今回は説明回です。
「えっと、盗賊スキル?どんなのがあるんでしょう?」
久しぶりに聞くカズマさんの敬語はスルーして、私は目の前の少女を観察します。
「よくぞ聞いてくれました。――――――」
巧妙に隠蔽された神格の気配。アクアさんは特にそういったことはされていなかったようですが、目の前の銀髪少女からは神格を押さえつけるというよりは厳重に警備された金庫の中にそっと隠してあるような……。
正直なところ、彼女が神の寵愛を受けた熱心な信者なのか、神格を持っているが隠そうとしている神なのかははっきりとは分かりません。……保留ですね。
そうこうしている間に、カズマさんは少女と一緒に冒険者ギルドの裏手に行ってしまいました。
カズマさんって、その場を盛り上げる雰囲気があると思うんです。現にカズマさんがいなくなった途端会話が減っちゃいました。
「そうだ、クレール、先ほどの≪召喚魔法≫について少し詳しく教えてください」
気のせいでした。普通にめぐみんさんが話しかけてくれました。
「えっと、それは構いませんが、どのあたりを話せばいいでしょうか?」
「む。そうでした。……では"動物の王"とその眷属ついてで」
あぁ、彼らのことでしたか。
「分かりました。ならカズマさんが来るまでお話してましょう。
では、"動物の王"について五十音順で説明しますね。一気にいきますよー。
まずは"小さき虫の王"アラクネのトワルさんです。見た目は、蜘蛛の下半身に女性の上半身をくっつけた感じでしょうか。眷属は小さな蜘蛛です。
トワルさんは召喚魔法で来てもらったときは、蜘蛛の糸でありとあらゆる攻撃を軽減してくれる頼りになる方です。
アクセサリーなど、一般的な女性が喜びそうなプレゼントは大抵喜んでくれます。よくお返しにきれいな布をくれますね。
次は"蹄持つ獣の王"カトブレパスのカヴァッロさんです。いつもうつむいているのですが、頭が重いからそうしないといけないそうです。眷属は仔馬さんです。
カヴァッロさんの目は邪視能力というものを持っていて、直接見たら死に至るそうです。ですがいつも頭を上げるのを面倒がってブレスを吐いて相手の動きを鈍らせて帰っていきます。
月光草や落陽草という希少な薬草があるのですが、どちらかを少ししか入手できなかった時にも優しく話しかけてくれる優しい性格なんです。
次はおそらくめぐみんさんも見たことのある"空飛ぶ鳥の王"シームルグのフォーゲルさんです。私の最初の友達ですね。フォーゲルさんの話によると、彼は1700年の寿命を持ち、300歳になると卵を産み、その卵は250年かかって孵るそうです。そして、雛が成長すると親鳥が火に飛び込んで死ぬとされているとか。フォーゲルさんは生まれて間もないそうですが、やはりいつか死んでしまうというのはのは悲しいですね。そうそう、眷属は鷹か鷲をランダムにくれます。
フォーゲルさんは癒しの風を送り、傷を治してくれます。治される度に小言を言ってきますが、すごく的確なアドバイスなので聞いておきましょう。
フォーゲルさんは特に何かを渡したら喜ぶということはないのですが、あえて言うなら、怪我をせずに呼ぶと小言が若干うれしそうな声質になることでしょうか。
まだまだ行きますよ!"全てを持つ竜の王"ファーヴニルのテンニーンさん。すべての竜の頂点と言うべき誇りと威厳を兼ね備えています。家族である眷属たちは預からせてもらえませんが、よく自分から戦いに出てきます。ただ、理性なくただ暴れる愚か者は討伐して貰ってもかまわんっ!とのことです。
"動物の王"の中でも有数の実力者で、ありとあらゆるものを噛み砕くとされる顎は、自然界で最も硬い鉱石、アダマンタイトを粉々に粉砕しました。その自他ともに認めるの顎には事実何度も助けられました。自分の家族の命を大切にする方ですが、自分の命を大切にしない方です。
テンニーンさんはお肉が大好物なのですが、喜んでもらおうとするとジャイアントトードくらいの大きさの生物が4匹はいりますね。ですが、敬意と礼儀を大事にする人物には喜んで手を貸す気さくな方です。
ここからはさらに認知度が高い方々ばかりです。
"牙持つ獣の王"フェンリルのヴォルフさん。白銀の毛並みが美しい地上最強の狼さんです。テンニーンさんとは仲が良くないと自分で言っていましたが、私からすると良きライバルのように見えます。眷属は狼です。
"動物の王"としては先ほど言った通り地上、つまり陸上では最強の実力者です。テンニーンさんにはよく決闘を申し込まれますが、そのたびに勝利しています。本人曰く、もっと戦術を考える竜だったら負けている、だそうです。ヴォルフさんの咆哮は、、範囲がとても広く、近くにいると威圧感だけで数十秒動けなくなるでしょう。
ヴォルフさんは自分の眷属の元気な姿を見るのが大の楽しみだそうです。この前新人冒険者の方が眷属の狼さんに対してすごくいい待遇をしているのを偶然発見し、喜んでいましたよ。あんな人間もいるのだなって感じで。
"鱗持つ蛇の王"ヨルムンガルドのセルパンさん。とても大きな体と強力な毒を持っていて、噛まれた獲物は絶対に逃げられないとされます。セルパンさんの牙の毒を使って毒の弓矢として使ってる人もいましたけど、危ないからって理由で怒られてました。眷属はもちろん蛇です。
セルパンさんの毒は噛まれてから30分以内に解毒しないと死んでしまいますが、神経毒としての機能もあるようで、腕が痺れて解毒剤を口にできないという鬼畜な仕様です。
セルパンさんは無口すぎて何をあげたら喜んでくれるのか全く分からないんですよね。全部受け取ってくれますけど。
これで最後。"水泳ぐ魚の王"リヴァイアサンのレヴィアターノさんです。。眷属は陸上で活動できるのがいないといわれたので、おそらく水中なら眷属の活動が可能です。
レヴィアターノさんは水を発生・操作させるのが得意で、もう悪意とか吹き飛ぶレベルで何もかも流してしまいます。水浸しになるのが目に見えますね。
レヴィアターノさんは地上の話をしてあげると喜んでくれます。なんでも一度でもいいから地上に来てみたいそうです」
これで全員ですね。みんないい人(?)たちなんですよね。
あれ!?めぐみんさんがぐったりしてます!どこか調子でも悪いんですか?
「いえ、むしろなんであなたの友達はこう……なんとも言えない感じなんでしょうか……」
?やはり疲れたようですね。休んだほうがいいでしょう。
そうこうしている間にカズマさんが戻ってきましたね。……なんで銀髪の子は泣いているのでしょう?
約2000字に及ぶ暴走。修正によって少し増えましたが悔いはありません。
めぐみんが言いたかったのはなんでそんな奴らの好みまで把握してんだよ。みたいな感じです。
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