デュラハンさんの襲撃から特筆するような事件や事故もなく、一週間がある日のこと。いつも通り冒険者ギルドで話しているとアクアさんが立ち上がり、声をあげました。
「クエストよ!キツくてもいいから、クエストを請けましょう!」
「「えー……」」
アクアさんの言葉に、カズマさんとめぐみんさんが心底嫌そうな顔をします。まぁ、そうですよね。
キャベツの収穫の時の報酬でアクアさん以外の懐は十分潤っています。といってもめぐみんさんとダクネスさんの報酬額は知りませんが、めぐみんさんの様子を見る限りだと蓄えは残しているようですね。
「私は構わないが。……だが、アクアと私、それにクレールが参加するとしても火力不足だろう……」
「かなり重要な用事とかならできる限りのことはしますよ?いつもと同じでも多少は手伝いますし。……まぁ、見る目は変わっていきますが」
「クレール?あなた、少しSっ気が出てきましたか?」
そんなまさか!少しくらい厳しくしないといけないからやってるんですよ?甘やかされ続けて育った子供はわがまましか言わなくなってしまいますからね。仕方なくです。なのでそんな何とも言えないような目で見るのはやめてください。
アクアさんの提案に賛成と言えない感じの二人を見て、ついにアクアさんが泣き出してしまいました。
「お、お願いよおおおおお!もうバイトばかりするのは嫌なのよぉ!コロッケが売れ残ると店長が怒るの!頑張るから!今回は、私、全力で頑張るからあぁっ!!」
アクアさんが泣きながら向かい側に座っているカズマさんに掴みかかる姿を見ているだけでも、女神とはこういうものでしたっけ?という思いが胸をよぎります。……ブリガンティア様に会ってこの認識をリセットしたい……。
カズマさんはめぐみんさんと顔を見合わせ、頷きます。おぉ、今のがアイコンタクトというものですか、この前アコールさんとクラインちゃんがやってたよりも結構速く終わりましたね。
「しょうがねえな……。じゃぁ、ちょっと良さそうだと思うクエスト見つけて来いよ。悪くないのがあったら付いてってやるから」
カズマさんの許可をもらったアクアさんは大喜びでクエスト掲示板へと駆けていきました。
「悪いな、皆。こうでもしないとあいつ煩くて……」
アクアさんが掲示板を見るのに夢中になっているのを見てからカズマさんが謝ります。そんなの気にしなくていいのに……律儀ですねぇ。
「……いえ、それよりもクエスト、一応カズマも見てきてくれませんか?アクアに任せておくと、とんでもないもの物持ってきそうなので……」
「……だな。まぁ、私は別に、無茶なクエストでも構わないが」
「他の方々が困るので却下ですね。一撃熊の同時討伐とか持って来られたら、流石に誰か戦闘不能になりますよ?庇いきれません」
謝罪は軽く受け流され、満場一致で「そんなのいいからアクア(さん)を見張ってきて」と言われたカズマさんは「それもそうだな……」と呟いてクエスト掲示板に向かいました。あ、もう怒ってる。
「というか、クレールなら一撃熊くらい単独で簡単に倒せる気がするのですが……難しいのですか?」
めぐみんさんが先程の私の発言が気になったのか、不思議そうな表情で聞いてきます。……そうですね。
「私一人なら倒せませんね。攻撃手段がないので。…使わざるを得ない状況であれば友達の力を借ります」
「"動物の王"ですか……」
「おい、めぐみん。なんだ?その大層な名前の奴は」
あれ?ダクネスさんには言ってませんでしたか。
「クレールの友達ですよ。蛇とか竜とかの種族の頂点だとか」
「ほう……ぜひ戦ってみたいな。攻撃を食らったらさぞ気持ちいいことだろうな」
「……一回テンニーンさんに噛み砕かれてみます?多分胴体が二度とくっつかなくなりますが」
「やめてください」
めぐみんさんに怒られてしまいました。ダクネスさんは悦んでるみたいですが、めぐみんさんにはきつかったようです。
カズマさんが帰ってきました。受けた依頼は『湖の浄化』。すっごいまともなのを選ばせれましたね。
あ、カズマさん。どうかしましたか?…え?私の浄化魔法で一気に浄化?あ、はい。無理ですね。私の浄化魔法は生物…というかアンデッドにしか効果が…あぁ!?どうしたんですか!?落ち込まないでください!が、頑張ります!がんばりますから!
1D4=3
3=隠れS
大 好 物 キ タ コ レ !