何卒ご了承ください_(..)_。
姫様奪還は、ガレット獅子団領の姫、《レオ閣下》の参戦により幕を閉じた。
ミオン砦の外、レオ閣下は役目を果たして颯爽とセルクルに跨がって去ろうとしたとき、前に一人の人物が行く手を阻んでいた。
「貴様、なんの真似じゃ? 勇者の友人」
夜天はレオ閣下の前で仁王立ちで睨む。
「いやぁ、ちょいっと気になったことがあってな。……正直に答えてくれよ? 何を隠してる?」
レオ閣下の表情が歪んだ。しかしすぐに厳しい顔に戻し、そっぽを向く。
「わしはなんも隠しておらんし、隠していても貴様には喋らない! わしは急いでおるんだ!」
そう言うとセルクルを急かすように走らせた。
「あの犬姫に何か悪いことでも起こるのか? 例えば……『死』とか?」
「口を慎まんかぁぁぁ!」
「そんな怖い顔するなよ猫。楽しいお祭りもお前のわがままで台無しになるんだぜ?」
牙を剥けるレオ閣下に夜天は真剣な顔で睨む。
「……犬姫を手伝わなくていいのか? わしに構ってる時間など……」
「向こうにはシンクがいるからな。半日といったところだが、あいつは頼れるやつでな」
「……ついてこいッ!」
セリクルを走らせるレオ閣下。夜天は先程から頬を擦ってきていたセルクルの背中に跨がりレオ閣下を追いかけた。
ふと空を見上げると、シンクがミルフィオーレ姫を背負って物凄い速さで先に進んでいる姿が見えた。
【ちょっと人助けにいくわ。あとは頼んだぞ……シンク】
ミオン砦からセルクルを飛ばして今はガレット領に足を踏み入れていた。
因みにビスコッティの姫さんのコンサートは無事勇者シンクの活躍で間に合ったようだった。
「あーあ、俺も姫さんの歌聴いてみたかったなぁ!」
「なら今から行ってくればいいでわないか」
「間に合わねえッつうの。それに行って戻ってきてもあんた俺をガレットに入れる気なんてないだろ?」
レオ閣下は、こちらをに向きもせずにズカズカと先に進んでいってしまった。夜天は、その後ろ姿を見失わないようについていくと、ある一室の部屋に入っていった。それに続いて夜天も中に入ると、その部屋は、真っ暗な部屋の中央に魔方陣らしきものが床に浮かび、その魔方陣の中央に、一つの鏡がポツンと置かれている。
「わしは少しばかり星詠みが出来てだな、それで未来を占っておたんじゃ」
「ほお、それはまた大層な便利能力だな、それで金儲けできるんじゃね?」
「そんなに大したことじゃない、わしよりももっと優れた人材だってたくさんおろう」
ふーん、と夜天が適当に返事を返す。
「それで? その、星詠みで何を見たんだ?」
レオ閣下は頑なに口を結び喋ろうとしない。
「おいおい、俺がここに来たのは真実を知るためだぞ? なぜそう隠そうとする?」
「………わしが視たのは、犬姫と勇者が……
驚愕まではいかなかったが、改めて人の口から聞かされるとかなり衝撃的なことだと感じた。
「しかしシンクがな……。ビスコッティにはエクレやダルキアン卿っていうチーキャラがいるから平気じゃないのか?」
「わしもそう思っておったのじゃがな、何度星詠みをしても…」
レオ閣下は鏡に向き手をかざしたその時だった。魔方陣が青く発光するかと思えば、光は鏡の中に吸収されていく。その鏡に写されたものを、夜天は目を見開いた。
鏡の前にたっているレオ閣下の姿は映っておらず、変わりに二人の姿が映っていた。その二人は……。勇者シンクと姫ミルフィオーレだった。そして二人はうつ伏せになり、地面には
「これが星詠み。そして同じものがこうやって映し出されるのじゃ」
「これを何度も見せられれば誰でも病むわなぁ。でも……そうだなぁ……ふむ………これだな」
一人、頭のなかで考え、そして一人で納得している夜天。
そして、フッと顔をあげるとビシッと指をレオ閣下の顔に向ける。
「その問題事、俺も手伝ってやるよ!」
「なんだと!? 貴様が手伝うと!」
「ああ、一時的なのものだが。俺がお前らのところの救世主になってやる」
レオ閣下は顎に手を当て考える。
「確かにお主が来てくれれば戦にも勝てるやもしれん」
「なら」
「じゃがお主の助けなどいらん、これはわしの問題じゃからな!」
「そうか、じゃあ仕方ない、勝手に入らしてもらうは」
「なっ!? 貴様わしの言った言葉を理解してないのか!」
ゲラゲラと夜天は笑いながら部屋を出ていく。その間も後ろでずっとキャンキャンと吠えている。
「さて、エクレに謝らねぇとな。何発殴られるかな...」
そしてビスコッティの姫のコンサートも無事に終わることができた。
しかしその数日後、直ぐにガレット領はビスコッティに宣戦。賭ける物はどうやら国にとって大切な物を両者は賭けた大戦へと発展した。