PSO2/S.A    作:朎〜Rea〜

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今回予告!

突如現れた謎の使者。会場は悲鳴に包まれる。そんな中、戦士達が動き出すも、その死者に苦戦を強いられる。

死なないで、レイ! あなたがやらないと誰がみんなを守るのっ!?

今回の、十七夜朎死す! 決闘スタンバイッ!!




 ……やってみたかっただけです。はい……


戦闘狂

「レイ、あれは何よ!?」

 

 リナが私に問う。

 

「わからない。ただ、あまり良くないものっていうのは間違いないと思う」

 

 既に、客のひとりがゾンビが持っている刀に斬られている。傷はそれほど深くはないが、このまま放っておくのは危険だ。その怪我人はその場に倒れて気を失っているようだ。

 

「リナ、怪我人の保護を頼めるかな?」

 

 幸い、と言うべきなのか、ゾンビは覚束無い足つきで会場内を動いている。怪我人からはだいぶ離れているため、保護は容易にできるだろう。

 

「レイはどうするの……?」

「私はあいつを何とかする」

 

 私は携えていた神刀スサノオを左手に持つ。この場で戦えるのは私とリナだけ。相手の戦力がわからない以上、リナには任せられない。

 

「だめだ! 危険過ぎる! 相手は刀を持っているんだぞ? そんな玩具でどうこうできる相手じゃない!」

 

 それが無謀だと思ったのか、おじさんは声を荒らげる。

 

「そうだよ! 死んじゃうよ!」

 

 シルバちゃんも泣きそうな顔で私を見る。

 

「私なら大丈夫。だから、そんな顔をしないで。それに、誰かがやらないといけないんです。今回はたまたまそれが私だった、ということですよ」

 

 前半はシルバちゃん。後半はおじさんに向かって言った。おばさん、キッドさん、そして、私のことを知っているリナは黙っている。

 

「……わかったわ」

 

 沈黙を破ったのはおばさんだった。

 

「お前本気かっ!?」

 

 おじさんはそれに反抗する。

 

「私だって本当にそうしたい訳じゃない!! だけど、レイちゃん。貴方になら、できるんでしょ?」

 

 私は無言で頷く。

 

「その代わり約束して。明日、私達の旅館を手伝うって。今、人手不足で困ってるの。今日の分の売上も取り戻さないといけないしね」

 

 おばさんはニッコリと笑った。

 

「ありがとうございます。明日は大変そうですね」

 

 私もそれにつられて、笑ってしまう。

 

「お前、なんで……」

「あら、娘のことを信じるのが親のつとめでしょ?」

「そう、だな……」

 

 そんな時だった。ゾンビはどこからともなく、拳銃を具現化し、その銃口を私たちに向けた。

 

「ね、ねえ……あれって……」

 

 シルバちゃんはゾンビを指さす。そんなゾンビのみんなは息を飲むことしか出来ないようだった。そして、大きな炸裂音とともに、弾丸は発射された。

 

 「させないっ!」

 

 私は刀を凪ぎ、再び刀身を鞘に収める。何かを斬った手応えはあった。だけどそれは、斬たというより、刀身に当たった瞬間、それは消滅した感覚だった。

 

「レイ様、貴方は一体……いえ、不粋な詮索は辞めておきましょう。ところで、私めに出来る事はあるでしょうか?」

「……ありません。皆さんは念のため避難してください」

 

 キッドさんの申し出に答える。現在、会場は混乱している。誘導者がいれば、少しはマシにはなるかもしれないが、そのせいで他人が傷つくのなんて見たくはない。

 

「そうですか……」

「ごめんなさい。わかってくれとはいいません。これは私の我儘ですから……」

「いえ。レイ様がそういうお方だという事は重々承知しております。私たちは避難ついでに誘導でもしておきます」

 

 やっぱりキッドさんはこういう時にでも紳士だった。

 

「……わかりました。くれぐれも無茶はしないでください!」

 

 そんな会話をしている間にも、ゾンビは私に銃口を私に向け、二発目を撃とうとしている。それに構わず、刀を鞘に収めたまま、一気にゾンビとの距離を詰める。

 鞘を上方に投げ、両手でカタナを持ち、連続斬撃。鞘をキャッチし、最後に横薙ぎをしてから納刀する。

 

 フォトンアーツ【アサギリレンダン】

 

 斬られたゾンビは、まるで最初からそこにはいなかったかのように蒸発した。結果として、何ともあっけなものであった。しかし、違和感が生まれた。

 

「これはいったい……」

 

 まるでそれは、原生生物ではなくダーカーを倒したかのような感覚に近かった。

 

「リナのほうは大丈夫かな……っ!?」

 

 それは何も無いところから突然出現した。

 

「なんなのよ、これ……」

 

 ダーカーは転送されてくるとか、沸いてくるとか色々と説明はできる。だけど、これは違った。それは、自然災害であるかのように、唐突に姿を現したのだ。それはさっきのゾンビよりも巨大だった。

 

 それは古代、地球に存在していた恐竜に似ている。たしか、ティラノサウルスと表記されていたはずだ。

 

 何故そんなものがこんな所に……?

