学園生活数年目。外に出てそれなりに経つのに悪魔の常識に未だに驚かされる。
ついさっき先生に朝の号令の“ついで”に教えられたのが戦争勃発。悪魔に天使に堕天使による三つ巴の大戦争。天使とか堕天使と小競合いしてたと聞いてたけど、まさか大きな戦闘に発展してるなんて
で、その大戦争を聞いた後の反応。戦地に行くのは親兄弟、悲壮な空気になるかなと思ってた自分は馬鹿だと思いますね!戦闘民族みたいな悪魔がそんな殊勝な反応するわけないんですねー。
「戦争かぁ。行ってみたいよな」
「ズルいよな大人達」
「歴史に残る大戦争に参加できるもんな」
「大戦争ならちょっと戦果稼いだだけでも歴史に名前を残す悪魔になれるな。チャンスじゃないか!」
「いや!戦争が数年続けば卒業だから俺達も戦争にいけるぞ!もしかしたら卒業前に行ける可能性もある!」
「その可能性もあるか!」
「くぅ!!想像しただけで興奮で震えがくる」
「よし!何時でも戦争に行けるように訓練しようぜ!!」
クラスメイト(戦闘民族)の反応はこんなもんですよペッ。
「こらこら出番なんて先ずないからね。あ、
当然だけど勝手に戦争に行って大人に迷惑を掛けちゃいけないわよ」
先生何をそんな当たり前な事をと…………あちらこちらからから舌打ちが響くクラスなり。
「本当に行っちゃダメよ?」
先生、何で此方を見てるのかな?
休憩時間。学園で出来た友人のセラフォルーちゃんに不本意な視線を向けられた不満を話した。
「アハハハ、アリスちゃんだけじゃなくてサーゼクスちゃんも見られてたよ」
「………」
アレと同じ部類に思われた??
「そ!そんなショックな顔をしたアリスちゃん初めて見たよ!?」
「だってアレと同じ扱いだよ?」
「さ、サーゼクスちゃんのことだよね?…えっとアリスちゃんのサーゼクスちゃんの認識ってどんな感じ?」
「認識……ドMの変態、黒い虫より少しマシぐらい?」
「アリスちゃん本人に聞こえてるみたいだから。サメザメと泣いてるから」
「え?」
本当だ。物陰にいた。
「うわ気持ち悪い。女の子の会話を盗み聞きするなんて」
「…相変わらずサーゼクスちゃんには特別厳しいね。他なら…んーサーゼクスちゃんと比較したら優しいのに」
厳しい?
「そう言われてもセラフォルーちゃん、変態に優しくするのは…」
「変態に優しくするのは無理なの?だったら」
周りを見た。
「く!アリスちゃんに気持ち悪がられるなんて羨ましい」
「なんで何時もサーゼクスだけ!」
「そうだ!何時までもサーゼクスにアリスちゃん様の罵倒を独占させるな!」
幻聴が聞こえる(白目)
「…結構な割合で優しく出来なくなるね」
そんな哀れんだ視線はやめて欲しい…。何で何年しても身長が伸びないのかなぁ。ロリコンに好かれてしまって困った事に…。
なんだかんだ戦争勃発から数年。
戦争は未だに続行中。
終わるどころか白熱してる。家の親も戦地で頑張ってる。しかしクラスメイトの親や兄弟には戦死者が出てる。なのに空気が悪くない。
「お前の兄貴大活躍したらしいな」
「そうだ。俺の兄貴多数の道連れを連れて見事に玉砕し魔王さまにお褒めの言葉を貰ったそうだ。羨ましい。戦争に参加してぇよ」
「あと少しで俺たちも戦争に参加できるんだし我慢しようぜ」
「そうだな……我慢して戦争に参加して兄貴以上の活躍してやるぞ!」
戦争に行きたいって悪魔の感性ってやっぱり理解できない。
戦争勃、開催から学校では戦争の話題ばかり、死亡した話とかも結構ある。まぁ深刻に重たい空気にならないのは有りがたいんですけどね。やっぱりもう少しは重くも良いような?
「俺の母上がもう上級天使を三人殺ったそうだ」
「ふん、俺の父上は中級だけだが堕天使10人は殺ったぞ!」
ここ数年の普通の会話がこんなもんですよ。ほんと悲壮さがねぇぇ。
親とか戦争行って帰ってきたら子供に報告しるんですか。…何処の親も同じですねーー。家の親は話を信じたら三桁越えて四桁。本当なら英雄みたいな事に成りそう。家の両親て子供の赤毛以下の強さですし二桁ぐらい大袈裟に言ってそう。
其れにしても戦争が終わる気配がない。何処が勝ちでも良いからいい加減に終わらないかな。そろそろ卒業ですし。戦争に参加とかしたくないですし。それはともかく、学校の成績上位者に御褒美があるとか言ってましたけど何ですかね。
「みなさん居ますね!団体行動から外れないようにしてくださいねー」
「…………oh」
学校行事、成績優秀者へのご褒美の特別課外授業。…戦争の実直体験、此所から今も戦闘してる戦場まで数キロも離れてないそうですよ奥さん。空気に慣れろ的な感じで実際には戦ったりはない?
