今日はハロウィンの日で、今は『妖精の呪文』の授業を受けています。
私にとっては、10年前に御父様がハリーに倒されてしまった日で、ハリーにとっては、ハリーのお父さんやお母さんが私の御父様によって殺された日でもあります。
その事件がきっかけで、御母様がネビルのお父さんとお母さんを捕らえ、拷問にかけ、廃人にしてしまい、そのことが原因で御母様は今でもアズカバンに囚われています。
そんな関係にある私とハリーとネビルですが、今はどういう因果か、同じ教室でしかも同じグループになって授業を受けています。ちなみに、ロンはハーマイオニーと組んでいます。
本来なら私は一人で、誰ともペアを組まずに課題である『浮遊呪文』を開始と同時に終わらせて、自習をするつもりだったのですが、ハリーやネビルをはじめとしたロン以外の男子から、私と組みたいと言われてしまったので、彼らに任せてみたら、このような組み合わせになってしまいました。
あの三頭犬事件の次の日は、大変でした。
朝、私が目を覚ますと足が痛すぎて動かせなかったのです。
後でハーマイオニーに聞いてみると、それは『筋肉痛』という、ほとんど誰もがなったことのある症状、とのことでした。
その筋肉痛のせいで、ホグワーツの階段での移動がとてつもなく大変なことになりました。
最初は、私がこのようなことになる原因を作ったドラコに助けてもらっていたのですが、私はグリフィンドールで、ドラコはスリザリンですので時間が合わないことが分かり、私がどうしようかと迷っていると、今度はハリーが私の手伝いをしてくれることになりました。
けれど、それも長くは続きませんでした。
クィレル先生が、私とハリー、ハリーに付いてきているロンの所に現れて、「あなたまでセブルスのハリー嫌いが移ったのですか?」と言いたくなるような謎の言いがかりをハリーとロンにつけて、二人にホグワーツの校庭全ての掃除を言い付けて、私を彼の部屋に連れ込もうとしたのです。
私は、彼のターバンの臭いが苦手でしたので、なんとか彼を説き伏せて、彼の部屋に連れ込まれることを阻止することができました。
その際、彼が「こ、これを、の、飲んで、みなさい。」と、何時ものようにどもりながら、筋肉痛に効くという薬を頂けました。
彼の親切心は有りがたかったのですが、私は毒を盛られてもおかしくはないような立場ですので、寮に戻ってからこっそりと捨てておきました。
ちなみに私は、ホグワーツでは仕方なく大広間での食事を取っていますが、基本的にはフィアが作ってくれたもの以外は口にしないようにと決めていますし、ホグワーツに来てからは、ベゾアール石を常に携帯しているようにしています。
寮に帰ってから、昨日マダム・ポンフリーに頂いた本に書いてある治療呪文を見つけるまで、私はこの日一日中足の痛みと付き合うことになりました。
それから、この日に気になることが起きました。
私たちがクィレル先生にあう直前に、ハリーが急に額にある私の御父様に付けられた稲妻型の傷を手で押さえて、顔をしかめるということがありました。
ハリーは私には何でもなかったかのように振る舞おうとしていましたが、そうとうな痛みがその時、あの傷に走ったようでした。
ハリーの記憶を覗いてみると、ハリーはホグワーツに入学してから、かなりの頻度で傷の痛みに悩まされていることも分かりました。
これは、どういうことなのでしょうか?
御父様がハリーに倒された謎を知るために、あの傷を一度調べてみるのもいいかも知れませんね。
で、そんな今現在私の右隣に座っているハリーはというと、
「ねぇ、サラ。この呪文のこつってどんなのか教えてよ。」
「うん、僕もぜんぜん上がらないよ…」
私の左隣にいるネビルと一緒に、私から浮遊呪文のこつを聞こうとしています。
彼らの杖の振りは良いのですが、発音ができていないようです。私たちとは違うグループのシェーマスという男の子は、何をどうやったのか羽根に火を付けていました。
私は、開始と同時に羽根を浮かせてしまいましたので、フリットウィック先生から10点を頂き、ハリーとネビルの手伝いをするようにと言われました。
「ハリー、ネビル。この呪文は杖の振り方と発音が大事なのですよ。二人とも、杖の振りは良いのですが、発音が出来ていませんよ。もう少し丁寧に発音してみてください。そうすれば、呪文は成功すると思いますよ。」
「そうなの?さっき、サラは何も唱えていなかったよね?」
まぁ、私は『無言呪文』を使っていたので、ハリーは私がただ杖を振っただけで羽根を浮かせたと思ってしまったのですね。
「いえいえ、ハリー。私はちゃんと頭の中でしっかりと唱えていましたよ。」
「サラって本当に凄いよね、なんでそんなに魔法が上手いの?」
ハリーの疑問に答えると、ネビルが私に質問してきました。
「さぁ、何ででしょうね。それよりも、二人とも早く課題を終わらせましょう。」
私が苦し紛れにその質問を受け流すと、二人は私に笑顔で返事をすると、すぐに課題に取りかかってくれました。
この2ヶ月で何故なのかは分かりませんが、『服従の呪文』など私はかけてはいませんし、かかっている様子は見られないのですが、私の言葉に多くの人、特に男子生徒がまるで『服従の呪文』にかかっているかのように、従うようになってしまいました。
何があったのでしょうか…
私が、ふと周りを見回すと、ロンとハーマイオニーが盛大に喧嘩を行っているのが見えました。
ロンはどうやら、自分でいうのもあれですが、頭がよい私や、優等生のハーマイオニーに対して、あまりよい印象を抱いていないようです。
もっとも、私の場合はドラコ達とよく一緒に過ごしているから、というのが大きいようですが。
結局、授業が終わるまでに課題を終わらせれたのは、私とハーマイオニーとハリーだけでした。ネビルはあと一歩のところまで来ていたのですが、完成させることは出来ませんでした。
その頃、とある場所で……
「クィレルよ、分かっておろうな。」
「もちろんです… もちろん…」
「これ以上、俺様を失望させるな。俺様の可愛いサラをたぶらかそうとする者を、俺様は許さぬ。決して許さぬ。なにがあっても許さぬ。サラのホグワーツ入学の件については、あの老いぼれにしてやられた。それに、あの老いぼれは俺様のサラを泣かした。やつは必ず殺す。」
「ですが、それは!」
「もちろん、今という訳ではない。安心しろ。お前は優秀だ。非常に優秀だ。今、ここで失うわけにはいかぬ。」
「有りがたき幸せ…」
「ところで、準備は整っておろうな。」
「はい、もちろん。」
「クィレルよ、今日、この日にしっかりとやり遂げるのだ。それができれば、この前の失態は許されるであろう。俺様は常にお前を見張っておるぞ。」
「分かりました。必ずや、成功させます。」
ただいま、アズカバンの囚人が謎の失踪中ですので、ハリエットさんの転生生活が書けない状況になっています。
ごめんなさい。
見つかり次第そちらも書いていくので、しばらく待っていてください。
この前まで、机の上に置いてあったんですけどね…
もし、見つからなければどこかで買うので、2作品とも秘密の部屋止まりにはならないと思うので、そこは安心してください。