気が向いたら別の作品に手を出すかもしれません。
あー、まだ耳が痛いです。なんでそんなに驚くんですか?このぐらいやって当然でしょう?
「当然じゃないから!敵を一瞬で消し飛ばすのは当然じゃないから!」
「心を読まないでください、カズマさん」
まさかカズマさんは読心術の使い手何でしょうか。でも、冒険者の皆さんさんはカズマさんを除いて固まってしまったままです。むしろカズマさん、復活速いですね。
「めぐみん!今がチャンスだ!デュラハンに向けて爆裂魔法をかましてやれ!」
「…………はっ。りょ、了解です!……我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法の使い手にして、爆裂魔法を操りし者!魔王の幹部、ベルディアよ!我が力、見るがいい!【エクスプロージョン】――――――ッ!」
「援護は忘れずしますよー。よく狙ってくださいね!【ヴィジテイション】に【リバーサル】!【プロテクション】!」
普段から地面にクレーターを作り出す爆裂魔法ですが、支援魔法の【ヴィジテイション】でアンデット特効を上げ、【リバーサル】で回避率を下げて当たりやすくします。ついでに、吹き飛ばされるのはさすがに困るので前方に障壁を展開しておきましょう。
「クックックッ……。我が爆裂魔法の威力を魔法たりにし、誰一人として声も出せないようですね……」
地面に倒れつつも勝ち誇った声を上げるめぐみんさん。【キャストフォース】で回収しておきますね。
こちらでめぐみんさんを回収したり、先ほど張った障壁を取り除いたりしていると、ずっと放心していた冒険者さんたちが意識を取り戻し、少しずつ歓声をあげ始めました。
「うおおおお!やるじゃねーか、頭のおかしい子!」
「頭のおかしい紅魔の子がやりやがったぞ!」
「名前と頭がおかしいだけで、やるときはちゃんとやるんじゃないか、見直したぜ!」
いや、これ褒めてませんよね?いや、でも毎日爆裂魔法を欠かすことなく放ちに行くんですから、そんな名前が付くのもおかしくない……んでしょうか?
「すいません。ちょっとあの人たちに爆裂魔法ぶっ放したいので、近くまで連れて行ってください」
「もう魔力は使い果たしてるだろうが。今日は大仕事したんだ、自信持って胸張って休んどけよ。……ご苦労さん」
そんな歓声?を耳にしためぐみんさんは爆裂魔法を放ちたくて仕方がないという表情でカズマさんに背負われましたが、カズマさんに宥められたので言われた通り胸を張りながらカズマさんにしがみついているようです。……カズマさん、なんで残念そうな顔してるんですか?
「カズマ、紅魔族は知能がすごく高いのです。………今カズマが考えていることを当ててあげましょうか?」
「……めぐみんって、着やせするタイプなんだなーって思ってた」
あぁ…まぁいいです。私としてはカズマさん発言は、の思春期特有の『好きな子をいじりたい』というものに聞こえてくるので、微笑ましい限りです。
それよりもあの威力の攻撃を受けて顕在しているベルディアさんの方が気になります。
あの人、めぐみんさんと私を見ている気がするんです。アンデットの浄化が気に障ったのであれば、もっとレベルの高いアンデットを……具体的に言うと80レベルくらいのアンデットを連れてくればいいですよ?一撃で浄化されることは無いと思います。
「クハハハ!面白い!面白いぞ!まさかこの駆け出しの街で、本当には以下を全滅させられるとは思わなかった!よし、では約束通り!この俺自ら、貴様らの相手をしてやろう!」
大喜びしているべルディアさんは、身の丈ほどある大剣を構えてこちらに駆け出してきました。
「……【リバーサル】」
◇
さて、こちらに向かって来ようとしたべルディアさんが精神を搔き乱されているうちに、迎撃の準備でもしてましょうかね。
私が取り出したのは少し前に購入した魔力の宿ったフルートです。実は魔力の通りがよくなるようにほんの少し改良したんです。何回か練習もしたし、ちゃんと吹けると思いたいですね。
では早速。フルートを構えて音を出します。少し前に習得した【ファラウェイ】【ジョイフルジョイフル】に加えて、傷を癒す【アンセム】、一日に一度しか放てないような魔法をもう一度使えるようにする【ファイトソング】の同時発動をした
魔力消費が激しいんですが、所持魔力はまだまだ余裕があるので一時間は吹けると思います。
冒険者の皆さんはいきなり演奏を始めた私を不審に思いつつ、べルディアさんを遠巻きに取り囲みます。多分あそこまで音は届いているので、傷を負ったら即座に回復できますね。
「……ほーう?俺の狙いはそこにいる連っ…中なのだが……。……クク、万が一にもこの俺を打ち取ることが出来れば…さぞかし…大層な報酬が……おい!そこのエルフ!アンデットに対して癒しの魔法に鎮魂歌とか、俺を消すつもりか!」
べルディアさんが私に向かって叫んでいますが、演奏を中止するのは嫌なので吹きながら頷くことにしましょう。
あ、鎧の上に青筋が浮き出てる。
「おい、どんなに強くても後ろに目は付いちゃいねえ!囲んで同時に襲い掛かるぞ!」
突然、戦士風の格好をしている冒険者の男性が叫びます。
「おい、相手は魔王軍の幹部だぞ、そんな単純な手で簡単に倒せるわけねーだろ!」
カズマさんの言う通りですね。後ろに目が付いていない、なんて理由で倒せるわけありません。多少腕が立つ人物であれば、全方位から来る攻撃の気配を読んで回避することなんて朝飯前でしょう。冒険者さんたちの危険性を説くカズマさんの言葉を無視して叫びます。
「時間稼ぎが出来れば十分だ!緊急の放送を聞いて、すぐにこの街の切り札が来るさ!あいつが来れば、魔王軍の幹部だろうがてめぇは終いだ!おいお前ら、一度にかかれば死角ができる!四方向からやっちまえ!」
そんな男の人を見て、べルディアさんは自分の首を空高く放り投げます。
…あいつ?誰か腕利きの冒険者さんがいるんでしょうか?一か月くらいこの街に住んでますけど、そんな人がいるなんて聞いたことないんですが。
べルディアさんに切りかかる四人の冒険者さんですが、同時に振り下ろした剣は、空高く上げられたべルディアさんの眼によってすべて見切られてしまいます。
攻撃を見切ったべルディアさんは片手で持っていた大剣を両手で構えなおし、一刀のもとに切り伏せる勢いで振りぬきます。
(【プロテクション】ッ!)
む。勢いは殺しきれませんでしたが、多分皆さん無事でしょう。数mほど吹き飛びましたけど、障壁が割れた感じはないのでセーフです。気絶くらいはしちゃってるでしょうけど。
「チッ。またお前か。つくづく邪魔をしてくれるな……まあいい。次はだれだ?」
一度私の方を睨んだべルディアさんですが、すぐに周りの冒険者さんに視線を戻します。うーん、皆彼の気迫に押されてますね。ここから士気を取り戻すのは難しそうですね…どうしましょう?
「あ、あんたなんか……!あんたなんか、今にミツルギさんが来たら一撃で斬られちゃうんだから!」
……えっ。
書くとしたら何がいいですかね?
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裏設定:感情を追加しました。