「では!大人の皆さんに混じって悪魔の敵を倒しちゃいましょう。弱い敵しか居ない所に行きますから成績優秀な皆さんの目標は雑兵の首30!できたら敵将の首を記念に持って帰ってクラスメイトに自慢しちゃいましょう!」
「僕達に手柄をくれるなんて余裕なんですね」
「ありがたくて涙が出てくる」
「僕達が活躍して優勢に戦ってきた大人たちに嫉妬されるかも知れませんね」
文句はあってもヤル気の空気。逃走の協力は無理そうってなんでやねん。成績優秀者組、赤髪の少年やらその友人、セラフォルーちゃんも…やっぱり悪魔はバトルモンガーかぁ。
天使とか堕天使を初めて見れるんだろなぁ
戦場でなければなぁ。天使の羽とか触らせて貰いたかった。他の悪魔が天使や堕天使に敵意満々だから無理かぁ。
ガチで殺しあいの戦場。
帰りたい。
ポンポン痛い。
うーん食料目的で結構生き物を殺した経験はイヤなほど積んでますけどね。流石に人型の生き物を殺すとかやだ。もうこうなったら適当に逃げ回ろうかな。と言いたいけど、そんな事したら強制的に逃げる余裕もない激戦区に行かされそう。此処で真っ当に参戦するのが一番安全そうと思うのが救いがねぇ。
戦場が近いわぁ。
死体がない代わりに羽が舞ってる。天使やら堕天使を倒すと羽るみたいです。ヒラヒラとなんか優美。あの羽とか羽毛枕や布団にできる?呟いたらドン引きされた。ドン引きさせられる奴等にドン引きされるって腹立つ。
下手に死んでないと血とか身体が欠損してるのが見えるんで、即殺した方が心理的に良さそう。やっぱり人の形をしてる相手のスプラッターってダメ。精神を気遣わないとヤバイ。死体に成ってない状態で呻きながら落ちてる天使や悪魔達は沢山、沢山。負けたらこの中に加わると思うと………まぁ、死にたくはないけど、二度目だし最悪諦めても良いかな。
あーけど、セラフォルーちゃん居る…あとまぁ他のクラスメイトにもほんの少し愛着は有るなぁ。皆で帰りたくはあるかな。
とは言え他のクラスメイトもとなると、手柄を立てないと帰れない。他もなるべく安全に手柄を立てる手段………敵を混乱させるとか?
混乱と言えば……あれだと、いけるかな?
あまり使いたくなかった攻撃ならいけかなぁ。
先生に頼んで開幕の攻撃をさせて貰うようにお願いして許可貰えた。一撃後に皆が参加、セラフォルーちゃんとか味方を万が一にも巻き込まない様に離れる。
さて…効果がなかったら恥ずかしい。
竜を狩る時に一回しか使ったことのない即死系の攻撃。竜の時は一匹だったけど複数に対して効果ありの即死技、のはず。ドラク◯のザラキみたいな感じのはず。竜にも効いたんで天使にも効くはず、複数って何処までだろう?10とかぐらい効果範囲になれば即死して多少は混乱してくれる筈。まぁ効果が無くても陽動ぐらいには成ってくれるはず。ダメなら別の攻撃をしよう。少しは被害を与えてくれる事を願って…
「死んじゃえ」
呪文が自分の中の力を外に出す。唱えたと同時に今まで感じた事が無かった結構な損失感。お、おふ予想以上にキツい。
けど、発動は上手くいった。
初めて使った時みたいに黒い霧みたいな何かが前方に拡がってく、黒い霧はウネウネとドンドン範囲を広げて拡がってく。範囲はもう端から端で敵の全体に掛かるぐらい。黒いのを見て天使達や堕天使が警戒してるのが見える。防御体勢に入ってる。そのまま天使や堕天使が黒い範囲に入った。
効果は少しぐらいは……
『!!!??』
『ーーーー!!?』
天使も堕天使が消えてく。おお…え?…え??範囲に入ったら生き残りみえないんですけどーー。100%消滅してないかなぁ?
羽も残ってない?なんかヤバ…あと効果範囲がもうノルマなんてとっくに越えて……数が何百とか千に届いて、途中から明らかに黒いのが増えて……その…そのまま……四桁は居た相手が全部呑み込まれた。
戦場で無音って怖いわぁ(震え声)
背後からの味方の反応も怖い。
あとやらかした黒いのが消えてないのも怖い。いつ消えるのあれ?
動いてない?
一つに固まってく。
ヤバそう。
え、黒いの戻って、え、何でもどってくんの!?
ズズズズ
逃げる間もなく黒いのが身体の中に入ってきた。なんか満腹感が…なにか栄養がタップリの食材を食べたような感覚が……あ、そう言えば初めて竜に使ったときもこんな感じになって…絶対ヤバいって思って使わないように思ってたの忘れてた。なんで忘れてた。
これなに?
なんかゲームのあれと違う。
もしかして思い込んでただけで違う?
あと混乱させるって言って全滅させちゃったぁ。どうしよ。絶対に不味いわぁ。
恐る恐る振り向いたらセラフォールちゃんに退かれた…いや、うん…当然だけどぉぉ。