ホグワーツへの入学許可
今、そのお城の玄関で城の屋敷しもべ妖精と一人の老人が二人で会っていた。
屋敷しもべ妖精の方は、フィアという名前でサラの事を10年間一人で育ててきた妖精だ。フィアは、きれいな枕カバーを着せてもらっていた。主人に大切にされているのであろう。
老人の方は、ヒョロリと背が高く、白い髪や髭があまりにも長いので、ベルトに挟み込んでいる。高い鼻は過去になにか有ったのか、途中で少なくとも2回は折れたように曲がっている。歴代最高の魔法使いと呼ばれている、アルバス・ダンブルドアだ。
ダンブルドアの淡いブルーの眼が、半月型のメガネの奥でキラキラと輝き、わずかに驚いたかのような表情で、目の前にいる屋敷しもべ妖精を見つめていた。
「君がわしに手紙をくれたフィアという者かの?」
「はい、そうでございます。ダンブルドア校長先生。私めには、姫様の最近のご様子が耐えられなかったのです。姫様は、最近ずっと元気が無く、部屋に籠っておいでなのです。姫様は私には気づかれないように振る舞っておられますが、私めには分かるのです!姫様もホグワーツに行きたいのです!ですから、私めは貴方様にかけたのです。姫様が再び元気にお笑いになられる日が来ることを。確かに、姫様の御父様も御母様も償いきれない罪を犯しました。ですが、姫様は何もなさっておられないのです。姫様はこれまで、敷地の外に出れば殺されてしまうかもしれないという不安や、ホグワーツには行けないという悲しみ、御父様や御母様がお側におられないという孤独の中で生きていらっしゃったのです。私めは、姫様に幸せになっていただきたいのです! ですから、どうか…」
フィアはここまで言うと、涙を浮かばせながら祈るような目でダンブルドアを見上げた。
「フィア、ホグワーツは学びたいという意欲のあるものを拒みはせぬよ。」
ダンブルドアの言葉に、フィアは涙腺が崩壊したようだった。
フィアとダンブルドアが城の玄関で話している頃、サラは自分の部屋に籠り、昔、幼なじみのドラコから誕生日プレゼントとしてもらった、ネコのぬいぐるみを見つめていた。
サラside
はぁ、明日で9月1日ですね。
ドラコは明日からホグワーツに行くのでしたね。ドラコに贈った入学祝いは喜んでいただけたでしょうか。
ですが、やっぱり私にはホグワーツの入学許可書は届きませんでしたね。
私の御父様と御母様がしてきた事を考えれば、娘の私に魔法学校へ通わせないということは、当然の事かもしれませんが、やはり悲しいです…
私も行きたかったです…
そろそろ、フィアが帰ってくる頃ですかね。たまには、私がフィアに料理を作ってみるのも面白いかも知れませんね。そうと決まれば、台所に行かないとですね。
私が台所へ向かおうとしている途中、リビングで私は信じられない光景を見ました。
外から帰ってきたフィアが、泣いていたのか私と同じ赤目になっていたのです。
そこまではまだ良いのです。フィアの隣にいる老人と比べたら!
御父様が唯一恐れたと言われている、ホグワーツ校長のアルバス・ダンブルドアがいたのです。
きっと、私がホグワーツに入学できる年の、入学式の前日に私を殺しに来たのですね。私は、まだ死にたくありませんし、フィアを泣かせたご老人には罰を下さないといけませんね。
それに…
ダンブルドアなら私を楽しませてくれるかもしれませんしね
私は杖を抜き放ちながら話しかけた。
「フィア!こちらにいらっしゃい。」
「姫様!ホグワーツに入学おめでとうございます!」
フィアは私を見つけると、嬉しそうに私に向かって駆け出して…
「フィア?今なんて言ったの?」
「姫様、ホグワーツ入学おめでとうございます!姫様も、明日、ホグワーツ特急にお乗りになられるのです!」
フィアは満面の笑みを浮かべながら、私にそう言うと深々とお辞儀をしてきた。
私は杖を取り落としてしまい、同時に自分が震えてくるのを感じた。
そして、次の瞬間…
私を中心にしてリビングに嵐が発生したような状態になってしまいました。昔、感情のコントロールがうまくいかなかった頃、よく引き起こしていた現象が、さらに強化されたようです。テーブル、シャンデリア、ガラスなど様々な物が吹っ飛んでしまいました。
もちろん、フィアは私が抱き締めているから怪我などをしていませんよ。
しばらくして、私が落ち着き、魔法力の暴走がおさまってから、私はダンブルドアに質問をしてみました。
「ダンブルドア、貴方は私を殺しにやって来たのではないのですか?本当に私はホグワーツに行けるのですか?」
「サラ。わしは君の事を殺そうなど思っておらぬよ。そうじゃ、君も明日からホグワーツ生となれるのじゃよ。もちろん、君が行きたくないというのであれば…」
「私はホグワーツに行きたいです! でも、私がホグワーツに行けば…」
「姫様、私めは姫様にホグワーツにいってもらいたいのでございます。私めは、姫様がお呼びになられればいつでも姫様の下へと参れます。ですから、姫様は私めの事をお気になさらずにホグワーツにお行きになられて下さい!」
私がフィアを見ると、フィアは私に対してそう言ってくれました。なんて、優しい子なんでしょうか。
フィア、ありがとう。
「ダンブルドア、私はホグワーツに行きたいです。」
「そうか、ならば明日ホグワーツ特急に乗るが良い。じゃが、くれぐれも君の両親の事を口にするでないぞ。特に、父親の方は絶対に言ってはならぬぞ。それから、もし君がホグワーツに来るのであれば、わしのことは先生と呼びなさい。」
「分かりました。ダンブルドア先生。」
私がそう答えると、ダンブルドア先生は杖を一振りしリビングを元通りにしてくださいました。そして、もう一振りすると、ポンッという音と共に、私の前に大きなドランクが現れた。
「サラ。そのトランクの中にはホグワーツに必要な物が入っておる。それと、これが明日の切符じゃ。なくさぬようにの。」
「ありがとうございます。ダンブルドア先生。」
「それでは、また明日会おうぞ」
「ええ、また明日。」
ダンブルドアside
セブルスから聞いておった通り、トムは本当に子供を作っておったようじゃ。あの子が闇に堕ちぬように気を付けねばならぬの。あの子はトムとよう似ておるから、尚更じゃ。
それにしても、頭が痛いのう。もうひとつの予言に示された子がトムとベラトリックスの娘じゃったとはの…