生き残った男の子と最凶の血筋の女の子   作:しかぞく

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ハロウィン 中編

さて、今は大広間でハロウィンのパーティが行われていて、私の隣にはドラコが座っています。パーティの最初に、私と元死喰い人の子ども達とでひっそりと御父様に向けて黙祷を行いました。

 

 

ルシウス叔父様いわく、御父様は私が生まれるよりも遥か前から不死に向けての研究を行っていらっしゃっていた、ということらしいのですが、御父様は10年前のこの日にいなくなってしまいました。

 

 

 

もし、生きていらっしゃるのならば、今ごろどこで、何をなさっておいでなのでしょうか…

 

 

 

 

ふと、グリフィンドールのテーブルに目を向けて見ると、ハリーはロンの隣でとても幸せそうに食事を取っているようでした。

 

 

ハリーが楽しそうにしているのに関しては、私は何も言うことはないのですが、ロンがあそこまで嬉しそうにしている事に関しては気に入りません。

 

彼が、妖精の呪文の授業の後ハーマイオニーに対して暴言を吐いたせいで、未だにハーマイオニーはトイレで独りで泣いているのです。

 

私は、トイレにいたハーマイオニーに声をかけてみましたが、「独りにしてちょうだい」と言われてしまいました。

 

よく女の子を泣かせておいて、あそこまで楽しそうに食事が取れますね。

 

後で、蛇でも彼の寝室に向かわせてみましょうか。

 

 

いえいえ、それは罰としてはダメでしょう。

 

可愛い蛇と遊べるだなんて、ただのご褒美になってしまいますから、蜘蛛にでもしておきましょう。

 

早くこのホグワーツのどこかにいるという、バジリスクを見付けてみたいものです。

 

 

 

それにしても、私に対して二度も拒絶してきたのは、ハーマイオニーだけではないのでしょうか?

 

ロンは私に対しての態度は、拒絶というより、嫌悪と言った方が正しい表現でしょうから。

 

 

 

 

私が食事を取りはじめてしばらくすると、クィレル先生が顔を恐怖に引きつらせながら、慌ただしく大広間に入って来ました。

 

大広間中の人たちが注目するなか、クィレル先生はダンブルドア先生の席までたどり着き、テーブルにもたれかかり、喘ぎながら言葉を発しました。

 

「トロールが……地下室に……お知らせしなくてはと思って」

 

それと同時にクィレル先生はその場にバッタリと倒れ、気絶してしまいました。

 

 

私には、どうも演技のような気がしてならないのですが…

 

なにがあったらトロールがホグワーツに自力で侵入するというような事件が起こるのでしょうか?

 

そんな簡単にホグワーツに侵入出来るのであれば、御父様はとっくの昔にホグワーツを御父様の支配下に置けたはずなのですが。

 

 

ですが、そう捉えたのは私だけだったようで、大広間は大騒ぎになりました。

 

それは、私が今いるスリザリンのテーブルでも同じでした。私の隣にいるドラコに至っては、顔が真っ青になっています。

 

 

 

ダンブルドア先生は立ち上がって、杖から大きな音を出して皆を静かにさせようとしはじめました。

 

 

 

けれども…

 

 

 

ドラコ、クラッブ、ゴイルの三人をはじめ多くの死喰い人の子ども達が私に指示を求めるかのごとく、ダンブルドア先生を無視して私に視線を送ってきました。

 

 

「私を頼ってくれるのは嬉しいのですが、ここはホグワーツですので、皆さんダンブルドア先生の言葉を聞きましょうか。」

 

 

私がそう言うと皆はしぶしぶといった表情で、ダンブルドア先生に注目しました。

 

 

私もダンブルドア先生に目を向けると、ちょうど彼の目と私の目が合って、なにやら意味有りげなウインクをされました。

 

 

「監督生よ、すぐさま自分の寮の生徒を引率して寮に帰るように!」

 

ダンブルドア先生の指示とともに、ホグワーツの全生徒が動き始めました。

 

スリザリンでも上級生が指揮を執りはじめていましたが、いかんせんトロールが出たのがスリザリン寮に近いということもあり、なかなかまとめきれていないようです。

 

 

私がちらりとグリフィンドールのテーブルを見てみると、すでにパーシーが嬉々として皆をまとめ終えていました。私には、彼がいつか権力に溺れてしまうような気がしてなりません。

 

 

スリザリン寮の近くにある地下室でトロールが現れたというのであれば、ダンブルドア先生からの謎の合図も有りましたし、トロールに遭遇した場合の事も考えて、念のため私がスリザリンの寮へ皆を送っていきましょうか。

 

 

 

 

 

私が皆をまとめて周りを警戒しながらスリザリン寮に向かっていると、この世のものとは思えない悪臭がブーブーという音と共に廊下から漂ってきました。

 

間違いなくトロールが近くにいるみたいですね。

 

 

それに気付いた上級生の何人かは杖を抜き、私を守るように私の周りを堅め始めました。

 

「サラ、やめるんだ!」

 

私も杖を取り出していつでも攻撃出来るように体勢を整え、一歩前に進み出ようとしましたが、私が前に進み出ようとした瞬間、ドラコに腕を掴まれました。

 

「ドラコ、どうかしたのですか?」

 

