
「大本営からだ、出撃任務だそうだ。
なんでも、出撃できる能力者が居なかったから代わりに出撃して海域を攻略してこいってさ」
その言葉を聞いた途端、赤城の表情が引き締まった。
「遂に来ましたか…。」
俺はその言葉に頷いて手紙の詳細を話し出す。
「場所は深海運河海域…。そこの攻略を速やかにしてもらいたいらしい」
「深海運河…。」
赤城の言葉に俺は軽く頷く。
「超能力者組は結構な勢いで制海権を取り戻していってたらしい、だから後はここを奪還出来れば奴等との戦いも終わる…。そうなればもうお前達だって仲間が沈んでいく恐怖から解放される…。」
「……そうですね。」
「だから俺は仕掛けてみようと思う、俺達で何処まで出来るか分からない…。でも、そこに希望があるならそれに賭けてみたいんだ。だから頼む!俺に力を貸してくれ」
結局俺だけじゃ何も出来ない、だからこそコイツら艦娘に頼るしかないのだ…。
あれだけ言い切っておいてどの口が言うのかと言われても仕方のないことだと覚悟していたが、帰ってきた答えは全く違うものだった。
「勿論です。私達は提督と共に生き共に死ぬんです。この命は提督、貴方に預けてあるのですから…。」
「…助かる」
俺はそう返すことしか出来ない…。
はぁ…。全く…良い姉を持ったもんだ。
「それじゃあ赤城姉、悪いんだけど、ここの全員の艦娘に招集をかけてくれ。場所は、そうだな…。運動場で頼む」
「分かりました。」
そう言うと赤城は部屋を出ていった。
誰もいなくなった司令室で俺は一人呟く…。
「さて、俺も覚悟決めなくちゃな…。」
そう言って立ち上がると招集場所へと足を運ぶのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
俺が運動場に着いて数分…。
着任している艦娘全員が集まった。
「よく集まってくれた。今日は重要な報告がある」
その言葉にその場にいる全員の顔が引き締まった。
俺は頭の中でも言葉を整理しつつ話し出す。
「今日、大本営から出撃任務の通達がきた、場所は深海運河海域…。そこで今回の出撃メンバーを発表する。
出撃メンバーは今集まってもらった者達全員だ。旗艦は長門…。
作戦はそちらに任せる、俺みたいな素人が下手に指示するよりそっちの方が確実だからな…。」
すると、翔鶴が声を発言する。
「提督、それだと鎮守府の守りが無くなってしまいます」
「その辺りは大丈夫だ。お前達がいない間にもし奴らが侵入してきたら俺がソイツらの相手をする」
その言葉に艦娘達はざわめく。
俺の言葉が不安なのだろう…。
「心配しなくてもいい、俺にはこの右手があるんだ。だからお前達は安心して海域攻略に向かってくれ」
それを聞いて艦娘達は渋々納得してくれたようだった。
「作戦結構は明日、それまで各自しっかりと出撃の準備を整えておくように、以上だ…。」
そこまで伝えると俺は司令室へと戻っていった。
sideout
side長門
提督が出撃の作戦を発表してから翌日のこと…。
私達は出撃ターミナルの前にやって来ていた。
私は全員揃ったのを確認し声をかける。
「全員揃ったな、では行くぞ!戦艦長門、出撃する!」
私はそう言葉を発すると目的地へと出撃していった。
「それにしても不思議デース」
目的地に向かう途中、金剛がそう話す。
「何が不思議なんだ?」
「テートクのこの作戦ネ、どうして艦隊を組まないで全員を向かわせたんデスカネー?」
それは私も疑問に思ったことだ…。だが
「きっと提督にもなにかしら考えがあるのだろう、私達はそれに従うだけだ…。」
「それはそうデスけど…。」
金剛自身はあまり納得していないらしく珍しく渋った顔をしている。
「皆さん、もうすぐ敵海域に入ります。」
赤城の言葉に私達は気を引き締め進むのだった。
sideout
side上条
俺はモニター室にて長門達の様子を見ていた。
状況はかなりの劣性、このままだと全員やられてしまう…。
「くそっ!どうすりゃいいんだ!」
怒りに任せて机を殴る。
しかし、そんなことをしても状況が変わる訳じゃない…。
すると、俺の他に誰もいない筈なのに声がかけられた。
「よぉ、上ヤンお困りみたいだにゃー」
その声は学園都市の学友の土御門元春だった。
「つち…御門?何でここにいるんだ?」
「何でって入ってきたら誰も居なかったからそのまま歩いて来ただけだぜい。そんなことよりコレ、どうするんだ?」
土御門がモニターを見つつ聞いてくる。
「分からねえ…。行けるなら助けに行きてえよ…」
すると土御門は分かっていたと言うかのように話す。
「流石は上ヤンだにゃー、そう来ると思ってたぜい、
ちょっとこっちに来てくれ」
そう言うと土御門は俺を連れてモニター室を後にする。
連れてこられたのは波止場だった。
そこには何故か一機のマリンバイクが置いてある。
「なあ、どうしてこんなところに連れてきたんだ?」
「どうしてもなにも上ヤンにはコレであの娘達の所に行ってもらうからだにゃー」
・・・は?
