このチョロイ子に祝福を!   作:隔離場

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30話 チョロイ子の戦闘 2

「あ、あんたなんか……!あんたなんか、今にミツルギさんが来たら一撃で斬られちゃうんだから!」

「おう、少しだって持ち堪えるぞ!あの魔剣使いの兄ちゃんが来れば、きっと魔王の幹部だって……!」

「ベルディアとか言ったな?いるんだぜ、この街にも!高レベルで、凄腕の冒険者がよ!」

 

……さて、どうしましょう。街の冒険者さん達が待ち望んでいる『魔剣使いのミツルギ』、おそらく今日のクエストの帰りに会った彼に違いないでしょう。しかし賭けに負けた彼の魔剣はカズマさんの所持物になり、カズマさんは魔剣を売り払ってしましました。つまり、今日中にミツルギがこの場に現れる可能性はとてつもなく低いでしょう。私たちの力だけでなんとかしないといけないようですね。

 

 あ゛ー、こっちにアコールさんかフィアンマさんが来てくれれば一瞬とはいかなくてもそれなりの時間で討伐できるのに~!面倒くさいです!

 

 とりあえず一旦演奏を中止して顔を青くしているカズマさんの所に行きます。

 

「カズマさん、これどうします?」

 

「……いや、どうしよう?」

 

 カズマさんも手詰まり、というかそんな即興で作戦考えれるわけないですよね。

 

「……ほう?次はお前が俺の相手をするのか?」

 

 え?誰かベルディアさんに挑みに行ったんですか?……あぁ、ダクネスさんですか。騎士として引かないとかそんな感じの精神は大切にしてるんでしょうかね。

 

 それにしても、ダクネスさんが真面目に騎士やってると、本当に普段の変態具合は何なんだと聞きたくなりますね。ひとまず支援は送っておきましょうか。【ホーリーアーマー】っと。

 

 カズマさんはダクネスさんに後退するように言うべきか悩んでいるようですが、ダクネスさんはその視線を察してこカズマさんに声をかけます。

 

「安心しろカズマ。私は頑丈さではだれにも負けない自信がある。それに、スキルは所持している武器や鎧にも効果があるんだ。ベルディアの剣は、確かにいいものだろう。だが、それだけで金属鎧が紙を裂くように斬れるわけがないだろう?「えっ」先ほど斬られた冒険者を見る限り……どうしたクレール?」

 

「あ、すいません。私の住んでいたところで金属の塊のようなモンスターを切り崩していた友人がいたもので……いえ、続けてください」

 

「いや待て、今度その友人を私に紹介してくれないか?」

 

「ダメです。常識人を変態(ダクネスさん)に会わせるのはダメです」

 

「そ、それは一体どういう意味だ!?」

 

「ほらほら、ベルディアさんが相手を待ちわびてますよ。彼に善戦したら考えてあげますので、頑張ってください」

 

「クッ……お預けか……」

 

 ダクネスさんは先ほどの真面目な雰囲気を消し飛ばして残念そうに俯いています。うん。台無しですね。

 

「いや、やめとけよダクネス。そいつ攻撃だけじゃなく回避も凄かったろ?あれだけの冒険者が斬りかかっても当たらなかったものを、不器用なお前が当てれる訳がないだろ」

 

 カズマさんはダクネスさんに戦闘をしないように促しますが、ダクネスさんは再び大剣を正眼に構え直し、ベルディアさんを睨みつけていいます。

 

「聖騎士として……。……守ることを生業にするものとして。どうしても譲れないものがある。やらせてほしい」

 

「ほう!来るのか!首なし騎士として、相手が聖騎士とは是非も無し。よし、やろうかっ!」

 

 ベルディアさんはダクネスさんの攻撃を迎え撃つために自分の大剣を構え、踏ん張りを利かすためか、回避をするためか、足に力を込めてダクネスさんの動きを見切ろうとしています。

 ダクネスさんは雄たけびをあげながら気合一線。勢いよく大剣を振り下ろしベルディアさんの――――――――

 

 

 

 

 

――――足元数cm手前の地面に叩きつけました。大剣は地面にめり込み、若干地割れ的なものが発生しています。

 

 

 

 

「「「……………は?」」」

 

 ベルディアさん、私、カズマさんの三人の声が重なりました。

 

 ……そういえば、ダクネスさんって武器の扱いが壊滅的でしたね。多分これわたしのスキルの【アドバイス】を使ってもどうにもならなそうですよね。

 

 

 




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