肌に悪いねー。
今回は地の文が大半を占めています。
近くの古城に魔王軍の幹部が現れました。その幹部さんの討伐、もしくは撃退のために国の首都から腕利きの冒険者や騎士達が来月に来るそうです。
カズマさんたちは依頼が受けられないのは困ると言っていましたが、首都からの応援をまったり待つそうです。待ち方というのは人それぞれで、カズマさんは数日前からめぐみんさんと一緒に爆裂魔法を撃ちに行っているそうです。アクアさんは所持金が心もとないのでアルバイトを、ダクネスさんは実家に帰って筋トレしてくるそうです。
私はというと、この数日間ずっと孤児院のお手伝いをしていました。これは依頼を受けず、私が孤児院にお願いしてボランティアという形で働かせてもらっています。この街には孤児院は一か所しかなく、子供たちが多すぎて管理が行き届かないことが稀にあるそうなので、少しでも力になれればいいな、と思いまして。
その孤児院で今、私は子供たちの前で本の読み聞かせをしています。普通に外で遊ばないのは、私の体力的に無理なのと、「小さな頃から物語に触れることで、感受性が豊かになり、語彙も増えていく。子供たちの教育には本を読んでもらうことがいい」とアコールさんから聞いたので、実践しているんです。
題名は『アリアンロッド』。"運命の精霊の女王"であるアリアンロッド様の与える過酷な試練を乗り越え、仲間たちとの絆を深める実在の人物を題材にした、というか自作のノンフィクションの絵本です。主人公はフィアンマさんですね。許可は貰いました。与えられた試練は街を覆う霧を発生させる原因を見つけ出すというものです。
ゆっくりと、しかし声を遠くまで届かせれるように物語を読み聞かせて約10分。主人公は
霧の原因である魔獣を仲間と共に見事打ち倒し、街の住人に感謝されてハッピーエンド。たかが十分と侮っていましたが、声を後ろまで届かそうとすると疲れますね。
「おもしろかったよー」と私に言ってくれる子供に割って対応していると、街中にキャベツの時と同じように緊急アナウンスが響き渡りました。ただし、キャベツの時とは違い、話している人の声には危機感が出ていました。
『緊急!緊急!全冒険者の皆さんは、直ちに武装し、戦闘態勢で街の正門に集まってくださいっ!』
このアナウンスの後の子供たちの反応は様々でしたが、皆がシスターの指示に従って孤児院の中に入っていきます。
私は正門に向かわないと…!
◇
私が正門に着くころには沢山の冒険者が既に到着しており、その場にカズマさんの姿も見えました。皆さんが見ているのは一点。
凄まじい威圧感を放つアンデッド。漆黒の鎧を鎧を着込み、左脇に自分の首を抱え、馬に乗っているそれは、私のよく知るモンスター。デュラハンでした。
「カズマさん、なぜデュラハンがこんなところに?」
「おう、クレールか。いや、分からん。ほんとなんでこんなところに来たんだか……」
そのデュラハンはゆっくりと自分の首を掲げて話し始めました。
「…俺は、つい先日、この近くの城に越してきた魔王軍の幹部の者だが……」
デュラハンは怒りに震えたような声でさらに続けます。
「まままま、毎日毎日毎日毎日っっ!おお、俺の城に毎日欠かさず爆裂魔法を撃ち込んで城の入口に大穴を開けた、頭のおかしい大馬鹿者は、誰だあああああー!」
はい。この発言で私たちが呼び出された理由とその理由を作ることになった人物がほぼほぼ確定しました。めぐみんさんですね。
ほんと、何やってるんですか………?
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