IS〈インフィニット・ストラトス〉ーOOOー   作:ネヘモス

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ISオーズ!前回までの3つの出来事
1つ!2番目のオーズに選ばれた織斑一夏はアンクからオーメダルの説明を受ける
2つ!それに伴い一夏は束から自身がISを操縦出来ることを知り、専用機「ヴァイスデザイア」を託される
そして、3つ!ドイツに来て1ヶ月経ったある日、ラウラ・ボーデヴィッヒから決闘を申し込まれた!


ウサギヤミーと偽物の世界最強と白の覚醒

ジャラジャラジャラ……

 

「私はあんな男を教官の弟とは認めない!私がアイツを倒してそれを証明してやる!」

 

「そう、キミは欲望に従順だね。もっとその欲望に従順になりなよ。そうすれば、キミは織斑一夏を倒せる力を手に入れる」

 

ラウラの私室に金髪金眼の青年が佇んでいる。その背後には黄色の垂れ幕が下がっていた。

 

「これで私は織斑一夏を倒す、いや、殺す!」

 

「そうそう、その調子だよ…。もっとたくさんセルを溜め込んでね?」

 

そう言い残すと青年はその場から姿を眩ませた。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

「私と勝負しろ、織斑一夏!」

 

「仕事が終わったらな」

 

俺は何故かラウラ・ボーデヴィッヒに勝負をふっかけられた。ある程度の戦闘訓練は千冬姉の手ほどきを受けているのでどうにかなるだろうと思いそれを承諾した。

 

「今すぐ、勝負しろぉぉぉぉぉぉ!!」

 

突然ラウラの周囲にメダルの塊が現れた。それはウサギの耳にウサギにあるまじき鋭い爪、そして、ウサギの足を持つ黒い怪人になった。

 

「えっ!?なんだコイツ!?」

 

「一夏、下がれ!そいつはヤミーだ。恐らくお前が狙いだ!」

 

アンクの叫びを聞いてその場を飛び退いた一夏。でもここは食堂だ。こんな場所で戦闘する訳にはいかない。

 

「面白い。こっちだ、化け物!」

 

一夏はウサギヤミーを挑発するとアリーナの方まで走り去った。

 

「待て、逃げるなぁぁぁぁ!」

 

それを追うウサギヤミー。そして映司はアンクの連絡を受けてアリーナに向かう事にした。

 

訓練用のアリーナの管制室。千冬は一夏を待っていた。遅い。1ヶ月訓練してきたが休みはおろか、遅れたことすらないのに。疲れが一気に来たのだろうか?

 

「仕方ない、一夏にも休養は必要だからな」

 

実は千冬はあの一件以来一夏及びマドカにかなり甘くなった。自分が観客席をキチンと見ていればこんな事にはならなかった。だから今は自分の目の届く範囲に一夏を置いている。マドカは定期的に連絡を束から貰ってるから大丈夫の筈だ。

 

「今日は見逃すとするか…?」

 

ふとアリーナを見やる。すると、

 

「こっちだ!」

 

「待てぇぇぇぇ!!」

 

アリーナに一夏と黒いウサギのような怪人が姿を見せた。何だあれは!?

 

「映司さん!お願いします!!」

 

「一夏くん、囮ありがとう!」

 

一夏の入ってきた方向の反対側から映司とアンクが入ってくる。そして映司は懐からベルトのバックルの様な何かを取り出し、それを腰に巻きつけた。

 

「映司!これで行け!!」

 

アンクが映司に何かを投げ渡す。映司はそれを掴むとそれらをベルトに装填した。

 

(映司?何が起こるというのだ?)

