第四クトゥルフ神話『名前に癖のある探索者達の観光バス』 作:カロライナ
「し、将・・・・。」
「正当防衛だ。その位、家守も弁えてんだろ。」
「だけどよ、殺す事は・・・。」
「俺よりも極悪な殴打を脳天に叩き込んだヤツが何を言ってんだ。」
動かなくなった深きものを尻目に、青大は足を器用に使って仰向けに深きものを寝転がらせる。深きものは口から血を吹き出し、ピクリとも動かない。頭はバールのような工具で殴られたためメッコリと凹んでいる。人間であれば、すぐに病院へ運ばなければ脳挫傷を引き起こし、命の危険にさらされていただろう。その様子を続けざまに、今度はフラッシュライト無しで青大は写真を撮りまくる。最後にトドメを指した家守は、青大の右ストレートに驚きながらも、窘めたが、逆に窘められる形となってしまい、シュンと気を落としたような表情を作る。
「まぁ、そんなことはどうでも良いな。そんなことより足高が心配だ。アイツもお前と同じ警察官だから簡単にはやられないとは思うが・・・あの場には怪我人が大勢いるからな。早く戻って避難をしよう。」
「・・・! 八雲・・・!」
「一人で突っ走り過ぎるなよ? 背後からの奇襲や、もしかしたら敵による分断があるかもしれねェ。」
青大は更にそこから、数枚写真を取るとバッグの中から、メリケンサックをこぶしにつけ、反対側の手にデジタルカメラを握り足高の安否を気にし始めた。家守も地面に突き刺さったバールのような工具を引き抜くと、足高たちが陣取っているバス前まで歩みを進めた。
バスの目の前にはそれなりに人だかりができ、足高がそれを丁寧に治療をしている。また足高以外にも怪我の治療をできる人が、一時避難していた場所に来たようでその人たちと協力する形でけがの手当てと泣きじゃくる子供をあやすことに勤しんでいた。
「おーい! 足高そっちは大丈夫か?!!」
目星
青大70→83【失敗】
「よし、化け物どもは居ねェな。」
家守はその足高の姿を確認すると、バールのような工具片手に足高に走り寄って無事を確認した。少し遅れて、バスの天井や、自動車の影などに先ほど自分達を襲ってきた化物が居ないかどうか、青大は注意深く辺りを観察する。少なくとも周辺には化物が居ない事に対し警戒を緩める。
アイディア
家守65→85【失敗】
青大80→78【成功】
足高65→64【成功】
「家守、青大負傷者の誘導お疲れさま。こっちは粗方手当が終わって避難所に移動し始めるところよ。」
「あの塔か。確かにあの場所には備蓄食料もあるだろうし、応急箱だけじゃなくもっと高度な治療器具があるかもしれないし、いいかもしれないな。」
「???」
青大と足高がなんの話をしているのか、家守には分からなかったが、少なくとも近くにこれだけの人数を引き連れて、行ける様な避難所が近くにある事だけはなんとなくわかった。
そして青大はデジタルカメラを足高に手渡す。
「・・・?」
「足高、このトンネルにヤバい奴等が徘徊している。写真にその姿を捉えた。落ち着きを保つため、どんな奴等が居るのか予め確認をしておいてくれないか?」
「・・・いつもにもなく真面目な顔ね。わかったわ。どの写真?」
【写真に写った深きものを目視0/1D3】
足高65→72【失敗】
1D3→3
「・・・・・・・っ。」
足高は、渡されたデジタルカメラの電源を付け写真の閲覧モードに切り替える。そこには顎の砕けた魚人の姿と、カメラの目の前に槍を突き立てている姿が写っていた。その姿を見た足高はこの世のものとは思えないその姿に驚愕し、危うく青大のデジタルカメラを地面に落しそうになるものの堪え切る。足高は心のどこか奥底で、この写真は青大が自分をからかうために特撮ものの撮影や偽装、合成写真ではない事を直感することができた。幸いにも2人が戻ってきた方角と避難所は反対側にあるため、その実際の死体を目視しないことに少し心が喜んだが、はやくこの場から離れなければ大変なことになるということをひしひしと感じていた。
「・・・・・皆さん。ここは危険です。近くに風の塔へ避難する為の避難経路があった筈です。動ける方や、力のある方は、負傷している方を背負ってその避難経路まで向かいましょう。安心してください、私は警察官です。皆さんを安全な場所まで到着するまで御守いたします。」
足高は青大にデジタルカメラを返し、立ち上がるとバスの周辺で休んでいる負傷者や遺族を事故で失い慰めている人、子供をあやす母親に向けて手慣れた様子で避難誘導を始める。
青大と家守が居ない間にも、警察であることを少し自己紹介していたためか、特に足高が偽りを言っていると疑われることなく、注目が集まり殆どの人が指示に従う。
「風の塔の避難経路と言ってもなぁ、この距離なら海ほたるに向かった方が良いんじゃないか?」
「そうだそうだ。トンネルのヒビ具合から見る分にも、下手に深海に近いトンネル奥地へ潜るよりも、地上に出た方が良いに決まっている!」
しかし、どこの世界にも人が集まらないと集団の輪から外れようとする者はいるものである。足高の誘導に沿わないグループが6.7人程のグループを構築し、避難所である風の塔ではない海ほたるについて言及し始めた。足高もこのグループに対し、少し困ったような考えるような表情を作る。いつもであれば、説得をしそのグループも上手く誘導するであろう。しかし、青大が見せてくれた写真の事もある。あまりにもモタモタしていて、あの化物に出会ってしまい、更なる負傷者を生み出してはどうしようもなかった。それに写真には1匹しか化物の姿は映っていなかったが、もしかすると、たまたま、運よく1匹で居ただけで他にも同じような化物が奥に居たとしたら? あの青大が撮影した化物は偵察隊の役目を引き受けていたとしたら? もし、その奥にまだ大量の化物が居ると仮定して、その偵察していた化物が帰ってこなかったとしたらどう行動をとる? 嫌な予感は足高の気持ちを押しつぶすぐらいに勢いで重くのしかかってきた。
【後書き】
最後となりました後書きを使っての卓紹介コーナー。
最後はミナイコチャット卓を紹介します。
ミナイコチャット卓・・・・忍耐力が鍛えられる卓。
堪忍袋の緒が太くなる卓。
なりきり卓が多く、キャラを演じながら卓に参加すると
言った卓が非常に多く見受けられました。
さらに使用するものはミナイコチャットを開くだけの機械のみで
何とかなりますから機材的や動作の軽さを考えるには適している
卓であると思っております。
基本的にテキストセッションのみの構成だと考えてください。
楽しいかと聞かれれば、何かキャラクターをなりきりしながら
ロールプレイをするのが好きな方には適所と伝えておきます。
私は二度と参加することはないでしょう。