 

 考えていたのも束の間、そいつは力任せに長いしっぽを振った。

 

「くっ……」

 

 十数メートル吹き飛ばされた私は受身をとる。直撃はしたが、ユニットを不可視にして装備していたため、ダメージ自体はほとんど無かったが、おばさんが作ってくれた服はところどころ擦り切れていた。

 

「やば……」

 

 そいつの腹のあたりが開いたと思うと、そこからそいつの頭蓋骨のようなものが出てきた。その口は大きく開かれ、そこに光が集まっていく。

 

 レーザーでも撃つつもり……? 防げるかな……?

 

 いや、もし防ぎきれなかった時の被害を考えると、それは得策ではない。

 

 それなら、やる事はひとつ。あれが発射される前に阻止すること。今の私では刀でそれをすることは出来そうにない。

 

「っ!?」

 

 私が刀を手放し、オルトロスを具現化した瞬間、光の玉が私の横を通過した。それは見事に骸骨に命中し、それを砕いた。恐竜は悲鳴を上げるように吠え、跡形もなく消えていく。

 

「レイさん! 大丈夫ですかっ!?」

「イツキくん? どうしてここに? 今日は生徒会が忙しかったんじゃ?」

 

 イツキくんはフォトン覚醒をした姿で私の隣に立つ。右手には彼が愛用するガンスラッシュ。恐らく、さっきのはガンスラッシュのフォトンアーツ【エイミングショット】だろう。

 

「せっかくのフェスなので、仕事を早く終わらせて来たんですけど、まさかこんな事になってるなんて……」

「ということは、アイカも来てるの?」

「はい。アイカは怪我人の治療をすると言っていました。それにしても、あれは何だったんですか?」

 

 アイカのクラスはテクニックが扱えるサモナーだ。リナには怪我人の保護は頼んだけど、できて応急処置まで。アイカが回復役にまわるのが一番の選択肢だろう。

 

 何はともあれ、ひとまずは一件落着。けれど、その私の考えは甘かった。

 

「きゃああっ!!」

 

 再び、会場に悲鳴が響く。それも、一つでは無い。様々な方向から聞こえてくる。

 

「イツキくん。話は後で。アークスとしての仕事をするよ」

「わかりました。任せてください!」

 

 イツキくんは持っているガンスラッシュを剣モードに変更する。

 

「いい? いくよ!」 

「はいっ!!」

 

 私はイツキくんと別れ、悲鳴のする方へ向かう。会場内には、ゾンビや恐竜が合わせて数十体いるようだ。

 

 私は表的の頭を銃弾で穿ちながら走る。数は多いが、単体としては大したことは無い。多分、イツキくん一人でもなんとかなっているだろう。

 

「副代表!! これは一体!?」

 

 走りながら、アイカと合流する。

 

「わからない。怪我人の方は大丈夫なの?」

「はい。怪我の方は完治させました。後遺症も残らないでしょう。現在はリナに任せています」

「分かった。アイカは会場内の怪我人の治療を」

「了解!」

 

 アイカと別れ、更に目標の討伐を進めていった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「これでラストかな」

 

 倒れたゾンビの頭を穿つ。もう悲鳴は聞こえない。おそらくこれで終わりだろう。

 

 イツキくんと合流しよう。この件をおさめる方法も考えないといけない。

 

 ドクン……

 

「っ!?」

 

 ある女性とすれ違った瞬間、嫌な感じがした。

 

「貴方、面白そうな匂いがするわ」

 

 気がつくと、私は宙に浮いていた。地面に着いたわたしは勢いよく転げる。受身なんてとる余裕はなかった。勢いが弱まったところで、どうにか受身をとる。

 

「ぐっ……何が……」

 

 私は会場の外に吹っ飛ばされていた。私がもといた場所を見ると、そこには長い髪を三つ編みで一つに束ねた女性がたっていた。

 

「今のは蹴り……?」

「ええ、ただの蹴りです」

「なっ……」

 

 さっきまでかなり離れていたはずの女性が目の前に立っていた。

 

「ですが、驚きました。完全に不意をついたつもりだったのですが、直前にガードをするとは。やはり、ココまで来たかいがありました」

 

 女性はどこか満足げだ。

 