 

映司は右腰のスキャナーの様なものを取り出すとそれでベルトをスキャンした。

 

「変身!」

 

『タカ!トラ!チーター!』

 

映司の体に変化が起こる。上から順に赤、黄、黄の丸い紋様が現れ、一つに重なって胸に複雑な紋様を描いた。

タカを模した赤い頭部、トラのような大きな爪が両腕に格納されてる黄色い腕部、そして、チーターのような斑点が見て取れる黄色い脚部、これが束が言っていた…

 

『そう、あれがオーズ。えいくんが手に入れた大いなる力』

 

「束、いつから見ていた?」

 

管制室のモニターに束が映っていた。もう何も言うまい。

 

『えいくんが出てくる直前から!』

 

「そうか。ならあの怪物は何だ?」

 

束は少し言いよどむと質問に答えた。

 

『ちーちゃん、落ち着いて聞いてね?その怪物は、ちーちゃんの教え子のラウラって子の欲望が生み出したものだよ』

 

束が言うにはあの怪物こそが映司の敵であるヤミー、その中で最も戦いにくい寄生型と説明を受けた。

ヤミーには現状大きくわけて4種類存在するらしい。ウヴァというグリードが生み出す昆虫型、ガメルというグリードが生み出す重量級の陸上動物型、メズールというグリードが生み出す水棲生物型、そしてカザリというグリードが生み出す軽量級の陸上動物型の4種類。

その中でもカザリが生み出すヤミーは寄生型と呼ばれるらしく宿主に寄生したまま成長し、あわよくば宿主を飲み込む。映司は中学の頃からそうだった。自分が傷つくのは構わず他人が傷つくのは黙って見過ごさない、だから例えグリード化していてもその人ごとヤミーを倒すような真似はできない。

 

『だからこそ、メダルをあの組み合わせにしたんだよ。チーターのメダルの能力はその為のものだからね』

 

束がそう呟くと同時に映司の脚部が光った。そして、次の瞬間にはウサギヤミー(仮称)に肉薄し、連続蹴りをかましていた。

その動作には流石に反応できなかったのかウサギヤミーから銀色のメダルがどんどん溢れ出す。だが、

 

『貴様ぁ!私の邪魔を、するなぁ!!』

 

メダルが溢れ出ている場所からレールカノンの砲台が出てきた。気がついた時には遅かった。そして、それは映司をゼロ距離で撃ち抜いた。

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁ!?」

 

映司がアリーナの端まで吹き飛ばされる。

 

助けに行かなくては。

 

でも私に何が出来る?

 

『ちーちゃん1つ忠告しておくけど、ヤミーはそのへんの訓練機じゃ絶対に倒せないから』

 

ウサギヤミーがその脚を利用して一気に映司の元に跳躍する。そして映司をそのまま締めあげた。

 

『火野映司…。お前も邪魔をするなら殺すぞ?』

 

「ぐぁぁぁ…」

 

このままでは映司が死んでしまう。どうすれば、どうすれば!?

 

「おい!ラウラ・ボーデヴィッヒ!」

 

その最中一夏が叫んだ。左手首に白いガントレットを巻き付けて。

 

「お前の相手は俺だ!俺と勝負しろ!」

 

ウサギヤミーが映司を解放する。そして、その中から銀髪で赤と金のオッドアイの少女、ラウラが出てきた。

 

「貴様はこの手で殺してやる。貴様を殺した後、マドカという奴も殺す!」

 

ラウラがドイツの第三世代機「シュバルツェア・レーゲン」を展開した。

 

そして、それは泥のようにラウラにまとわりつき、刀を持った人型を形どった。あの姿は正しく、

 

暮桜を纏っている私自身を投影しているかのようだった。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

ラウラが黒い何かに呑まれ、千冬姉と似たような姿になった時、俺は何かが切れる音がした。束さんから聞いていたVTS、正式名称ヴァルキリートレースシステム。モンド・グロッソの優勝者の能力をコピーする今はアラスカ条約で開発を禁止されている禁忌のシステム。

 

俺を殺したらマドカを殺す?しかも千冬姉を形だけ真似したその姿で?