「ちょっと待て!このマリンバイクであいつらの所に行けって言うのか!?無茶言うな!」
だが土御門は至極真面目な顔で返してくる。
「いや、無茶じゃない…。これは学園都市が作り出した最新式のマリンバイクだ、通常のマリンバイクだったらそりゃあんな遠いところまで行くことは不可能だ…。だが、コレなら十分、いや、五分もあれば到着できる」
ご…五分!?いや待て、ここからあの海域までどれだけ距離があると思ってんだ?
いや、今はそんなこと考えてる場合じゃない!
俺はそのマリンバイクに乗り込むとエンジンを掛ける
「なんだか知らないがありがとな、土御門。じゃあ、行ってくる!」
俺はそう言うと一目散に駆け出したのだった。
待ってろよ!赤城姉、それにお前ら!絶対に助けてやるからな!
sideout
side赤城
私達は今戦っている…。
相手は未だ健在したまま…。
この場にいる全員が大破しており、私や加賀さん、
それに翔鶴さんに千歳さんは飛行甲板にダメージを受け、
艦載機の発着艦が出来なくなってしまい、攻撃手段が無くなってしまった…。
私はどうしてこうなったのかを考える。
相手が悪かったのだろうか…。
それとも私達の練度が足りなかったのが原因だろうか…。
相手の編成はあり得ないものだった。
戦艦棲姫×2
空母棲姫×1
戦艦タ級flagship×2
駆逐棲姫×1
姫級がこんなに揃っているなんて通常ではあり得ないことだった…。
だが、その非現実が今は目の前で現実になっている…。
「赤城さん!直上!!」
不意に加賀さんの声が聞こえ私は急いで上を見る。
するとそこには一機の敵爆撃機が急降下してきていた…。
もう回避出来る距離もない…。
あの時とは違う、編成もメンバーも作戦も全て違ったはずなのに…。
「運命には抗えない…」
私は迫り来る恐怖に目を閉じた。
「赤城さーん!!!」
誰かが私を呼ぶ声が聞こえる…。
さようなら…。提督
私が覚悟を決めたその時だった。
「おおぉぉぉぉっ!!」
パキィィィンッ!!
