IS〈インフィニット・ストラトス〉ーOOOー   作:ネヘモス

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これまでのISオーズ!前回までの3つの出来事
1つ!一夏がオーズに変身し、VTシステムを破壊、ラウラを救い出す
2つ!一夏とラウラはISを通じてお互いの過去を知る
そして、3つ!一夏の変身を知った鴻上光生は更識家に根を回すのであった!


告白と帰国と青髪の姉妹

 

VTシステム騒動から数ヶ月が過ぎた。一夏は日常生活に支障がないまでに回復し、いつものように食堂に復帰することになった。そして、食堂にも1つ大きな変化があった。

 

「一夏、今日もいつものを頼む」

 

「了解、ラウラ」

 

ラウラが毎日来るようになったことだ。隊員曰く、今の今までレーション以外口にしたのを見たことがないと言っていたが、今はそんな面影もない。ちなみに今作ってるのはBLTサンドとコーヒーのセットだ。

 

「そうだ、今日訓練終わったらツーリング行こうぜ?」

 

「いいのか?」

 

「気にすんな、千冬姉には言っておくから。それに折角バイクの免許とライドベンダーがあるのに使わないのは勿体ないしね」

 

一夏が勝手にISを動かした日の翌日、一夏宛に大きな荷物が届いた。差出人は鴻上ファウンデーションで荷物の内容はライドベンダーとタカカン、バッタカンがそれぞれ10個入った箱だった。ついでにバイクの免許は動けるようになった後、ドイツで取れた。

 

「そうだな、楽しみにしてるぞ」

 

ラウラはそう言うとスキップしながらその場を去った。

 

「ラウラも変わったな。前まで訓練ばかりしていた狂人とは思えん変化だ」

 

「まあ、あれだけの事があったんだから変わって当然だろ。それと」

 

「分かってる、今日は特別に許してやる。明後日には帰国しないとならないからな」

 

「サンキュー、千冬姉」

 

「可愛い弟の頼みだ、断る理由も無かろう」

 

そう、俺、千冬姉、映司さん、アンクは明後日日本に帰国する。千冬姉はIS学園の教師として赴任、映司さんとアンクはいつも通りヤミーとグリードの動向探りと討伐・メダルの回収、俺は元の学校に復学することになった。復学する頃には受験シーズン真っ只中だろうということからこの1年間で千冬姉から高校1年までの勉強をみっちり教えられた。

 

「今日の夕方の訓練は無しだ。ラウラと楽しんでこい」

 

意味深な笑いを浮かべて千冬姉はその場を去った。

 

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日が沈んで辺りが真っ暗な頃、俺とラウラは夜の何も無い道でライドベンダーを走らせていた。ライダースーツ越しに感じる風がとても心地よい。

訓練所からそう離れていない草原に並んで寝転ぶ。人工的な灯りが殆ど無いこの場所からは星ぼしと月の輝きがとても鮮明に見えた。

 

「一夏とも明後日でお別れなのか…」

 

「長いようで結構短かったな」

 

最初の頃はこんな関係になるなんて思いもしなかった。すると、唐突にラウラが立ち上がった。

 

「一夏、お前に言いたい事があるんだ」

 

「どうした急に?」

 

身体を起き上がらせた時、それは起きた。

 

「私は、お前が好きだ」

 

唇に柔らかい触感が伝わる。数秒後、俺は何をされたのかやっと理解した。

 

キスをされた。しかも、ファーストキスを。

 

「ありがたく思え。私も初めてだからな」

 

「そうか、俺の初めてがラウラみたいな可愛い子って、俺って幸せ者なのかね」

 

「か、可愛いって、私が!?ほ、本気で言ってるのか?」

 

おーおー、動揺が隠せてない。メチャクチャオドオドしてらっしゃる。でも、

 

「俺もラウラの事、好きだよ。次会う時はもっと女の子らしい格好見せてくれよな」

 

「ああ約束する!大好きだぞ、一夏!」

 

星ぼしと月の輝きをバックに俺とラウラはもう一度キスを交わした。2度目のキスは少し甘い感じがした。

 

