UAがじわじわと増えてきて、うれしい限りです!
今回はクレールさんの心理が垣間見える回かと思います。
「大丈夫でしたか?皆さん」
ジャイアントトードの討伐依頼の成功報告をするために冒険者ギルドに向かいます。
まぁ、女性二人は全く大丈夫なようには見えないのですが…。
「うっ……うぐぅ…。ぐずっ……。生臭いよう……。生臭いよう……」
アクアさんはジャイアントトードの粘液がよっぽど嫌だったのか、泣きながら歩いています。…自業自得って言えないのは性格なんでしょうか?
「私はクレールの使った魔法のほうが気になります。人を引き寄せる魔法なんて聞いたことがないですよ?」
「え?そうなんですか?」
【キャストフォース】は危険な状況の仲間の救出もできるので緊急脱出用で知られてると思ったのですが…?
「えっと、あとで説明しますね。私からも説明したいことがありますし、なにより――」
アクアさんを正直見ていられないので早くお風呂に入れてあげたいです。めぐみんさんにはとりあえず後で質問があったら全部聞くと言って納得してもらいました。
ところで、私はめぐみんさんと会話するために、めぐみんさんを背負っているカズマさんの隣に並びつつ歩いているのですが、男の人の歩幅が広いのってホントだったんですね。ちょっと早足にしないとおいて行かれそうです。
突然思い出したかのようにめぐみんさんのほうに向き直ったカズマさんは
「今後、爆裂魔法は緊急の時以外は禁止だな。これからは他の魔法を使ってくれよ」
そう言って軽く注意しました。そうですね。毎回カズマさんが背負って帰るとなると、負担が大きいでしょうし、なにか別の呪文があれば…「使えません」…ほぇ?
「…………え?何が使えないですか?」
「私は、爆裂魔法しか使えないのです。ほかには一切の魔法が使えません」
「…マジか」
「…マジです」
カズマさんとめぐみんさんが気まずそうな雰囲気を出しながら黙ってしまったのですが、ここで先ほどまで泣いていたアクアさんが会話に参加しました。
「爆裂魔法以外使えないってどういう事?爆裂魔法を取得できる程のスキルポイントがあるなら、他の魔法を習得していないわけがないでしょう?」
あ、カズマさんがよく分かってなさそうな顔してます。
アクアさんはそんなカズマさんの顔を見て説明を続けます。
「スキルポイントっていうのは、職業に就いたときに貰える、スキルを習得するためのポイントよ。優秀な者ほど初期ポイントは多くて、このポイントを振り分けて様々なスキルは習得するの。例えば、超優秀な私なんかは、まず宴会芸スキルを全部習得し、それからアークプリーストの全魔法も習得したわ」
「へー、クレールさんはどうしたんだ?」
え!?ここで私に来ますか!完全に聞きの体勢にはいってました。
「えっと、もともとスキルをたくさん持ってたので、≪浄化魔法≫を一つ取っただけですね」
「…ちなみにポイントの余りはどのくらい?」
「ちょっと待ってくださいね。……72くらいです」
「多くないか!?」
◇
そのあと、めぐみんさんの熱い爆裂魔法への愛が語られましたが、その心意気をアクアさんが絶賛。現在カズマさんがすごく面倒そうな顔をしています。
「…まぁ、魔法攻撃はクレールさんがいるし、別に何とでも…」
カズマさんは私のほうを見ながらぼそっと呟くのですが……ここで言わなきゃいけませんよね。
「あの、カズマさん。実は私攻撃系のスキルってあんまり覚えてないんです……」
「え?」
カズマさんから疑惑の目が向けられます。うぅ…申し訳ないです。
「えっと、それは、またなんで?」
「えっと、私は前に住んでいたところでは副神官長の仕事をしていたのですが、街中で攻撃魔法を使う事態なんてそうそうなかったので…いま戦闘で使えそうなのは先ほど紹介した≪浄化魔法≫、≪障壁魔法≫、≪回復魔法≫、≪支援魔法≫、≪召喚魔法≫の五つなんです……」
あぁ…!カズマさんの視線が肌に刺さる!
「そ、それなら攻撃魔法を習得すればいいんじゃないか?さっき聞いた限りじゃスキルポイントは有り余ってるんだろ?」
「それなんですが…攻撃ができそうなスキルに必要なポイントが桁違いに高くて、とてもじゃないけど手が出せないんです…」
「ちなみに一番必要ポイントが低いのはなんです?」
…めぐみんさんの視線もかなり心に負荷をかけます…。
「しょ…【初級魔法】。120ポイント…です」
「あんた、どんだけ『攻撃』にトラウマ抱えてんのよ…」
アクアさんの視線がなんか優しいんですが、多分これ喜んじゃいけない優しさですよね!?
まだ取得できるだけいいじゃないか。(真顔)
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