「サラは下がるんだ!ここは上級生に任せるんだ!サラに何かあれば僕たちは皆殺されてしまうんだ!」

 

「私がトロールごときに負けるとでも本気で思っているのですか?」

 

 

私がドラコを説得しようと話している途中で、ついにトロールが私たちの前に現れました。そのトロールは薄緑色で、褐色のザンバラ髪が薄く生えていて、ゆっくりとこん棒を手に持ち引きずりながら歩いていました。このトロールは三種類いるとされるトロールのうちの森トロールという種類のトロールでしょう。

 

 

「三つ数えて 一、ニ、三」

 

「「ステューピファイ!麻痺せよ!」」

 

 

私の前に出ていた上級生達が一人の号令と共に一斉にトロール目掛けて失神光線を発射しました。

 

 

 

が…

 

 

 

呪文の威力がこのトロールを倒すのには少なすぎたのでしょうか、逆にトロールを怒らせてしまいました。しかも、自分を攻撃した相手を見回していたトロールの目がちょうど私とドラコに向けられて、止まってしまいました。そして、トロールはブーブーと言いながら、手に持っていたこん棒を振り回し始めました。

 

その間にも上級生はトロールに対して呪文を浴びせていましたが、トロールが倒れる気配はありませんでした。そして、その様子を見たスリザリン生達は、元死喰い人の子供たちを除いて、一斉に逃げ出してしまいました。

 

 

「ドラコ、手を離してください!このままでは全員、ここでこのトロールに殺されてしまいます!私は、こんなにも臭すぎるトロールに殺されるなんて絶対に嫌です!命令です、早く手を離してください!」

 

ドラコは私がそう必死に伝えると、しぶしぶといった感じで、先程から私を引っ張っていた手を私の腕から離してくれました。

 

 

そして、私がトロールに呪いをかけようとした瞬間…

 

 

 

突如、トロールに異変がおきました。

 

 

 

トロールの体から何か白い気体とも何とも表現のしづらい物体が舞い上がり、瞬く間に消えてしまいました。そして、その何かが舞い上がった瞬間にトロールは先程まで振り回していたこん棒を取り落とし、トロール自身も床に倒れてしまいました。

 

 

「サラ、何が…?」

 

「私にも何が起こったのか分かりません。」

 

 

ドラコの質問に私はうまく答えることが出来ませんでした。私のトロールに関する知識のなかには、このような現象はまったく無かったのですから。一応、上級生にも確認をしてみましたが、彼らもこのような現象は見たことも、聞いたこともなかったようです。

 

 

トロールを調べてみると、どうやらトロールは息をしておらず、なぜか既に死んでいるようでした。あの白い物体はなんだったのでしょうか?

 

 

あの物体について調べるとなると、これは相当忙しくなりそうな気がしますが、調べないわけにはいかないでしょう。

 

 

 

それにしても…

 

 

「ダンブルドア先生、そこにいるのでしょう?出てきたらどうですか?」

 

 

私がそう廊下のある一点に向かって振り向きながら言うと、その空間からダンブルドア先生が現れました。ドラコ達はダンブルドア先生が現れると、ダンブルドア先生に対して、全員が敵対心むき出しの表情になりました。

 

 

「よく、わしがここにおると気がついたのう。ちなみに、わしがおることにいつから気がついておったのかね?」

 

ダンブルドア先生はそう言いながら、キラキラとした目を私に向けてきました。

 

「ダンブルドア先生、私に何度開心術をかけてみても、結果は変わりませんよ。」

 

「そうみたいじゃのう。」

 

私の答えにダンブルドア先生は表情を変えずに、穏やかに微笑みながら答えました。

 

 

「ドラコ、皆を連れてスリザリンの寮に気を付けながら戻ってください。私は、ダンブルドア先生に聞きたいことがあるので。心配しなくても大丈夫ですよ。ただ、お話しするだけですから。」

 

私がそう言うと、ドラコ達は不安気な表情を浮かべながらも、皆スリザリンの寮へと向かってくれました。

 

 

 

 

「ダンブルドア先生、聞きたいことがあるのですが良いでしょうか?」

 

「良いとも。じゃが、少し君にお願いがあるのじゃがよいかの?」

 

「なんでしょうか?もしかして、先程から微かに聞こえてくる叫び声のことでしょうか?」

 

「そうじゃ。どうやら、ハリー達もトロールに遭遇してしまっての、君に助けに行ってもらいたいのじゃ。」

 

「ダンブルドア先生、貴方や他の先生方は助けにいってあげないのですか?」

 

「他の先生方はホグワーツ中を巡回しておるようじゃし、わしは足腰が弱ってしまっておってのう、すばやく動けんのじゃ。君が行ってくれぬかの?」

 

 

理由が、もはや理由になっていないのですが…

 

 

もう、ダンブルドア先生とは呼ばずにタヌキ爺さんと呼んでも悪くは言われないでしょう。

 

 

「分かりました。その代わり、後で校長室にお邪魔しますね。」

 

「助かるのう。では、また後で会おうぞ。」

 




若干スランプに陥った上に、打ち直しをした結果、ハロウィンを前編、中編、後編に分けてしまうことになってしまいました。

次回、ハロウィンは終わらせます。
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