「貴方の目的はなに? あのゾンビは貴方がやったの?」

「強者を求めるのに、理由は不要。そうでしょう? 私の目的はただ一つの純粋な欲求。人として当たり前の欲求。ただ、強いお方と戦いたいだけなのです」

 

 その回答は私の問を完全に否定していた。わかった事はただ一つ。この人は戦闘狂であるという事だけだ。

 

「そう。それじゃ、私はあなたのおメガネにはかなわない。ほかを当たってくれるかな」

「そうはいきません。せっかくここまで来たのですから、お相手願います」

 

 女性の姿が消えた。が、後ろから気配がした。危険を感じた私は大きく横に跳ぶ。

 

 私がいた場所から数メートル先にかけて地面にヒビが入っていた。

 

 手刀でこれってどうなってるのよ……

 

「やるしか無さそうね……」

 

 私は両手に持ったオルトロスを構える。

 

「ようやくその気になってくれたようですね。それでは、始めましょう」

 

 私と彼女は接近する。彼女との距離を詰め、零距離からの鉄山靠。要するに体当たりを試みる。

 

 フォトンアーツ【デッドアプローチ】

 

 しかし、手応えがない。私の攻撃は受け流されていた。

 

「うふふ、甘いですよ」

 

 女性は腕を横に凪ぐ。それを私はしゃがんで躱し、その体勢から彼女を蹴りあげ、追撃する。

 

 フォトンアーツ【エリアルシューティング】

 

 今度は手応えはあったが、ガードされてしまっている。

 

「今のは驚きました。反応速度はかなりのものですが、詰めが甘いです」

 

 彼女は腕を縦に振るう。ガードは間に合ったが、空中から地面に叩きつけられた。地面には窪みができてしまっている。

 

 ダメージは少なくはなかったが、今は先に地に降りた私に利がある。

 

 彼女の着地を見計らい、瞬時に懐に飛び込み彼女を射抜く。さらに、4発の追撃を行う。

 

 フォトンアーツ【グリムバラージュ】

 

「嘘でしょ……あなた本当に人間なの……?」

 

 私の攻撃は全くと言っていいほど通っていなかった。弾丸を避けるのではなく、たたき落とす。そんなのは、到底人間業ではない。

 

「人間やろうと思えば出来るのですよ? さあ、もっと楽しみましょう」

 

 私は女性の攻撃を躱し、銃口を彼女に押し付け、発砲する。彼女はそれを躱し、さらに私に攻撃を仕掛ける。

 

 その繰り返しだった。そのやり取りは何度も繰り返される。しかし、どちらかというとこちら側がおされ始めていた。

 

 これでは押し負ける。

 

 女性の回し蹴りを腰を深く下げることによって躱し、その体勢のまま彼女の体に銃口を当て、フォトンを込めて引き金を引く。

 

 一発目で女性の身体が少し浮いた。更に、もう片方の銃で追撃をかける。

 

 フォトンアーツ【サテライトエイム】

 

 それをガードした女性はサテライトエイムを防いだ反動を利用し、私との距離をとった。

 

「銃で近接戦とは面白いです。ですが、貴方、急所をわざと外していますね? 遠慮しているのですか?」

「貴方みたいなのに遠慮なんてしてたら私が死ぬよ」

「そうですか。やはり、貴方は面白い。もう少しお相手願いたかったのですが、お時間のようです」

 

 その女性は会場にできた大穴を見る。私が会場会に飛ばされた時に出来た穴だ。そこにはイツキくんとリナ、アイカがいた。3人は急いでこちらに向かっている。

 

「レイさん! あの人は?」

「今回の原因、ではないみたい」

「その件に関しては、こちら側の人間がご迷惑を掛けました。本来、貴方達のような人間を炙り出す、というくだらない目的だったのですが、思わぬ収穫でした。また、相見えることを願っています」

 

 そういうと、女性は信じられないほどの跳躍力でその場を離脱した。




 さてさて、本編をやっていたのならば今回出てきた戦闘狂の女性が誰だかは分かるのではないでしょうか?
 
 まあ、ファレグさんです。彼女に自己紹介させなかったのは本編でプレイヤーとあった時にシエラが驚いていたためです。情報も無かったようですしね。そのために通信障害を起こしていたり……(後で思いついたけど)

 戦闘については深く求めないでください。苦手なんですよっ!! これから慣れていけばいいな……

 あ、それと今回の元凶については、あのオタクです。姿を表さなかったのはファレグさんにでも何か言われたのでしょう(テキトー)

 それにしても、弓子さんがお母さん過ぎて辛い……なんか、キャラを作ってしまった感じが半端ないのですけど気にしない!

 というわけで、感想なり指摘なりお待ちしております!!
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