このチョロイ子に祝福を!   作:隔離場

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31話 チョロイ子の戦闘 3

 さて、地面に思いっきり大剣を突き刺すという、よほどの初心者でもない限りはしない見事な剣技を披露してくださったダクネスさんですが、さすがに恥ずかしかったのか頬が赤くなっています。

 

「なんたる期待外れだ。もういい。……さて……」

 

 ベルディアさんはまるでつまらない者を相手にしたとでも言いたげな口調で、ダクネスさんを袈裟懸けに一閃しますが、もちろん【プロテクション】で妨害させてもらいます。

 

「さて、次の相手…………。……は?」

 

 ベルディアさんの振るった剣はダクネスさんの鎧の表面を引っ搔いて傷をつけるだけの威力しか無かったので、【プロテクション】とダクネスさんの素の防御力で実ダメージはほぼゼロですね。

 ダクネスさんは平気な顔をして剣を構えています。

 

「な、なんだ貴様は?俺の剣を受けて、なぜ斬れない……?その鎧が相当な物なのか…?いや、それにしては……。先ほどのアークプリーストといい、爆裂魔法を放つアークウィザードといい、この俺を浄化仕掛けたヒーラーといい、お前らは……」

 

 ベルディアさんは何やらぶつぶつと呟いていますが、そういえばここ、『駆け出し冒険者たちの街』なんですよね。こんなオーバースペックなパーティーがいるのはおかしいと考えてるんでしょうね。

 

「ダクネス!お前ならそいつの攻撃に耐えられる!攻撃は任せとけ、援護はしてやる!」

 

 魔力切れで動けないめぐみんさんを他の冒険者さんに預けたカズマさんが後ろの方で叫びます。えっと、私は何をしましょうか?

 

「魔法使いのみなさーん!!お願いしまーす!!」

 

 カズマさんはずっと傍観していた魔法が使える冒険者さんに声をかけます。要するにダクネスさんへの支援なんでしょうか?"動物の王"、呼びましょうか?

 

 じゃぁ、私も少しだけ支援をしましょうか。魔力を固めて、ベルディアさんに放出する攻撃です。攻撃……というか……魔力操作の訓練の最終段階ってだけなんですよね。ちょっと前にキャベツ相手に使ってました。誰でもできます。

 

 魔法使いたちが放った魔法を斬り捨てるか避けるかして対応していたベルディアさんでしたが、いい加減鬱陶しくなったんでしょう。剣を地面に突き刺してこちらを指さします。

 

「お前らまとめて、一週間後にィィィ!死にされせェェ!!」

 

 死の宣告ですか、一週間前に受けてからずっと試したかったことがあったので、ここでやっちゃいましょう。

 

「【アフェクション】ッ!」

 

 ≪障壁魔法≫の最高峰、絶対防御の障壁。何者の攻撃も通さない空間を創り上げる魔法です。ちなみに、隕石を砕いた障壁もこれです。最近≪障壁魔法≫の形状を変化させれるようになったので、ベルディアさんの指を覆う形で展開させていただきました。

 

「……チッ……なんだこれは!」

 

「申し訳ありませんが、死の宣告の攻略法はすでに分かっております。もう、使わせませんよ?」

 

 作戦は成功です。ベルディアさんの死の宣告は指先から放出されていたように見えたので、指先から出てくる魔力を通さないようにすれば防げると思ったのですが、その通りでしたね。

 

「クソッ!」

 

 止まない攻撃に怒りをぶつける形でダクネスさんに斬りかかっていますが、ダクネスさんの異様な硬度と、攻撃の度に展開される障壁に苦戦しているようです。

 

「いいぞ二人とも!そのまま頼む!【クリエイト・ウォーター】ッ!」

 

 ダクネスさんを応援しつつも魔法を使うカズマさん。近距離で戦闘を繰り広げているダクネスさんとベルディアさんの頭上からバケツをひっくり返したような勢いで水が撒かれます。

 ダクネスさんは反応できずに頭から被ってしまいました。一方のベルディアさんは、降ってきた水を大慌てで回避したので濡れていません。

 

 水が苦手なのか、鎧を濡らしたくなかったのか……。

 

「……あのなカズマ、私はクレールに支援してもらいながら必死に攻撃を当てようとしていたんだ……。確かにこういうのは嫌いじゃない。嫌いじゃないが、本当に時と場合を考えてほしい……」

 

「ち、違う、これは妙なプレイじゃない!これは、こうすんだよっ!【フリーズ】!」

 

 カズマさんの放った魔法。【フリーズ】は液体を凍らせる初級魔法です。本来、これだけでは効果のない魔法ですが、今回は事前に足元に水を撒き、ベルディアさんを水の上に誘導しているので、ベルディアさんの足首を巻き込んで凍り付かせていきます。

 

「ほう、足場を凍らせての足止めか……!なるほど、俺の強みが回避だけだと思っているな?だが……!」

 

「回避し辛くなればそれで十分だ!お前の持つ武器を貰うぞ、喰らえ【スティール】ッッッ!」

 

 ……カズマさんはいい作戦を練ったと思います。ですが、冒険者ギルドで私がカズマさんの【スティール】の効果を受けなかったことを考えると、何らかの力の差で成功確率は上下するのでしょう。

 

「……悪くはない手だったな。それなりに自信があったのだろうが、俺は仮にも魔王の幹部。レベル差というヤツだ。もう少しお前との力の差がなければ、危なかったのかもしれんが……残念だったな」

 

 カズマさんの作戦は失敗に終わってしまいました。ベルディアさんは足に力を籠め、身を低く構えます。

 

「なかなかに楽しめたぞ、冒険者諸君!元騎士として、貴様らと手合わせ出来たことに魔王様と邪神に感謝を捧げよう!」

 

 ベルディアさんは身を低くした状態で高らかと叫びます。おそらくこの戦況を一瞬で覆す剣技を振るうつもりなのでしょう。……この場にいるのは大体100人近くでしょうか、本気で障壁を展開したとして……私たちのパーティーを含めて、守れるのは20人くらいでしょうか。……全魔力を使う覚悟はしておきますか。

 

「【クリエイト・ウォーター】ッッッ!」

 

 カズマさんは立ち止まっているベルディアさんにもう一度【クリエイト・ウォーター】を仕掛けます。悔し紛れの攻撃かと思いましたが、カズマさんの顔は何かを確かめようとする人の顔に見えます。クラインちゃんがよくそんな顔をしていました。

 

 ベルディアさんは体勢を崩し、大きな動作で避けます。今のは剣術を一切習っていない私でもわかるほど、大袈裟に回避しましたね。カズマさんは……うわぁ、わっるい顔してる!

 

 

 

「水だあああああ!」

 




アンケートの締め切り報告~。
被りすぎぃ!

艦これ (人)1
   (艦娘)1
暗殺教室   1
このすば(新)1

 後でダイスロールしときますよ畜生めぇ!
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