第四クトゥルフ神話『名前に癖のある探索者達の観光バス』 作:カロライナ
数日後、ロジーナは無事に病院から退院しクリスティーナを含む3人の人間を引き連れ、とある建物前までやって来ていた。その建物の前には、手入れの行き届いた花壇が飾られており、色とりどりの花が綺麗に並列して並んでいる。パーカーのフードを深くかぶった白髪の少女がその花壇に近づき丁寧に世話をされた花を見つめ、道端や花屋で見るような花とは一味違った存在を楽しんでいた。隣ではブロンドの女性が、その少女の為に日傘を差し、感想に共感するように同調し花壇の風景を楽しんでいた。
「・・・・・・ガン・・・・ニャル・・・・そろそろ・・・・・中に・・・入るよ?」
一度、その建物を見上げ入り口前まで足を運ぶロジーナだったが、クリスティーナ以外の友人たちが付いて来ていない事に気付くとロシア語で2人を手招きする。
「了解 姐御。ほらニャル、また帰る時にも見れるからまずは中に入ろうぜ?」
「うん。」
ロシア人には見えない2人は、ロジーナの言葉をしっかり理解しているように頷くと、手を繋ぎながら入口の前まで足を運び扉の前で足を止める。全員が揃ったところで、ロジーナは扉に付けられたインターホンを一回押し、事前にアポイントを取った相手が出て来るのを待つ。その人物は5秒もしないうちに出て来る。
「あぁ、クリスティーナさんにロジーナさん。いらっしゃいませ。ようこそ、青大探偵事務所へ。」
出てきたのは、左目に黒の海賊のような眼帯を付け、髪はロングヘアの根元は紫、毛先は橙色に染めた特殊な髪色をした青大であった。青大は2人の姿を確認すると、探偵らしからぬ『地獄の果てまで追いつめてやる』とプリントされたオリジナルTシャツにジャージズボン、サンダルの姿で外に出、扉を全開にし4人に中へ入る様にと促した。
「・・・・・・。」
「・・・・? 何か?」
事務所の中はクリスティーナ、ニャル、ロジーナ、そして最後にガンが入ろうとする。だが、ガンが事務所の中に入ろうとした時、青大の顔を見て入るのを一時中断し、真面目な顔で見つめた。その様子に軽い作り笑いを作っていた青大も表情を崩して最後は真顔になる。
「いや、お前の雰囲気というか、表情というか....。オレの3女に似てると思ってよ。」
「・・・・ま、世界には自分と同じ顔が3、5人はいるっていうしな。・・・お前等の為に普段付けねェ冷房をつけて25℃にセットしてんだ。冷気が外に逃げ出す前に早く入ってくれねェか?」
「へっ....ケチくせェとこも似てらぁ。」
ガンと青大はそれだけの会話を交わすと事務所内に入り、青大は冷気が逃げて行かないようにと颯爽と玄関戸を閉めた。
中は、ソファーが増設され、普段の依頼を受ける時に使用する机は壁に立て掛けられて現状はお役御免になっていた。今は代用品として7人で机を囲っても何不住なく円卓を利用できる縦横1mはありそうな4脚机が置かれている。机の中心には大ざるが1つ。中にはドーナッツやら、ビスケット、クリームパイなどが積み上げられ、来客分のコップが4つとオレンジジュースと緑茶の入ったペットボトルも備えつけられていた。
「家守と足高もそのうち来るだろうし、まぁ好きなモンを食って、好きなモンを飲んで待っててくれ。飲み物は2種類しか出さねェけどな」
青大は探偵事務所に入ってきた4人に対して適当なソファーに座るように促すと、玄関の扉で見せた丁寧な言葉遣いは止め、いつも通りの口調で話し足始めた。その豹変の仕方にニャルが怯えを見せるものの、青大は少女には特別サービスと称して、綺麗なフラワーアレンジメントされた小さな花束を渡して落ち着かせる。家守と足高が到着するまでの間、クリスティーナは青大探偵事務所の窓から、家守と足高が早く来ないか、まだかまだかとせわしなく確認を取り、ロジーナはそんなクリスティーナを落ち着かせるように窘め、ニャルは青大から貰ったフラワーアレンジメントされた花束を興味心身で回したり匂いを嗅ぐなどして退屈な待ち時間を楽しんでいた。
【後書き】
日に日に文字数が減っていくのが分かります。
携帯で小説書いているときに一番絶望したことは、コピペしようとした矢先に
誤って全文削除したことですね。
あれはSAN2D3の強制SANチェックが入りました・・・。
寝込むかと思いました。
二度と同じ過ちはしていけない。(戒め)