どうぞー!!
「やっほー! パティちゃんですよー!」
「ティアですよー」
私は情報を求め、情報屋の姉妹に会った。
「はろろー、二人とも。情報が欲しいんだけどいいかな?」
「おっ!? アークス1の情報屋パティエンティアに情報を求めるなんて、流石はレイ。分かってるねぇー! やっぱり、私たちって最強だからね! そうだよね! ティア!!」
こっちの能天気なのが姉のパティ。
「……話が進まないから、パティちゃんはちょっと黙ってよっか? それで、欲しい情報というのは?」
冷静沈着で、姉に振り回されているのが妹のティアである。といっても、仲良しの双子だ。
「クロームドラゴンについてなんだけど、なにか情報はある?」
今回求める情報はクロームドラゴンのこと。何でもいいから情報が欲しかった。何か、新しいことがわかればそれで良し。
「クロームドラゴンっていったらあれだよね? すっごい怖いドラゴン!!」
自信満々なパティだけど、それって情報屋としてはいいのだろうか……?
「流石にそれは抽象的すぎるよ……クロームドラゴンは造龍とも呼ばれていて、その姿は歪。何も無いところから突然現れるって話だから、アークスも手を焼いてるって話だね」
ティアは軽くため息をついて説明してくれる。
「何も無いところから怖いドラゴンが現れたら漏らしちゃうねっ!!」
「その、クロームドラゴンなんだけど、なにか特殊な行動、ほかのエネミーじゃありえない行動をしてたっていう情報はある?」
パティはスルーして話を進める。
「特殊な行動、ですか。そうですね、それならダーカーの捕食でしょうか? その情報は様々な方面から集まっていますね」
やはり、私の見たあれは見間違いではなかったらしい。クロームドラゴンはダーカーを捕食する。何故……?
「へー。ダーカーを食べるって変わってるね! お腹おわしちゃわないのかなっ!?」
「ダーカーを食べるというのは、他のエネミーにはない行動ですからね。ダーカーを食べたあとにパワーアップしているという情報もありますね。でも、身体にどんな影響が出るかは分かりかねますね……」
ティアは流石のスルースキルでパティをスルーする。
「あっ!! ティア! 今私のこと無視したっ!! 異議ありだよっ!!」
何処ぞの弁護士も驚くような勢いなパティ。もう私には手に終えません。
「うっさい、バカ姉!! スルーされたくないならもっと情報を集めてよっ!」
「そうカリカリするもんじゃないよ、ティア。 カルシウム足りないんじゃない? 煮干たべる? はい」
どこから取り出したのか、パティは煮干をティアに差し出した。ティアはそれを受け取る。
「ありがと……じゃなくてっ!! なんで持ってるの!?」
きちんと受け取るところ、ティアらしいよね。
「美味しいよ? ねえねえ、ティア? ダーカーって美味しいのかな? 今度捕まえて丸焼きにして食べてみない? もしかしたら、私たち最強になれるんじゃないっ!?」
物凄いことを平然と言うパティ。この子なら本気でやりかねないから怖い。
「何考えるのバカ姉……下手したら死んじゃうよ?」
呆れながらもツッコミを入れるティアちゃん。こうやってみると、情報屋っていうよりは、漫才師のような気もするよね……
「ねえ、ティア。あなた1人で情報屋をやった方が効率的なんじゃない?」
「私もそう思います。ですが、あの能天気に救われることもあるんですよ? 普段はただうるさいだけですけどね……」
そう言って苦笑いをするティアだった。やっぱり、仲のいい姉妹だよね。
それから、すぐにアムドゥスキア・浮遊島に降り立った。人間に龍のことは分からないことが多い。餅は餅屋。龍のことは龍に聞くのが正しいだろうと思った結果である。
「こんにちは、アークス!」
「コ・レラ様。お久しぶりです」
目の前にはクォーツドラゴンのコ・レラ様。その迫力は物凄いものだ。今だから慣れたけれど、最初は怖かったというのは秘密です。
「今日、どうした?」
「少し龍について気になったので赴いたのですが、よろしいですか?」
「造られし龍、違う?」
どうやら、コ・レラ様は私の目的が分かっているようだった。
「知っているなら話は早いです。クロームドラゴン……ハドレッドはダーカーを喰らう。ハドレッドはダーカーを食べるのでしょう? 栄養になるとは思えませんが……」
「栄養、ならない。その身、滅ぼす、のみ」
ダーカーを捕食しているんた。その身が侵食されるというのは分かる。
「パワーアップしているという情報がありますが、それは?」
「たぶん、副作用」
ますます分からなくなった。栄養目的でないならパワーアップ目的と思っていたのだけれど、それは副作用だということ。なら、本当の目的は何なのだろう……
「そう、ですか……ありがとうございました。近いうちにまた来ます」
本日の目的は達したため、オラクルに帰還。マイルームでお風呂に入って、これまでの整理をしてみる。
クロームドラゴン、ハドレッドは非人道的な実験受けて、暴走。後に脱走した。その裏にはある少女の肩代わりをしたということがある。
おそらく、その少女はクーナだ。一緒に育ったと本人が発言していた。ハドレッドが裏切った理由はおそらく、ここにある。ハドレッドが暴れれば、それ以上の実験は出来なくなる。結果的にクーナが実験対象になるということがなくなる。
ここまでは分かった。
だけど、なぜハドレッドはダーカーを喰らう……?