 

 

そんな彼らをバッタカン越しに見ていた2人の人物がいた。

 

「青春っていいよね。俺って高校卒業した後は放浪ばかりしてたからさ」

 

「すまないな、映司。カンドロイドもタダじゃないのに」

 

その人物とは千冬と映司だった。実は一夏が間違いを犯さないかと心配した千冬は映司に頼んでタカカンとバッタカンで2人を追跡してもらってた。

 

「でも一夏くんならキスまでで終わるんじゃない?」

 

「それで終わればいいがな…」

 

「何?ひょっとして一夏くんが羨ましい?」

 

「そ、そんな事は…!」

 

無いとは言いきれない。確かに私も20代前半までに理想の男に会えればいいとは思っているが、そんな男そう簡単に会えるはずが…、

 

「千冬ちゃんなら大丈夫、綺麗だからいい人絶対見つかるって」

 

胸の鼓動が高鳴るのを感じた。いつの間にか私は映司の顔を直視できないでいた。

 

「そんな台詞をよく言えるな…」ボソッ

 

「千冬ちゃん?」

 

「何でもない、もうカンドロイドは使わなくていいぞ」

 

真っ赤になっている顔を映司に見せないようにしながら私は自室に戻ることにした。映司、あいつも以前の一夏に負けず劣らずの朴念仁みたいだ。

 

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帰国日当日。ドイツの国際空港で俺達はシュバルツェ・ハーゼの皆と別れた。ラウラに至っては俺に抱きついてなかなか離れてくれなかった。ラウラからの選別として1本の刃抜きしたコンバットナイフを貰った。正直持ち物検査に引っかからないか不安だったが、何故かスルーされた。まあ、あれで人を切る事は出来ないからだろうけど…。

 

そして、飛行機に揺られて日本に到着。千冬姉はそのままIS学園に向かった。映司さんとアンクはヤミーとグリードを探しに行動を開始した。残された俺は空港である人の迎えを待っていた。

 

「さて、更識刀奈さんと更識簪さんはどこかなー…?」

 

「私達用事があるの。邪魔しないでくれる?」

 

ふと声がした方を見る。すると、チャラチャラした男数名に青髪の少女が2人囲まれている。

 

「イイじゃん、オレ達と遊ぼうぜ?悪いようにはしないからさ?」

 

男達の手が少女達に伸びようとした時、俺は既に行動に出ていた。

 

「俺の連れに何か用か?」

 

男達と少女達の間に割って入る。

 

「ああ?んだテメェ!?」

 

「邪魔すんな!」

 

チャラ男の拳が俺に迫るが、いっつも千冬姉(世界最強)と1年も手合わせしていたせいか、それがスローモーションに見えた。まあ、敢えて殴られてやるけど。

 

ゴツンと鈍い音が響き、唇を切ったのか僅かに口元に血が滲んでいた。だが、

 

「これで正当防衛成立だな?」

 

俺は懐からコンバットナイフを取り出し、それを逆手で構え、左半身を半歩下げる。

 

「ひっ…」

 

「お、覚えてろー!!」

 

三下臭い捨て台詞を言うと男共は蜘蛛の子を散らすかのように逃げていった。俺はナイフを回転させながら懐に納刀する。

 

「その近接格闘スタイル、もしかして貴方が織斑一夏くん?」

 

「となると、貴女方が更識刀奈さんと更識簪さんですね?」

 

何故格闘スタイルでそんな事が分かるのかは敢えて聞かないでおこう。

 

「そう。私達更識家が今後、貴方の身柄を保護するわ。ちなみに、私が刀奈、こっちが簪ちゃんよ。これからよろしくね一夏くん?」

 

「よろしくお願いします。刀奈さん、簪さん」

 

中学3年の受験シーズン、俺は身元の安全確保の為にも更識家にお世話になることになるのであった。




ここで告白させました。ラウラ、完全に堕ちましたね。
厳重な?審議の結果、一夏のメインヒロインはラウラになりました。

後1話だけ話を書いたら原作に突入します。

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