DOG DAYS ~矛盾の退魔師~   作:抹茶屋

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 情報が少ない、漫画と小説を買わねばな……

 ニワカ過ぎて困る。


5話目 勇者の返品はご利用できません

 夜天が最後に放った攻撃によって、ステージは半壊。

 

 そんな威力の中心にいた《レオン・ミシェリ閣下》は、防具全破壊だけで、獣玉まで追い込むことはできなかった。

 

 

「チビと垂れ耳相手と思うて少々侮ったか。このまま続けてやっても良いが、それではちと両国民へのサービスが過ぎてしまうのお」

 

「いや、むしろ、裸になろうとしてる奴もいるんだし、このまま続けないか?」

 

「それもありじゃが、その役目は垂れ耳に任せて大丈夫だろう」

 

「まて、どう言うことだそれは!」

 

 

 夜天とレオン閣下は、エクレールを見ながら、ニヤニヤと笑うだけで、何も喋ろうとしなかった。

 

 

「それじゃあ、レオン閣下はここで退場と言うことでよろしいのかな?」

 

「うむ、わしはここで降参じゃ」

 

 

 降参宣告を言った瞬間に、空に数発の花火が上がった。

 

 

『まさか……まさかのレオ閣下敗北! 総隊長撃破ボーナス350点が加算されます!』

 

 

 ビスコッティ側に350点が加算され、点数は、ガレットを上回った。

 

 

『今回は拠点制圧ですので、戦終了とはなりませんが、このポイント差は致命的! ガレット側の勝利はほぼないでしょう!』

 

「勇者よ。親衛隊長の助けがあったとはいえ、わしに一撃を入れたことは褒めてやろう。だが、今後も同じ活躍ができるとは思うなよ。それと勇者の友人、お主には驚かされることばかりじゃった。お主とはもう一度、今度は一対一の真剣勝負をしてみたいものだ」

 

 

 レオン閣下は、撮影班に渡されたマイクを、今度はシンクに投げ渡した。

 

 シンクは、マイクをキャッチすると、そのまま演説を始める。

 

 

「ありがとうございます。レオひ『閣下っ!』……閣下」

 

「うむ!」

 

 

 嬉しそうに頷くレオ閣下を確認したシンクは、ホッと息を吐いてから、再度感想をのべる。

 

 

「閣下との戦い、怖かったけど、とても楽しかったです」

 

 

 シンクは、短かったが、自分が伝えたかったことを言い終わると、今度は夜天にマイクを投げた。

 

 夜天は、そのマイクを片手で取ったが、何を言えばいいのかわからなかったため、取り敢えず、言いたいことだけ、言うことにした。

 

 

「あー、レオひm『閣下っ!』……ひm『閣下ッ!』……閣下とのバトル、俺的には勝ったつもりないんで、だから、その挑戦状、受けてたちます」

 

 

 モニターを見ていた人たちは、一声に声をあげた。

 

 それだけ、レオ閣下は、強く、人々から人気があることがわかる。

 

 夜天とレオ閣下は互いに頷き合い、持っていたマイクを、エクレールに向かって投げる。

 

 

「よし、緑の垂れ耳! 口でくわえて取れ!」

 

「誰がするかッ!」

 

 

 マイクは少し高めに投げたせいで、エクレールは飛んでマイクを、キャッチ。

 

「撮影班、垂れ耳によれ」

 

「今日のメインディッシュだ! 全員その目に焼き付けろ!」

 

 

 訳がわからないまま、撮影班のカメラはエクレールを映す。

 

 それは一瞬の出来事だった。

 

 エクレールが、見事空中でマイクをキャッチをし、地面に足がつこうとした瞬間だった。

 

 場が一瞬で沈黙、夜天は腹を押さえながら大爆笑。

 

 その理由は……エクレールの身に付けていた服が、地面についた瞬間に、一瞬で【破け散った】からだった。

 

 何故、服が散ったかが心当たりがないエクレールに、空中に浮いているモニターが、それを解決させてくれた。

 

 それは、レオ閣下の武器破壊をした寸前の映像が流れていた。

 

 シンクとエクレールが放った攻撃は、見事にレオ閣下の武器の芯に当てていた……が、さらにシンクの攻撃した、棒の先端が、エクレールの服を掠めていた。

 

 これが答え、言い逃れができない動かぬ証拠。

 

 

『勇者、なんと自軍騎士に誤爆!! 防具破壊を超えて、服まで破壊してしまいました!』

 

「ナイスシンク! てか、服全部が弾け飛ぶって紙かよ、笑いすぎて腹いてぇ」

 

「ふっはははは、また来るぞ! 今度はきっちり侵略してやろう!」

 

 

 レオ閣下は颯爽と去っていった。

 

 

『ここでレオ閣下、堂々とご退場。これは次の侵略戦にも期待が高まりますね!』

 

『全くです。ですが、まだこの戦も終わったわけではありません』

 

『そうですよぉ。戦場の皆さん、最後まで気を抜かず、タイムアップまで頑張ってください!』

 

 

 全兵が気合の入った声を上げて、場はさらに盛り上がる。

 

 

 裸にされたエクレールは、救護班に渡されたタオルを巻きながら、シンクを追いかけていた。

 

 

「だからごめんって! わざとじゃないって!」

 

「知るか! 1回斬られて死ねぇ!!」

 

「やだよ! 柊くん助けて!」

 

「よしきた!」

 

 

 夜天は、エクレールのそばまで走ると、体に巻いていたタオルを奪い取った。

 

