【お知らせ】
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「ふう、面白かった!」
映画館を出た私は背伸びをする。私が見た映画は『The Liner』という、アクション映画。オラクルには映画なんてないからなかなか新鮮で、アクションも派手で映画を満喫することが出来た。特に爆発がよかったかな。
オラクルにもこういった文化があればいいのになぁ……ちょっと、残念。
「満足したなら良かったことで」
私と一緒に出てきたエンガはどこか不満そうだ。
「あれ? エンガはなんか不服そうだね? こんな可愛い娘とデートできてるのに。やっぱり、ヒツギちゃんと来たかった? このシスコンめ」
「誰がっ! てか、お前、可愛いのは胸だけグハッ……」
鳩尾を肘打ちしました。公共の場だから銃を乱射できなかったのが残念です。
「ちょっと聞こえなかったかな。もう一度言ってみて? 今度は息の根止めてあげるから」
「……しっかり聞こえてるじゃねーか。何で俺と映画なんか来たんだよ。お前友達いないのか?」
エンガは腹をおさえながら、聞いてくる。どうやら、割と効いたらしい。
「失礼な。ちゃんといますー!」
地球にだって友達はいる。だけど、最近エンガは仕事仕事で忙しそうだったから、無理やり連れ出したのだ。
つまるところ、クーナにやられたことをやっているだけだけれどね。
「そりゃ良かった。お兄さんも安心したぞ」
「えっ? 私のこと妹と同系列で見てたの? やっぱりシスコン怖っ!」
「だから、なんでそうなる! てか、向こうの仕事はいいのかよ。最近ずっとこっちにいるだろ」
最近はこっちで過ごしている時間の方が多い。最後に帰ったのはだいぶ前だ。通信はしているから特に困ったことはない。
「まあね。向こうは向こうで働いてる人はいるし、適材適所。ただ、私はこっちを担当してるだけだよ」
これは事実だけど、それが全てではない。私は地球を守りたいんだ。私なんかを娘なんて言ってくれたお人好しの夫婦を。そして、その友たちを。
「ま、そういうことにしておくか。で、ヒツギはどうなってる?」
やっぱり、聞いてくるんだ。シスコンじゃないって自分で言ってるくせに。
「特に変化はないかな。色々あってヒツギちゃんには嫌われてるからねぇ。詳しいことまではわからないけど、こっちに戻ってきてるらしいよ」
「お前、あいつに嫌われるって相当だぞ。一体何したんだよ……」
この前、アークスシップで会った時はすごい顔をされたな。挨拶しても無視された。
それでいいのだろう。なにも、人殺しと仲良くする必要は無いのだから……
アッシュとシエラは、あの時私が何をしてたか予想はついているみたいだったけれど、確信までは至っていないようだ。
「女の子には色々あるんですー」
「お前は色々ありすぎだろ……」
エンガはため息をつく。ヒツギちゃんってすぐに誰とでも仲良くなりそうだよね。そんな人から嫌われるって自分でもため息が出るくらいすごいと思う。
閑話休題。
「あれ、レイじゃん!」
不意に声を掛けられた。
「シルバちゃん? こんなところで奇
遇だね」
「そーだねー。そっちは、これ?」
シルバちゃんはニヤニヤしながら親指を立てる。
「違う違う。ただの仕事仲間だよ」
事実、それ以上でもそれ以下でもない。
ただ、シルバちゃんにしてみたら面白くはないらしく、つまんなーい、と膨れた。私の慌てる顔でも見たかったのだろう。
「シルバちゃん、今日はひとり?」
「ううん。あっち、ソフトクリーム買ってるよ。あ、きたきた」
その人は両手にソフトクリームを待ってやって来る。
「あれ? 朎さんじゃないですか」
「シルバちゃんと一緒だって言うのはイツキくんだったんだ。ふぅん、ちょっとお巡りさんに電話してくる」
私は携帯電話を取り出す。
「ちょっ!? 何でそうなるんですかっ!? 冗談ですよね……?」
何か違うの? という目をイツキくんに送る。
「ち、違うんです! たまたま、たまたま会っただけなんですよ!」