不意に戦場にガラスが砕けたような音が響き渡った。
周りからは驚きと戸惑いの声が聞こえる
私は何かと思いそっと目を開けるとそこにいたのは…。
「無事か?赤城姉」
マリンバイクに跨がった提督の姿があった。
「て、提督?どうしてここに…?」
私は追い付かない思考でなんとかそれだけ口にする。
「話は後だ…。お前達は今すぐこの場から撤退しろ。
その間あいつらは俺が引き付ける」
その言葉に周りの者全員が驚愕する。
私もあまりの言葉に停止した思考が一瞬にして起きたのが分かった。
「提督にそんな危ないことはさせられません!それなら私達も…」
「お前らはもう充分戦った…。ここからは俺の出番だ。大丈夫、俺は必ず帰ってくる、信じて待っててくれ」
そう言うと提督は周りの制止も聞かずに敵艦隊の中へと突っ込んでいってしまった…。
「……皆さん、戻りましょう」
「っ!…でも!」
「今私達がここに残っても提督の邪魔になるだけです…。」
「……」
納得してくれたのか黙り混む神通さん
私達は撤退するために走り出しました。
sideout
side三人称
上条はマリンバイクに乗って敵艦隊の中へと突っ込んでいた。
「おおおおぉぉぉぉっ!!」
超高速とも言える速さで戦艦棲姫の所まで距離を積めると至近距離から右手で勢いよく戦艦棲姫を殴打する。
パキィィィンッ!!
すると、殴られた戦艦棲姫は粉々に砕け散り海の中へと消えていく。
「次!」
上条が次の獲物に狙いを定めたそのときだった。
スドォォォンッ!!
上条を爆炎が包み込んだ。
戦艦タ級の砲弾が命中したのだ…。
『提督ーーー!!』
遠くからは上条の艦隊の艦娘達が叫んでいる。
上条が砲弾に直撃するのを見ていたのだろう…。
モクモクと立ち上る煙を見つめる深海棲艦達、
すると煙の中から歪な龍のような何かが複数飛び出し深海棲艦達に噛みついた。
パキィィィンッ!!
ガラスが砕けたような音が何重にも重なりあい海上に響き渡る。
噛みつかれた深海棲艦達は苦悶の表情をしたまま粉微塵となり海の底へと消えていった。
一方、龍が飛び出した煙は晴れ、中から右腕から龍のような何かを複数出している上条の姿があった。
sideout
side加賀
私は目の前の光景に目を疑いました…。
つい今しがた提督が敵戦艦の砲弾に直撃して爆炎に包まれていました…。
それが、今は敵艦隊は全て沈み、提督の右腕から龍のような何かが出ているのです。
しかもその龍は敵艦隊を一噛みで消し去ってしまったのです。
未だ状況がうまく飲み込めず私は提督の方をみます。
すると、右腕から出ている龍は提督の右腕の中へと消えていきました。
提督の右腕は吹きとんでいて酷い有り様でした…。
ですが次の瞬間、私はまたも目を疑いました。
一瞬の瞬きの後再度提督をみると吹きとんだ筈の右腕が元に戻っていたのです…。
私はもうよく分からなくなり考えることをやめました。
そして、そこでようやく実感したのです。
やっと終わったのか…と…。
見ると、提督が手を降りながら此方にやって来ていました。
でも、そこに提督に近寄る不審な影が…。
それは敵空母の残った艦載機でした。
艦載機は提督の真上にくると急降下を始めます。
「提督!!直上!!!」
私は急いで叫びました。でも、間に合いそうもありません
皆が提督を助けようと必死に走りますが距離が開いていて誰も辿り着けません…。
歯噛みしている私達を前に提督の居たところに爆撃が、投下されその直後爆炎が提督を呑み込みました…。
「提督!!」
爆炎が晴れるとそこには燃え盛るマリンバイクがあるだけでした。
「提督…そんな…。」
私はその場に膝を付くのでした…。
sideout
side三人称
上条は一安心していた。
誰も沈めずに済んだと、これで戦いは終わりなのだと…。
だが、だからこそ気づけなかったのかもしれない…。
敵艦載機が真上に迫っていることに…。
「提督!!直上!!!」
加賀の叫びに上条は即座に上を見る…。
だが、もう回避不可能な距離まで迫っていた爆撃に上条には成す術もなかった。
刹那ーーー
スドォォォンッ!!!!
爆炎に呑み込みまれる上条…。
燃え盛るマリンバイク…。
この日、提督、上条当麻は暗い海のそこへと沈んでいった…。
榛名です…。
提督が居なくなり失意の内に沈む私達…。
そんな中更なる問題が起きて…。
次回、提督不在の鎮守府…。
幻想殺しと艦娘が交差するとき、物語は始まる(完)