 2度目のサービスシーン到来。

 

 

「//////……、この変態!」

 

「おい待て、その状態で攻撃したらいろいろと見えちゃう、てか見えてるぞ!」

 

「知るかぁ!」

 

「そこは恥ずかしがれよ! こっちが恥ずかしくなってくるわ! しかも俺はシンクに頼まれただけだ、俺は悪くない、悪いのは全てシンクだ!」

 

「えぇっ?! 柊くんそれはひどいよ!」

 

「ゆーーしゃーー!」

 

 

 標的を変更し、またエクレールとシンクの、追いかけっこが始まる。

 

 ビスコッティ城で、その中継を視ていたミルヒオーレ姫と、学院首席のリコッタの二人は苦笑いをしていた。

 

 これを引き起こした夜天もまた、大笑い。

 

 

『それにしてもこの勇者、強いし凄いが、やはりアホか?』

 

「ほっといてよ!」

 

『そして騎士エクレール、美味しい映像を2回もありがとうございました!』

 

「やかましい!!」

 

『また、颯爽と現れた勇者のご友人、この者については、もっと知りたいです』

 

「あぁ忘れるとこだった。そこで待ってろ実況者、骨の髄まで俺のことで一杯にしてやるから……」

 

『え、遠慮させていただきます』

 

「拒否権はねぇよ?」

 

 

 実況のフランボワーズの顔が蒼白。

 

 だが、実況者魂で、なんとか話を切り替えて、今後のことについて話始めた。

 

 

「さ、さて、ガレット軍が勝利していれば、この後は会場でガレットの地酒祭りが行われる予定でしたが……」

 

『このままビスコッティ軍が勝利すれば、戦勝イベントの開催は、ビスコッティ側の権利になりますね』

 

『フィリアンノ城のミルヒオーレ姫、今回のイベントはやはり』

 

 

 スクリーンに満面な笑顔で、手を降っているミルヒオーレ姫が片手にマイクをもって映し出された。

 

 

「はい。フィリアンノ音楽ホールから音楽と歌の宴をお届けします」

 

「姫様のセットリストも、バッチリあります!」

 

 リコッタが映し出され、その手には、なにやら色々かかれている紙が持たれていた。

 

 しかし、夜空とシンクはそんな紙よりも、同じ疑問を口にした。

 

 

「へー、姫様って歌とか歌うんだ?」

 

「まあ、あぁいうノホホンとしたやつに限って、歌が上手かったりするからな……にしても姫さんが歌ねぇ……」

 

 

 夜天の右腹に急の痛み、近くで、拳を作った手を見せてくるエクレールがそこにいた。

 

 

「きさま! 姫様を侮辱しているのか! 姫様は世界的な歌い手であらせられるんだぞ!」

 

「誉め言葉として……受け取ってほしかった……まさか本気で殴ってくるとは……思わなかった……ぜ……」

 

 

 右腹を押さえながら、地面に踞る夜天を、シンクは苦笑いをしながらも、モニターに映る姫様に目を向ける。

 

 

「でも世界的歌い手って、姫様凄いなー!」

 

「そうだよ。お疲れ様、勇者殿とご友人。エクレールも」

 

「兄上」

 

 

 いつの間にか、夜天達の後ろに現れた、これまた金髪の垂れ耳をした男が、無言でエクレールに替えの服を渡した。

 

 

「姫様は他国との間や交流の際、楽団を連れて世界中で歌われているんだ」

 

「あ、なるほど。だから世界的なんですか」

 

「ただ、近頃は戦続きでツアーもめっきり滞ってしまってね。我々も久しぶりに姫様の歌を聞けるぐらいなんだが」

 

「貴様達も、姫様の歌を聴けば納得するだろうよ」

 

「活躍してくれた勇者殿には特等席で聞いて頂くとしよう。もちろん勇者殿のご友人も」

 

「あー、聴きたいのは山々なんだけど、俺は一旦家に帰ってもよろし?」

 

「僕も一旦家に帰らせてもらいたいです、それか向こうに連絡をさせてもらえませんか?」

 

「「え?」」

 

 

 何だろう、この二人の反応を見ると、とてつもなく嫌な予感がする。

 

 予感が外れるように、心の中で祈りながら、その反応がなんなのかを聞く夜天。

 

 

「その、何故二人ともそんな、驚いた顔をしてるんだ? 呼び出せるんだから、帰らせることもできるんじゃ……」

 

「何を言っているんだ、お前達は?」

 

「召喚された者は、帰ることも連絡を取る事も出来ない」

 

「それが召喚のルールだ」

 

 

 予想が的中したとはいえ、面と向かって言われると、かなりダメージがくるもんだ、夜天は絶賛交信中(フリーズ)だ。

 

 代わりにシンクが、受け答えをしてくれた。

 

「アハハ、ソンナマタマタ……」

 

「いや、本当のことなんだが……」

 

 

 早い、早すぎるよ……続いてシンクがフリーズ、そのタイミングで、夜天は我に還ってきた。

 

 

「いや、ほら、もしかしたら帰る方法が、何事の諦めるなって……」

 

「なんと言われようが、帰る方法なんて無いんだ!」

 

 

 夜天とシンクはひきつった顔でお互いの顔を見合わせてから、もう一度前を向く。

 

 それでは皆さん、一緒に大声で『さん、ハイ』

 

『『嘘だぁぁぁぁぁぁ!!』』




 次回はなんと姫様が……

 次回はかなり長くなると思いますので、投稿の方が遅くなります
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