 

「お前ぇ…。これ以上俺の家族を侮辱するなぁ!」

 

束さん、ごめんなさい。日本に帰ったら何度でも謝ります。でも、俺は今だけでいいから力が欲しい!俺は左手首のガントレットを天に掲げた。

 

「俺の家族を守る為に力を貸せ、『ヴァイスデザイア』!」

 

俺はヴァイスデザイアを展開し、右手に雪片弐型、左手にメダジャリバーNTをコールした。

この1ヶ月、俺は千冬姉との実戦を通してメダジャリバーを片手で扱えるようになった。それに伴い、雪片との二刀流の稽古を千冬姉につけてもらっていた。

俺はメダジャリバーで牽制を仕掛け、雪片で攻撃する戦術を取ったが、ここで俺は自分の間違いに気がついた。

 

劣化してるとは言えあれは千冬姉のコピー、それも暮桜を纏っている全盛期だ。こんな直情的な攻撃難なく弾くだろう。

 

自分としたことが感情に身を任せすぎて冷静な判断を欠いた。予測通り、2振りの剣は黒い雪片によって弾かれそして、

 

返しの一撃で俺の身体が切り裂かれた。

零落白夜によるシールドエネルギー無効化攻撃、ここまで再現するとか聞いてない。

 

胸から脇腹にかけてできた赤い線から自分の血が流れ出ていくのを感じる。

あの時のマドカもこんな感じだったのだろうか。

 

『一夏!聞こえるか?聞こえているなら離脱しろ!』

 

プライベートチャネルから千冬姉の声が聞こえる。

 

またか?また逃げるのか?

 

嫌だ、逃げたくない。俺は強くなると決めた。だから、頼む。

 

「力を貸してくれ!ヴァイスデザイアァァァァ!!」

 

刹那、ヴァイスデザイアがオレンジ色の輝きを放った。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

ウサギヤミーが映司を解放した瞬間を狙い、アンクは映司に1枚のメダルを投げ渡した。

 

「映司!ラトラーターでトドメをさせ!!」

 

映司はそれを受け取ると赤いメダルを黄色いメダルに入れ替える。一瞬ベルトが黄色に光ったのを確認すると、もう一度それをスキャンした。

 

『ライオン!トラ!チーター!ラタラター、ラトラーター!!』

 

「ウオォォォォォ!!」

 

胸のオーラングルが全て黄色に染まり、頭部がライオンを模した黄色いものに変化した時、獣の咆哮の様な叫び声がアリーナに木霊した。

 

オーズの最強形態(コンボ)の1つ、猫系コンボ「ラトラーター」

 

それにウサギヤミーが気づいたが時既に遅かった様でトラクローを展開したオーズにそのまま一方的な攻撃を受け続けた。

それにより大量のセルメダルを失ったウサギヤミーはアリーナの中心で倒れ込んだ。映司はオースキャナーを取り出し、もう一度ベルトをスキャンした。

 

『スキャニングチャージ!!』

 

ウサギヤミーと映司の間に3つの黄色い円が現れ、映司はその円を潜りながらウサギヤミーに突進する。

 

「セイヤー!!」

 

円を潜る度に速度を上げていく映司に逃げられるわけもなくウサギヤミーはコンボにより超強化されたトラクローの一撃で爆発、その場には大量のセルメダルしか残っていなかった。

 

「何とか…なった…」

 

ウサギヤミーが倒れるのを確認すると自身も変身を解除する。同色のメダルで行うコンボはとにかく体力をかなり消費する。慣れたとはいえ仕事の後に戦ったのだ。流石に、映司はその場に倒れ込んでしまった。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

ヴァイスデザイアの左手首の装甲が展開する。そこに3×7のメダルの様なパネルがセットされていた。赤、緑、青、黄、灰、紫、オレンジの7種が3つ…まるで映司さんのオーズドライバーのそれみたいだ。その中でもオレンジのメダルの1列が強い光を放っている。こうしてる間にも千冬姉モドキが俺に止めを刺そうとしている。俺は迷わずそれを左から順に指でスキャンした。

 

『コブラ!カメ!ワニ!ブラカーワニ!!』

 

すると、俺の全身からISの装甲が消え去り、頭を仮面のような何かが覆っていた。

 

この瞬間、オーズに隠されていたコンボのひとつ、爬虫類系コンボ「ブラカワニ」が発現した。




自己最多4000字オーバー(;・∀・)

カザリのヤミーの仕様が変わってるのは察してください、展開的に。

一夏、初変身はまさかのブラカワニ!

次回、一夏vs.VTシステム決着!そして、ラウラの運命は!?
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