コ・レラ様が言うには、ダーカー自体は栄養にならないということだ。捕食時に起こるパワーアップは副作用的なもの。
パワーアップの為じゃなければ、何のために……?
「ああ、駄目だ……全くわかんない……」
分からなすぎて、頭が痛い。
「逆に考えよう……」
ハドレッドがダーカーを食らわないといけない理由。
おそらく、自身が侵食されるだけで利点というものは存在しないだろう。パワーアップは副作用。なんのメリットもない。
「自分が侵食される……?」
何故か引っかかった。何か、気持ちが悪いものがあった。
「いやいや……有り得ない……」
私は有り得ない結論に至った。
食べる理由。それは、アークスでないハドレッド自身では完璧にダーカーを消滅させることが出来ないから。だから、食べることによって自分を侵食させることによりダーカーを消滅させている。
……なぜ?
そんなことは、簡単だ。クーナが家族と思っているなら、ハドレッドもクーナを家族と思っているだろう。
おそらく、クーナがアークスだということは、ハドレッドも知っている。
アークスの仕事はダーカーと戦うこと。それは、とても危険な仕事だ。いつ命を落とすか分からない。
「もしかして、ハドレッドは……」
クーナのために……?
あの時私が襲われなかったのは、そのためなのかもしれない。
こうしてはいられない。私は勢いよく浴槽から立ち上がり、外出の準備をした。
「クーナっ!!」
私はクーナがいつもいる場所に言ってみたが、クーナはいなかった。
「カスラさん……何故あなたがここに?」
代わりに、カスラがいた。
「偶然ですよ。クーナさんでしたら、現在ライブのため不在ですよ」
それならば仕方が無い。だけど、私にはすぐに帰るという選択肢はなかった。
「……貴方は全部知っていたんですか?」
「なんだか、意味深な質問ですね。いいでしょう、特別に答えてあげます。貴方がそう言うということは、全てわかったのですね?」
「仮説ですけどね……」
私が立てたのはあくまで仮説。真実ではないがおそらく近いものであるはずだ。
「いいでしょう。聞きましょう」
私は、仮説をカスラに披露した。流石に驚くと思っていたのだけれど、私がこの答えに辿り着くと予想していたかのごとく、カスラの顔は動かなかった。
「ご名答。ハドレッドの気持ちは分かりませんが、私もその答えにたどり着きましたよ」
辿り着いたというのには、少し引っかかった。
「そうですか。それで、一つ聞きたいのですが、貴方は何者ですか? 六芒均衡は通用しませんよ?」
カスラは事件について知りすぎている。いくら、六芒均衡といえ、そこまで知ることは出来ないはずだ。
「これは困りました。本当は予想がついてるのではありませんか?」
その表情はまったく困っていなかった。逆に当ててみろとでも言っているかのようだ。
「……虚空、機関」
そう。外から知りえないなら、内からしか有り得ない。カスラは内部の人間に違いなかった。
「ええ、そうです。流石はレイさんといったところでしょうか?」
カスラの表情に変化はない。この人はいったい何がしたいのか分からない。いや、多分やりたいことはなんとなく分かっている。
「茶化さないで! 実験のこと、クーナには?」
「詳細は話していませんが、大まかには話しましたよ」
「クーナへの贖罪のつもり……?」
「これくらいで、彼女が許してくれるなんて思ってはいませんがね」
カスラはらしからぬ笑みを浮べた。
ちなみに、その日クーナに会うことは出来なかった。アイドルってやっぱり忙しいらしい。
うーん……ちょっと雑さが滲み出てる気がする……
とりあえず、次回クーナ編終わります。実際、フリーザ様書きたくてしょうがない(笑)
色々計画しちゃってますよー!!