34話 チョロイ子の転機
「……金が欲しいっ!」
ベルディアさん討伐の報酬金の配布から何日か経ち、私たち以外の冒険者さんは穏やかに日々を過ごしていますが、私たちにそこまでゆっくりする余裕はありません。……まぁ、主な理由は今カズマさんが頭を抱えている原因となっている物。借金ですね。
一応私も皆さんに内緒で少しずつ返していたのですが、ついこの間新入りの受付担当の方がふとした拍子に話してしまったようで、カズマさんだけでなくめぐみんさんとダクネスさんに止められてしまいました。……徹夜くらいなら慣れているから大丈夫と言ったんですが……皆さん優しいですね。
アクアさんがテーブルに伏せたカズマさんを煽っているのを尻目に、ギルドカードの確認をします。実はベルディアさんの討伐後から毎日夜まで依頼をこなして、夜からは内職をしてたので確認する暇がなかったんですよね。
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【プロフィール】
名前:クレール・フラシア
種族:エルフ
年齢:26
性別:女
職業:賢者
レベル:8→19
【ステータス】
筋力:1 → 1
体力:31 → 54
魔力:814 → 1041
知力:347 → 415
器用:52 → 63
俊敏:42 → 51
幸運:32 → 33
【取得済みスキル】
≪障壁魔法≫
≪浄化魔法≫
≪回復魔法≫
≪支援魔法≫
≪召還魔法≫
≪楽器演奏≫
≪料理≫
【制約】
≪真名の誓い≫
≪威風の誓い≫
≪女王への誓い≫
≪不屈の誓い≫
≪無手の誓い≫
≪使徒の誓い≫
【▼習得可能スキル▼】
現在pt:131
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あ、もう【初級魔法】が習得できるくらいにはポイントが溜まってるんですね。……これに関してはカズマさんに相談してからですね。使える魔法で被っていいのは『攻撃系統』と『支援系統』、聞く限りでは『日常生活が少し楽になる』くらいの【初級魔法】を独断で重複するように習得するのは少し憚られます。
「カズマさ……」
……やめましょう。お取込み中です。
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ちょうどカズマさんがアクアさんを
「あの、カズマさん。少しいいですか?」
「ん?どうした?」
「その、私のスキルポイントがようやく120まで到達したのですが、このまま【初級魔法】の習得をしてもよいものかと思いまして……」
「あー……もうそこまでレベルが上がったのか………ちなみに、一段上の【中級魔法】の必要ポイントはどうなってるんだ?」
「えっと……300超、ですね」
「うーん、悩みどころだな。ここで【初級魔法】を取ったら【中級魔法】の道がさらに遠のくし、【中級魔法】を取ろうと思ったら他のスキルまで我慢しないといけないし……」
「私のスキルポイントの増加具合を見た感じでは、ここから300ポイントまで目指すとなると……55レベルくらいまで頑張らないとですね……」
「……よし、もう、あれだ。最終決定権はクレールにある訳だし、好きに決めてくれてもいいぞ?」
「えぇ……」
「おい、嫌そうな顔するな。……多分クレールがそのことを俺に聞きに来たのは俺の【初級魔法】と被って、俺の出る幕が無くなくなるかも、とかそんな理由だろ?
……職業で差別するわけじゃないけど、俺は冒険者でクレールは賢者。なんかもう名前から実力の差は目に見えてるんだからそこまで落ち込まねぇよ。それに、クレールにできずに俺にできる仕事はしっかりあるんだ。……近接戦闘とかな」
そういって私に笑顔を向けるカズマさんですが、口元が引き攣ってますよ。声に出して伝えるようなことはしませんが。
……先ほど【中級魔法】の必要ポイントの確認のために取り出した冒険者カードを操作して【初級魔法】の欄を選択しました。目の前が一瞬光に包まれたのを感じ、ポケットにカードをしまいます。
「…習得はしたのか」
「はい。……私が戦闘に参加して少しでも皆さんの負担を減らすことができればいいな、と思いまして。ただ、私は敵の気配を把握しながら戦うということができるほど器用ではないので、作戦立案は任せましたよ?」
「おう。……ん?お前、考えるのがめんどいだけじゃないよな?」
「……さて、今日はどんなクエストを受けますか?いつものように防御に徹するのはやめて、少しは攻撃してみましょうかね」
「おい!?聞けよ!」
はい。今回から初級魔法解禁です。
初級魔法をクレールさんが使ったどうなるかは、活動報告の『6話:下書き時点での展開』を参照してください。
一応念を押しておくと、初期段階で想定していた威力です。