「そうなの? 私の知り合いって何でシスコンとかロリコンとかコンプレックスが多いんだろ……」
本当に困りものである。
「おい、そのシスコンって誰のことだよ?」
そのシスコンが抗議をしてくる。
「なんだ、自覚あったんだ」
「否定しているんだ」
エンガはため息をつく。
「あの、朎さん。この方は?」
イツキくんはエンガと初対面だったっけ。
「この人は八坂エンガ。私の仕事仲間だよ」
シルバちゃんへの説明と変わらないが、意味が変わってくる。私の仕事を把握しているイツキくんにとって、私の仕事仲間というのはイツキくんの仲間にもなり得るということを指し示している。
「仕事仲間……? ということは……」
イツキくんもそれに気がついたらしい。
「うん。これは他言無用ね」
「で、レイ、そっちは?」
こんどはエンガ。
「橘イツキくん。清雅学園の生徒会長だよ」
「なるほど、清雅のね。八坂エンガだ。よろしく頼む」
「橘イツキです。よろしくお願いします」
2人は握手をする。たしか2人は同い年だっけ。男同士の友情がここから生まれる、なんてナレーションをしてみます。
それから、少し話をして、二人と別れた。
「これからどうする? さっきも言ったけど、ヒツギちゃんがこっちに戻ってるみたいだけど、行ってみる?」
「まさか。今は好き勝手させとくさ。とりあえず、俺らはマザーについて情報収集をするしかねーだろ」
マザーについても、マザークラスタについても、情報収集に進展はない。どうも、後手後手になってしまう。
今は、向こうの動きを見るしかない。
というわけで、エンガの部屋。
「なんでお前がついてきてんだよ」
「いいじゃん。どうせまた仕事でしょ? 手伝うよ」
「ったく、人に休め休め言ってるくせにお前は休んでんのかよ?」
「どっかの誰かさんよりはゆっくりしてますよー。……っ!?」
エンガの部屋に入った途端、違和感に襲われた。
「ん? どうしたんだよ? ……っ!?」
後から部屋に入ったエンガは顔つきが変わる。
「エンガ、気付いた?」
「ああ、こりゃあ、やってくれるな……」
朝、エンガを誘いにここにきた時と、モノの配置がほんの少し変わっていた。物取りにもあっていない。だけど、誰かが侵入した形跡がある。ものを取るどころか、お土産が置いていかれている。
「レイ、なんだと思う?」
「うーん、爆弾かな? 多分、もう少ししたらドーンかな?」
この感じは爆弾で間違いはないと思う。向こうの世界でも、爆弾のトラップはサーチしていたから、この手のものは慣れたものだ。
それにしても、人がいない間に爆弾を仕掛けるなんて、マザークラスタって陰険なやつしかいないのだろうか?
「なるほどな。しかし、部屋には結構大切なものはあるんだがなぁ……」
自分の部屋が爆発されるというのは、自分が今身につけているもの以外がゴミと化してしまう。命があるだけまだマシなのだろうけれど。
「ヒツギちゃんの写真とか?」
「なんでそうなる……書類やら何やらだ。ま、データとしてバックアップしてあるから問題は無いが……」
「さすが。ヒツギちゃんの写真はちゃんとバックアップを取ってるんだね」
さすがシスコンである。コンプレックスもここまでいくと、怖いまである。
「だから、ちげーよ!! それよりも、本当に爆弾ならさっさと避難しないとだろ。幸い、両隣はいないみたいだし、さっさと移動しようぜ」
冗談はさておき、ここにこれ以上いるのは危険だろう。
「だね。これがマザークラスタの犯行なら近くに犯人がいるだろうから、見渡しのいいところがいいかな」
私たちは、屋上に移動した。その数分後、エンガの部屋は爆破された。
自己紹介の部分ですが、シルバちゃんは省かせてもらいました。本名分からないですし……
爆弾に気づけたのはトラップサーチのスキルがありますからね!(笑)
さて、次回はべトールさんと対面まで行けたらいいな!
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