このチョロイ子に祝福を!   作:隔離場

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どうも、最近悪夢に苦しんでいます。隔離場です

今回はカズマの暴走です。


13話 チョロイ子と暴走

 冒険者レベルが3になりました。同時にスキルポイントが10増えました。

 

 ギルド受付のハルさんには「この成長は異常ですが、あなたなので特に不思議に思いません。…スキルポイントが増えたなら、なにかスキルを習得してみるといいですよ。」とアドバイスをもらったので、今私は冒険者ギルドでカードを確認しています。

 

 近くにはめぐみんさんとダクネスさんがいます。チェスをしているみたいなんですけど、私の知っているチェスとはルールが違うようで、魔法を使用して不意を突くという謎の技が繰り出されています。

 カズマさんとアクアさんは装備などの購入をするためこの場にはいません。なんでも、あのジャージという服で歩いていると"ふぁんたじー感"がなくなるそうです。なんなんでしょう、ふぁんたじーって?

 

 さて、とりあえず冒険者カードを見ているのですが、≪初級魔法≫の習得すらできていない今、私が習得できるスキルと言うと、…≪花鳥風月≫?あと…あ、≪浄化魔法≫から【ターン・アンデット】がとれます。【ターン・アンデット】は確かアクアさんが習得してませんでしたかね?あまりアクアさんの出番を取るのもいけませんし、何より習得したらポイントが4分の1持っていかれるので、保留しておきましょうか。

 

 …あ、カズマさん、帰ってきましたね。

 

 

 

「……ほう、見違えたではないか」

「おおー。カズマが、ようやくちゃんとした冒険者みたいに見えるのです。」

「前の服も似合っていましたが、やっぱりこっちの方がより冒険者っぽく見えますね」

 

 カズマさんの着ていたジャージという服、デザインこそシンプルでしたが手触りとかかなり良かったんですよね。

 

 今のカズマさんは革製の胸当てと金属製の籠手、金属製の脛当てを着用したかなり動きやすさを重視した装備をしています。グランフェルデンではよくシーフ(盗賊)の方がよくこんな感じの装備をしているのを見かけました。

 

 カズマさんはとりあえず魔法剣士のようなスタイルでやってみたいそうです。…あれ?カズマさんの腰に掛けている精霊のナイフですが、ほんのり光を帯びていますね。力の弱い精霊でも宿ったんでしょうか?

 

「そうだ、何かクエストに行ってみないか?ちょっと使い心地とか試してみたくてさ」

 

 というカズマさんの意見に皆さん納得したようです。

 

「ふむ、ではジャイアントトードが繁殖期に入っていて街の近場まで出没しているから、それを…」

「「カエルはやめよう!」」

 

 カズマさんの意見に頷きながらダクネスさんが言いましたが、アクアさんとめぐみんさんに止められました。

 

「……なぜだ?カエルは刃物が通りやすく倒しやすいし、攻撃方法も舌による捕食しかしてこない。倒したカエルも食用として売れるから稼ぎもいいぞ?」

 

「あー……。この二人はカエルに食われかけたことがあるから、トラウマになってるんだ。特にアクアなんか頭からパックリいかれて粘液まみれにされたからな。めぐみんは何とか助かったみたいだが。……しょうがないから他のを狙おう」

 

 カズマさんの説明に、なぜかダクネスさんは顔を赤くします。いつも通り、スルーしましょう。多分どうでもいいことを考えているんでしょう。

 

「そうだな、緊急クエストのキャベツ狩りは別として、このメンツでの初クエストだ。楽に倒せる奴がいいな」

 

 カズマさんの意見にめぐみんさんとダクネスさんが掲示板のある方へ行きました。

 

「まったく、これだから内向的なヒキニートは……。そりゃあ、カズマは一人だけ最弱職だから慎重になるのも分かるけど、この私をはじめ、上級職ばかりが集まったのよ?どんどんレベルを上げて、それで魔王をサクッと討伐するの!というわけで、一番難易度の高いヤツを行きましょう!」

 

「却下です」

 

「何よクレール。あんたもカズマに賛成なわけ?もしかして怖気づいたのかしら?」

 

 横から会話に参加した私に不満そうな顔でアクアさんは話しかけてきます。

 

「いえ、確かに魔王討伐だけを目的にしただけであれば強いモンスターを倒すことには賛成できます。ですが、今はパーティメンバーとの連携を深めることに集中すべきです。それぞれがしたいことを完璧に把握できるまでは、私のサポートもそこまで役に立つとは思えませんので」

 

 ここまで言うと、これまで黙って様子を見ていたカズマさんが口を開きました。

 

「お前、言いたくないけど……。まだ何の役にも立ってないよな」

 

「!?」

 

 カズマさんの言葉にピクリとアクアさんの肩が震えます。カズマさんは知ってか知らずか、さらに言葉を続けます。

 

「本来なら俺は、お前から強力な装備か装備を貰って、ここでも生活には困らないはずだった訳だ。そりゃ、俺だって無償で神様から特典を貰える身で、ケチなんかつけたくないぞ?それにその場の勢いとはいえ、能力よりお前を希望したのは俺なんだし!でも、俺はその能力や装備の代わりにお前を貰ったわけなんだが、今のところ、特殊能力や強力な装備並みにお前は役に立っているのかと問いたい。正直なところ、爆裂魔法一発で倒れるめぐみんよりも役に立ってないぞお前。その辺どうなんだ?最初はずいぶん偉そうで自身たっぷりだった割に、ちっとも役に立たない自称元なんとかさん?」

 

 できうる限り速く口を動かし、アクアさんに反撃の隙を見せないカズマさん。……もしかしてストレス溜まってるんでしょうか?

 

「うう………。も、元じゃなく、その……。い、今も一応女神です……」

 

 かなりシュンとしながらも反論するアクアさん。ですが、即座に声を張り上げたカズマさんの反撃が始まります。

 

「女神!!女神ってあれだろ!?勇者を導いてみたり、魔王とかと戦って、勇者が一人前になるまで魔王を封印して時間稼いだりする!今回のキャベツ狩りクエストで、お前がしたことってなんだ!?最終的には何とか沢山捕まえてたみたいだが、基本はキャベツに翻弄されて、転んで泣いてただけだろ?お前、野菜に泣かされといて本当にそれでいいのか?そんなんで女神名乗っていいのか!?そこで狼狽えてるクレールの方がお前よりもよっぽど女神度高いぞ!?この、カエルに食われるしか脳がない、宴会芸しか取り柄がない穀潰しがぁ!!」

 

 やっぱりカズマさん疲れてますね!?私の知ってる常識人なカズマさんじゃないですよ!?主に言動が!

 

「カズマさんストップ、ストーップ!アクアさんがこれまで見たことのないほど絶望した顔になってますから!」

 

 とりあえずカズマさんに落ち着いてもらわないと…!めぐみんさん達早く帰ってきてください!

 

 




なお、暴走中はクレールさんはただワタワタしてただけの模様。

活動報告に精霊のナイフについての情報を載せました。

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