1つ!モンド・グロッソ決勝戦直前に一夏とマドカが誘拐される
2つ!そこに突然怪人が現れ、マドカが瀕死の重傷を負う
そして3つ!絶体絶命の一夏は謎の男に命を救われた
時を遡ること誘拐事件の前日、仮面ライダーオーズこと火野映司と鳥のグリード・アンクは鴻上ファウンデーションからの直々の依頼でドイツのモンド・グロッソ会場に来ていた。依頼主の名は篠ノ之束、ISの生みの親にして稀代の大天災、そして映司の幼馴染みの女性だった。
「えいくん、久しぶりー!みんなのアイドル束さんなのだー!」
機械のウサミミをぴょこぴょこさせながら映司にハグをした。
「久しぶり、束ちゃん。いや、篠ノ之博士って言った方がいいかな?」
「もー、つれないなー。束さんとえいくんの間柄に敬称など必要ないのだー!」
「おい、映司。この脳内お花畑女は誰だ」
ビシッ…
映司でも分かるように束が濃密な殺気を放った。
「口の聞き方には注意した方がいいよ?グリード」
鋭い凶器のような殺気を向けられ、アンクは珍しくたじろいだ。
「あー…彼女は篠ノ之束。ISの生みの親って言えば分かるか?」
「IS…。ああ、あのでかい機械か?確か、この世の中が女尊男卑とか言う訳の分からん風潮に染まった原因の」
「えいくん、少し離れてて。このグリード一回殺すから」
するとどこから出したのか彼女は仕込み刀を取り出し、それを居合のように構えた。アンクも臨戦態勢になっている。アンクが止まるとも思えないし、仕方ない。映司は咄嗟に後ろから束に抱きついた。
「ふえ!?え、えいくん!?」
「束ちゃん、落ち着いて。とりあえず、依頼のことを聞きたいんだけど」
「う、うん。わかった…」
殺伐とした空気は映司の咄嗟の行動で収束した。この時束の顔が終始真っ赤だったのは言うまでもない。
「ゴホン。じゃあ依頼について説明するね。えいくんと、とりあえずアンくんはモンド・グロッソは知ってるよね?」
「おい、何だその嫌な渾名は!?「何?鳥頭グリードが良かった?」…好きにしろ…!」
「気を取り直して、そのモンド・グロッソにちーちゃん、織斑千冬が出てるのは知ってる?」
「えっ?千冬ちゃんがモンド・グロッソに出てるの!?」
「えいくんホントに世事に疎くなったね。まあ、放浪生活が続いてるから尚更か。実際、鴻上ファウンデーションに来るまでISの存在すら知らなかったぐらいだし」
「まあ、理由については聞かないでくれると助かるよ」
「じゃあ本題。もしかすると決勝戦の当日にいっくんとまーちゃん、ちーちゃんの弟妹が誘拐されるかも知れないんだよね。だから、陰ながらでいいから彼らを護衛してくれないかな?」
「え?そんなの政府に頼めば…「多分
亡国機業、人間でありながら世界を終焉に向かわせ、グリードによる支配を企む今の映司達の敵。
「わかった、今すぐドイツに飛ぶよ」
その数時間後、彼らはドイツのモンド・グロッソ会場に辿り着き、数匹のタカカンに周囲を見張るように命じた。そして、1匹のタカカンから一夏とマドカが誘拐されたという事実を聞いた。
「アンク!」
「待て、映司。あの廃工場からウヴァの気配を感じる。もしかすると…」
「ヤミーがいるってことか!」
「映司、今のうちに持っとけ!」
アンクから3枚のメダルが投げ渡される。赤、黄、緑のそれらは幾度となく映司を救ってくれたタトバコンボのそれだった。
そして、廃工場に辿り着くと濃密な殺気を感じ取った。更に止めと言わんばかりに強烈な鉄の匂い…。嫌なビジョンが頭をよぎる。
その現場に行ってみると、心臓を貫かれた少女とまさに殺されそうになっている少年が目に入った。
「その子達から離れろ、ヤミー!」
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「……カ?……かり……ろ…」
朧気に声が聞こえる。私は何をしてるんだ?確か、兄さんを化け物から庇って、その後変なヤツがいきなり現れて…。
それ以降の記憶がない。そこで気絶したのか。てことは…
「ここは、あの世か…」
「マドカ!しっかりしろ!!」
え?ゆっくりと瞼を上げる。するとそこには血相を変えた姉さんがいた。
「ここ…は…?」
「お?目を覚ましたかい?ここは鴻上ファウンデーションの集中治療室だ。お嬢ちゃん、運が良かったな。心臓を掠めるギリギリだったんだ、紙一重でどうにか助かってるぜ」
すると、姉さんの背後から無精髭を生やした白衣の男が入ってきた。
「おっと、1つ断っておくが、俺はお嬢ちゃんの身体に触ったりはしてないからな。担当の女医に指示を送っただけだからな」
「ありがとうございます、伊達先生」
この男の名前は伊達と言うらしい。姉さんが言うにはこの人が私の手術の指示を出していたらしい。
「いいってことよ!火野ちゃんの知り合いの身内が瀕死の重傷って聞いたからには医者以前に一人の人間として放っておけないからな。それに、先生はとってくれ。俺そういう柄じゃないから」
「ありがとうございます…伊達さん…」
「おう、それじゃ俺は仕事が入ったからこれで。そうそう、一夏くんからアンタらに伝言」
「そう言えば、一夏は何処だ?鴻上ファウンデーションに保護されたと聞いているが」
そう言えば兄さんの姿が見えない。どこにいるのだろうと思った矢先、
「あ、千冬ちゃん。久しぶり」
この声は、意識が途切れる直前に聞こえた男の人?
あれ?何でだ?自分の目の前にいる姉が顔を真っ赤にしている。滅多にそんな顔しないはずなのに。
「え、えええ映司!?」
「え?そんなに驚くの?中学校以来会えるから楽しみにしてたのに」
「どうかしましたか、映司さん…って千冬姉!マドカは、起きたのか!」
もう1人の男性、映司と呼ばれた青年の後ろから兄さんが顔を出し、私の顔を見るやいなや速攻で駆けつけて手を握りしめた。
「ゴメンな、マドカ。俺、もっと強くなりたい。だから千冬姉、俺をドイツに連れていってくれ!」
兄さんは私から手を離すと姉さんに向かって土下座した。
後から聞いた話だが、映司さんが化け物を倒した後、姉さんが暮桜ごと廃工場に突っ込んできてドイツ軍に一時的に助けてもらったらしい。情報提供がドイツからだったため、姉さんはドイツで一年間IS部隊の教官を勤めるそうだ。兄さんはそれに便乗してドイツに、ついでに映司さんもドイツに行くそうだ。理由は教えてくれなかった。私は一年間絶対安静の後、しばらく篠ノ之束博士に預けられるとのこと。
そして、この会話の後、私達兄妹が再開するのは2年後の夏になる。
世界線の説明その2
・グリードと亡国機業が手を組んでいる。
・映司、束、千冬は中学校以来の幼馴染み。
・ついでに言うと映司は天災と世界最強の抑止力。理由は、分かるね?
・クスクシエのメンバーも健在。今のところ出す予定は無い。